2014年12月 9日 (火)

沢田知可子“替え歌”訴訟ー「替え歌」著作人格権について

芸能やワイドショーとかで話題になっている沢田知可子さんの最大のヒット曲「会いたい」に関する騒動。

話によると沢田知可子さんと作詞家の沢ちひろさんの両者の間には感情のもつれがかなり前からあったらしい。
私は別に当事者とは面識もないし、一応業界関係者なので詳細な実情も把握しないまま安易にこの件に関して語るのはよくないと思っている。

但し今回の騒動に関してマスコミを始め、一般の方の間にも著作権に関する誤解や間違った理解をしているところが少なくないので、その点について述べさせていただく

「替え歌」は違法なのか? 「会いたい」の沢田知可子と作詞家が裁判沙汰 
http://www.j-cast.com/2014/12/09222829.htm

結論からいって「替え歌」は違法ではない、但しある条件をクリアした、場合の話だが。

その条件とは著作権の一分野である「著作人格権」をクリアする、という点である。

この「著作人格権」というものはまだ一般の方で理解していない人が多いようなので、解説すると著作者がその著作物に対して有する人格的利益ー平たくいえば自分の作品の意図、思想、感情を尊重するーを保護する権利のことをいう。

もっとわかりやすくいうと、「著作人格権」とは作曲者または作詞者が「俺の曲をあんな使い方しないでくれー」といえる権利である。例えばCMのタイアップ用に作った曲が、作曲者の承諾なしにAV(アダルトビデオ)等に使われたら、それを拒否することができる。

(余談だが私の曲が私が知らない間に実際本当にAVに使われていたことがある、あれにはまいったww)

一部のネットに「きちんと著作権料支払われているのなら、いいじゃねえか」などという論調があったようだが、それは「著作人格権」に対する理解が足りないためにそういう話になる。

当然今回の「替え歌」にしてもたとえ著作権料では作者に従来通り支払われても、作詞家も作曲者も「替え歌」の体裁で公開してほしくない、と「著作人格権」によって拒否することができる。今回の騒動はまさにこの「著作人格権」によって「替え歌」の発表を指し止めの訴訟が起きているためである。

但し「替え歌」「きちんとしたプロセス」を経れば、いつもこういうことが起きるわけではない。

例えば有名な例は嘉門達夫の「替え歌メドレー」だ。この場合何も問題なかったのは嘉門が「著作人格権」を尊重し、「替え歌」にされた曲の作曲者、作詞者全員にいちいちお伺いをたてて承諾を得たために実現した。これは事務所関係者から直接聞いたので間違いない。

この件に関して嘉門達夫の取った行動は業界関係者からも称賛された。

今回のケースも沢田さんの事務所が沢さんの事務所にあらかじめお伺いをたてて、事前に承諾を得ていればなんの問題もなかったのだが、前述のように沢田さんと沢さんの間に長年の感情のわだかまりがあったようで、それが原因で事前承諾も得られぬまま、ダウンタウンの番組で使ってしまったことが、両者の感情の溝を余計に広げてしまったようだ。

どこでボタンを掛け違えたのか詳細な事情はわからないが、非常に不幸なことである。

まあこの騒動で「著作人格権」に関する理解が世間で広まるといいのだが

 

 

 

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2014年11月22日 (土)

ニコライカプースチンと未来の音楽への可能性と今後の私の作品

もう数か月前の話だがとあるクラシックのピアノ合同演奏会でニコライカプスーチン"Concert Etude Op40 -8" なる作品を聴いた。
この曲を聴いて久々に興奮した

クラシックの演奏会で新鮮な体験をしたのは何年ぶりか記憶にない。
この曲である

 

恥ずかしながらその演奏会に行くまで私はニコライカプスーチンという作曲家を知らなかった。ウクライナの作曲家でロシアで正統なクラシックの教育を受けたが1960年代からジャズとクラシックを融合するような作風を打ち出しており、独自の作曲活動をしているようである。

作品としてはジョージガーシュインの流れを踏襲するものであろう。ガーシュインはいまだクラシックの中ではある種の偏見を持たれているが、私は「完璧な音楽家商業音楽家と芸術音楽双方で成功を収めた作曲家として」敬愛をしている。カプスーチンがいわゆるポップスを書いたという情報は入っていないが、私の中では同じ系譜の中に入れてしまっても問題ないと考える。これらの音楽をジャズなのかクラシックなのか、などと議論するのは全くのナンセンスである。

私は多少はクラシックを知っているがクラシックの人間ではない。また純然たるジャズの人間でもない。ポップスやロック風の曲も書くが、だからといってその音楽がクラシックなのかジャズなのか、ロックなのかポップスなのか、なんていうことは私にとってどうでもいいことである。それらは単なる音楽の様式に過ぎず、様式などは作曲家の表現の一手段に過ぎない。従ってその様式を絶対視するのは全く意味がない。大事なことはその音楽がリスナーの心を揺さぶるような感動を与えることができるか、どうかである。だが残念ながら私のような考え方は日本の音楽界では圧倒的少数派の中に入る。

このカプスーチンの音楽に触れたのはちょうど私自身が自分の作曲スタイルを構築しようとしている矢先でもあった。私はクラシック、ロック、ジャズといった音楽のエッセンスを取り入れた音楽スタイルを模索した。ピアノのための3つのリフはその実験作である。

現在これをベースにさらに完成度を高めるべくさまざまな模索をしている現状である、カプスーチンの音楽をもう少し研究しさらにさまざまな試行錯誤をやるだろうと思う。しかし私の場合ロック的なノリがかなり全面に出てくるので、純然たるクラシックの人は弾き辛いかもしれない(笑)

 

 

 

 

 

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2014年10月19日 (日)

現在作曲中の新作ピアノ曲ー見かけは全くクラシックには見えないがよく見ると形式は「クラシック」という曲

今月31日のアートカフェフレンズでのライブまでもう2週間を切りました。

今回のライブはある意味今後の私の音楽作品の方向性を決めるものと位置付けております。劇伴やヒーリング音楽を作っているときの自分とは違い、私のピアノソロの作品は純粋に自分のために作った作品であります。そのため自分の今後の作曲スタイルに対するこだわりのようなものが出てしまいます。

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こだわり、というと誤解されるかもしれません。要は作品に対していかなる制約もない状況で作れる唯一の作品群といえるかもしれません。その中で今回はある試みをしてみようと思っています。

それはジャズでもない、いわんやクラシックでもない、たぶんどのジャンルにも入らないだろうと思われる作品。

しいて言えば今までの自分の作品と比べるとロック色がかなり表に出ているかもしれません。しかしそこにはある仕掛けがあります。実は一見ロックテーストの曲なのですが、作品の構成、形式をよく見るとクラシックなのです。

勿論表面上はクラシックとは似ても似つかない音楽です。
たぶん...  クラシックしか演奏したことのないピアニストには演奏不可能な曲だと思います。

名付けて"Rock'n Roll Sonata"

たぶんこんなバカなことをするのは私くらいでしょう(笑) 名前はRock'n Rollですが純粋なRockでもありません。ジャズテーストも入ってますが純然たるジャズでもありません。どのジャンルにも入らないと思います。

そんな曲を披露しますので是非次回のライブにはお越しください

また今回のライブですが、ジャズボーカリストでもあるShinoさんと作曲仲間の有馬さんによる「バジル」とのジョイントですが、Shinoさんトは「犬猫殺処分0」の活動も行っており昨日はそのライブも行われ応援に行きました。

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Shinoさんのボーカルも最高です。彼女のボーカルも一見の価値があります。

あと気が付いたんですが10月31日はハロウイーンなんですね

多少その趣向も凝らそうと思っております。楽しいライブになると思います。

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日時:10月31日 

18;00開場 19;30開演  アートカフェフレンズ

チャージ 3000円+1st ドリンク¥500

ご予約:03-6382-9050 もしくは私へのメールにてご予約下さい
お待ちしております(^ ^)

 

 

 

 

 

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2014年8月23日 (土)

J.S.バッハがよくポピュラーミュージックで使われる理由

8月も下旬、毎年夏休みになると私なりの音楽論を発表するわけですが、今年は以前もチラッとのべました、ヨハンセバステイアン(J.S.) バッハの音楽について述べます。

バロックの作曲家でもバッハほどジャズ、ロック、その他ポピュラーに頻繁にモチーフとして使われた作曲家はいないのではないか、と思います、勿論他にはビバルデイの「四季」をオスカーピーターソンがジャズに編曲した例がありますが、バッハに関してはそのピーターソンは勿論ギュンターノリス、ロックではELP トッカータとフーガに至っては多くのロックバンドがアレンジしています。

実はこれだけ多くの非クラシック系アーチストがJ.S.バッハの音楽に興味を覚え、それを音楽にとりいれるのは理由があります。

それはJ.S.バッハのコード進行が非常に現代的、ポピュラー的であるという点です。

代表的な例を1つあげましょう。バッハの平均律クラービアの第一集の第一番のプレリュード、あまりにも有名な曲であると同時に、ピアノをある程度やっていれば必ずやらされる曲です。

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普通、バロックから古典派の殆どは我々の世界でいういわゆるスリーコード 中心に曲が創られますが、既にいきなりバッハのこのプレリュードには現代の我々が普通に使うコード進行が使われています。お気づきでしょうか?

そう冗談の二小節目、少し見づらいかもしれませんがコードはDm7 ,
そうです、ポピュラーでは当たり前のように使いますが、7thコードがいきなり来ています

 

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2014年6月26日 (木)

チャゲアスCD回収は日本人が音楽を聴いていない、尊重していないことの証明

ご存じの方も多いと思うが以前こういう記事を書いたことがある。

■音楽をきちんと聴かなくなった日本人、「いい音楽」を自分で選べない日本人
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2014/03/post-18b4.html

賛否両論があったこの記事だが今日測らずもこの傾向を証明する事態が起きた。

チャゲアスCDなど、ヤマハも回収…総会で表明(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/20140624-OYT1T50178.html

 

人気デュオ「CHAGE(チャゲ) and ASKA(アスカ)」(チャゲアス)のASKA(本名・宮崎重明)被告(56)による覚醒剤取締法違反事件を受け、ヤマハ(浜松市中区)の中田卓也社長は24日の株主総会で、販売権を持つ約800曲についてCDや映像作品の回収を進めていることを明らかにした。

同社によると、チャゲアスは以前は同社グループに所属し、「SAY YES」や「YAH YAH YAH」など約800曲について同社がCD化やネット配信の権利を持っている。ASKA被告の逮捕後の5月19日以降、チャゲアスとASKA被告のソロ名義のCDやDVDを回収し、ネット配信も停止した。

 中田社長は総会で「社会的影響を十分に考慮した」と述べ、理解を求めた。

 

「社会的影響」???  一体ASKAの犯罪とチャゲアスの音楽がどう関係あるというのだ!?  そもそも相方のチャゲには何の罪もないだろ?

なんか日本という国は勘違いしている

わざわざいうまでもないが覚醒剤取締法違反事件で逮捕されたASKAを擁護する気などさらさらない。

このことは結局音楽をきちんと聴いていない、文化として尊重していない、ということの表れじゃないかね。ASKAの覚醒剤所持やその周辺のできごとに対しては私も嫌悪感を覚えるが、それと、「SAY YES」や「YAH YAH YAH」を始めとする一連の曲は全くの無関係である。関係があると主張するのならどう関係するのか説明すべきだ。ASKAが歌っているから、というのは全く理由にならない

たとえば美術でいえば、ルネッサンス時代のカルバッジョは殺人を犯したから作品の展示をすべきではない、といっているのと同じこと(実際彼は本当に殺人を犯している)
でも今美術界でそんなこという人いないでしょ。

結局は今日本の会社ではびこっている「事なかれ主義」、経営者の「保身」というのが主な背景にある。チャゲアスのCDを回収しないで騒いでいる奴がいるとすれば、愚かでヒマな「ネット住人」くらいだろう。こいつら「処刑対象」を血眼になって探す社会の害虫だ。もしこいつらが過激な行動を取れば警察に「駆除」させればいいだけのこと

これらの行為は音楽を文化として尊重していれば出てくる行為ではない。

結局日本という国は音楽をきちんと聴かない、音楽文化を尊重しない事なかれ主義で「世間を騒がした」ものは問答無用で排除する。そんな国になってしまった。

上記の私の記事に批判的な人も多かったが、YAMAHAの今日のこの発表は残念ながらそうした風潮を図らずも証明したことに他ならない

 

 

 

 

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2014年5月31日 (土)

今日は元祖「ゴジラ」の作曲家ー伊福部昭氏の生誕100年!!

