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2009年11月28日 (土)

ペンギンカフェオーケストラを久々に聴きました

さて、ここ数週間公私ともにいろいろありましてかなりへこんでいましたので気分転換に昔のお気に入りのアルバムを久しぶりに聴きました。私の青春のアルバムです。(^^)

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ミュージックフロムペンギンカフェ(EEGCD27) 1976年

何となく聴きたくなってしまいました。今は亡きサイモン・ジェフェスが率いるペンギンカフェオーケストラの最初のアルバムですが、この曲は自分の人生の中で何回も聴いていて一曲一曲思い出がある曲です。

1976年に作られたアルバムですが今聴いても全く古い感じがしません。それどころか寧ろ新鮮な感じがします。ブライアンイーノのオブスキュア・レーベルより出たものでこの曲の雰囲気が何ともいえず好きですね。久しぶりに聴き入ってしまいました。

クラシックからポップな要素とミニマル、現代音楽とあらゆる音楽のコラージュでできていますが、それらが全く違和感なく共存しているのがいいです。やはり自分の音楽の原点はここにあるのかな?

サイモン・ジェフェスは1997年に脳腫瘍のために亡くなりました。本当に惜しいミュージシャンでした。

久々に聴いて何かエネルギーを与えてくれました。ありがとうペンギンカフェオーケストラ!!

さて、エネルギーをもらったので今年も残り実質的に一ヶ月ありません。業務の状況から基本戦略をかなり根本的に見直さざるを得ない状況になりました。精神的ダメージはまだ残っていますが、まあ0からやりなおすつもりで残り一ヶ月、せめて最後はいいイメージで2009年を終えたいと思っております。 

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2009年11月20日 (金)

映画「俺たちの世界」公開にあたって

さて、しつこいようですが明日から渋谷ユーロスペースにて私が音楽を担当した映画「俺たちの世界」が公開されます。一日一回のみのロードショーですが国内外で受賞し数多くの映画祭で高い評価を得た作品。是非皆さんに見ていただきたくお願い申し上げます。

日時:11月21日より 16:30ー18:20 回、一日一回上映です。(終了日未定)
前売りチケット¥1300 当日..1800
渋谷ユーロスペース「俺たちの世界」ページ http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=239
Euro_map
尚、映画のワンシーンのサウンドトラックや音楽による「俺たちの世界公開記念ー再び勝手にサントラ2」が聴けます。映画のトレーラー(予告編)とはまた違った感じイメージが伝わると思います。

soundtrack_oretachi2.mp3をダウンロード

この映画音楽の作業を行なったのは今から3年前ですが、一度固まったものを何回も手直しして現在の形になりました。実際には今映画で使われている場所の倍以上のシーンで使われていたんですが、結局監督の判断で今のような使われ方に落ち着きました。

まあたいてい映画音楽や劇伴、アニメその他の音楽を書くと実際使われている音楽の倍以上の数の曲を作ります。場合によっては「このシーンでは使わないだろう」と思われる場所でも音楽を用意します。なぜならいつどこで「ここに音楽が欲しい」といわれるかわからない場合があるからです。実際私はMAスタジオである映画監督が急にこのシーンに音楽が欲しいと言い出して大慌ててシンセを弾いて対応した、なんていう苦い経験もあります。(笑) だから音楽は多めに用意する必要があるんですね。

さて、「俺たちの世界」中島良監督にこの映画のワンシーンを初めて見せてもらった時に思わず映像に釘付けになったのを覚えています。作品を見ているうちにこの映画は病んでいる現代を鋭くえぐった作品であることがわかり、たちまちこの映画の音楽を創りたいという衝動にかられたのを覚えています。映画自体は明らかにキューブリックの「時計仕掛けのオレンジ」の影響を強く受けているのがわかったので、キューブリック映画も何回も見て自分で映画音楽に対する考えをまとめました。

勿論その時点で受賞作品になるとは思ってもいませんでしたが、この映画に関った時から必ず注目される作品になる、という確信がありました。その確信は間違っていなかったと思います。

中島良監督は商業映画の世界に入りかなり試練があったようですが、彼ならいつか乗り越えるだろうと思い心配していませんでした。それはプロとして仕事する以上、誰もが一度は通る道ですから..

とにかく今回の公開でできるだけ多くの方に見ていただき、監督の次のステップにつながってくれればいいと思います。そしてできるだけ早い時期にまたいっしょに仕事をしたいと思っています。

関西での上映情報は下のとおり 大阪は11月28日から、京都は12月12日からです。

・大阪第七芸術劇場
こちらはレイトショー公開です。

公開日時:11月28日 (土)~12月4日 21:00ー
会場地図
Oosaka_map
さらに12月12日より京都シネマにてロードショー決定!!
上映時間未定、詳しくは劇場にお問い合わせ下さい。

住所:京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地 COCON烏丸3F
電話番号:075-353-4723
HP: http://www.kyotocinema.jp/index2.html

Kyoto_map

またチケットは劇場窓口。その他「ファミリーマート」「サークルKサンクス」でオンラインチケットを購入することができます。

前売り券はこちらからもお申し込みできます
「俺たちの世界」公式サイト   http://peijafilm.com/

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2009年11月19日 (木)

2012年とそのブームを利用しようとする「トンデモ系」について

さて皆さんご存じの通り11月21日にローランドエメリッヒ監督の2012年が公開されます。まあローランドエメリッヒ監督はスケールの大きな映画を製作することで有名な監督さんなのでこういう映画はお手の物でしょう。特にデイズアスターものはこの監督の得意分野なので...

