現在以前お話した万引きを防止する防犯BGM機器についてのテスト設置等発売の追い込み作業をしていますが、これがサブリミナルの原理を利用したものであるため、どうもこの分野に手を染めるとどうしても誤解する人や偏見で話を聞く人が出てきてしまいます。そのため今回から何回かに分けてこの防犯BGMについての理論的な解説を行って行きたいと考えています。
まず最初に人間の耳ー聞くということに関してのお話をします。残念ながらこれから先に申し上げることは必ずしも全ての科学者からの同意を得られないとは思いますが、全く根拠のない理論に基づいているわけではありません。しかし私はサブリミナル現象というのは立派な心理学や精神物理学の現象であるという考え方を持っています。科学者の人の中には特に心理学を科学と認めない人がいますが、科学というのはいつも単純明快な答えを出してくれるわけではありません。どうも最近世間の人にそういう先入観を持っている人が多いのは困ったものですが、本当に科学的な分析をしようとしている人はそう簡単に単純明快な答えは出してくれないものです。ちなみに既に多くの人が引用しましたがNHKの視点・論点の先生は実に明快に「科学的」というものを解説しています
・まん延するニセ科学
http://www.youtube.com/watch?v=sCKPIzb3ajA
まあこんなことをいうと私が取り組んでいるサブリミナルこそニセ科学じゃないか、なんていう反論が出てきそうですが、その前にこれから申し上げるお話を聞いていただければ幸いです。
まず皆さんは周波数特性という言葉をご存じでしょうか?電気工学や音響工学等を勉強した人なら必ずこの測定をやらされますが実は音も光も波^つまり波動現象であります。両者の違いはその周波数であり、音は一般に20-20KHZの帯域、光ー人間が見える範囲を可視光線といいますがーは一般に385THZ(テラヘルツといいます)ー3PHZ(ペタヘルツといいます)の範囲といわれます。(但し音は縦波、光は横波ですが) つまり波というのは固有の周波数を持っており、その周波数によってさまざまな特徴を示すわけです。
さて、ここでは便宜上「音」についてのお話になりますが、先に申し上げたように人間の可聴範囲は一般に20-20KHZといわれています。それは耳の周波数特性からそういわれているわけですが、実は私たち音楽制作や録音の仕事をしている者にとっては「周波数特性は同じなのに実際に聴くと音が違う」というのはよく経験することなのです。例えば20KHZまで再生できるスピーカーと30KHZまで再生できるスピーカーを人に聞き比べてもらいますとほぼ全ての人が30KHZまで再生できるスピーカーの方が音が良いと答えると思います。これは今までの業務の経験からわかることですが、人間が本当にその周波数特性通りに20KHZまで聞こえないのであれば両者の違いは感じないはずなのです。
一般に今皆さんが聴いているCDは44.1KHZのサンプリング周波数でノイズをカットするために22KHZ以上の音はデジタルフィルターでカットされています。スペクトラムアナライザーでCDの再生音を見ますと20KHZでスパッと落ちているのがわかります。しかしそのためにもし昔のアナログ盤のマスターをCD化しますと20HZ以下、そして22KHZ 以降の周波数成分は永遠に失われることになります。私はアナログの音を聴いてきた世代の人間だからやはりCDの音には何か物足りなさというかいまひとつ心地よく音楽を聴けないというのが正直なところです。
確かにSN比(信号に対するノイズの比率)だけ取ればデジタルサウンドの方がいいですが「良い音」というのは単なるSN比だけでは語れない部分があります。例えばクラブミュージックではいまだにCDの前に存在していたアナログレコード盤が健在ですが、これはやはりCDではアナログレコードのようなビート感、特にドラムの強烈なサウンドが出ないからでこの点はどのクラブDJもほぼ一致した見解を持っています。これは音の世界で飯を食っている私も全く同意見で、ヒップホップのあの協力なビートはCDではなくアナログレコードだからこそ出るものです。これが一人や二人の一部の人間の単なる思い込みの現象だったらアナログレコードはとっくに絶滅しているでしょう。
これらは人間が本当に20-20KHZの範囲でしか聞こえない、認識していないという考えでは説明できない現象です。この周波数特性の数字は人間の耳の器官だけを取った数字なのでもし人間が20KHZ以降の周波数の情報を聴取、認識しているとすれば、それは聴覚以外の何らかの別の方法で情報を得ているという仮説も成り立ちます。勿論、これはまだ実証されているわけではありませんが、動物では象が足から地面を通して遠くの音の情報を得ていることがわかっており、人間も例えば皮膚等の何らかの場所を通してそうした情報を得ているということがあっても不思議ではありません。少なくともその可能性は否定できません。ちなみに私はホール録音の仕事を何度もしたことがありますが、人が誰もいないホールと人が満杯な時のホールでは明らかに音が違うことは一度でもホール録音を経験した人間ならわかると思います。具体的にいえば人が多いと音を吸うんですね。つまり人間はある意味吸音材なんです。これは音に関する情報を人間が耳以外にも吸収していることを示しています。
実は最近父親が持っていたアナログレコードを家でよく聴いているのですが本当に聴いていて気持ちがいいんですね。反対にCDだと何か薄っぺらなつまらない音に聞こえてしまう。