既に報道で大きく取り上げられているように、現在アメリカで公開中のハリウッド版"Godzilla "が興行記録を塗り替える勢いで大ヒット中である。

Godzilla2014

 

この日本発の世界的なキャラクター、日本人としてうれしいのはこの映画の大ヒットだけでなく、60年前の本田猪四郎監督の元祖「ゴジラ」(現在アメリカでは「クラシックゴジラ(Classic Godzilla)」と呼ばれている)に対して変わらぬリスペクトが持たれている点である。

その元祖ゴジラクラシックゴジラ(Classic Godzilla)」の音楽を作曲されたのが日本を代表する作曲家、伊福部昭氏である。

Akira_ifukube1954年ー今から60年前の映画だが、この伊福部昭氏のゴジラのテーマはゴジラ映画をリアルタイムで知らない人でも一度は聴いたことがあるはず。この映画はスピルバーグを始め世界中の映画関係者に多大な影響を与えた。

そして今日はその元祖「ゴジラ」の作曲家の伊福部昭氏の生誕100周年にあたる。

伊福部氏が長年学長をしていた東京音大を始め多くのコンサートホールで生誕100年記念コンサートがあるという。

ちなみに伊福部先生の公式サイトがある。教え子等が中心になって作っていると思われるがご興味ある方はウエブを訪問してみることをお勧めする。

http://www.akira-ifukube.jp/

「ゴジラ」のテーマだけでなく今回のハリウッド版「ゴジラ2014」に使われているあの有名なゴジラの鳴き声も伊福部氏の作である。元はコントラバスの弓を弦を支える木の部分(この奏法をSul ponticelloという)を弾いた音はイコライザーやモジュレーションその他を使ってあの音になった。今ではこれを「サウンドデザイン」という音響手法になるが、当時はこういう手法を「ミュージックコンクレート」といった(今や死語)

昔の円谷映画は特撮だけでなく、音響面でもさまざまな試みをしていたのである。

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2014年5月30日 (金)

誤解されているスガシカオの「DLよりはCD買って」発言とその真意

私は別にスガシカオとは知り合いでもないし、個人的な義理等も一切ない。

だがそのスガシカオが今ネットで叩かれている。それはスガシカオの以下のツイートがきっかけである。

スガシカオ@FF2014 6/25〜; 5月24日

DLでももちろん嬉しいのですが、ぶっちゃけDLだとほとんど利益がないんだ。おれらみたいにスタジオで徹底的に音楽を追い込むタイプは、制作費が全部赤字になっちゃう。CD買ってもらうと、かなり制作費が補えるので、次の作品が作れるメドが立つんだよね。
CD売れない音楽業界の負の連鎖だ

まあ例によってアホな暇人のネット小僧連中が既に下火になっている音楽配信の実態も知らんでともかく「有名人」をたたいているのかと思いきや、(こいつらネットに関してちょっとでも「否定的な発言」すると過剰反応する奴らだ)、どうもそういうわけでもないようでこのツイートに関してBLOGOSでもこんな記事が出た。

■未だにCDを買ってと嘆く音楽業界の末期症状
http://blogos.com/article/87393/

現在ネットで絶大な支持を得ているこの記事だが、記事の主は私が懇意にしている音楽マーケッターの友人とも旧知の人間らしいのであまりきついことはいいたくないのだが、上記の記事には問題点が多々ある点と、スガシカオの真意が誤って伝わっているように感じるのでここで一筆書かせていただく

私のブログをよく読んでくださっている方なら、上記のBLOGOSの記事を私が全面的に支持するとお思いだろう。

正直上記のツイートの主がスガシカオではなくレコード関係者、レコード会社の幹部あたりが発言したら私も「末期症状」の意見に同調しただろう。

だがスガシカオのツイートをよく読んで、しかも昨今の音楽制作の現場を知っている人間からすると全く違う見解が出てくる。

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2014年5月28日 (水)

AKB商法はもはや潮時ー日本のあらゆる不健全な病巣の凝縮したユニットは解散させるべき

先日の岩手県滝沢市の岩手産業文化センターでのAKBの握手会で起きた男がノコギリを振り回して、川栄李奈と入山杏奈2人が負傷した事件は不幸だった。2人とも命に別状はないというものの頭に傷を負ったという点ではタレント活動の今後の影響が懸念される。ノコギリというのは跡が残るからね。いずれにせよケガされた2人には一日も早い回復を祈る。

それゆえこの事件に関して何か書くことは躊躇われたのと、無差別にノコギリを振り回した男は別にAKBファンでもなく、いわゆる「社会から拒絶された人間の憎悪による無差別犯行」の可能性が高いことからこの事件自体はAKB云々とは無関係である。

とはいえ、私はこの事件は何か象徴的なものを感じる。

ご存じのとおり私はこの記事を書いてAKBファンから相当反発を食らったようだが(笑)..

総選挙の日だからあえて書いてやる。もはや日本人にとって音楽はゴミでしかない、ということだ
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2012/06/post-dc61.html

あえてもう一度いう。私はこのAKBというものが大嫌いである。彼女たち一人一人はの息苦しい雰囲気の中元気に活動しているし、おそらくとてもいい子たちだと思う。だから彼女たち個人一人一人が嫌いなのではない。しかし私はあのユニット?、いやシステム、もっといえばあのビジネスモデルに対して激しい嫌悪感を覚える。

そうしたら果たせるかな私と全く同じ考えをもっていた人がいた

AKB商法の崩壊(Fuck The Fuckin' Fucker !)
http://rock-iine.blog.so-net.ne.jp/2014-05-27-1

 

今日は伏字でなくはっきり言うが、AKB 48が大嫌いである。彼女たち一人ひとりが嫌いなわけではない。
意志を持たないことを強要され、またそれを自ら積極的に受け入れるブラック企業丸出しの過剰な同調主義(ボウズ頭事件)、
共同幻想としてのヴァーチャルをいつの間にかリアルと勘違いさせる捻じれた世界観(疑似恋愛性)、
そして為政者の前での媚び諂い(ASEAN首脳会議の夕食会での公演)、などなどシステムとしてのAKB。
この国の現在の不健全なあらゆる病理が凝縮されて、腐臭を放っているのだ。


そして何よりも罪深いのは、「AKB商法」と揶揄されるCDの販売方法である。CDへ付加された握手権や投票権、同じ曲の複数仕様、写真の封入。こうした
「手口」で、同じCDを複数、あるいは大量に購入させるよう売り手側が誘導する。
その結果、CDの枚数は売れるが、極端な場合はCDを聴かずに破棄するよ
うなケースまで頻発する。それ、コンプガチャと何が違うんだ

<後略>

はっきりいって私はこのブログ記事に100%同意する

あの訳の分からん総選挙という奴も今年はそんなに盛り上がらなかったということもあり、やはり今の状況は誰が見ても下火である。何よりもこの事件が起きたあと少なくとも当分の間はAKBの「主目的(?)」である握手会を開くことは難しいだろう。開催したにしても相当の厳重なセキュリテイをセッテイングせざるを得ない。犯行を模倣しようとするバカも出ないとは限らないからだ。

そしてあらゆる観点からもやはりこのビジネスモデルはどう考えても歪んでいる。

ファンの反発を食らうことを覚悟していうが、そろそろこの醜いビジネスモデル、ファンとアーチストの歪んだ関係、いい加減やめる潮時が来たのではないか。そして上記のブログ主の指摘通り、今の日本の歪んだあらゆる病理が凝縮されているはっきりいっておぞましいといってもいい

それゆえ上記のブログ記事が最後に結んだ言葉で当記事も締めたいと思う。

「音楽」を売らない、「音楽」を愛していないビジネス・モデルなんか崩壊してしまえ。

 

 

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2014年5月16日 (金)

音楽制作者、クリエーターとして最高のサウンドを創り続けるー簡単にマネできないオリジナリテイを確立すれば必ず道は開ける

本日うちの会社が一昨年から取り組んでいる海外向けの音楽教材のマスタリング作業のために築地のマスタリングスタジオに行った。そこではお互いペーペーだったころから知っている昔からの旧友がマスタリングエンジニアとして頑張って仕事をしている。

今や予算の関係で殆どのレコーデイング作業を自宅スタジオで行っている私だがマスタリングだけはきちんとしたスタジオで作業している。製品を作り上げる仕上げとしてどうしてもきちんとした音創りをしたいからだ。作業は二時間ほどで終了。

こういうスタジオに入って昔からの旧友と話すと当然業界関係の「雑談」を行う。「雑談」というがこれが結構重要な情報交換になる。

まあ「最近どう?」といった類の話から始まるのだが、音楽業界がこんな状況だからそうそう景気がいい話などあるはずもないが、話を聞くと結構いい仕事をしていたりする。

先日もレコードストアデイズで、今アナログレコードの復活している様を記事にしたが、その旧友も真空管のアンプ、イコライザーを使う等のアナログの機器を導入することによって良質なサウンドを創り上げているため、海外の有名なエンジニアにも認められていっしょに仕事をしているという。アナログサウンドというのは単なる懐古趣味ではなく、最近のデジタルのこじんまりとした変に小さくまとまった音とは違う、アナログの広い音を創ることによってより良質なサウンドを創り上げる腕を身に着けたようである。

勿論その友人はpro toolsやMerging のPyramix等のデジタルコンピューターのスキルを身に着けた上で、このアナログのスキルも駆使している。私もそうだが昔のアナログの技術と最近のデジタル技術の両方を身に着けているため様々なケースに対して対応できる能力がある。

彼とは以前「音を制作する人間として良い音を世の中に出す社会的使命を忘れてはならない」という意味の話をしたことがある。つまり「最高のプロフェッショナルの仕事」をやり続ければ道は必ず開ける、という点である。

昨今のメジャーレコードのデイレクター連中に「最高のプロフェッショナルの仕事」というものを理解、評価できる人間は極めて少ない、殆どいないといっていい。なぜなら彼らはそういうものを教わらずに「売るノウハウ」だけを教えられてきたからである。音楽の良さ、芸術性などの理解など寧ろ排除していったといっていい。しかし海外の最高のプロフェッショナルはまだそれを評価する能力がある。評価してくれる人間は評価してくれるのである。

今や音楽も映像もあらゆるコンテンツも国境に関係なく広がる時代であることは周知の事実である。そして制作もパッケージも日本国内にこだわる必要など全くない。別にエコノミストやIT系の連中のよくいう胡散臭いグローバリズムなどをいうつもりはないが、音楽を始めとするコンテンツには国境がない。これだけは事実である。

だから既存の狭い日本の音楽市場のロジックで音楽制作を語るのはもはやナンセンスである。インターネットが世界をフラットにするというが、結局クリエーターが付加価値を含めた価値のある仕事をするための心がけは1つ

プロフェッショナルとして最高の仕事をする  ということである。

旧友のエンジニアはそれを実施して、今や世界に出つつある。正直ここまで腕のいいエンジニアになるとは思わなかったが

私も作曲家、クリエーターとしてそれを目指そうと思う。

旧友との雑談だったが有意義な雑談だった。

 

 

 

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2014年5月 8日 (木)

ベートーベンのピアノソナタ「熱情」は形式は古くても精神はロックだ

GW中、映画劇伴関係の仕事が一段落したので何を思ったか、たまにはクラシックピアノを真面目にやろうかと思った。(もっとも毎日の練習で指の練習のためにバッハやハノンとかは普通にやっているのだが..)

