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2004年10月17日 (日)

ヒーリングCDとその効果について

よく私のヒーリングCDについて「本当に効果があるのですか?」とか「その効果は科学的に証明されているのでしょうか?」といった主旨のことを聞かれます。そういうときに私は「音楽を聴いて心が安らいだ経験はありませんか?」あるいは「音楽を聴いて感動した経験はないのですか?」と聞き返すことにしています。

  

”ヒーリング音楽について”の貢でも述べましたが美しい音楽を聴いて心が安らぐという現象は不思議なことでも何でもありません。ただ「CDの効果」となりますといささか複雑な議論になってしまいます。それには理由がありまして、ヒーリング音楽やそのCDについて2点、大きな勘違いが世の中にはびこっているからです。


  
「癒し」とその対象について 

  最近やたらに「癒し系グッズ」とか果ては「癒し系タレント」なる訳の分からないものまで出てきて、少々安直に「癒し」という言葉が使われている感があります。しかしこの「癒し」を受ける対象の人たちは実は大きく分けて2つのタイプがあることを御存じですか? そうひとくちに「癒し」といってもそう簡単な話ではないのです。ひとことでいえば「普通の人々」と「重い心の病」の人たちということになります。前者は普通に考えれば本来「癒し」など必要がないと考えられがちですが、そうでないのが今の世の中。しかもこのことが「癒し」というものを語る時に大きな勘違い、誤解のもとになっているのです。

 例えば職業で「癒し」をやっている人がいます。「催眠」CDでごいっしょに仕事をさせていただいた大塚慎吾さんなどがそうですが、彼の所にやってくる患者さんは「癒し」どころか、他のクリニックや療法をやっても直らなかった、深刻な症状の人ばかりで「藁をもつかむ」思いで大塚さんの所に来ているようです。中には自殺一歩手前まで行った人も少なくないと聞きます。さてこういう人たちには「癒し」なんて甘っちょろいものではとうてい効果がないのです。ハッキリいってこういう人たちを完治させようと思ってもいわゆる音楽療法だけでは無力なのです。

  「では全く効果がないのか? 単なる作曲家の思い込みか?」などと早とちりをする人が出てきそうですがそうではありません。実はヒーリング音楽やCDはそもそも「基本的には」こういった深刻な症状な人たちを対象にはしておりません。「基本的には」と銘打ったのは時と場合によってはこういう深刻な人たちに対して有効な場合もなくはないのですが、それは後程述べることにいたします。先程述べたいわゆる「癒し」ブームが出てきている背景にはごく一般のーしかし日常生活のストレスによって苦しんでいる人たちが非常に多いという点があります。いわゆる「病気」というレベルまではいかないが「疲れている」「癒されたい」と思っている人たちです。こういう人たちは町の療法師や精神科の医師などとうてい敷き居が高くて入れない、しかし「疲れている」といえば「気合いが足りないーたるんでいるからだ」とか「眠れない」といえば「疲れてないからだ」などと周囲から云われ、「癒し」が必要なのに周囲の理解が得られない、そういう人たちです。こういう人たちは皆さんの近くに大勢いらっしゃると思いますし、我々の試算では少なくとも世の中の人の半分が潜在的にこの例にあてはまると考えております。

 よく考えたらこの状況は異常です。現代社会は病んでいるといっていいでしょう。実際ある評論家が「これほど『癒しグッズ』が流行るのはどういうことなのか、そんなに我々は疲れているのだろうか。だとしたら実に気持ちが悪い現象だ」といっていますが全くその通り、実際私の音楽が「ヒーリング音楽」という形で売られていること自体今の世の中何かがおかしいと思うのです。

 もうおわかりですね? そう要は前者(症状が深刻な人)と後者(そうでない一般の人で「疲れている」人)が殆どの場合、全くごっちゃに論じられているのです。この両者は全く別の問題であるにもかかわらずです。そこがまず大きな問題であり、ものごとの本質を見誤らせる原因の1つにもなっていますが、実は問題はこれだけではありません。

 音楽=薬という勘違い

  
”音楽療法について”の貢でも述べましたが、音楽=薬といった認識で音楽療法を論じている人たちがいます。また一般に流通しているCDタイトルでもそういうものがあります。しかし私はそういった考えは誤りであると考えております。近年お医者さんの間で「モーツアルト効果」なるものが論じられていますが、あれは別にモーツアルトの音楽でなくてもダイナミックレンジがそれほど大きくないイージーやニューエージ音楽でも似たような効果は出るのです。それにこの論文の最も大きな問題は個人の音楽的体験、趣味による音楽の感じ方の違いについて全く無視している点です。どうもお医者さんにクラシック音楽好きの人が多いせいか、彼等の「音楽処方せん」はどうしてもクラシック音楽に偏りがちなのが気になります。これは音楽についての認識が偏っているとんちんかんな議論の例で音楽=薬という認識で論じているとこういうおかしなことになるのです。

