Kyoji "metanature"
i-tunesでも好評配信中!!
i-tuneページを表示するにはお客様のPCにi-tunesとquicktimeがインストールされている必要があります。 i-tunes及びquicktimeのダウンロードはこちら





« ライブ無事終了ーご来場ありがとうございました | トップページ | いい音楽を聴くと幸せな気になりませんか? »

2009年4月 7日 (火)

大不況とアメリカのIT企業のコンテンツ制作の取り組みの実態

さて、ここ一ヶ月半くらい先日のコンサートやうちの会社の奥津恵のミニアルバム制作といろいろ多忙でしたが、経済の状況は相変わらずきついですね。先日金融サミットの発表で株価と円安になりましたが、それは一時的な現象、基本的な問題は何も解決されていませんから状況の好転は当分見込めないでしょう。

昨日私のもう1つのブログでもネットのトラフィック自体がかなり減っているということを書きました。そのため新規の受注案件の大幅減は避けられない状況です。ゴールデンウイークまで三週間、どこまで持ち直せるでしょうか?

そしてうちの会社の通常の業務である音楽だけでなく音声のコンテンツ制作では、見積額の削減に関する圧力が凄まじいものになっています。うちが取引があるのはe-learningボイスオーバーコンテンツの制作を請け負っている会社で末端のクライアントは主にアメリカのIT系企業です。今回の金融不安の影響をモロに受けている会社といっていいでしょう。うちもかなりコストパフォーマンスを目いっぱいやって対応していますが、実はこれらの会社との問題はそれだけではありません。

実は時々彼らのコストダウン要求があまりに我々の感覚では常軌を逸したものである場合があります。時々我々をプロではなくその辺のアルバイトか何かと勘違いしているのでは、あるいは業者を人間として思っていないんじゃないか、そう思いたくなることがあります。そのあたりにIT系企業のコンテンツというものに対する本音が見え隠れしているような気がして仕方ありません。

彼らを見ているとコンテンツ制作が「簡単にすぐにパッとできる」と考えているとしか思えないところがあります。原稿とかを予定通り送ってこないくせに、「はい、明日納品して」とか、金曜の深夜近くに連絡が来て、「月曜の朝一に納品して」って自分は休んで俺たちは週末仕事しろっということだろ? 

送ってくる原稿も正直かなりひどいですね。ナレーターも読み辛そうです。中には明らかに日本語としておかしな表現があって、そこを変えたら「何で勝手に変える?」と来る。 じゃあ、あんたそんなことをいうなら立ち会って、というと「外国にいるからいけないじゃあ、どうすりゃいいんだよ!?

普通この手の仕事は末端のクライアントが必ず立会いのもとで行なわれるのが普通なんですが。この会社だけはそれがない。じゃあコンテンツの中身。原稿の内容に一体誰が責任を持つのか、非常に曖昧のまま進んでいます。うちの発注元には再三再四、誰か末端のクライアントの担当者に立ち合いを求めていますが「そんな担当者はいない」の一点ばり、ちなみにいずれもちゃんと日本の法人がれっきとして存在する誰もが知っているアメリカのIT系企業であります。その辺の失礼ながら訳のわからないITベンチャー企業ではありません。世界的な企業ですらこのていたらくですから、他は押して知るべきです残念ながらこれがIT企業のコンテンツ制作の実態であります

しかし、中にはそうでない例も先日ありました。ただしその会社は外資ではありましたが、世界の学会誌を扱う世界的な出版社系の会社で、やはり出版社としてのプライドもあってか立会いを要求、現場の我々としては喜んで引き受けました。いつももらう原稿のレベルの低さに逆に我々はその担当者に同情されてしまいました。やはりちゃんとした会社はきちんと事情を理解してくれます。

残念ながらこれを見るとアメリカのiT系企業のコンテンツ制作に対するいい加減な態度、コンテンツの価値に対する無理解、コンテンツ制作会社をどこか見下している態度がありありと受け取れるといわざるを得ません。どうやらこうした態度が世界中に波及し、それが最近のネット世界に充満するクリエーター軽視、権利に対する意識のなさ、何よりも「音楽も音声もコンテンツもーあんなの簡単にできるよ」といった安易な考えをネットに定着させてしまったということができます

どうも一部のIT系企業は「アマチュア」と「プロ」を混同するーひとい場合はなぜプロをなぜ特別扱いする、などという本末転倒な考え方をする人間が少なくないように思います。何よりも「次の工程に人間がいる」ということを忘れているとしか思えない人間が多いような気がします。

私どもは制作のプロとして仕事をしますが、こうした状況に対してできることはプロのプライドとしてやるが、できないことははっきりできない、といっております。やはりプロとしての最低限度のレベルを保つ仕事を行なうのはその最低限のコストというのがどうしてもかかります。そこを理解できない人間があまりに多すぎるような気がします

ネット社会が発展するには「良質なコンテンツ」が普及するのが必要です。しかしその「良質なコンテンツ」は

1.簡単にはできないこと
2.タダではできないこと
3.クリエータという人間が存在すること

この点をもう少し理解してもらえる人がこの業界に増えてくれることを期待します。

|

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。