その中でベートーベンのピアノソナタ第二十三番ヘ短調「熱情」と呼ばれているソナタを弾いてみた、子供の頃ルドルフゼルキンの演奏聴いてめっちゃくちゃ感動+興奮して、それが練習嫌いだった私をピアノ練習に駆り立てた。
、そして久々にこのベートーベンのピアノソナタ第二十三番を弾いていたらこれがやばい、弾きながら自分でどんどん興奮してくる、弾いていくうちにだんだんテンションがメチャクチャ高くなっていくのが自分でわかる。これを書いた時、ベートーベンはかなりラリッてたんじゃないかな、間違いなくアブナイ精神状況でこの曲を書いたと思う。

この曲ーひとことでいえば表面上は「ソナタ」というヨーロッパの古い音楽形式だが、精神は完全にロックしているのだ。いわばピアノでシャウトしているといっていい。ベートーベンが現代に生きていたら間違いなくハードロックやっていただろう、というのが実は私の持論ではあるんだが、この曲なんかそれを象徴する曲かもしれない

音楽を形式論でしかとらえられない、論じられない人には今の私のこの考え方は到底理解できまい。だが音楽の形式なんてものは作曲をする上では実は単なる手段でしかない。そんなものは時代背景やさまざまな条件でどうにでも変わるものだ。だから音楽を形式美、構造美だけで論じる観点に固執するのはナンセンス、というのも私の持論。

ちなみに「熱情」というのはベートーベンがつけたものではない。この曲のイメージを聴いて後世の人がつけたものだ。(月光も同様)ベートーベンの32曲のソナタでベートーベン自ら副題をつけたのは「悲愴」と「告別」くらいしかなかったんじゃないかと記憶している。違っていたら教えてください。「月光」「テンペスト」「ワルドシュタイン」「ハンマークラービア」-殆どが後世の人が勝手につけたあだ名のはず。

このyou tubeのヴィルヘルム・ケンプの演奏は私にいわせれば大人し過ぎる。しかしアップされている演奏では一番まともな演奏しているので紹介する

 

できればルドルフゼルキンのものすごい演奏を聴いてもらいたいが、それは皆さんでCDを探してもらうしかない。

 

てなわけで少し音楽のエネルギーをもらいたい気分なのでしばらくこの曲も練習してみることにする。何か得られるものがあるかもしれない。

 

 

 

 

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2014年3月25日 (火)

佐村河内事件を総括ー単なる「詐欺事件」ではなく日本の音楽文化そのものの問題(今回は特に長文注意)

今や佐村河内の事件よりはSTAP細胞論文の小保方晴子氏の話の方に世間の関心が移っているようだが、この佐村河内別人作曲家事件に関しては単なる「詐欺事件」ではなく、日本の音楽産業だけでなく音楽そのもののありかたについてさまざまな問題を内包しているので、最後にここで総括してこの事件の問題点を整理する必要があると思う。この問題は単に音楽ファンを騙したという単純な問題では決してないためである。悪いが今のマスコミにその問題点を整理する力はないだろう。

1つ1つ整理するとこの事件には以下の点が浮かび上がってくる

1.日本人の「音楽の聴き方」の問題

先日の私の記事にも書いたように関西大学教授高増明氏が指摘しているように日本人はいつのまにか音楽をちゃんと聴かなくなっている国民になっているという点。

どこどこのドラマやCMのテーマソングだから買う。話題になっているから買う、というモーテイベーションがないと音楽を買わなくなっている点、この佐村河内の件にしたって「現代のベートーベン」というキャッチフレーズがなかったらこんなに多くの人が買ったかどうか疑問だ。

作曲ゴーストの問題で新垣氏の音楽はクオリティ的にかなり高いものであるにも関わらずこの事件で音楽そのものの価値が全くなくなったかのような世間の論調

これらを見て1つ言えるのは日本人は音楽を買うのではなく「音楽のシチュエーション」を買っているという点が見えてくる。そして実際にその音楽のクオリティが高いかどうか、いいか悪いかの判断を自分ですることができない。素直に自分が感じていい音楽を選べばいいのにその自信がないため、他人と同じような選択をする日本人ならではの体質

つまり日本人は「きちんと」音楽を聴かない国民になってしまっているという点だ。一部の人を除いて「いい音楽」というものが自分で理解できない判断できなくなっていることがそもそもの背景としてある。

リスナーのせいにするな、という人がいるかもしれないがこの事件のそもそもの大きなファクターの1つであることは残念ながら否定できない。

そしてこの問題は非常に深刻である。自分で自分がいいと思う音楽が判断できないということはつまるところこの国にはもはや音楽文化といえるものが存在しない、ということに等しいからだ。もう一度国民全員が「音楽鑑賞とは何か」ということを基礎から学び直した方がいいかもしれない。

勿論この事件の問題はこれだけではない。まだまだ他のファクターも存在する

2.音楽業界の「体質」の問題

当ブログでもこの件に関してはさまざまな観点から論じている。

卵が先か鶏が先かという話になるがそもそも話題性のみでしか音楽を買わないユーザーを大量に生み出した音楽産業の画一的な量を追求するマーケテイングが原因でユーザーがそうなったのか、それともそもそも日本人のユーザーが最初からそういう体質だから音楽産業がこういうマーケテイングしたのか、どちらが最初なのかはわからない。

しかしはっきりいえるのはテレビのタイアップを中心とするメジャーレコードの画一的なマーケテイング戦略だけが突出して発展してしまい、それがあまりにも長期間続いたために日本の音楽リスナー全体がそういう音楽マーケテイングの手法にあまりにも慣らされてしまっている、という問題も背景にある、それらによる悪影響で日本人の中に自分できちんと音楽を聴くという習慣がいつのまにかなくなってしまった、という面は否定できない。

そしてそれがこのゴースト問題の背景にある。

そもそもなぜ音楽業界がゴースト作曲家、ゴースト作詞家を大量に用意するかというと、「話題性」をでっちあげるために、誰でも名前を知っている、今話題になっている人が作曲(あるいは作詞)した、ということにすれば売れる可能性が高い、と音楽業界は考えているからである。そして少なくとも今回の事件まではそれが営業的に成功してしまっている点が大きな問題。なぜならCDや音楽を、「話題性」のみでしか買わない消費者は確実に存在するからである。実際佐村河内氏のCD作品も「現代のベートーベン」にするために全聾と偽ってまで「話題性」をでっち上げなければ間違いなくこんなに売れなかったであろう。

だがこんなことはクリエーターの権利という観点から見れば本来はあってはならないことである。はっきりいってこんなクリエーターの権利を踏みにじることが大手を振ってまかり通っているのは日本の音楽業界だけであろう。そんなことを当たり前にやっている業界がどの面下げて「不法コピー禁止、違法ダウンロード禁止」などといっているのかいいたい。クリエーターの権利を蔑ろにしている業界にそんなことをいう資格などない。

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2014年3月22日 (土)

佐村河内氏の「調整への復権」について私の見解

またこの関連記事かとお思いかもしれないが、やはり同業者でもあるので..

以下の記事でポイントとなる部分だけを引用させていただく

佐村河内氏が記者会見で力説 「調性音楽の復権」はどのような文脈で登場したか
http://realsound.jp/2014/03/post-342.html

音楽学者の岡田暁生は著書『西洋音楽史』
おいて、20世紀における西洋音楽の行方を三つのモードに区分している。第一に広範な聴衆の支持を犠牲にしてでも「芸術」のエリート性を保とうとする、一
部の前衛的な作曲家たちが選んだ現代音楽。第二に創作面が現代音楽というある種のアングラ音楽と化していくなかで、西洋音楽の「公的音楽」としての側面が
演奏文化に継承されていく「クラシック音楽のクラシック化」

。新曲を楽しむというより固定されたレパートリーについて演奏の差異を味わうという音楽鑑賞の形態は、録音メディアの発達も後押しとなり20世紀に入って
加速度的に進行していくこととなる。そして第三にポピュラー音楽の勃興。娯楽音楽の発信地がヨーロッパからアメリカへと移行するなかで、サロン音楽をルー
ツにもつポピュラー音楽がクラシック音楽の受け皿となった。
従来ならオペラやサロン・ピアノ音楽などの作曲家になっていただろう多くの人が20世紀におい
ては産業音楽に従事するようになったのは周知の事実である。

<中略>

クラシックジャーナルの編集長である中川右介氏はWEB
RONZAでこう指摘する。「佐村河内氏は現代の音楽界への異議申し立てとして『自分はあえて昔ながらのロマン派風の交響曲を時代錯誤と分かっているけど
書くのだ』というようなことを言って登場した。それはそれでひとつの考えである。だからそういう考えで書いてそれが売れるのなら、それはある意味でクラ
シック音楽業界が見逃していたマーケットの開拓である」

<中略>

しかし騒動前にこれだけの評価と賞賛を集め、普段はクラシックと縁遠いであろうリスナーまで惹きつけたことは事実として忘れてはならない。調性音楽としての完成度を備えた作品が、ポピュラー音楽のように一般のリスナーから歓迎され得ることが改めて示されたのである。 

当ブログの記事を読んで下さった方には私が元「現代音楽」の作曲家だった時代があり、現代音楽という名前ではあっても少しも現代を感じなかったのが私がやめた理由であるということはおわかりだと思う、それは今までの記事で書いた。ここではその点は多くは書かない。

さて上記の記事での「現代音楽」はあくまで先日の私の記事で書かれているアカデミズムの中の「現代音楽」について論じているが、実はこれだけではこの問題を論じる上では片手落ちである。先日の私の記事アカデミズムの「現代音楽」はポストモダン以降の音楽に殆ど影響を及ぼさず、反アカデミズムの「現代音楽」はヒーリングミュージックや環境音楽、テクノミュージック等のクラブミュージックに大きく影響を与えたことを述べた。上記の記者にとって反アカデミズムの「現代音楽」はもはや「クラシック音楽」とはいえないため議論の対象外にした可能性があるが、しかしそれでは現代の音楽の諸問題を語る上で非常に視野の狭い議論になってしまう。

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2014年3月 9日 (日)

CDショップ大賞はレコード会社と完全に決別すべき

先日所用で伺えなかったが3月6日(木)、Zepp TokyoにてCDショップ大賞及びライブが行われたという。

いずれも非常に質の高いライブだったらしく、友人のI氏も四時間立ちっぱなしでも全く苦痛に感じず、楽しかったという。日本で殆ど唯一健全な音楽への授賞式といっていいだろう。運営も大変だろうが是非これを続けていただきたいものである。

念のため今年の受賞者は以下の通り

大賞           「予襲復讐」 マキシマム ザ ホルモン / VPCC-81770
最優秀新人賞 「DOPPEL」 KANA-BOON / KSCL-2315

              「僕がCDを出したら」 KANA-BOON / RCDA-1030

洋楽賞          「NEW」 ポール・マッカートニー / UCCO-3048

http://www.cdshop-kumiai.jp/?page_id=5126

ちなみに代表のS氏も喜んでいたがtwitterCDショップ大賞についてこんなつぶやきがあったという

「今ある中で一番グラミーに近いのはCDショップ大賞だろう。ここでノミネートされた作品と、レコード大賞(昔ではなく今の)やゴールドディスク大賞を比べてごらんよ。広告代理店は日本の文化をおとしめてないか?」

上記のつぶやきは一般リスナーのつぶやきだが、まさにこのツイートが全てを語っている。

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2014年3月 5日 (水)

音楽をきちんと聴かなくなった日本人、「いい音楽」を自分で選べない日本人

こういうタイトルだとまた反発ーとりわけネットのヒマ人連中にとっては恰好の「荒らし」の対象になるーを受けるかもしれない。

しかし例の佐村河内事件にこだわるわけではないが、やはりあの事件が起きたこと、そしてJ-popシーンでは当たり前のように行われているゴースト強要、それら全ての背景には日本人の音楽に対する「聴き方」「選び方」というのも大きく影響していると実はいわざるを得ない。

一般のリスナーのせいにするな、などという人がいるかもしれない。しかしここに日本の現状を的確に分析された関西大学教授経済学者で音楽好きでも有名な高増明氏のThe Jouranal のインタビューを読むと、やはりそれも現在の日本の音楽状況に大きな影響を及ぼしているといわざるを得ない。

■高増明:日本のポピュラー音楽って大丈夫なの?──AKBや佐村河内守現象の背景にあるものとは
http://ch.nicovideo.jp/ch711/blomaga/ar472809

