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2006年9月 7日 (木)

キューブリック映画と「俺たちの世界」の音楽記号論

さて、「俺たちの世界」の音楽も一応順調に進んでいるが今回実は音楽の構想、組み立てを行うのに相当苦労した。というのはところどころクラシック音楽をキューブリック的な使われ方をしているためで、そこの所と自分の音楽の組み立て方の整合性を作るのにずいぶん苦労した

キューブリックの映画の中での音楽の使い方は本当に独特で他のどの監督とも違う。普通このシーンではこの音楽は使わないだろと思う使い方をしてそれが不思議に映像とマッチしているのだ。「時計仕掛けのオレンジ」でのベートーベンの第九やレイプシーンで使う「雨に歌えば」、「2001年宇宙の旅」でのツアラトウストラはかく語りき等

実は「俺たちの世界」でも「時計仕掛けのオレンジ」でのベートーベンの第九を何とレイプシーンに使っている、それ以外に
以下の音楽が使われる
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ピアノソナタ「月光」一楽章
冒頭部分、殺人シーン、

ピアノソナタ「悲愴」二楽章
いじめられっ子が反撃するシーン、ふんぎりつかない人間が
泣き叫ぶシーン

エリーゼのために
公園で泣くシーンー但しこれは僕の作ったオリジナルに差し替えられる可能性が出てきた

ヴィターリ のシャコンヌ
主人公が車でさまようシーン、もう1人の主人公の高校生が親と姉を殺すシーン

ドヴォルザークの母の教え給えし歌
主人公が仲間にせきたてられて強制的にレイプさせられるシーン
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これだけ述べるとなんでこのシーンにこの音楽と思うだろう。そこが一番悩んだところだ

植島啓司の対談集「デイスコミュニケーション」には新しい情報の認識のありかたとして「文化の記号化」のありかたを説いている。細川周平も「音楽の記号論」で同等のことを述べているが、上記の音楽を主人公の心理状況を「記号化」したものとして考えるとわかりやすくなる

つまり

ピアノソナタ「月光」一楽章ー主人公の絶望的心境、状況を表す(それゆえ普通の月光よりも重く暗くゆっくりと演奏されなければならない)

ピアノソナタ「悲愴」二楽章 ー精神の開放、自分で押さえ込んでいた感情、行動をあらわにしてしまう

ヴィターリ のシャコンヌ ー主人公の心の旅立ちー決心の象徴

ドヴォルザークの母の教え給えし歌ーあーとうとうやってしまった。後戻りできないことをしてしまうことに対する記号化

ベートーベンの第九ー管理社会の中で生きていくメタフォア、意味合い的には「時計仕掛けと同じ」

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キューブリックの映画も同じ使われ方がしている。それゆえキューブリックの映画では同じ曲が違う映画で使われることもある。例えば「時計仕掛け」のあのバロック風テーマは「シャイニング」でも使われている。

その記号化路線を睨みながら僕は主要な3種類の音楽を考えた

俺たちの世界「管理社会のテーマ」ー時計仕掛けのようなバロック調の音楽

俺たちの世界ー居場所のない人間のテーマー生きる方向性、希望を持てない人間の心境ー悲しい感じの音楽ーちょっと久石譲敵な音楽になってしまったが

俺たちの世界ーいじめ、虐待ー何とアバンギャルドタッチのモダンジャズ風にしました。いかも不協和音ばりばりーバッドパウエルやセロニアスモンクでもここまではやっていないと思う

できあがったら公開しようと思っています

映画のテーマはまさに宮台真司がいっていた「終わらない日常ー永遠の退屈」そこを実にうまくえぐっている。しかもヨーロッパ的な映画のタッチで...
というわけでお楽しみに






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