しかしそうはいってもこの「マヤ暦」に基づく2012年世界滅亡説、私のもう1つのブログでもかきましたがなぜ人はなぜこんなにも「世界滅亡説」に惹かれるのでしょうね?そのことについて興味ある方は以下の記事をお読み下さい。

今度は2012年、 人はなぜ「世界滅亡説」に惹かれるのか?
http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20091118

この記事にも書かれていますが実は私はサブリミナル、催眠といった類のものに関っただけにどうしても「トンデモ系」の類の人間と勘違いされるケースが多いのですが、私は精神世界系、「トンデモ系」の人たちには極めて批判的な見解を持っています。

ヒーリング音楽なるものに関ったためどうしてもその手の人たちとの接点が出てしまい、結果的に仕事をしてしまった例がいくつかあるのですが、その結果私自身は「トンデモ系」の人たちにひどい目にあった(理解不能な理由でドタキャン食らった)ことがあります。また結果的に「納品」にこぎつけたものがあっても1例としてスムーズに問題なしに進んだことがありません。そういうこともあり今は精神世界系、スピリチュアル系、その他私が「トンデモ系」と感じた人たちとのお仕事はお断りしています。

以前にも書きましたがこういう人たちを見ると共通点があります。勿論、全ての人がそうだとはいえないかもしれませんが、私が今まであってきた人は見事なまでにあてはまります。

1.第一点は極めて思い込みが激しい人たちであること。 
 そのためこちらの説明や言い分を受け付けないということがよくありますね。こういう人は必ずどこかでトラブルを起します。特にスピリチュアル系や宗教系の人は殆ど危険なレベルまで思い込みが激しいです。「聴いた覚えがない情報」を「以前言った」と強硬に主張したり(当然いった言わないという不毛な話になります。)しかも始末に悪いのは自分が絶対正しいと思い込んでいるために話し合いにすらならない場合が多いです。

2、二点目は社会常識に欠けている人が多い
 結局上記の部分常識的なビジネスの論理が簡単にひっくりかえることがよくあります。また話が知らない間に180度変わる、なんてことも珍しくありません。はっきりいってこういう人たちとは恐くて仕事ができません。

非常に強く感じたのはこういう「トンデモ系」の人たちの前提として周囲に思考停止を要求する、という点です。自分のいうことに一切の疑問をはさむな、自分が正しくて他人は全て間違っている。 その大前提にたっていますから当然まともな話などになるはずがありません。

その大前提に基づき「マヤ暦の2012年ブーム」「商売の好機」というがごとく、終末論と社会不安を精一杯煽り暴利をむさぼる、そういう構図でしょうね。

まあヨハネの黙示録でもファティマ第3の予言でも死海文書でも何でもいいですが、要はそれらが書かれた歴史的背景や状況、考古学的考察、研究を行なわずいたずらに終末論と結びつけて曲解するケースが後を絶たないのが問題だと思いますね。今回の2012年も全く同じ。「トンデモ系」の人たちはその説に有無をいわさず従わせ、「信者」に思考停止させカルト宗教の信者のような人間が大量発生させています。

まあ別に金儲けしちゃ悪いとはいわないけど、やりかたがあざとすぎますよね。まああまりけなすとカルト系の連中がテロを起しかねないんでやめときます。(笑)

確かに心霊現象にしてもUFOにしても何にしてもまだ、いまだに謎は多いですがやはりきちんとした科学的アプローチをしなくてはいけません。サブリミナルにしてもようやく「真面目な科学的な」分析研究が行なわれ始めています。それは。「トンデモ系」のような思い込みとは一線を画しています。ですからこういう類の現象に関っている=「トンデモ系」のような短絡的な先入観は廃していただくように御願いします。

まあわかりやすくいえば昔テレビでよくやっていたUFO論争大槻教授とたま出版の韮澤氏でいえば、強いて言えば大槻教授の方に近いのかな? ただし大槻教授は時々いい加減なことをいうこともあるし、やや極端な面もあるので、別に大槻教授を私は支持しているわけではありません。

エメリッヒ監督の「2012年」は純粋にエンタテインメントとして楽しみたいと思います。

また以前もお知らせしましたが「2012年」ほどメジャーではないですが同じ日に私が関係した映画が公開されます。

■映画「俺たちの世界」 公開!!

第二十九回ぴあフィルムフェステイバル審査員特別賞 他2賞受賞作品
第七回ニューヨークアジア映画フェステイバル最優秀新人賞受!!!

・渋谷ユーロスペース公開時間決定!!

日時:11月21日より 16:30ー18:20 回、一日一回上映です。(終了日未定)

前売りチケット¥1300 当日..1800

またチケットは劇場窓口。その他「ファミリーマート」「サークルKサンクス」でオンラインチケットを購入することができます。

詳しくは11月7日発売のチケットぴあを参照してください。 こちらからもお申し込みできます


http://peijafilm.com/ticket

「俺たちの世界」公式サイト   http://peijafilm.com/

渋谷ユーロスペース「俺たちの世界」ページ http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=239

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2009年11月16日 (月)

被害を受けている音楽の権利者がなぜ非難されなければならないのか?