一部抜粋引用させていただく。例によってこの記事も長文になります。

<前略>

最近の日本の音楽についての危機感が感じられます

そうですね。90年代から始まって、特に2000年以降の日本のポピュラー音楽は世界の流れから完全に孤立して、ガラパゴス化しました。80年代までの日本の音楽って、おもしろくて水準も高かった。ロックだとFlower Travellin' Band 、サディスティックミカバンド、YMOやPlastics、LOUDNESS、ジャズでは渡辺貞夫、日野皓正、渡辺香津美、歌謡曲でも坂本九、ザ・ピーナッツ、沢田研二とか。世界に発信する力もありました。それが、AKBと嵐だけになってしまった理由を考えようと思いました。「きゃりーぱみゅぱみゅが世界的に人気」だとか「AKBは世界を制覇する」とかウソですよね。日本は、アメリカやヨーロッパとはまったく異なる状況になっています。

──なぜそうなったのでしょう

日本経済の停滞とそれによる社会や文化状況の引き籠り化、ガラパゴス化というのが一番大きな理由だと思います。バブルが崩壊した90年代以降、人々は不安になって、先端的なもの、ハイカルチャーと拮抗するようなサブカルチャーを楽しむ余裕がなくなってきました。企業もビジネスにならないので、切り捨てていきます。残ったのは、大衆的な嗜好に合致した音楽だけです。

それから、日本人は不安なときに他人と同じような選択をしますよね。電通は、これを「鏡衆」と呼んで、ビジネスに利用しようとしているのですが。結果として、「おたく」的なものと「ヤンキー」的なものだけが残ってしまった。このような傾向は、音楽だけではなく、アニメや政治も同じです。知性とか教養が必要な文化・思想というのは、どんどんなくなっていくというのが今の日本の状況です。「俺にはおもしろくない!」「俺は嫌いだ!」しかないわけです。簡単に判断するまえに「もっと勉強しろよ!」と思います。この点については、インターネットによってヒエラルキーが崩れたということもあるのですが、海外では客観的な評価がまだしっかり残っています

<中略>

──音楽は人気があるのに、なぜCDの売上は下がっていて、メジャーからデビューしても食えないのでしょう?

インターネットを理由にする人がいますけれど、それは間違っています。アーティストや音楽に対するリスペクト、思い入れがあればアルバムを買うはずです。
高齢化も違います。50代、60代の人は、若い世代よりも音楽に影響を受けて育ってきていると思いますが、そのような世代も音楽を聴かなくなっています。
それだけ「音楽に価値がある」と日本人が思わなくなっているということでしょう。AKBのように、CDは音楽ではなく、握手券として購入されているわけで
す。


──どうしたら、いいのでしょうか?

「良い音楽」を創り出す人が食べていけるようにすることが一番重要だと思います。今は、YouTubeなどでとりあえず何でも聞けるわけです。今の時代の
音楽は、経済学でいうところの「公共財」に近い性質をもっています。
公共財とは、たとえば道路とか公園のように、誰でも無料で消費できるし、他の人が消費
しても自分の消費に影響が及ばない財のことです(厳密に言うと、道路や公園も公共財には、あてはまりませんが)。このような財は、市場メカニズムではうま
く取引ができないのです。基本的には、政府が生産するか、政府がお金を出して民間に生産させるしかありません。音楽もそれとほとんど同じ性質を持っているわけですから、政府が音楽税のような税を徴収して、それをアーティストに分配することを考えなければいけないと思います。アーティストを育てていく努力が
必要だし、音楽は、今やそれが必要な財になってきています。

<中略>

フランスは文化を国家戦略のなかに位置づけていますから、文化に大きな支出をしています。韓国も、K-Popで「男性優位」的な国のイメージを変えることができましたよね。日本の文化予算は、フランスや韓国よりもGDPに対する比率でかなり低くなっています。

<中略>

──それに関連して、佐村河内さんの事件はどう思われますか?

あれも、日本人が音楽をちゃんと聴かなくなっているということです。現代音楽なんかやっていても食っていけないわけです。ところが、テレビが取り上げて「耳が聞こえない作曲家の美談」をつくりあげると、とたんにお金が入ってくる。著作権って登録が必要なわけではなく、曲を作った時点で、自動的にその人に与えられるわけです。ですから、著作権、正確には著作者人格権は、新垣さんにあります。新垣さんは、著作者人格権を侵害されているということになります。
ただし、著作権は譲渡できますから、お金の問題はまた別です。

日本人が「良い音楽」をどんどん聴かなくなっていて、政府もそれを保護したり支援したりする気もない。テレビに出ればお金が入ってくる。それが生んだ事件ですね。

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2014年3月 1日 (土)

改めて私の「現代音楽」観ー表現の可能性はもはや「現代音楽」にはない

2月はメチャクチャ忙しかったが3月に入ってようやく一段落

例の「作曲家ゴースト」問題で世間が大騒ぎしたのもつかの間、本当に日本人って熱しやすく冷めやすいというか、もう既に「過去の話題」として片づけられ始めている。

だが一応同業者がからむ問題なのでこの点だけは少しこだわって語ろうと思う。ここで問題にするのはいわゆる「現代音楽」というジャンルの音楽、それもクラシックなアカデミズムの流れに沿った「現代音楽」という様式(といっていいと思う)の音楽に対するもので、はっきりいってこの記事ではその批判記事になる。かなりどきつい表現が入っているのでそういう表現が苦手な方はこの記事を読まないでいただきたい。

もうだいぶ前になるが以前こういう記事を書いた

■なぜ私は現代音楽をやめたか
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2006/04/post_8725.html

ひとことでいえば、私が「現代音楽」をやめたのは「現代音楽」という名前ではあってもはっきりいって少しも「現代」を感じなかったからである。悪いが新垣氏ー「現代音楽」の重鎮である故三善晃氏の愛弟子だがーのやっている「現代音楽」などは私にいわせれば名前は現代でも古い時代遅れの音楽にしか思えないのだ。こんな音楽に自分の生涯をかけるのはアホらしいと思ってやめた。一言でいえばそれがやめた理由だ。

しかし一方で、じゃあこの「現代音楽」は全く意味のないものなのか?というとそれも違う。それには「現代音楽」というものをもう少し詳細に語らないと理解できないかもしれない。

ひとくちにジャズとかロックでもその中でいろんなスタイルの音楽があるのと同様、「現代音楽」といってもいろんなものがある。大きく分けると2つの流れがある。ひとつは新垣隆氏などがやっていたクラシックのアカデミズムの流れに沿った「現代音楽」であり、もう1つはそのアカデミズムの中に属さない、反アカデミズムといっていい「現代音楽」である。前者は新垣氏を始め師の三善晃、松村貞三等々、クラシック音楽の作曲技法をベースとした音楽で、後者はジョンケージ偶然性の音楽、プリペアードピアノやリビングルームミュージック(空き缶やいわゆる「楽器」でないものを楽器にする音楽)であったり、シュトックハウゼン電子音楽(今や死語だが..) ピエールシェフェール「ミュージックコンクレート」(これも死語)、イアニスクセナキスの「コンピュータ音楽(といってもmidiによるものではなく数学の情報理論や乱数使用の数学的技法による作曲)」などがある。

ステイーブライヒ
テリーライリーラモンテヤング等のミニマリズムも後者の反アカデミズムの「現代音楽」の中にいれていいだろう。

このアカデミズムの「現代音楽」反アカデミズムの「現代音楽」の間には決定的な違いがある。

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2014年2月 9日 (日)

また別人作曲事件についてー「現代音楽の作曲家」の「商用音楽」への偏見を業界関係者につけこまれたのが原因

いささかこの事件、書きすぎと自分で思わないでもない
ただ音楽のジャンルが違うとはいえ、一応同業者であるという点もあり、どうしてもいろいろと思うところがある、今日の記事は以前「現代音楽」というものに関わったことがある人間としての記事を書かせていただく、というのもこの件については同業者ーとりわけクラシック系の作曲家がそれぞれの見解を述べているが、クラシック系の人たちの見解にも正直違和感を感じるのだ。

勿論新垣氏をユーザーやファンを騙した「共犯者」のようにいうのは筋違いである、という点での見解は一致している。だがそこには現代音楽系と私のようにポップスや彼らのいう「商用音楽」に関わる人間としての意識のギャップが大きいと感じた。

例えば以下の記事がある

偽ベートーベン事件の論評は間違いだらけ-あまりに気の毒な当代一流の音楽家・新垣隆氏
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39905

<前略>

週刊文春を手にする多くの読者が、「作曲科を出たけれど食べられず、ゴーストライターをさせられていた売れない芸術家」のように新垣君を誤解しそうな文面なので、これを真っ先に否定しておかねばなりません。

 新垣隆君は、日本で芸術音楽の作曲に関わる者で知らない人のない、彼の世代のトップランナーの1人として20代前半から注目されてきた芸術家です。

 雑誌の記事には事情を知らないライターの「分かりやすいストーリー」で「ピアノの腕前もプロ並み」などと書かれていますが、とんでもないことです。

 彼はプロフェッショナルのピアニストを養成するうえで最も高度に教育指導できるピアノの教授者で、何千人という学生が彼の教えを受けてピアノ科出身者としてプロの仕事をしています。音楽家としての彼の挌は国際的に見ても超一級の折り紙がつけられるでしょう。

<中略>

ちなみにここで、文春記事はいかにも現代の日本社会が陥りそうな誤った観点で「芸術音楽を戯画化しているので、一本釘を刺させてもらいます。こんな素人談義で新垣君のような才能にあれこれ言われては、冗談にもなりません。記事は、

 「一般人には理解しがたい不協和音を駆使する現代音楽の作曲家である以上、その作品が日の目を見ることは本人ですら想像できないのが、日本のクラシック界の現実だ」

 以下、よく聴いていただきたいのです。 私自身も含め、音楽そのものの可能性のフロンティアでものを作ろうとする作曲の人間にとっては「予定調和」をなぞるほど恥ずかしく、非創造的な「仕事のやっつけ方」はないのです。

 こういう表現で新垣君が100%合意してくれるかは分かりませんが、言わんとすることは通じるでしょう。

 世間で流通する商用の音楽は、既存の書法の使いまわしでできています。その方が耳に親しみやすいし、ヒットもする。例えば連続ドラマ「あまちゃん」の音楽はよくヒットしました。ウイットとして面白いとも想いますが、そこに専門人は独自の新たな労作を見出しません。

<中略>

数万円のギャランティで、この「断片から楽曲を組み上げ、オーケストレーションして納品する」仕事を請け負った新垣君に対して、偽ベートーベンはこんなふうに言ったそうです。

 「この作品はぼくの名前で発表したい。君の名前は演奏家としてクレジットするし、将来必ず引き上げるから、しばらく協力してほしい」

 これに対して新垣君は、

 「私は、お金とか名声が欲しいのではありませんでした。(偽ベートーベン)の依頼は現代音楽ではなく、調性音楽(和音をベースにした音楽、と注が
ついていますが、週刊文春としてこういう表現しか取れなかったのでしょう。これは誤りですが)でしたから、私の仕事の本流ではありません」

 この「私の仕事の本流ではありません」という短い一言に、多くの本質が集約しているのです。

 つまり、自分自身が一から創意を持って創作する真剣なチャレンジとしての「仕事」(ライフワーク)ではなく、初歩的な、既存の、別の表現を取れ
ば、さんざん手垢のついた既成のスタイルでの楽曲書き、これは言ってみれば、「作曲課題の<実施>」に近いものと言えるでしょう。

 音楽課題の「実施」という言葉は、受験などしたことがある人はすべて知っており、そうでない人は一切知らない「方言」の代表と思います。

<中略>

「彼の申し出は一種の息抜きでした。あの程度の楽曲だったら、現代音楽の勉強をしている者だったら誰でもできる。どうせ売れるわけはない、という思いもありました」

 要するに余技ですよね。わざわざ自分の名をつけるまでもない、調性で書いた気の利いた小品。こういうのが息抜きになるのは、本当によく分かります。正直私自身も、そういう気軽な小品を書くのが嫌いでありません。また名前をつけるのに抵抗があることが少なくありません。

<後略>

長いので残りはリンク先を読んで下さい

 

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2014年2月 7日 (金)

続、佐村河内別人作曲問題ー「図形楽譜」に関する解説と「売るためには」作曲家作詞家の人権を蔑ろにしてもかまわないという音楽業界の体質の問題

昨日の記事から本日実際に作曲した新垣氏の会見等さまざまな情報が出てきた。

結論からいうと佐村河内氏が「何もやらないで」全て新垣氏が作曲した、というのはたぶん正しくない。いや、以下の画像が事実佐村河内氏が実際本当に書いたものだとすると事情が全く違ってくる

この画像をみて「訳の分からない」「こんなの誰でもできる」とかいろいろと誤解をする人がいたようなので、そこは一応音楽の専門家の立場から違うということは云っておこう

問題となっている「指導書」だが..