しかしここで耳の周波数特性だけを考えますと、確かに30KHZの信号だけを発信させてもその信号自体を認識できる人は殆どいないでしょう。コウモリの超音波や犬笛も同様です。しかし先ほどの話のようにCDよりはアナログレコードの音の方が気持ちよく聞こえる。私自身は論文を確認していないが、一部の研究で20-50KHZのに存在する音の情報は、人間に安心感をあたえるという研究もあるようです。つまりここでいえるのは私たちが直接耳で聴取している「音」の情報(通常の20-20KHZ)とそれ以外の周波数帯域の音の情報は聴取している器官も違い、脳への認識の過程(経路)が違うと考えないとこの現象は説明できないと思うのです。 私たちが耳を通して聴取した音の情報は直接脳の方に情報が行きます。しかしそれ以外の音の情報はもしかしたら違うかもしれません。その経路として考えられるのが潜在意識です。
潜在意識というものを発見したのはオーストリアの心理学者フロイド(Sigmund Freud1865-1939)で、潜在意識とは簡単にいえば私たちが持っている無意識や本能的な部分であります。実は日常生活で私たちは無意識に多くの情報を取り入れていることがわかっております。これらの情報はいわゆる私たちの五感からさまざまな種類の情報が入っております。顕在意識(私たちの通常の意識)と潜在意識の力関係は、良く左図のように氷山を例えに出して説明されます。海に浮かぶ氷山は、水面に出ているのはほんの一部分に過ぎず、大部分は水面下に存在しています。私達の意識も同じように表に現れない潜在意識の部分が大部分を占めているのです。そういった点からこれはあくまで仮説ですが、音に関しての20-20KHZの帯域以外の情報はこの潜在意識を通して認識されている可能性が高いと考えます。
ちなみに潜在意識などというものが本当にあるのか?とおっしゃる方が日本には少なくないのでもし潜在意識というものがなかったらあなたはどうなるか簡単に述べましょう。潜在意識とないということは顕在意識と潜在意識の差がないわけですから、
1.まず「理性」というものがない猛獣同然の人格になるでしょう。本能のまま生きる、そう知的動物だからこそ潜在意識というものがあるのです
2、就寝時に夢を見るということがないでしょう。
3.「何かを思い出す」などということがないでしょう。それどころか昔経験した「思い出」というもの自体があなたの意識から消えていきます。
4.「無意識」がなくなるわけですから「癖」とかがなくなります。
いかがですか?私は潜在意識というものがあってよかったと思いますが皆さんはどうでしょう?
しかし、これらを分析したにしても定性分析はあっても定量分析にはなりません。先ほども行ったように日本では特に「定量分析できなければ科学ではない」と考える人たちが非常に多いために何とか万民が納得できる理論体系が構築できればとも考えております。そのため現在この現象を精神物理学、と心理学両方から分析できないかと考えております。精神物理学、という学問の名前はあまりなじみがないかもしれませんが、これは外的な刺激と内的な感覚の対応関係を測定し、また定量的な計測をしようとする学問で、ドイツの物理学者であり哲学者のグスタフ・フェヒナーが創始した学問です。従来の考え方では定量化が不可能とされていた感覚の数値化を行った人で心理量Rというものを定義しフェヒナーの法則(あるいはヴェーバーフェヒナーの法則)というものを発見しました。
これは気づくことができる最小の刺激差は基準となる基礎刺激の強度に比例するというもので少々難しいですが基本的な刺激と感覚の関係は、心理的な感覚量(心理量:R)は、物理的な刺激の量(物理量:S)の対数に比例するというものです。
R(心理量)=k・logS (常用対数、kは感覚定数*) という式で定義されます
*感覚の種類によって違います
最近になってステイーブンスという人が新しい測定法で
n
R=kS
の式で表現される「スティーヴンスのべき法則」を導きました。痛みなど危機的な刺激はn>1であり、逆にその他の感覚等はn<1をとるとしました。つまり対数則ではなく指数則だとしたんですね。
しかしここで大きな問題はいずれも顕在意識を対象とした計算であるということです。ステイーブンスの式を潜在意識にあてはめると刺激量Sは通常の刺激より小さくなり、心理量Rは非常に小さい値になってしまいます。個人的にはフェヒナーの対数則の方が潜在意識に対しては有効な気がしていますがそれはまた改めて研究していきたいと思います。
以上長々と書きましたが要は私たちの耳、そしておそらく目(視覚)や鼻(嗅覚)も今わかっている特性以上の情報を私たちは取り入れていて、そしてその大部分は潜在意識に行っているという仮説で考えれば実は多くの現象が説明できると考えています。
どうも潜在意識とかサブリミナルという言葉の響きだけでアヤシイ、とかスピリチュアル系、トンデモ系という風に日本では決め付けられる傾向がありますが、以前のブログでも記したように私自身はそういう類の人たちより多大な迷惑を蒙っており、明確にそういった人たちとは決別しております。あくまでサブリミナルという現象を科学的に分析しそれを人類のためにサブリミナル工学として役立てようというのが私自身のスタンスですのでその辺りは是非ともご理解いただければ幸いです
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