さて、私の以前の記事

1. 違法コピーが音楽業界衰退の原因ではないと誰がいったのか?
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2009/10/post-4c4f.html

あるいは

2. あえて改めて世の中の人に問いたい!!  音楽は世の中にとってもはや不要なものなのだろうか?! 
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2009/10/post-29ca.html

これに関して上記1.の記事で一般消費者と称する人たちから次のような反応が帰ってきたことに触れました、

一般消費者と称するSさん

「権利や知財についても一消費者でしかないので詳しくはわかっていませんが、既にP2P共有ソフトなどが蔓延している今現在でも、売れるものはしっかり売れていますよね。

ある程度制作側の権利を蔑ろにする要因の一つなのかもしれませんが、今現在を見ていると(違法コピー)それが致命的なものだとは考えられないんです。」

一般消費者 Hさん

「音楽業界は衰退の責任をネットばかりに押し付けていて不愉快だ。違法コピーはあるにせよ、それが業界衰退や崩壊につながっているとは到底思えない」

実はこのようなケースはこれだけでなく、以前私が別のSNSの掲示板に同じような内容のコメントを書きましたが、結果は袋たたきでした。要は「被害者意識を丸出しにするな!」とか「ネットのせいにするな!!」といった内容の反応ですが、なぜ実際に被害をこれほどまでに受けている我々がこんなにも非難されなければならないのか、正直納得がいきませんでした。そしてこのようなケースは私だけではありません。

そしてよく考えてみるとこの構図、どこかで見たことがあるな、と思いました。そうです、昨年の「自己責任論」に基づく派遣村バッシングのあの構図と同じだと思いました。行政もストップする年末年始の寒空のなか、仕事も住む所も失った派遣村の労働者というもっとも弱い立場の人たちに「自己責任論」をふりかざして攻撃する、あの構図です。要は「被害を受けるのも自己責任じゃないか」という発想が根底にあるような気がします。

私は別のブログ「自己責任論」があまりにも安易に使われすぎているということを以前述べましたが、その安易に使われている「自己責任論」で社会より自分に怒りが向くように政府、財界そしてマスメデイア(あえて名指しさせてもらうが、みのもんたのようなタレントを始めとする)より刷り込まれてしまっているといえます。「社会のせいにするのは弱い人だ」とか、「問題をすりかえる人だ」というような言説があたかも正論であるかのようにまかり通ってしまったという実態です。

そして、どんなに理不尽な要求であっても、企業が要求してくることを、とにかくこなしていかないとという強迫観念が植え付けられ法的レベルで労働者の権利や雇用する側の義務が定められていたはずの雇用が、事実上、奴隷的な労働にさえ至っているケースも少なくありませんでした。そういう社会への異議申し立てを妨げてきたのが「自己責任論」です。

この「自己責任論」は何かの行動をとった場合、さまざまな原因と責任がもたらしたものを、結果をもたらしたすべての原因に対して本人が責任を負うべきだという話にすりかえてしまっており、これはいかなる結果や社会の問題にしても「自己責任論」を持ち出すことで、自分は「許されている」、自分には責任はない、免責されているという面があるように思います。当事者の自己責任になるわけですから、自分は何もする必要がない、心を痛める必要もない。そうやって自分は何もしないことが正当化されるわけです。実は、そういう問題に自分が関与している、場合によっては貧しい人を追い込んでいるかもしれないのですが、その「自己責任論」によって自分は免責されているような感じになってしまう。音楽の不法コピーを始め、派遣村にいかざるを得ない人たち、社会的に弱い立場に立たされた人たちに対し、何もしない。関心を抱かない。そして何より心が脅かされないことを自己正当化したのです。

だからこそ被害の実態を知らせる内容の記事やコメントに対しては過剰なまでに反応してしまう、なぜならそうしたコメントは罪悪感を思い起こさせるためだからでしょう。社会的に弱い立場を追い込む側が、自分の罪障感を感じないようにするためにしがみつく「自己責任論」と表裏一体で対応しています。つまり、自分たちが歩んできたし、それに乗ってきた競争的な社会構造が、若者に生きづらさをもたらしていることをどこかで自覚しているのだけれど、そこを直視してしまうと、自分たち自身のそれまでの人生や生き方をも否定してしまうことになるから、それはできない。その結果、「若者」や「フリーター」を始め社会的に弱い立場の人たち、新たなシステムによって「被害を受けた人たち」を過剰なまでに攻撃し、本人の責任という形で責めつづけるわけです。

上記の一般消費者のHさんは私が携帯の不法コピーの実態のデータを示したら、「そんなの嘘に決まっている」という理由でそのデータを見ようとすらしませんでした。態度としては感心しませんが、要は「本当の現実」を直視することに耐えられなかったんじゃないでしょうか?(Hさん、反論があるのならどうぞ!1)

このメカニズムを鋭く分析した本がありますので紹介しましょう。

                湯浅誠著『反貧困~「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書)

昨年の「派遣村」の件も含む、ワーキングプアその他の状況を的確に分析した本です。読んで損はない本です。

勿論上記のような行動を取る人たちは必ずしも社会の多数派ではありません。例えばインターネットの論調を見ると日本の右傾化が凄まじいかのように錯覚してしまいますが。大阪大学大学院人間科学研究科准教授の辻大介さんの最近の研究ですとネットの特性とは関係なく、ごくごく少数の人間がネット上で突出して暴れているだけだということを実証しています。
http://d-tsuji.com/paper/r04/index.htm (ページに報告書のPDFファイルがダウンロードできるようになっています)

したがってこのような安易な「自己責任論」を持ち出し、社会的弱者や新システムによって被害を受ける人たちへバッシングする人たちーいってみればB層の生き残り、といういいかたもできるわけですがーも社会的には多数派ではないと思います。実際小泉ー竹中の新自由主義路線を支持する人間が本当に社会の多数派であれば前回の選挙で民主党があれほど大勝しなかったでしょう。

問題は「ネット右翼」やこうした「B層の生き残り」、が暴論をばらまき、社会的な多数派ではないにもかかわらず、あえていわせてもらいますが身分不相応の発言力と影響力をもってしまった点が問題といえると思いますこういう人たちはネットの情報の質を著しく落としているのは確かなので、彼らの発言力は削ぐことは考えた方がいいかもしれません。(具体的な方法としてはスルーする、つまり無視することです) 

とにかく被害を受けている人間が不当に非難される、こんな不条理なことがあってよいはずがありませんから...