Bfwkkx8caaesqdujpg_large

文字部分が小さくもう少し精査しないとわからない部分があるが、これは皆さんのよく知っている楽譜ではないかもしれないが、実はこれは立派に楽譜といっていい

こういうのを図形楽譜というのだが、実は現代音楽ではよくこういう楽譜を書くことがある。

Fontanamix

ジョンケージのFontana Mix

 

Partition_graphique_der_haubenstock

 

Roman Haubenstock の3人のためのコンチェルト

何のためにこんな楽譜にするかというと、要は既存の記譜法では表現することが不可能な表現があるためであって、そのためそれを図形化して表現する。いわゆる電子音楽(もはや死語だが)の黎明期にはよく使われた手法である。

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2014年2月 5日 (水)

佐村河内守別人作曲問題ーこれを機に作曲家へのゴースト強要の音楽業界の悪慣習を廃止せよ!! この問題をウヤムヤにするな!!  

作曲家の端くれとしてこの件は発言せざるを得ない

さてテレビマスメデイアでも報道されているこの事件。

■「全聾の作曲家」佐村河内守氏、別人が作曲
http://www.asahi.com/articles/ASG25343JG25UCLV003.html

「全聾(ろう)の作曲家」「現代のベートーベン」として知られる佐村河内守(さむらごうちまもる)さん(50)が、十数年前から別人の男性に頼んで作ってもらった曲を自分単独で作ったと発表してきたことがわかった。代理人の弁護士が5日、明らかにした。レコード会社は、CDの出荷停止を決めた。

CD出荷停止、公演も中止

実際作曲したのは桐朋学園の作曲学科の講師だそうだが、

はっきりいってこのニュース自体は全く驚かなかった。こんなことは20年近く前から音楽業界では「当たり前」だったわけで、これが問題になるのなら某A社とか某KT氏なんかどうなっちゃうんだろうね。そこでは当たり前のようにゴースト強要が行われていたわけで.. なぜか誰もそのことに触れないのか不思議でならない。今やシロウトでもこういうことがあることぐらい知っている。はっきりいって何をいまさら、というのが正直な印象だ、

ポップスとクラシックでは違うなどという人がいるが、ではポップスなら許されるがクラシックは許されないのか? とんでもない差別である。ジャンルこそ違えど同じ音楽をクリエイトする仕事である。何にも変わらない

もしクラシックでそういうことが起きたから深刻というのなら、だったらなおさらのことこういうゴースト強要などという音楽業界の悪慣習をこれを機会に廃絶すべく、音楽業界の実態をこれを機に徹底調査すべきだ。はっきりいおう。「有名アーチストの曲が実はゴースト」なんて例が面白いくらいに出てくるはずだ。

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2014年1月27日 (月)

あまりに対照的なグラミーとレコード大賞の現状ーグラミー2014年を見て

本日アメリカ、ロサンジェレスのステイプルセンターにてグラミー賞の授賞式が行われました。主な受賞者は次の通り

最優秀レコード   Daft Punk    Get Lucky

最優秀アルバム  Daft Punk  Random Access Memories

最優秀曲      Royals   Jeff Bhasker, Pink & Nate Ruess,
                  songwriters (Pink Featuring Nate Ruess)

最優秀アーチスト  Macklemore & Ryan Lewis

最優秀ソロアーチスト  Royals

最優秀デユオ      Daft Punk    Get Lucky

あと日本人ではクラシックの分野ですが日本人のバイオリニスト五嶋みどりさんがグラミー受賞しています。
■五嶋みどりさん、グラミー賞獲得=バイオリン協奏曲演奏アルバムで
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_date1&k=2014012700073

Daft Punk が三冠ですね。プロデユーサーはナイルロジャースです。大御所健在ですね。ステージでギターも弾いてくれました。

それにしても毎年グラミーはいろんなコラボレーションを見せてくれましたが今年もずいぶんやってくれました。

まあグラミーとレコ大など比べるべくもない。といいますか同じテーブルで論じること自体がはっきり言ってグラミーに失礼だと思いますが、グラミーの授賞式はエンタテインメントとしてたとえ自分が興味のない音楽ジャンルでもじゅうぶんに楽しめるのもであるのに対し、レコ大は見たあと「業界の談合」「事務所の力関係、裏取引」(今やシロウトでもそのことを知っている)などが見えてしまい、見たあと白々しさが残るだけです。演奏される曲もつまらないし見ていて楽しかったなんてのは全くありません。今までは「業界人の義務感」として見ることが多かったですが、最近は見ること自体がもはや苦痛になってきました

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2014年1月20日 (月)

音楽界の良心ー佐久間正英さんを悼む

昨年の4月に衝撃の「癌」への闘病を公表して以来、それでも日本の音楽界に関して様々な警鐘をならしておられた佐久間正英さんが、1月15日の深夜、亡くなっていたことがわかりました。

Sakuma11

■佐久間正英氏が逝去

http://natalie.mu/music/news/108147

佐久間正英が1月15日深夜26:17に亡くなった。61歳だった。

2013年4月にスキルス胃がんと診断され、同年8月にそれを公表してからも治療に励みつつ音楽の仕事を続けていた佐久間正英。10カ月におよぶ闘病生活
を送ってきたが、1月15日の夜に容態が急変し、そのまま静かに息を引き取ったという。葬儀は本人の遺志に従い、近親者のみでの密葬として執り行われた。

佐久間正英は四人囃子やPLASTICSのメンバーとして活躍し、その後は音楽プロデューサーとしてBOOWY(2つ目のOは/付きが正式表記)、
GLAY、JUDY AND MARYほか数多くのバンドをプロデュース。30年以上にわたり日本の音楽シーンを牽引してきた。なお、3月5日には佐久間正英が携わっている楽曲を集めた2枚組コンピレーションアルバム「SAKUMA DROPS」がリリースされることが決定している。

残念ながら佐久間さんとは直接の面識はありませんでしたが、佐久間さんの発言は当ブログにて多く引用させていただきました。昨年末一時的にプラスチックスが復活して大変もりあがった矢先だけに本当に残念です。

本当に61歳は若すぎます。
心からご冥福をお祈りいたしますと同時に、音楽の世界を良くしようという佐久間さんの遺志を我々残されたものが引き継いでいかねばならないと思います。最後まで音楽界の現状に対する警鐘を鳴らしておられました。

と同時に佐久間さんを始めとする良心的な音楽関係者の度重なる警鐘にも関わらず、現状の改革を頑ななまでに拒否するレコード会社、大手音楽制作会社に対し絶望を禁じ得ません

まさに日本の音楽界の良心、と言っていい方を失いました。

合掌

また今日は偉大な指揮者のクラウデイオ・アバードも亡くなったようです。訃報が続きます。

■指揮者のクラウディオ・アバド氏死去 80歳<
http://www.asahi.com/articles/ASG1N66G6G1NUHBI02N.html

ご冥福を改めてお祈り申し上げます。

 

 

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2014年1月17日 (金)

タイアップ状況異変!! クオリティの低いメジャー会社の音源と番組に合わない曲不要論台頭

もう昨日になるが、友人のアーチストとの打ち合わせ、その中で面白い話を聞いた。その友人アーチストはインストながら昨年地上波のニュース番組のテーマ曲タイアップを取った。そしてその取った時の話が実に面白い。

いうまでもないが、音楽事務所やレコード会社で相も変わらずタイアップを取るのに血眼になっている。そのアーチストのタイアップ番組の局はテレ朝だけどプロデユーサーの方にはくさるほどのサンプル音源が送られてきたらしい。しかしそのプロデユーサーいわく「いい音源が一曲もなかった」という。

おそらくこのプロデユーサーの元にはどこどこの事務所、あるいはどこどこのレコード会社の音源をタイアップに使えといった「圧力」が相当あったと思われるがそのプロデユーサーは全部それをはねのけ、結局プロデユーサーが「一番イメージに近い」といったその友人のアーチストの音源を使い昨年の9月から流れ、現在も流れている。

ドラマ「半沢直樹」はご存じの通り「テーマ曲」のタイアップを一切使わなかった。これは番組のイメージに合わない曲を使うくらいなら、タイアップによるテーマ曲などない方がいい、という考え方だ。

http://gendai.net/articles/view/geino/143990

演出の福澤克雄氏は、半沢直樹と同じ日曜劇場「華麗なる一族」(07年)でも、服部氏の音楽を使っていた。確かに、チャラチャラした主題歌、挿入歌がないほうが、重厚感もテンポも出る。芸能評論家の肥留間正明氏が言う。

これまでのドラマは、レコード会社とタイアップするなど、主演俳優の曲を主題歌にしたものが多かった。しかし、半沢直樹はそうした制作サイドの都合ではな
く、視聴者のためのドラマ作りにこだわっている。
それが功を奏したのだと思います。主題歌がないことで、一見地味ながら実力派俳優たちの演技をしっかりと
見られるし、引き込まれていく。裏のない『正統派ドラマ』だからこそ受けているのです」

 

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2013年12月31日 (火)

年末になって訃報ー大瀧詠一さん急死

年の瀬に入り2013年もあとわずか、という時期にできれば嘘であってほしい訃報が入りました。

大瀧詠一さん急死 65歳「はっぴいえんど」などで活躍
http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312310018.html

それまで洋楽一辺倒だった私が日本のバンドに興味を持たせてくれたのが「はっぴいえんど」でした。リンゴを食べているうちに倒れられたとの話ですが、直接の死因は「解離性動脈りゅう」だそうです。

まだ65歳、あまにり若すぎます。

つい最近まであんなに元気に活動していたのに...
ショックです。
ご冥福をお祈りいたします。

ミュージシャンで音楽プロデューサーの>大瀧詠一(おおたき・えいいち)さん=本名・大瀧栄一=が30日、死去したことが分かった。65歳だった。

警視庁福生署や所属レコード会社によると、30日午後5時半ごろ、自宅で果物を食べていたところ、急に倒れ、家族が119番通報した。青梅市内の病院に救急搬送されたが、解離性動脈瘤で死亡したという。通夜、葬儀などの日程は未定。

 大瀧さんは、細野晴臣さんや松本隆さんらとともにロックグループ「はっぴいえんど」で活躍。ソロに転向し、「君は天然色」「幸せな結末」などのヒット曲を出した。

 プロデューサーとしても、山下達郎さん、大貫妙子さんのシュガー・ベイブに楽曲を提供するなど活躍。松田聖子さんの「風立ちぬ」、森進一さんの「冬のリヴィエラ」、小林旭さんの「熱き心に」などもヒットした。

 

 

 

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2013年12月30日 (月)

音楽業界の"今"と"これから-音楽文化、コンテンツの未来のありかたについて

2014年もいよいよ明日で終わる。

基本的には昨年、今年とやってきたことをさらにステップアップして行こうというのが基本姿勢だが、同時に今後の音楽文化のありかた、クリエーターとしてこれからの新しい音楽コンテンツはどのようなものであるべきか、について考えを構築していきたいと考えている。

そんな折昔からの音楽業界の知り合いで「ミュージックソムリエ協会」を主宰する鈴木氏がBLOGOSで音楽業界のありかたについて語ったインタビューがあるので紹介したい。

「メジャーレコード会社は、もう新曲を作るべきじゃない」〜音楽業界の"今"と"これから"
http://blogos.com/article/76769/?axis=&p=1

共感する部分が多いので以下に一部抜粋、引用させていただく

ラジオの世界でも、例えば番組で放送する曲の枠が5曲分あるとしたら、3曲は”政治”で最初から決まっていたりします。聴取者に聞いて欲しい曲だけを放送することはできない。 

