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2004年4月15日 (木)

音楽業界の現状を憂う

先日、といってももう何ヶ月か前だが厚生労働省がショッキングなデータを発表した。今回のデータで若者の「フリーター」についても調査をしたのだが何と16才から29才までの「若者」の中の5人に1人が「フリーター」であることが判明した。つまり16才から29才に関しては定職を持たない、実質的な失業率は20%に達しているのだ。実はこの16才から29才といった年齢層は私が関わっているレコード業界、音楽業界がメインターゲットとしている年齢層なのである。

今、レコード業界は未遭有の不況の中にある。1996年をピークとしてCD、レコード業界は売り上げが右肩下がりで落ち込み、今もその傾向は止まる気配はない。音楽業界はこの原因をCDコピーのせいにしている。勿論、間接的にはそれも全くないわけではない。しかし原因はそれだけでない、もっと根本的な所にあることは明らかである。

CD、レコード業界がメインターゲットとしている16才から29才までの実質失業率が20%という現状、つまりこの年齢層は基本的に金がない。定収入がないくせに携帯には何万円も使う、そもそもCDを買う金などあるわけないのだ。よく考えれば全く当たり前のことのように思える。しかしなぜか今CD、レコード業界の人間でそんな簡単なことに気づいている人間が少ないように見える。

つまりCD、レコード業界は今までのメインターゲット、方針を転換しようとする素振りは全く見られない。つい最近現在一番お金を持っていそうな30-40代向けの「大人のポップス」の提案を某レコード会社にしたが、全く「何云っているんだ」という感じでまともに検討すらされなかった。今までのやりかたでうまくいっていないのに、従来の発想を変えようという姿勢が全く持ってみられないのである。まったくどうしようもない。 

私は経営コンサルタント、マーケテイングコンサルタントに多数の知り合いがいるが、今もうかる新商品を開発するのに10代や20代前半をターゲットとするものを考えるのは愚の骨頂だというのがコンサルタント連中のおおかたの見方だ。となると、CD、レコード業界はその愚の骨頂を業界を上げてやっていることになる。

   勿論、私は若者向けの音楽を作るなといっているのではない。かつては確かに若者ターゲットにしたCDが売れに売れた時代はあった。しかしそれは10年前までの話、あの時と今では根本的に時代が違う。もっとお金があって、リッチなライフスタイルを追求する層がいるにもかかわらず、なぜかそういうマーケットに対してはこの業界は見向きもしない、私はその姿勢を問題視しているのである。既にファッション業界などは、あきらかに10年前と大きな方針転換をして、大人、アダルトやミドルをメインターゲットとした商品、マーケテイングを展開し始めているが、CD、レコード業界はそういう動きを全くみせていない。

よく考えて欲しい。今音楽業界はこの金がない層の中で少ないパイを奪い合っているだけなのだ。そしてこれからは少子高齢化社会、このパイはこれから少なくなることはあっても増えることはない。奇跡が起きてベビーブームでも起きない限りこの傾向はずーっと続くのだ。こんな簡単なことがどうしてわからないのだろう。ハッキリいわせてもらうがこの業界、どうしてこんなに頭が悪い人たちが多いのだろうと思ってしまう。

 これというのも、レコード会社の人間は「大人(特に男性)は30を超えたらレコード店に行かない。」という風に思い込んでいるためだ。既に中島みゆきや綾小路きみまろのCDを買っている40代、50代のオジサン、オバサン(金を持っている!!)がたくさんいるという前例があるにもかかわらず、だ。(ちなみに去年一番売れたアルバムが綾小路きみまろのCDというのは音楽業界としてあまりに情けない、と思うのはわたしだけであろうか?)
  更に悪いことに昨今のレコード不況でどこの会社もリストラを敢行し、どの会社も制作部門を大幅に縮小した。いわゆるメジャーレコード会社の多くは実質的に制作機能をなくして、ただのデイストリビューターになってしまった所が多い。辛うじて制作部らしい部署を残した所でも企画制作能力はかなり弱体化してしまったのも事実である。これでは時代に適応したソフト、コンテンツ開発などままならない。今かつてタレント事務所、音楽事務所だった所がレコード会社化しているのもこうした背景にある。そのため一流のレコード会社といわれている所でも制作機能がないに等しい。

今の私には音楽業界は新しい時代に適応した会社に変ぼうを遂げるどころか、既得権益のみを守ろうとしているように見える。典型的な斜陽産業の動きである。事実、音楽配信やインターネットでの露出でも音楽業界、レコード業界は厳しい制限を加えている。著作権法によればネットで、44秒以内は「試聴」45秒以上は「配信」と定義しているが、日本レコード協会は30秒以下、できれば「試聴させないのが望ましい」などといっている。バカじゃなかろうか。音楽を試聴しなくて一体誰がCDを買うというのだ。普通に考えればそうだが、実際レコード協会は30秒以上試聴できるメジャー関連サイトに対して次々と横やりを入れている。そのため信じられないことだが、メジャーレコード関係のサイトでまともな試聴ができるところは少ない。これはネットでのビジネスチャンスを自ら進んで逃しているとしか思えない。こうした動きにはほとほと呆れている。(ちなみに弊社はそんな決まりなどは無視しているー音楽を試聴できないでCDなど買う訳などない。これは自分で店をやっていてわかることである。)

   このままではいけない。今までの発想を根本的に変えた上で新しい音楽を世に問うということにしないとこのままではこの業界は本当につぶれてしまう。私も音楽プロデユーサーの端くれとして何か考えなければという思いでいっぱいである。

   
 

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