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音楽業界衰退の原因考察

このブログは一応プロで仕事をしている人間の音楽関係の記事だけでなく、業界で仕事をしていながら音楽業界の今日の衰退まさかこの時点で繁栄と呼ぶ人はいないでしょう)の状況について述べてきました。本当はもっとプラス志向のことを書きたいのですが残念ながら今の音楽業界の現状を見ると本当に悲観的な内容しかありませんので、どうしてもそういう書き方になってしまいます。

とはいえ、この状況を分析すればするほどこの原因は単に「違法ダウンロードやコピーがあるからこうなった」とかあるいは「音楽業界が古い体質だから」という単純な原因でこうなったとは考えられません。結論からいってどちらも大きな原因ではありますが、現場にいて状況について分析すればするほど多くの複合的な原因が重なって今日の状況を作っていると思います。

したがってどちらかの観点のみで今日の音楽業界の状況を論じたら必ず短絡的な議論になってしまいます。つまり問題が多すぎてどれから手をつけたらよいのかわからないくらい事態は複雑でしかも深刻です。

あと音楽業界はコンテンツビジネスであり、いってみればソフトの権利ビジネスであります。そうであるがゆえの特殊な事情もあるのですが、総務省や経産省などでもよく出ているように「他の産業の形態がこうだから、音楽業界もこうあるべきだ」的な議論がこのコミュでも時々出てきます。そういう議論で進めるとまた話がおかしな方向に行きますが、残念ながら音楽を始めとするコンテンツ関係と他の業種との話合いの場はほぼ例外なくこういった類の話になってしまいます。 例の録音補償金の問題がいい例ですが、どうもソフトのようなコンテンツもハードと同じように「一度購入したら煮て食おうが焼いて食おうが消費者の勝手だろう」という考えでこの問題を論じています。しかしその考えで権利ビジネスを考えたら必ずおかしな方向に話が行きます。

例えばいくら購入したからといっても自分の持っているCDのコピーを自分が使って楽しむ場合は違法ではありません。しかしながらそのコピーを無償で友達にあげる、これは実は違法な行為です。まずこの点を理解していない人がおそらく世の中の多数派ではないでしょうか? しかしそれはそういった「権利のありかた」に関する啓蒙を怠ってきたコンテンツビジネス側にも勿論責任があります。今はデジタル技術でコピーが簡単にできてしまうだけにそういった啓蒙が以前より重要になっているのは確かです。

また先日の記事にも書きましたが、違法コピーの現状は想像以上のひどいことがデータによって証明されました。ですから違法コピーは音楽業界衰退の原因ではない、というのは神話に過ぎないといっていいと思います。

違法コピーが音楽業界衰退の原因ではないと誰がいったのか?
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2009/10/post-4c4f.html

これは例えていえばお店の商品の半分以上が万引きか窃盗にあっているのと同じ状況です。来年施行予定の法律には罰則がありませんから殆ど効果は期待できません。これに関してはゆゆしき事態で早急に対策の必要があると考えます。さらなる対策の強化が望まれると思います。

一方ではいつまでも過去のビジネスモデルにこだわっている音楽業界、芸能界にも今日の状況の原因があるのも事実です。業界関係者の方にも意識改革が必要なのですが残念ながらこれが全く遅遅として進んでいません。

はっきりいえることは今までの業界のやりかたとは根本的に違う発想が必要です。しかしそういった試行錯誤をしている業界関係者は残念ながらまだ今の時点でも少数派です。

しかしまた一方では「音楽業界がパッケージビジネスに固執するから衰退しているんだ」という議論があります。確かに数字上はそのように見えますし、業界の中で「CDのようなパッケージを売る」ビジネスのみが音楽ビジネスの本来のありかたであるかのような議論がいまだに出ているのも事実です。

しかし「配信ビジネス」さえあればそれ以外は無用の長物である、というのはエンタテインメントビジネスを表面的にしか見ていない議論といわざるを得ません。確かに音楽配信はこれからのビジネスであることに異論はありませんが、エンタテインメントビジネスは「配信があればパッケージはいらない」と断じるほど単純なものではありません。

結論からいって私は個人的には「パッケージ」は音楽配信がどんなに普及しようがなくならないと思っています。なぜなら「コンテンツビジネス」や「エンタテインメント」はファンあってのビジネスであり、ファンは「単なるファイルデータ」である配信だけでなく、やはり「モノ」も欲しがるものだからです。「配信以外を語るのは時代遅れである」と論じる人の観点にはこの部分の視点が欠けています。「配信が出てきたからあとはいらない」と主張する人は一度アーチストのファンクラブの集いとか、インストアライブの現場とかご覧になることをお勧めします。これを見ると「配信はあるからパッケージなどは無用の長物である」、と論じることがいかに短絡的な議論であることがわかります。