鈴木私どものやっている、「ミュージックソムリエ」資格(後述)の規約の中に、「レコード会社からの金銭的インセンティブをもらってレコメンドした際は資格を剥奪する」という項目があります。1度でもやったらダメですよと。

かつては一般のリスナーも、騙されることにある種の快感を覚えていたんです。パワープレイを何十回も聞いて「ああ、今コレが仕掛けられている曲なんだな。
じゃあ聞かなきゃ」と動いた。雑誌でもテレビでもラジオでもそれが成立しました。しかし今は「ステマでしょ?」の一言で嫌われてしまう。

それを容認していたこと、そんなことやってるから音楽業界はダメになったんだという人たちもすごく増えてきています。

<中略>
こだわりを持ってアナログ盤で聞く人たちの年齢層は比較的高めなのではないかと思います。年齢層別に戦略を変えていくということでしょうか。 

鈴木そこで私達が実施している「ミュージックソムリエ」があります。やっぱり、年を重ねるにつれ、どんどん音楽からは離れていくものじゃないですか。そういう人たちに生活に寄り添った音楽との出会いの場を作る、ということができる人たちを育成するのです。

音楽はどんどん生まれてくるし、過去のアーカイブは消えていくわけでもなく膨れ上がっていく。ネットが生まれる前と後で情報流入量だけでも1000倍近くなっているそうです。とすると、聞ける音楽がどんなに莫大にあっても、何を聞いていいかわからなくなっていくだろうと。

だから、きちんとレコメンドができる人がいないといけない。今目の前にいるこの人が求めている音楽はこれでしょ、これが好きなんでしたら恐らくこちらも好きになりますよ、という知識が求められます。

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2013年12月 7日 (土)

民族楽器(ケーナ)のレコーデイング

来年4月からオンエア予定の番組のテーマ曲のためのレコーデイングを本日行いました。

テレビとはいえBSでウルトラ低予算の番組、南米の旅行案内番組なんですが、いくら低予算とはいえ、公共の電波で全国オンエアですから、やはりソフトシンセだけで作ってしまうのは自分でいかがなものかと思ってました。

今回は南米ーとりわけペルーからアンデス地方の旅番組ということで、南米の民族楽器ケーナ(写真)を使いました。

Quena2

ケーナは竹でできていて日本の尺八に似た楽器です。

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2013年10月28日 (月)

また偉大なミュージシャンの訃報 ルー・リード死去

週明けになってのっけから信じたくない訃報が飛び込んできました。偉大なミュージシャンの訃報。今でも嘘であってほしいと思っています。ヴェルヴェット・アンダーグラウンドからのファンでした。

■ルー・リードさん死去 米ロックミュージシャン 71歳
http://www.asahi.com/articles/TKY201310280001.html

1960年代から70年代に「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」のリーダーとして活躍し、後のロックやパンクに大きな影響を与えたミュージシャンのルー・リードさんが27日、米ニューヨーク州サウサンプトンで死去した。71歳だった。AP通信によると、5月に受けた肝臓移植の関連の病気が原因という。

 

 ニューヨーク出身。60年代半ばからジョン・ケイルさんらと一緒にヴェルヴェット・アンダーグラウンドとして活動し、ギターとボーカルのほか、作詞作曲も担当した。67年には、ポップ芸術家の故アンディ・ウォーホルさんの支援を受けてレコードデビュー。商業的にはほとんど成功しなかったが、「ヘロイン」「毛皮のヴィーナス」など、前衛音楽にも影響を受けたメロディーと、麻薬やセックスを正面から取り上げた歌詞を組み合わせた曲が話題となり、多くの音楽家に影響を与えた。

 70年にバンドを脱退した後もソロ活動を継続し、「トランスフォーマー」「ニューヨーク」などのアルバムを発表。日本のファンも多く、来日公演は複数回行った。

肝臓移植していたんですね。

とても残念です。ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

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2013年10月26日 (土)

新しい音楽配信の潮流、ライブを高音質で配信ーこれは私もやってみたい。

久々に面白い情報が入ったのでこのブログでも書かせてもらいます。i-tunes等の音楽配信とは全く違う、新たな音楽配信の潮流になるかもしれません。

■RME Premium Recording
http://www.synthax.jp/RPR/

世界中のどこかで、毎日毎晩素晴らしい演奏が行われています。
ただし、記録されて世に広められ、後世に残されるのはごくわずか。
多くの名演はその場に居合わせた人の記憶にしか残らない存在でした ─ これまでは。
RMEが提唱するMADIを活用したライブ・レコーディングは、収録にかかる機材と費用を大幅に削減し、ライブ・レコーディング作品制作への障壁を一気に下げることを可能にしました。

RMEを使用して録音された、色付けのない透明無垢なサウンドで
演奏会場の空気感さえも余すことなく録り込んだレコーディング作品を
録れたての音を産地直送さながらに、余分な加工をせずにユーザーの再生環境へ
届けることを基本理念とし、録音段階から24bit/96kHz以上の真のハイレゾ・コンテンツを
供給するために、私たちはこのレーベル ─ RME Premium Recordings ─ を設立しました。

e-onkyo music サイトから11月1日提供開始

http://www.e-onkyo.com/music/

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この機材を使ってレコーデイングするらしい

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2013年10月19日 (土)

新しい音楽コンテンツのありかたを模索するサイト"trick-music.com" 立ち上げとその意図について

以前から少しお知らせしていた新しいサウンドコンテンツのありかたを模索するウエブサイト「音のイリュージョンー錯聴トリックミュージック」を本日オープンさせました。
http://www.trick-music.com/

これは耳の錯覚や「仕掛けのある音楽」や「音のパズル」を始めとする音楽の新しい遊び方、聴き方を提案するサイトという内容になっていますが、これだけだと単なる「音楽のクイズーお勉強」のように見えてしまうかもしれません。

しかしこのようなサイトを立ち上げた理由は大きく分けて3つあります

1.音楽に「仕掛け」を施すことにより新たな表現の可能性を模索する

きっかけはウエブサイトにも書いてありますようにトリックアートというものがあるのならトリックサウンドというものもあるはずだ、と考えたのがきっかけです。しかしアート方面と違い音楽、特に昨今の音楽はアートのようなイリュージョン、やだまし絵のような仕掛けを施される例は少なく、あってもサブリミナルのようなどちらかというとあまりよくないイメージで捉えられることが多いのが実情です。しかし私が調べていくうちに昔、特に近代までの作曲家は作品にさまざまな「仕掛け」を施し、とくに人間の耳の錯覚を利用した多くの作品を作っていたことがわかってきました。それがいつの頃からか忘れられはじめ、昨今は「売れセン」などという馬鹿げた言葉でクリエイテイビテイのかけらもない音楽が氾濫してしまいました。私はそのような風潮に異を唱え新たな音楽の創造力の可能性を復活させたいと考えています。

2.BGM=空気のような音楽の存在のありかたを見直す

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2013年10月10日 (木)

ヒットチャートの新標準ーオフィシャルチャートカンパニー

Billboardとかオリコンとかありますが、今ヨーロッパ、とりわけイギリスではヒットチャートについて新しい標準ができつつあります。

恥ずかしながら私も知らなかったんですが海外のヒットチャートの計算方法はいつのまにかすっかり変わっていたんですね。一応私も業界人の端くれなので、これは勉強しないと恥ずかしい、ということで調べました。

結論からいいまして もう「何万枚セールス」とか「ダウンロード何万回」なんていう測定方法は時代遅れになっているんですね。旧態依然のチャート測定法なのはもはや日本だけかもしれません。

http://www.officialcharts.com/

このことを知ったきっかけはこの記事です。

イギリスの音楽シーン、2013年はシングルが過去最高に迫る勢いで売れている!

http://www.musicman-net.com/artist/29661.html

英国音楽の業績をモニターする業界団体Official Charts Companyによれば、英国の音楽業界は2013年はシングルの売上が過去最高に達する勢いで伸びているそうです。

ロビン・シックの「Blurred Lines」と、ダフト・パンクの「Get Lucky」が第3四半期が終了した時点で最も売れたシングルです。「Blurred Lines」は136万ユニット、「Get Lucky」は124万ユニットと英国内での売上は大きく伸びています。

スウェーデン出身で若干24歳ながらすでにスーパースターとなった若手DJ、Aviciiの「Wake Me Up」は2013年で第3位と健闘しており、2013年で最も早く売上が伸びたシングルで7月のリリースから今週で100万ユニットを突破しました。「Wake Me Up」は英国音楽チャートで140番目に100万を売り上げたシングルになります。

こちらが今年度最も売れているシングルのトップ10になります。

1 “Blurred Lines” Robin Thicke/TI/Pharrell Williams
2 “Get Lucky” Daft Punk feat. Pharrell Williams
3 “Wake Me Up” Avicii
4 “Let Her Go” Passenger
5 “La La La” Naughty Boy feat. Sam Smith
6 “Thrift Shop” Macklemore/Ryan Lewis/Wanz
7 “Just Give Me A Reason” Pink feat. Nate Ruess
8 “Mirrors” Justin Timberlake
9 “Waiting All Night” Rudimental feat. Ella Eyre
10 “Pompeii” Bastille

上記の文章で「ユニット」なる言葉で表現されているが、実はこれが従来と違う計算尺度となのである

 

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2013年9月13日 (金)

ドルビー研究所の「レイ・ドルビー氏」死去ー音の世界の巨人がまた一人逝く

最近はサウンド自体に興味を持つ人が減ってきたので「ドルビー」といっても特に若い人は知らない人もいるようだ。

しかしノイズリダクションや映像やDVD用のドルビーサラウンドの生みの親であり、戦後の録音技術に大きく寄与し、また強い影響を与えたレイドルビー氏が逝去したDolby Laboratoriesは発表した。

■ドルビー創設者のR・ドルビー氏、死去
http://japan.cnet.com/news/society/35037198/

Dolby Laboratories創設者のRay Dolby氏が米国時間9月12日、サンフランシスコの自宅で死去した。享年80歳だった。

 同社は、Dolby氏が近年アルツハイマー病を患っており、7月には急性白血病と診断されていたことなどを明らかにした。

 Dolby氏は、多数のオーディオ技術の発明により人々のサウンド体験に革新をもたらしたことで知られる。同氏は、ノイズリダクションに関する先駆的な研究に取り組んだほか、サラウンドサウンドを発明した。同氏は50件を超える米国特許を保有している。

 Dolby氏はインドで国連のアドバイザーとして務めた後、1965年にDolby Laboratoriesを創設した。オレゴン州ポートランド出身。若い頃にスタンフォード大学とケンブリッジ大学に学んだ。また、Ampexに勤務し、チーフデザイナーとして初期のビデオテープ録音システムの電子機器を全面的に担当していた。

実は写真を見るのは初めてなんですが、

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今の録音技術や映像の音全般はこの人なしにはなりたたなかったと思います。オスカーやエミー、グラミーの技術部門で数々を受賞しています。Dolby LaboratoriesのCEOのKevin Yeaman氏は、哀悼の意と表すとともに「Ray氏の理想は我々のインスピレーションとモチベーションの源であり続けるだろう」とコメントしています。

また今日の音楽文化に大きく寄与した巨人が逝ってしまいました。ご冥福をお祈りいたします」

 

 

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2013年8月15日 (木)

安易なドラマの「タイアップ主題歌」時代の終焉

一応私は劇伴音楽とかに手を染めているのでドラマについても一定の関心を持っています。

「あまちゃん」が一大ブームを巻き起こしていますが、民放では私は見ていませんが「半沢直樹」「あまちゃん」以上の高視聴率を記録しています。

実はこの両者に共通することが一点あります。

それは「主題歌」がないことです。勿論「あまちゃん」の場合はドラマの中のアイドルがさまざまな曲を歌っていますがそれらはレコード会社がドラマに宣伝のためのタイアップとして提供するようなものではなく、完全に「あまちゃん」というドラマ用に綿密な検討を加えた上で作られたものです。だから受けているんだと思います。

そして「半沢直樹」の方にも「主題歌」はありません。それに関してこんな記事があります。

「半沢直樹」なぜ主題歌がないのか
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130814-00000001-nkgendai-ent

