Kyoji "metanature"
i-tunesでも好評配信中!!
i-tuneページを表示するにはお客様のPCにi-tunesとquicktimeがインストールされている必要があります。 i-tunes及びquicktimeのダウンロードはこちら





« 今日は何の日?-ジョージガーシュウィン没後70回目の命日 | トップページ | 満員御礼!! 俺たちの世界ー舞台挨拶 »

2007年7月13日 (金)

若者の夢を奪ったのは誰かー映画「俺たちの世界」公開に当たって

さて、すでに何回もご案内させていただいた映画「俺たちの世界」、いよいよ公開間近である。
この映画は最近の若者の心の闇、夢も希望も持てないでもがく若者の姿を描いている。しかしこの若者の行動、姿を理解できない大人も少なくないであろう。

最近の引きこもり、ニート、フリーター、それだけでなく猟奇的な殺人や暴力に走る若者、また自殺サイトでの若者の集団自殺、リストカットをする若者、そうした若者たちを「特殊な人たち」と考えてしまう向きがまだ多いように思う。しかしおそらくこの映画の主人公の同世代の若者がこの映画を見たら、「もしかしたら自分も同じ行動に走ったかもしれない」と考える若者が多いのではないだろうか。実は今の若者の状況は世間の大人たちが考える以上に深刻で、このまま放置すればこの日本という国の将来を根本から危うくする可能性を持っている。しかしながら「今そこにある危機」、「今そこにある問題」を正面に向かって取り組もうという動きは残念ながら殆どないといわざるを得ない。何よりも現代社会、大人たちーはいまだもって「今そこにある危機」、「今そこにある問題」の存在自体を認めようとしていないからである。

例えばもう12年前に起きたあの忌まわしいオウム真理教事件を思い出してみよう。オウム真理教自体は悪業の限りを尽くした非道なカルト宗教であることは確かだが、私が問題にしたいのはその事件に対する世間の反応である。このオウム事件に対し日本社会全体は露骨な拒絶反応を示し、なぜ若者がそういった行動に走るのか、そこにどういう社会背景があるのかについてきちんと検証しようとはしなかった。只々目を背け「臭いものにフタをする」という行動を取ったというのが実態であろう。

マスコミの反応もロコツだった。例によって「悪者探し」に躍起になりあげくの果てに無実のKさんを犯人であるかのように報道した「世紀の誤報」もやってのけた。オウムが犯人とわかるとその社会背景の検証ではなく今度は別の「悪者」探しをし、結局オウム事件の場合、オタク文化、ゲーム、そして精神世界、スピリチュアル文化などが「悪者」にされた。私のヒーリング音楽を始めヨガ等の精神文化は「オウムと同類」もしくは「似たようなもの」であるかのような報道をされた。そして「悪者」を設定したあとは徹底的なバッシング、マスコミのいつものやりくちで、そういうやりかたをすれば雑誌やテレビが売れるからだが、そこにはセンセーショナリズムのみがあり真の意味のジャーナリズムはない。

オウム事件以降も数え切れないくらい若者の暴力、いじめ、猟奇的な殺人が起きたが世間の反応、マスコミの反応はいつも同じだった。世間は拒絶反応してから「臭いものにフタ」 マスコミは「悪者探し」のセンセーショナリズムに走るのみで、問題の本質には全く踏み込もうとしない。この繰り返しだ。だから事態はますます深刻になっていく。

「臭いもの」にフタをすれば匂いは消えるかもしれない。しかしフタの中の「臭いもの」はより腐敗が進み毒性もおびていく。このまま放置すれば今まで以上の若者をめぐる深刻な事件が起きるであろう。ネタばれになるので詳しくはいわないが、この映画のクライマックスで実はある「事件」が最後に起きる。実際本当に起きたら大変な事件になるのだがこれを単に「映画の中のできごと」で片付けてはいけない。このまま問題を放置し何の対策を講じなければ、この「事件」は単なる「映画の中のできごと」ではなく現実になる可能性さえあるのだ。この映画はいわば「臭いものにフタ」をし続ける世間、社会に対する警告と受け取ることもできるかもしれない。

「今そこにある危機」、「今そこにある問題」とは何なのか、どういう原因でそれが起きているのかー具体的にいえば今若者たちの夢をいったい誰が奪っているのか。そして解決策はあるのか、それをこの映画を見て考えるきっかけになってくれればよいと私は思っているし、おそらくそれが中島監督の主旨であろうと私は理解している。

この映画は決していわゆる「売れセン」のエンタテインメントではないかもしれない。しかし社会の病巣や闇を鋭くえぐった芸術作品であり、そうした部分をえぐるのも文化の一つのありかたであり使命であると私は考える。「俺たちの世界」はそんな映画です。だから皆さん、ぜひこの映画をみて下さい。

最後にこの映画の制作に関わることができて本当に心からよかったと思っている。PFF(ぴあフィルムフェステイバル)での賞の結果とは関係なくこの作品の音楽を担当したことを誇りに思う。
---------------------------------------------------------
第29回ぴあフィルムフェスティバル

会期:2007年7月14日(土)~20日(金)
会場:渋谷東急(渋谷クロスタワー2F)

俺たちの世界」の上映日です (7/15の上映日はチケット完売ー満席です)

7月15日 (日)19時30分~ (満席です)

7月17日(火) 11時~    (若干残っています)

の二回です。 場所は渋谷東急(渋谷クロスタワー2F)です。

地図 http://www.tokyucinemas.net/shibuya/access.html




|

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。