以上の点を見てもいかに音楽業界の問題が非常に複雑で一筋縄のいかない部分があるかというのがおわかりだと思います。1つの観点から業界の問題を論じても問題の本質は見えてきません。

まあ世の中には何でも白か黒、1か0の単純な図式で語らないと理解できない人もいるのでそういう人たちのためにわかりやすくいいますと、今の音楽業界がこうなったのははっきりいえば「みんなが悪い」といってもいいと思います。

ただ、1つ気になるのは先ほどの違法コピーの実態とかを書きますと、必ず同情されるどころか非難されてしまう場合が非常に多いです。これは正直いって私たちとしては納得がいかないのですが、これについては次の記事で書きます。

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2009年11月11日 (水)

修正マスタリング

本日一昨日行なわれたマスタリングの修正を行ないました。

実はうちの会社では「おまかせマスタリング」 (固定料金)というシステムがあり、いわゆるコストダウン対策の1つなのですが、勿論細かいことをこだわるのなら「立会い」がいいに決まっているんですけどね。しかしコストの関係で殆どの人が「おまかせマスタリング」を選びます。

弊社のマスタリングのシステムに興味ある方はこちら

http://homepage1.nifty.com/hyb-music/mastering.htm 

まあ事務所のスタッフなんかは最初我々のやったマスタリングで「別に問題ないのではないか」という声があったんですが、アーチスト側からいろいろいってきたので結局修正ということになりました。

普通、我々がマスタリングする時に最初に考えることは「音の抜け」をよくすることを最優先に考えます。それによって音をよりクリアにし、音楽を引き立てるための作業を行ないます。特に音楽配信が普及しだしてから携帯やパソコンで音楽を聴く機会が増えてきているためにとくに「音の抜け」を重要視するんですね。そのためコンプレッサーやEQなどを通してより音を広げてクリアにする作業を行ないます。

ところが今回のケースはミックスの段階でアーチスト側がもうイメージを固めてしまい、しかも今回が弦楽器奏者ということもあるのでしょうが、コンプレッサーの音に相当違和感を感じてしまったようです。

弦というのはご存じの通り高調波成分があり、時々その成分に過剰なまでに敏感な人がいるようです。今回のケースはまさにそれでどう聞いても歪んでいない音をアーチストは「歪んでいる」と主張していました。

一方で弓が弦をならす時に当然「弓」ノイズが発生しますが、「それが気になる」とも云ってきているのですが、私自身はそれほど気になるほどのレベルとは思えず、まあ生の弦楽器ならこのくらいの弓の音が出るのは普通だと思うのですが、こういうクラシック系の人でもそういう「自然なノイズ」を忌み嫌う人が出てきたんでしょうか?

よくギターのフレットを指が鳴らす音ピアノのダンパーペダルの音「ノイズ」といって騒ぐ人がいますが、シロウトやエレクトリックな楽器しかやらない人ならともかく生の楽器の演奏者までそういうことを言い出すというのはちょっと私には驚きでしたね。以前も書きましたが私はこういうのをジャンクフード文化症候群と読んでいます。詳しくは

■生とリアルの価値が理解できない病気=ジャンクフード文化症候群
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2009/02/post-cad5.html

を読んでください。

結局アーチストの希望を優先しようとするためにコンプレッサーやEQを一切通さずに、レベルだけ底上げして揃える、という作業のみにしました。音の抜けを作らずmixiの音をそのままに出したほうが無難だという判断からです。

でも「普通の感覚」だと一昨日やったマスタリングの音の方が広がりがあり気持ちよく聞こえるはず、ですがね。まあ世の中にはいろんな感覚の人がいるもんです。

弊社ハイブリッドミュージックのマスタリング

http://homepage1.nifty.com/hyb-music/mastering.htm 

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電通、博報堂 業績不振

■電通と博報堂の苦戦続く、回復は来年後半以降を想定
 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-12389220091110

元々不況になると広告代理店というのはモロに影響を受けるのだが、仮に景気が来年後半(これ自体も別の保証があるわけではないが) になったとしてもかつてのような状況に戻るかは疑問である。

私は両方の代理店と仕事をしたことがあるが、当時は花形職業だった電博(我々は電通と博報堂をまとめてこういう言い方をします)も今は見る影もない。

最大の問題は電博ともに同じメデイアでも「地上波のテレビ」の営業窓口が何だかんだいっても中心になりすぎていた点、しかし地上波のテレビはその社内体制も含め、よほど大きな改革をしない限り現在の視聴率の右肩下がりの傾向は止まらないだろう。今地上波中心に情報を得る人たちはお年寄り、子供、そして失礼ながらあまり頭のよくない人たちしかいないだろう。

2011年のアナログ放送終了の時に「ばら色」に戻ると考えているとしたら甘い。

とはいっても正直うちの会社の業績にも無関係ではないので、早く電博に発想と企業努力で業績回復をして、新たな仕事を創出して欲しいものだ。小さな制作会社はどんどん仕事がなくなっているのだから...