独走状態の大ヒットドラマ「半沢直樹」。いよいよ“後半戦”に突入し、平均視聴率も30%の大台をうかがう勢いだが、素朴な疑問がある。なぜ、いわゆる「主題歌」がないのか――。

 過去の高視聴率ドラマは大抵、主題歌も話題になっていたりする。相乗効果で、ドラマの数字も伸びていた。古くは90年代の「101回目のプロポーズ」が
CHAGE&ASKAの「SAY YES」、キムタク主演「ビューティフルライフ」(00年)ならB,z「今夜月の見える丘に」、最近なら「家政婦のミタ」(11年)が斉藤和義「やさしくなりたい」などなど

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2013年7月29日 (月)

音楽評論家が「日本の音楽評論家は信用できない」とレコ大の実情を暴露

先日の拙ブログ記事 ついに業界内で名指しの批判ー「J-POPを殺したのはソニー」 で音楽業界の体質を名指しで批判した麻生香太郎氏がまた吠えた

まあ正直いって音楽ファンの多くは既にこの実情に気づいているし我々音楽業界の人間からすればすでにわかりきっている事実である。
しかしここまで大っぴらに云えるようになったとは、もはや音楽業界もこういう声を黙らすことができなくなったのであろう。

「大手マスコミと芸能界を結ぶ「太い利権」が、ジャーナリズムを殺した」
http://realsound.jp/2013/07/post-19.html

(注;この文章ではA本氏をわざと「あまちゃん」演じた太巻の「古田氏」としている)

『スター誕生!』の時だって、審査委員長の阿久悠さんは、楽曲制作を、自分以外にも振り分けていたものです。だが、誰も番組の中心人物には逆らえない。ス
ポーツ新聞もマスコミも、「おニャン子クラブの取材をさせてもらえなくなる」という理由で一切、批判できなかった。批評眼さえなかった。今だと「GMTに
取材ができなくなるから......」ですよね。唯一『週刊文春』はスキャンダル記事を載せて、喧嘩を売っているような(逆・擦り寄りのような)微妙なス
タンスをとっていますが、本質的なところを指摘するメディアは今のところありません。こうしたマスコミの利権に縛られている状態が、まとも音楽ジャーナリ
ズムが成立しない要因のひとつになっている
と思います。

そして次の記事

『レコ大』審査員は利権まみれ! 日本の音楽評論家が信用できないワケ
http://realsound.jp/2013/07/post-22.html

 

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2013年7月27日 (土)

東京音大

私は結局音楽大学には行かなかったが東京音大は他の大学とは違う思い入れがある。

というのも自分の音楽作品の演奏のリハーサルが行われた場所だったからだ。
それは生まれて初めて自分以外の人が私の音楽作品を演奏したコンサートのためのリハーサルだったからだ。

今は私が行った当時とは異なり建物もすっかり新しくなり全く勝手がわからなくなったが..

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食堂からみたA館ロビー

確か作曲家の三木稔先生主宰のコンサートだった。そういうこともあり結構思い入れがある。

高校時代音大の作曲家を受験すべく勉強した時期があり、東京芸大や国立音大には何回か行ったが、なぜか東京音大の方が印象に残っているし自分の中でもいいイメージを持っていた。そしてその数年後、東京音大は日本の音楽教育としては革命的なことをやってのける。

それまでクラシック音楽一辺倒だった日本の音楽教育にポピュラー、ジャズ系の音楽教育のカリキュラムを導入し、カシオペアの鳴瀬さんMugenの難波弘之さん を教授に迎え「放送音楽コース」なるカリキュラムをたぶん四年制の音楽大学としては日本で初めて導入した点であろう。これを私立の音楽大学でもトップクラスのレベルだった東京音大が導入したということで音楽教育の世界は当時、蜂の巣をたたくほどの大騒ぎとなった。

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その導入を決定したのが当時学長だった伊福部昭先生(写真)、そうゴジラのテーマ等の円谷プロの音楽を始め、多くの日本の映画音楽で多くの実績を作った大作曲家である。日本の映画音楽の作曲家として私が最も尊敬する作曲家の一人である。

その伊福部先生の強い意志で日本のバークレー音楽院のようなものを東京音大に作ろうと考え、プロフェッショナルな音楽家の教育にも力を入れてきた方である。そしてそれは実に見事に結実したと思う。変な話私はあと十年生まれるのが遅かったら躊躇せず東京音大に入ろうと思ったかもしれない、少なくとも芸大よりは居心地が良さそうである。

実際私の経験上も東京音大出身のミュージシャンは実に仕事がしやすい。こちらの趣旨をきちんと汲み取ろうと努力をしてくれるしさまざまな協力もしてくれる。我々作曲や編曲をやっている人間からすれば実にありがたい。それも伊福部先生の主旨ではなかったかと思っている。

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2013年7月16日 (火)

ついに業界内で名指しの批判ー「J-POPを殺したのはソニー」

正直いって記事自体は私のこのブログを読んでいただいた方なら「何をいまさら」ということになろう。主張内容も私にいわせれば特に新しいものはない。

■「J-POPを殺したのはソニー」 知られざる音楽業界のタブー
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/130715/wlf13071512010009-n1.htm

 

Wlf13071512010009p5


麻生香太郎氏

J-POPを殺したのはソニー!?不振にあえぐ日本の音楽業界、中でも「J-POP」が抱える病巣に踏み込んだ著書「誰がJ-POPを救えるか?マスコミ
が語れない業界盛衰記」(朝日新聞出版)が話題だ。著者で音楽評論家の麻生香太郎氏
(写真)は、儲け優先に舵を切ったメーカーなど業界の構造をはじめ9項目の問題
点を指摘。「タブーに声を上げないと、音楽業界はダメになる」と話している。

この記事に意味があるとすれば、今まで業界で表だって言えなかったことが、曲がりなりにも産経新聞という一応大手といわれる新聞の記事で特定のメーカーを「名指し」した上で出ている点だろう。

 ちょっと前にこんな記事を書こうもんなら業界から永久追放ものだった。しかし今やメーカー自体にそういった「強権発動」する力はもはやなくなったことを示している。私的にはJ-popだけでなく日本の音楽文化をダメにしたのはソニーミュージックだけでなくエ〇ベック〇の二社がA級戦犯といっていいと思うのだが..(ちなみにA〇B出しているキ〇グの曲はそもそも「音楽」を売っていないから対象外www)

いずれにせよもはや業界の体すらなさなくなった音楽業界。もはや音楽評論家は元より作曲家、作詞家、ミュージシャンを満足に食わせられなくなっている現状ではどんなえらそうなことをいってももはや人はついてこないだろう。

正直いっそのこと全部つぶれて本当に一度更地になってくれた方がいいと思うのだが..

 

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2013年6月29日 (土)

音楽ファンを大事にしなくなった音楽業界ー「クラシック音楽愛好家」の集まりに参加して

先々月より制作してきた化粧品メーカー用の環境音楽ーヒーリング音楽、昨日正式に納品されました。7年前にも同じ仕事をしましたがその時は単に「サロンに流す音楽」ということでそれほど大々的なものではなかったのですが、今回は私の名前も出てしまい、しかもかなりメデイア展開も行われるようなので、正式に情報解禁になりましたら当ブログでもお知らせいたします。

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昨夜はその化粧品メーカーのプロジェクトの監修の方である美容ジャーナリストの方のお誘いで西麻布の隠れ家的なサロンにて「クラシック音楽愛好家」の集まりに伺いました。実は今回の化粧品メーカー用の音楽のプロデユーサーとはもう結構長い付き合いなんですが、こんなにもすごいクラシック音楽の愛好家であったことを今まで知りませんでした。その美容ジャーナリストの方も大変なクラシック愛好家で、打ち合わせの際にそのプロデユーサーと意気投合してその関係で今回の仕事が終わった関係で集まりに私も呼ばれたという経緯があります。

まあ私も昔は「クラシック少年」でしたし、音大も受けようとした時期があり少なくとも音大生なみのクラシック音楽の知識は持っていますが、かなりクラシックに関してはマニアックな集まりで私自身もタジタジになるくらいでしたが. しかしこういう人たちの集まりがこういう形で定期的にあるというのは驚きでもありました。

私の会社も業務で「ホール録音」を行うことがありますが、

http://www.hybridmusic.jp/hall.htm

 

最近はメジャーメーカーであまりクラシック音楽を発売しなくなった関係で、元レコード会社のデイレクターで小さいながらもクラシック音楽のレーベルを運営している人たちがいますが、今日の集まりの人たちもそういう人たちとのつながりも持っています。

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2013年6月17日 (月)

ストラビンスキー「春の祭典」初演から100年-「題名のない音楽会」の番組を見て

別に記事を書くつもりはなかったんですが、朝twitterで書いたことをもう少し詳しくという要望が私のところに来ましたので..

きっかけは本日放送の「題名のない音楽会」で本日ストラビンスキーの「春の祭典」の特集をやっていたためにそれに関してtweetを3つ書いたんですが、やはり140文字では伝えきれない部分がありましたので

このストラビンスキーの「春の祭典」は音楽史上でももっともセンセーショナルな作品でありストラビンスキーの代表作として知られていますが、ここであまりクラシック系やストラビンスキーを知らない方のために簡単な予備知識を記しましょう

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イゴールストラビンスキー(1882-1971)

ストラビンスキーはロシア生まれの作曲家で1882年にロシアのサンクトペテルブルク近郊のオラニエンバウム(現・ロモノソフ)に生れ、1908年ころにパリに移住 パリでロシア・バレエ団のために「火の鳥」「ペトルーシュカ』を発表したあと、ロシア・バレエ団のセルゲイ・ディアギレフ、、美術家で総合プロデユーサーとなったニコライ・レーリヒ、舞台美術家のレオン・バクストといった当時最新鋭の感覚を持ったクリエーターが集結して作り上げたのがこのバレエ曲「春の祭典」なわけです。

この「春の祭典」と先ほどの「火の鳥」「ペトルーシュカ』をあわせてストラビンスキーの三大バレー曲と呼ばれ、ストラビンスキーの代表作として今日まで伝えられているわけですが.. その後は新古典主義、十二音とくるくる作風を変え「カメレオン」と揶揄されるほどで、私自身も新古典主義以降のストラビンスキーの音楽は正直あまり興味ありません。ある意味「初期の作品」と呼ばれる作品が代表作となってしまっているわけで、ちょっとその辺りは少し残念な気がします。

でその「春の祭典」が初演された今年が100周年ということで本日放送のテレ朝の長寿音楽番組「題名のない音楽会」で佐渡裕、池辺晋一郎その他が出演しての番組になったわけです.

