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2004年3月19日 (金)

クリエイテイヴに生きるということ

私はプロとして仕事をしてもうすぐ20年になります。たいていプロの世界で仕事をしていると、「よーし 一発当ててやる」という風に考えるものですが、私は天の邪鬼なのか「売れる」作家というよりは「クリエイテイヴ」な作家という風に思われたいのです。それはこの仕事を始めた時もそうでしたし今でもそうです。(当ててやろうと考えたことがないといえばウソになりますけど(^^:))

  しかしひと口に「クリエイテイヴ」といってもどういうものをいうのかと聞かれたらなかなか明確な答えはしにくいものです。簡単にいえば「人のやっていないことをやる」ということですが、ひとつ間違えると単なる変人になってしまう。「クリエイテイヴであること」と「自己満の世界」って結構紙一重の所がありますから....

  私はその答えを探すためにプログレッシヴロック、現代音楽、最近のトランス系やドラムエンドベース系のテクノ等あらゆるクリエイテイヴと思われる音楽に触れました。その中で一番幻滅したのは現代音楽で、何やらすごく高度なことをやっているように見えても、とにかく大半の曲は聴いていてつまらない、聴くこと自体が苦痛ではっきりいって一度聴いたら二度と聴きたくない曲が殆ど。唯一ステイーヴライヒ、テリーライリーといった"ミニマル音楽"にふれたのが収穫でした。何よりも「現代音楽」という名前でも殆ど聴いていて現代を感じない、寧ろ古臭いものすら感じたのでとにかくすぐに離れてしまいました。

  しかし、この現代音楽というやつは間接的ではあるにせよ実は私がやっているヒーリング音楽や最近のアンダーグラウンドのクラブシーンには結構影響を与えていることは否定できません。そもそも環境音楽という考え方自体、ジョンケージからの思想的影響を通してブライアンイーノに受け継がれているし、イーノの影響を否定できない私としても間接的には影響を受けているという見方もできます。また私自身は好きではないですがノイズミュージックのコンセプトはかつて"騒音の音楽"を提唱したルイジルッソロの考え方そのものですし、前述のクラブミュージックはミニマリズムのコンセプトそのものです。音楽評論家によっては環境音楽やクラブミュージックを「現代音楽」と呼んでいる人もいるくらいです。

 確かにレイヴイヴェント等は大きな音楽ムーブメントになっていますし、クリエイテイヴィテイという面では いろんな試みがされていますが、何分この世界はDJが支配しているので、私のような個人作曲家は面白くないところもないではありません。しかし今現在最も未来の音楽を暗示している音楽であることは事実でしょう。現在この方向から私なりの新たな音作りを模索しているところです。最も最近少し下火になりつつあるのを感じていますが........

 もうひとつの問題はやはり現代があまりにシステマテイックな世の中になっている点で、現代に生きようとすれば誰しもこのシステムから逃れられないという点かもしれません。どんな音楽も生産→消費、コマーシャリズムのシステムの一素材に過ぎずかつてのように芸術が"残りにくい"システムになっている面もあるかもしれません。それを克服するにはクリエイテイビテイとコマーシャリズムが両立できればよいのですが、云うのは簡単、特に最近はなかなか難しい世の中になっていると思います。

 70年代のプログレッシブロックについてはその「クリエイテイビテイとコマーシャリズムが両立できた」希有な例と云えるかもしれません。音楽にはパワーがあったし、絶えず新しい試みをしていたし、何よりも時代がああいう音楽を求めていたので興行的にも大成功しました。ああいうことが今果たしてできるでしょうか?私はできると信じて今までやってきたのですが最近は少し自信をなくしてきています。私は興行的成功は勿論目指しますが、何よりも絶えず新しい試みをする精神だけは大事にしたいと思っております。それを失ったらもはやクリエータとはいえないと思うからです。

  私は現代はある意味では人類史上「クリエイテイヴ」に生きるのが最も難しい時代かもしれません。確かに現代は表現の自由があり、テクノロジーもかつてない程進んで表現の可能性が広がったはずなのに私の作品を含めて何故か新鮮さを感じる作品が少ない感じがします。私が自分の生涯の中で誰もが新鮮に感じる音楽を創ることができるかどうか。もはや決して若いという年齢ではありませんが、チャレンジだけはしてみたいと思っております。

  音楽家というのは結局自分の音楽が全てです。もしこのページを読んでいる人で私がどういう音楽を作っているのか興味を持っていただければ幸いです。


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