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2009年11月10日 (火)

同じ職種でも全然違う世界がある

さて、昨日の記事のCD製作で、私の会社はマスタリングだけでなくジャケットデザイン、も含むCD製作の事業を行なっています。

CDもアーチストのアルバムもあれば販促品用のCD、いわゆるCD-ROM (実行ファイル付のものも含む)までやっています。同じCDでもプラットホームが違ったり、全く違う用途に使ったり等非常に幅広いです。当然ながら音楽関係者以外の業者とのつきあいも出てきます。音楽事務所以外には広告代理店だったり、IT関係企業だったり、勿論個人の場合もあります。(どちらかというと「個人」の方が多いかもしれません)

しかし正直今まで「デザイン関係」の仕事の進め方は基本的には同じという認識でおりました。しかし同じ「デザイン」でも全く違う仕事の進め方があるということがわかりました。

現在の仕事はとある音楽事務所からの発注ですが、実はジャケットデザインをやっている方は普段はファッション雑誌関係の仕事をしていらっしゃる方で、その進め方が私たちCD屋が普段取り組んでいるやり方と全く違う、はっきりいって180度違うことがわかりました。詳しいことは専門的な話になるので割愛しますが、要は雑誌関係はデザイナーの手間を最小限にとどめる仕事の進め方をします。そのためAdobeのイラストレーターのバージョンは任意、トンボの塗り足しなし、画像が埋め込みといった仕事のやりかたをします。おそらく印刷屋の方があとはそのデザイナーの仕事をバックアップする体制を整えているようです。

一方我々は印刷屋の手間を最小限にするために、デザイナーに入稿データに関してはかなり厳しいルールを守ってもらっています。つまりAdobeのイラストレーターのバージョンも範囲が指定され、トンボ塗り足しは必須、画像は埋め込みではなくリンクにする、というルールがあります。そしてそのルール、規格に合わないものは印刷屋から突っ返されます。

これは我々の仕事の場合「単発」fが多いためにコストを削減するためにも印刷屋の手間を最小限にする必要があるためですが、雑誌の場合は定期刊行物なので印刷屋としてもバックアップ体制を組みやすく、逆にデザイナーの手間を最小限にしてデザイナーのコストを下げることが重要視されます。したがって同じデザインでもこの両者は全くベクトルとしては180度逆の方向性で仕事を進めます。

だからいろんな面で感覚が違います。私たちは「データのチェック」とはいっても印刷屋に提出する妥当な形式がどうかをチェックするので、内容そのものについて、そしてデータそのものは一切タッチしません。だから簡単な修正でもクライアントから依頼されない限り一切いじらないのですが、雑誌関係の仕事をしているのは「データのチェック」というと我々が自由に修正をしてくれるものだ、と思ってしまう傾向があります

そういえば広告代理店と仕事をしている時には、広告代理店側の方から「そのくらいお前のところでやってくれないのか」ということをいわれたりもしたことを思い出しましたが、それは普段雑誌関係の仕事をしていてそういう感覚になるんでしょうね。

いろいろとクライアント側のデザイナーと話をしているうちにそれが見えてきたんですが、なるほど同じデザイナーでも仕事の分野が違うと全然住んでいる世界が違うんだなあ、ということを改めて認識しました。

でもよく考えれば音楽にも同様のことがあります。例えばクラシックの人たちとポップスの人たちでは同じ音楽用語でも全然違います。音(ノート)の読み方もポップス、ポピュラー側は英語読みのドの音をC(シー) ソの音をG(ジー)と読みますがクラシックはドイツ語読みでC(ツエー),G(ゲー)と読みます。 小節の途中から演奏を始めることを弱起(じゃっき)といいますが、クラシックの人はアウフタクト(auf takt)といいます。その他にポップス系はコード譜をつけるのが当たり前ですが、クラシック系の人は殆どコード譜を使いません。(コード譜を読めない人も多いです)

同じ職種だからといってみんな同じ仕事の進め方とは限らない、ということですね。どの職種にもそういうことはあるのかもしれません。

いろんな仕事をしているといろいろ勉強になることがあります。

ちなみに昨日のマスタリング、クライアントの要望でまた修正することになりました。詳細は明日また書きます。

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2009年11月 9日 (月)

チェロのアルバムのマスタリング

本日だいぶ前からつきあいのある事務所のアーチストのアルバムのマスタリング作業、女性チェリストのアルバムなんですが、この作業に意外にてこずりました。

編成はチェロにバイオリン、ピアノ、キーボード類にオケーショナルにパーカッションが入るというもの、

ご存じのとおりチェロやバイオリンのような弦楽器が高調波成分が多いためイコライジングやリミッター等の扱いには気をつけなければなりません。またレベルの底上げの際は特に注意が必要で気をつけないと音が歪んでしまいます。

実は曲のイメージによってリミッターをかけた方がいい場合とかけない方がいい場合があり、その設定にかなり手間取りました。イメージとおりに音創りができたとおもったら歪みそうだったり、(実際何箇所がそれが出てしまいました)かなり苦労しました。特にチェロ、バイオリンとエレピ(音からしてRhodesではない、たぶんYamahaのエレピ)が入っていた曲はかなり苦労しましたね。エレピもモジュレーションがかかっていたので余計やっかいでした。

実は今回のレコーデイング、かなり楽器に対してマイクをオンにしていたようで、余計に高調波がたくさん入っていた、というのも苦労した原因です。

まあチェロというのは低音から中高音まで非常に表現力のある楽器なので、私はとても好きなんですがそれだけにちょっと音のこだわりも出てしまいました。ちなみに私は時々弦のアレンジをしますが、チェロの中高音部は編曲でかなり多用する方だと思います。

そんなわけで40分弱のアルバムですがマスタリングにほぼ半日かかってしまいました。ちょっとグロッキー coldsweats02

まあマスタリングスタジオが築地だったので帰りに外市場だったですが閉店間際で残ったお刺身一柵ゲット(^^)

今、家で一杯やりながらこれ書いています。good

他にまだいろいろあるけどちょっと疲れたので明日にします。

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2009年11月 6日 (金)

映画「俺たちの世界」が11月21日から渋谷ユーロスペース他にて公開!!