  音楽療法の歴史をひもとけば音楽は薬ではなく、寧ろ「リハビリツール」であることがわかるはずです。 (詳しくは
”音楽療法について”をご覧下さい) 例えば運動不足の人が運動しないと不健康になるから運動する、それを怠ると本当に病気になってしまう。それと同じように「ストレスで疲れている人」がヒーリング音楽でリラックスすれば精神的バランスを保てても、それを怠ると本当に精神病になってしまう。ヒーリング音楽はそういった重い症状になるのを食い止めるのなら一定の効果はあります。音楽も静かな気持ち良い音楽であればーまあよほど変な音楽の作り方さえしなければーたいていはそこそこ効果のあるものになるでしょう。そう、病状に聞くクスリではなく、病になるのを防いだり病状から回復するための精神的リハビリのためのツールなのです。

 勿論だからといって大塚さんの所に行っているような患者さんにとって全く無用の長物かというと必ずしもそうではありません。しかしそれには条件があって、ものすごく症状が深刻な人が改善して回復の過程でヒーリング音楽を聞いて精神的リハビリをするということは充分ありえます。しかしあくまでリハビリツールとしての音楽であって、音楽が彼等の病気を直しているという認識は正しくありません。この場合、音楽が彼等の精神的なリハビリの手助けをしているという認識が正しいのです。

  ここで申し上げた2点による勘違いがヒーリング音楽やCDについての誤解の温床になっています。また厄介なことに(音楽=薬)というふれこみ方をした方が何となく売りやすいという背景はあります。このことが余計に誤解を助長しているように思えます。私の音楽を始め、多くのいわゆるヒーリングCDというものは基本的には一般向けに作られていて、音楽がストレスで心身共に疲れた人の心のリハビリを助けるものです。あとはその音楽が良質であるか、そうでないか、あるいはあなたの好みに合ったものかそうでないか、だけの違いでしかありません。

     以上の点を述べた上でひとつお断りを申し上げますが、私は自分のことをミュージックセラピストだとは思ってません。ましてヒーラーなんてとんでもない、実はヒーリングミュージックの作曲家といわれることすらイヤなのです。確かに昔はいわゆる音楽療法家になろうと考えたこともありましたが、今はそんな気持ちは失せました。よくヒーリング音楽の作家で自らをミュージックセラピストと自称している人がいますが、実にオコガマシイ、とんでもない勘違いだと思います。音楽を医療その他の療法に使う場合、それは肉体的、精神的リハビリを誘導するためのツールであって、それ以上でも以下でもありません。実のことをいいますと人類は太古から音楽をそういった使い方をしてきたのです。祭りの音楽ー教会の礼拝の音楽ーお経ー果てはレストランのBGにいたるまで、みんなそうなのです。

  しかし、たかがリハビリツール、されどリハビリツール。音楽は療法ーセラピーの過程で使い方さえ間違わなければそれなりに重要な働きをします。しかし同じリハビリツールでも質の良いものと悪いものがあるように私は今まで質の高いリハビリツールを作ってきたつもりですし、これからもー今は少し休んでますがまたやる機会があればーそのつもりです。何度も書きますが美しい音楽、良質の音楽を聴いて心が癒されること自体は不思議なことでもなんでもありません。私はヒーリング音楽に限らず何か音楽を作ることがあればそういった点を心掛けるようにしています。

  また私は単なる音楽だけではなく、より効果的なリハビリツールにするために、別のメソードも組み合わせてきました。かつて「マインドコントロールミュージック」と題したCDではサブリミナルメソードを用い、先だっての「催眠」CDは自己催眠法を取り入れたものです。そうしたプラスアルファもより良質なリハビリツールとしてのCDを作る上で重要だと考えて作りました。
   「サブリミナル」とか「催眠」とかを用いているということでどうもアヤシイ人物のように受け取られがちですが(^^:)、各シリーズの項目を読んでいただければそんなことはないと思っていただけるのでは(?)と勝手に考えております。とにかくヒーリング音楽とやらにかかわって十余年、一応それなりに真面目に取り組んできた点だけはわかっていただきたい。そう思うこの頃です。

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