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2006年9月21日 (木)

劇伴や映像のための音楽

今日は一日仕事場で作業をして例の映画音楽もほぼ取りあえずは完成。後程監督に見せて修正が必要であれば引続き作業をするが一ヶ月以上に及んだ基本的に作業にめどが立つ

「癒し系」とか「ヒーリング」とかのイメージが強い私だが実は劇伴や映像音楽の方がキャリアが長い。学生時代に既に小さな劇団の音楽や大学のサークル関係で音楽を作っていたりしたからそういうのを入れるともう四半世紀になる。その間、CM、企業用VP(仕事の数ではこれが圧倒的に多い)、美術館やイベントの展示映像、ゲーム。ドラマやドラマCD, そして映画と仕事の数だけはこなしてきた

映画は少ない、今回で4作目、しかもうち1作は未だ完成せず、あとの2作はいずれも短編ー一番長くて「戦慄の閉鎖病棟」の1時間だから今回の「俺たちの世界」が今までで一番長い。(108分ー但しエンドロール抜きでの話) まあ日本では映画の仕事自体が少ないので仕方ないかもしれないが...

前にも書いたが作曲というのは基本的に誰でもやろうと思えばできる。一定の訓練をつめば必ずできる。しかし劇伴や映像音楽をやるにはやはり適性がある。誰にもできるわけではないーいわばスペシャリストの能力が要求される。従って日本の劇伴作家を見るとわかるがだいたい決まったメンツである。久石譲、小禄礼次郎、渡辺岳夫、etc etc

どういう能力が必要かというと

1.アレンジ能力が必要
  アレンジャーというこれも適性が必要な職業だが基本的にこの能力がないと劇伴や映像音楽は出来ない

2.場面やシチュエーションに柔軟に対応
  基本的に劇伴も映像音楽もある特定の場面。シチュエーションのために音楽を作る。従ってその場面、シチュエーションに適応したサウンドを作る能力が必要。つまり「自分のために」しか曲をかけない人にはこの仕事は向いていない。

3.仕事がある程度早くできる
  だいたい映画、CM,ドラマ等では音楽制作の作業は一番最後になる。そしてほぼ例外なく時間的余裕がない。非常に限られた時間の中で大量の作業をこなせる能力がないとできない、平たくいえば仕事が速くないとこの仕事はこなせないのだ。

尚、誤解して欲しくないがこれら3つができるできないは才能のあるなしとは無関係である。単なる個人的な適性に過ぎないのでこれができないからといって落ち込む必要はない。

また上記2にもあるように「映像」や「劇伴」のために音楽を書くのに職人的作業が必要なことから、それらは芸術ではなく商業音楽を書くのと同じだなどという一部の音楽評論家がいるがいうまでもなくそんな議論はナンセンスである。それなら全てのオペラだって考えようによっては商業音楽になってしまう。また「雨に歌えば」とか{My Favorite thing」のように元々は劇伴音楽だったことを忘れさせるほど名曲として定着していったものも少なくない。

大事なことは劇伴だろうがCMだろうがそこから音楽文化として定着しうる作品ができるかどうかである。今回の私の仕事がそうなるかどうかはこれから皆さんの判断にゆだねなければならない。しかし作る過程がどうであろうと大事なのは形ではない、できあがった音楽そのものである。うたものだろうが劇伴音楽だろうが関係ないはずである。




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