久々にこの話題です。

大野が音楽を担当し、国内外で多くの賞を受賞し数多くの国際映画祭で公開された映画「俺たちの世界」(中島良監督)が11月21日渋谷ユーロスペースにてロードショー決定!!
忘れている方のために「俺たちの世界」はこんな映画です。

第二十九回ぴあフィルムフェステイバル審査員特別賞 他2賞受賞作品

第七回ニューヨークアジア映画フェステイバル最優秀新人賞受!!!

作品は世界の映画祭で高い評価を受けました

第26回バンクーバー国際映画祭 ドラゴン&タイガー・アワード (カナダ)
第37回ロッテルダム国際映画祭(オランダ)
第7回ニューヨーク・アジア映画 フェスティバル 最優秀新人作品賞 (アメリカ)
第10回サンフランシスコ・インディペンデント映画祭 (アメリカ)
第5回メキシコ市国際近代映画祭 (メキシコ)
第14回ブラッドフォード国際映画祭 (イギリス)
ニッポンコネクション 日本映画祭 (ドイツ)
日本映画祭LA (アメリカ)
第10回バルセロナ・アジア映画祭 (スペイン)
第16回レインダンス映画祭 (イギリス)
マサチューセッツ工科大学 上映会 (アメリカ)
第10回ノルチェピング国際映画祭 (スウェーデン)

「俺たちの世界」

出演:谷口吉彦,秦ありさ,奥津サトシ,村上連,赤穂真文,夏柊ナツ/ギー藤田 他

監督・脚本・撮影・編集:中島良
音楽:大野恭史 録音:宮田睦子 メイク:加藤貴世、知野香那子 

プロデュース:尾道幸治 助監督:松下洋平 美術:宮古優美子、佐久間球壱 制作:長瀬拓 バイオリン:斎木なつめ ピアノ:早川真美子 

CG :加藤恒重、粟路理栄 

スタント:柏木カズアキ 宣伝美術:市川愛奈 照明:大島孝雄

・渋谷ユーロスペース公開時間決定!!

11月21日より16:30- 18:20 の回、一日一回上映です。(終了日未定)

またチケットは劇場窓口。その他「ファミリーマート」「サークルKサンクス」でオンラインチケットを購入することができます。
詳しくは11月7日発売のチケットぴあを参照してください。

前売りチケット¥1300 当日\1800 こちらからもお申し込みできます

http://peijafilm.com/ticket

「俺たちの世界」公式サイト   http://peijafilm.com/

渋谷ユーロスペース「俺たちの世界」ページ http://www.eurospace.co.jp/detail.html?no=239

<関西上映予定> 

・大阪第七芸術劇場

こちらはレイトショー公開です。

公開日時:11月28日 (土)~12月4日 21:00ー22:25

http://www.nanagei.com/movie/data/370.html

会場地図

http://www.nanagei.com/access/access.html

というわけで是非皆さん。ご覧下さい。

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2009年11月 5日 (木)

昨日のビクターエンタテインメント売却騒動ー業界再編の前奏曲

さて、昨日のビクターエンタテインメントのコナミへの売却騒動の記事、やはり業界では大ニュースでこのブログのアクセスも増えました。結果的には「誤報」ということになっていますが、記事を平気ででっちあげる三流ゴシップ誌ならともかく、いくら報道の信頼性が落ちているとはいえ、読売新聞という大新聞の記事ですから、全く根も葉もない話ではないと思います。おそらく80%以上の確率で水面下ではそういう動きがあったのでしょう。

実はJVC(日本ビクター)がケンウッドに買収されるときも同じようなことがありました。昨日の記事で「誤報(とりあえず)」と書いたのはそういう意味で、差し当たり昨日は「誤報」だったけれどそう遠くないうちに本当に売却される可能性が高いのではないか、と考えます。

日本ビクターは蓄音機を売っていた時代からソフトとハード両方を売る会社としてもう80年以上の歴史があります。特に音楽の方はコロンビアと並ぶ戦前からの老舗であり、その意味では日本ビクターのソフト部門は、単なる会社の一事業部としてだけでなくある意味では日本ビクターのアイデンテイテイそのものだったといえましょう。それを売却する、というのは昔からのビクターを知っている会社からすれば殆ど会社そのものをなくしてしまう、くらいの気持ちになると思います。

かくいう私にとってビクターエンタテインメントはメジャーレコードでもっとも多く仕事をした会社です。一時は実質的に専属に近い状態で仕事をしていた時代がありました。それだけに他のメジャーメーカーよりは思い入れがあるのは事実です。何よりも私の作品、原盤がかなりあの会社にある。中にはまだ再利用できるものもあると思っています。その原盤、作品をどうするかについて私自身も何らかの決断をしなくてはならなくなります。

また、近い筋からの情報ですと日本ビクターーJVCケンウッドホールデイングスになってからケンウッドの関係者が社内で実権を握っているため、旧日本ビクターの人間は殆ど発言力がないようです。そういう状態ですからそう遠くないうちに売却されるのはほぼ確実と考えていいでしょう。特にビクターエンタテインメントはSMAPやサザン(解散したので桑田さんのプロジェクト、ということになるでしょうが)の部門とアニメ部門の2部門のみが利益を出している状態だし、コナミにとってはビクターのアニメ部門は欲しい部門ではあるでしょう。仮にすぐに売却されなくともこの2部門以外はいずれもう削られる運命にあります。

メジャーレコードの大半はかつては家電メーカーの一部門でした。コロンビアはかつては日立、テイチクはかつては松下 EMIからは東芝が撤退とネットの時代では家電メーカーがソフト部門を持つというのはもはやそれほどメリットがないのかもしれません。もしビクターエンタテインメントが売却されたら、家電メーカー系のメジャーレコードはソニーのみとなってしまいます。そしてそのソニーとて安泰ではありません。

1ついえるのはもはやメジャーレコードの時代ではなくなっている、ということでしょう。メジャーは有名アーチストのいわば代理店的な機能と一般のデイストリビューター機能のみで細々とやっていくしかないでしょう。こういう時代だともはや「インデイーズ」という概念すらもはや意味のないものになっています。実際今新人アーチストは余程大きな事務所でない限り「メジャーデビュー」など無理だし、それもほぼ例外なくワンショット契約になります。そして売れなければその場でサヨナラされてポイッ、それが現実です。

私が奥津恵をメジャーにあえてしない理由はそこにあります。

さて、いずれにせよ昨日は音楽業界再編の動きの前奏曲、といえるでしょう。これから本格的にいろんな動きが出るものと思われます。

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2009年11月 4日 (水)

クロード・レヴィ=ストロース氏 死去

偉大な社会人類学者クロード・レヴィ=ストロース氏が死去されました。100歳、今月の28日で101歳になるところでした。

■仏人類学者のC・レビストロース氏死去、100歳http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-12274520091104

いわゆる従来の近代化=西洋化、という価値観を否定し「構造主義(本人はこの言葉はあまり気に入らなかったようです)」を打ち出し現代の思想にも大きな影響を与えました。サルトルとの論争はあまりにも有名です。

また構造言語学、音韻論は現代のメデイア論にも大きな影響を与えました。

メデイア、情報について常日頃考えている私としては大変興味深くその分析法について勉強させていただきました。

尚、出典不明の情報ですがレビストロース(Lévi-Strauss) はジーンズのリーヴァイ・ストラウスLevi Strauss)と実際に遠縁の親戚に当たるとの情報があります。(レビストロースはフランス語読み、リーヴァイ・ストラウスは英語読みです)本当かどうかはわかりません。

心よりご冥福をお祈り申しあげます。


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2009年11月 3日 (火)

アナログ盤を楽しむ

さて、9月ー10月は業務状況が思わしくなく身体的、肉体的にもかなり疲れていたので日曜日から本日まで実質休養をしています。もう若くないな、と思うのはやはり疲労がなかなか取れないことですね。若い頃はちょっと休めばよかったんですが最近は1-2日では疲れが取れません。困ったもんです。

さて、そういう時は映画やDVDを見たり、音楽を聴いたりするんですが映画は特に頭を使わないで済む映画を見たりします。(アクションものとか、コメデイものとかー最近日本ものですがシテイボーイズにはまってますwww)

しかしやはり最大のやすらぎは好きな音楽をいい音で聴くということでアナログ盤で以下の音楽を聴きました。やはりアナログ盤はいいですね。音のダイナミックレンジも広がりもCDとは比べ物にならない。久々に聞いてそう思いました。確かにCDに慣れているからアナログ針のノイズも耳につくけど音楽の音質はそれを補ってあまりあります。スピーカーはTannoyのDCシリーズです。

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ピンクフロイドおせっかい

私の音楽家としての原点のアルバムです。不滅の名盤といわれる「狂気」よりこちらの方が最初でした。初めて聞いたのは中学生の頃だったかな? はまりましたね。

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Schubert: Unfinished Symphony; Beethoven: Symphony No. 5

こちらはクラシックです。たまに休日にクラシック聴くのもいいもんですね。歴史的な名指揮者ブルーノワルターの名盤と呼ばれているものです。画像を捜すのに苦労しましたが現在はSACDとして発売されています。半世紀前の録音ですが今の下手なクラシックのCDより演奏が生きた表現になっていますね。

デジタルは20KHZで周波数を切っていますが、前にどこかの記事で書いたよう人間の耳の周波数は20Hz-20KHZといわれていますが、実際には人間はこれより遥かに広い周波数の帯域の情報を得ているといわれています。つまり人間の「音の知覚」は必ずしも耳だけではないようなんですね。それが骨なのか、皮膚なのかわかりませんが、野生動物、象などは足の裏から遠くの群れの情報を得ているということがわかっています。

CDが出現して25年余、それでもクラブミュージックシーンではまだアナログ盤が売られていますし、ヒップホップの強烈なビートはCDだけではじゅうぶんに出ないことを多くのDJは知っています。これは決して一握りの人間の思い込みではありません。もし本当に人間が20Hz-20KHZしか認識できず、そうした広い範囲の音成分まで知覚できないのであったらアナログ盤などとっくに消滅しているはずです。そして果たせるかな、今オーデイオの世界でもアナログサウンドは見直されています。

久々にアナログ盤の音を聞いてその思いを新たにしました。(ちなみに上記のワルターのアルバムのSACD盤はどういう音が聴いて見たいですけどね)

CDの16bit 44.1KHZという仕様、デジタル草創期にできた仕様で現代のデジタル技術ではもはや時代遅れなのは明らかです。やはり何らかの形で超高音質なサウンドを消費者に提供する仕様が必要です。くどいようですがmp3の音質は現行のCDより遥かに劣る音質ですので、

すばらしい音の再生環境を家庭内でもう一度作る風潮が復活することを祈ります。今日の私が休日に過ごしたように

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