ではこの「春の祭典」がどれだけすごい曲かというとひとことでいうとそれまでの音楽の拍子、リズムの常識を全て根底からくつがえしたことです

具体的にはどういうことかというと

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2013年5月24日 (金)

NHKのコンペに関する勘違い記事について

正直この手の記事はもう書くまいと思っていた。今までさんざん書いてきたし今更業界の体質を批判したところで誰も聞く耳を持たないし、書くことすらアホらしくなってきたので

だけど次の記事を読んでいたらちょっと怒りがこみあがってきたので書かざるを得なくなってきた

ヒット曲は“コンペ”が主流か
http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2013_0522.html

今も歌い継がれる往年のヒット曲は、かつて「黄金コンビ」と呼ばれる作詞家と作曲家が世に送り出してきました。

<中略>

1位の「ヘビーローテーション」は3年前に発売された曲ですが、昨年度、カラオケで最も歌われ、著作権料の収入が伸びました。4位の「東京ブギウギ」は、
鈴木勝さん作詞、服部良一さん作曲のコンビで作られた往年の名曲ですが、発泡酒のコマーシャルで使われ、上位に入っています。注目すべきは、上位5位以内
のAKB48の曲は、作詞をいずれも秋元康さんが手がけていますが、作曲家はすべて違う点です。

背景にあるのは1つの楽曲を作るために、さまざまな作曲家から多くの曲を集めて選び出す、いわば「コンペティション」の方式の導入です。音楽配信が普及しはじめた10年ほど前から広がり始めたといいます。

1位になったAKB48の「ヘビーローテーション」を作曲した山崎燿さんも数々のコンペに参加してアーティストに曲を提供してきた1人で
す。「ヘビーローテーション」が誕生するきっかけは、3年前の4月、秋元康さんの事務所からの発注でした。山崎さんは、その1か月前に創作していたパンク
ロック風の曲を提供しました。山崎さんは曲の提供のいきさつについて、「発注内容がはじけた勢いのある楽曲ということでした。最初はAKBに出すには
ちょっとパンク過ぎるかなと思いましたが、おもしろいから出してみよう思いました」と振り返ります。
秋元さんは曲の採用を決めた段階で、さらに細かい注文をつけるといいます。「ヘビーローテーション」の場合は、秋元さんから「もう一つ盛り上がりを作って
欲しい」という要望を受けたため、終盤に「いつも聴いてた favorite song
あの曲のように」というメロディーの山場を加えたものを提供し、最終的に今の曲になったということです。山崎さんは、AKB48にこれまでおよそ200曲
を提供していますが、採用されたのは10曲ほど。ほかのアーティストのコンペにも参加していて、これまで稲垣潤一さんや声優の水樹奈々さんの歌で曲が採用
されるなど実績を積んでいます

<後略>

 

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2013年5月22日 (水)

元ドアーズのレイ・マンザレックが死去

今日は朝から映像音楽の小さな仕事や打ち合わせ等で出ていたんですが帰宅してからショッキングなニュースが飛び込んできました。

Passings: Ray Manzarek of the Doors (1939 - 2013)
(ドアーズのレイ マンザレーク逝去(1939 - 2013)
http://www.vintagevinylnews.com/2013/05/passings-ray-manzarek-of-doors-1939-2013.html

元ドアーズ レイ・マンザレク氏死去 74歳(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/130521/ent13052114130009-n1.htm

Rock 史上最も有名なあのフレーズ「ハートに火をつけて-Light my fire」を弾いたドアーズの名キーボーデイストでした。ロックを知らない人、ドアーズを知らない人もこのオルガンのイントロは一度は聴いたことがあるはず。

私にとってはオルガ二ストでは故ジョンロード氏(元デイープパープル)にならぶアイドルでした。

本当に残念です。
ちなみに奥さんは日系のドロシーフジカワさんで、そのせいか親日家としても知られています。
心からご冥福をお祈り申し上げます

 

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2013年5月 9日 (木)

サブスクリブションや音楽ツール関係における面白い動き

しばらく音楽業界関係の話を書きませんでしたが、2つ興味深い動きがありましたのでご紹介しておきます。

まずはアメリカのミュージシャンのDIYツールである、CDbabyですが,ラジオのオンエアからPandoraやSpotifyのサブスクリブションを始め、音楽配信やライセンシングその他のロイヤルテイ回収をCDばCDbaby会員なら1アルバムごとにたった59ドル(最近のレートだと5500円くらい?)で全てやってくれる新システム、CD Baby Pro を立ち上げたという情報が入ってきました。

Cdbabyproservices

例えJASRAC未登録曲であってもアメリカの権利信託団体BMI やASCAPに自動登録してくれるというスグレモノですが、残念ながら現段階では米国内に在住している人間のみが対象、ということで残念ながらレジスターできませんでした。(T_T)

なぜそうなのか、理由が全くわかりませんがこれは、Pandora Spotify などがまだ日本国内で正式にサービスを開始していない、という点が影響をしているのでしょうか?

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2013年4月28日 (日)

マザーグースとグローバルな音楽教材

昨年からある大手楽器メーカーの海外向けの音楽教材の制作に携わっていますが、海外の音楽教室の導入開始を目前に現地の宗教的、文化的な観点から歌詞の差し替えという作業が必要になる等、追い込みに入っております。

同時進行で音楽教材の続編に入っており今回はマザーグースの曲が多いですね。このマザーグース、実はなかなかの曲者です。

もうだいぶ前の記事ですが、マザーグースというのはただの「童謡」では片づけられないほど深いものであることを述べました。

「マザーグースと紙芝居」
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2008/03/mixi6_02d2.html

マザーグースというのは英語圏に住んでいる人では知らない人はいないだけに扱いはとってもやっかいです。しかし先日の記事 コンテンツと文化ーグローバリズムとローカライズのバランス」でも書きましたが、グローバルな世界に向けて商品を制作するときは国ごとのローカルマーケットの国ごとの事情ローカリゼーションーを考慮しなければならない、と述べました。この点を理解するIT系やエコノミストが意外に少ないのが私にとって驚きですが、ローカリゼーション抜きのグローバル化というのはありえない、というのが今回の海外向けの音楽教材で実感したことです。

例えば今回もイスラム国家であるインドネシアで販売するためにイスラム教的価値観に対する配慮というのも行い、原曲の題名に「キス」とあったものを変更する等の作業を行いました。それ以外にイスラム教的価値観ではOKでもキリスト教的価値観だとNGのものがあるほど、やはりグローバルにコンテンツを出す場合にいろんな考えもしなかった問題が発生することが判明しました。少なくとも一部のグローバリストが主張するように「世界中が金太郎飴のように同じなる=グローバリズム」という考えで進めると絶対に失敗すると私は断言することができます。

しかし実はそれだけではありません。時代背景や現代の価値観に対する配慮も必要な点があります。

例えばマザーグースの"Little Polly Flinders"(かわいいポリーフリンダース)についてこういう問題が発生しました。

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2013年4月15日 (月)

大野恭史の最新作"So happy Dream"公開と作品とマーケテイングの背景

はい、今日一日会社やその他のウエブサイト関係の作業に追われていましたが..お約束通り今日は私大野の最新作"So Happy Dream"の公開日ということで、このブログでも公開させていただきます。

ただその前にこの曲の簡単な背景について説明させていただきます。

Relax

元々私はペットミュージック(写真)なるCDを今から10年前にビクターエンタテインメントより発売しました。これは愛犬の飼い主がいっしょにリラックスするできる「仕掛け」が施されたCDで、基本的にはヒーリング音楽なんですが、なんと「和太鼓」の単純なビートが愛犬をリラックスできる、ということを発見し、そのメソードを採用したものです。この効果は動物病院や動物行動学の権威の方に実際に研究材料としていただき、実証されたものです。

詳しい説明はyou tube,のこの動画をご覧ください。

しかしこの愛犬と飼い主のふれあいをもっとわかりやすい形で、とこのペットミュージックを企画したペット用品の代理店の方からの提案で「和太鼓」のビートというメソードをいかしつつ、ポップでおしゃれな音楽にしようということで今回の曲の制作することになりました。

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元々このペット用品の代理店はペットの薬用ノルバサンシャンプー(写真左)のマーケテイングをやっていた会社でして、基本的には業務用の商品なんですが、結構セレブ系の女性とかも買ったりしています。 その関係で女性をターゲットとしたマーケテイング戦略となっています。

 

 

 

 今回はこの薬用ノルバサンシャンプーの販促用インセンテイブとしてこの曲を位置づけ、薬用ノルバサンシャンプーの購入した方には無料で今回の曲"So Happy Dream"のCDがもれなくもらえることになっています。(但しwanwantownというサイトで購入した場合に限ります)つまり"So Happy Dream"薬用ノルバサンシャンプーキャンペーンソングとしても位置付けられることになります

今回の曲"So Happy Dream"のCDジャケットです。薬用ノルバサンシャンプーをご購入されますともれなくついてきます

Sohappydream_s

というわけでお待たせしました。当ブログにて私の最新作"So Happy Dream"の公開です、気に入っていただければお友達に進めていただければ幸いです。

 

"
So Happy Dream"

作曲:大野恭史
作詞:Machiko


ヴォーカルPoplin

映像デイレクター:渡辺 彰

撮影協力 
・ル プティ トノー

http://www.petitonneau.com/jp/azabu_juban/locations/shop_data/

・ラ ポルタ デイ アフロデイーテ

http://aphrodite89.com/

映像制作:(有)ハイブリッドミュージック
企画  : TNC

 

 

 

 

 

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2013年4月 2日 (火)

渋谷屋根裏閉鎖に見るライブハウスを始めとする音楽業界全体の原点を忘れた「安易な道」

すでにご存じの方も多いように渋谷の老舗ライブハウスの屋根裏が閉店する。

■渋谷屋根裏が経営悪化で営業終了、存続のため協力者募集
http://natalie.mu/music/news/86977

これに関して元ミュージシャンの方(らしい)が興味深い記事を書かれているので引用させていただく

■渋谷屋根裏からライブハウス経営・サービスについて思う事
http://caltana.jp/archives/631

渋谷屋根裏に限らずですが、ライブハウス経営が苦しいのは数年前からあちこちで聞いていました。

なので驚くというより「やはりそうなったか」と思うのが正直なところ。昔からあった歴史あるライブハウスなだけに寂しい気持ちはありますし、惜しい気持ちもありますが「しょうがないかな」と思う自分もいます。

<中略>

そもそもなぜこんなにもライブハウスが増えすぎたのか。それはノルマ制という悪しき制度が日本のライブハウスに根付いてしまったから、と考えます。
ノルマというのはライブハウス側からするととても素晴らしいシステムになっていて、出演するバンドさえいればどれだけお客さんが来なくても赤字になること
はありません。出演するバンドにノルマという出演料を貰えば最低限の売り上げはたつからです。あとはお客さんが来ることによってドリンク代で稼ぎ、お客さ
んが多ければ基本的に50%はお店のプラスαの売り上げになります。

その赤字にならない経営は飲食店からすると(ライブハウスは基本的に飲食店として営業許可されています)とても魅力的な事です。もちろん立ち上げ時に音響
から防音設備などお金はもの凄くかかりますが、それが出来れば運営していくうえで売上はとてもたちやすい。ライブハウス側が経営努力をしてこなかった、と
は言いません。バンドを集めること(ブッキングすること)はとても骨の折れることだとも思います。
ライブハウス側の「客はバンド側が集めるものだろう。お客も呼べねぇバンドが悪い。」と言ってしまうのは簡単な事。それはもちろんです。お客さんを呼ぶの
はバンド側の責任でもあります。ただ自分たちが満足する曲を作ってそれをライブハウスで演奏していればいい、とは思いません。バンド側にも営業する事は必須です。しかし、ライブハウス側はブッキング以上に経営努力やサービス向上をしてきたのでしょうか。

<中略>

 

続きを読む "渋谷屋根裏閉鎖に見るライブハウスを始めとする音楽業界全体の原点を忘れた「安易な道」"

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2013年3月11日 (月)

震災から二年 犠牲者と復興への祈りを音楽に

すでにご存じのとおり今日は東日本大震災から二年の日

2011年3月11日午後2時46分にこの国に未曾有の大災害が起きました。私は仕事場で作業中でスタジオの機材を懸命におさえていたことを昨日のことのように覚えています。
そしてこの国にとんでもないことが起きたことを理解するのに時間はかかりませんでした。

あれから二年、復興は遅々として進まず、いまだ31万人の人が避難生活を強いられています。この現状に対する政府の無策被災者に対するいたわりが微塵も感じられない政府や行政の態度には大きな怒りを覚えます。

今日の2時46分、私は東北の方角に向けて立って合掌しながら黙祷しました。

しかし私は音楽家です。ブログ記事とかいろいろ書いていますが、最終的には音楽で言葉を発しなければならないと思っております。

しかし起きたことがあまりのことなので

まだ私の中で満足できる表現が浮かんできません。

12年前にニューヨークで起きた911の同時多発テロに関しては"To the victims of 911 and after "というピアノソロの曲を書きました。

しかし今回の大震災はこんなものじゃ表現しきれないのではないか、と考えています。それほどこの東日本大震災は桁違いな災害だと思います。単にこの災害が日本社会に与えた影響だけでなく、被害者の数、影響を及ぼした地域。

そもそもインストにしたらいいのか、歌(それもコーラス)にした方がいいのか。

正直上記の動画の曲も今自分が聴いたら少し稚拙な曲のようにも感じてきています。それでも上記の曲を書きあげるのに5年近い歳月を要しました。

今回はもっとかかるかもしれません。

とにかく今自分にできることは、犠牲者の冥福を祈り、被災者の方の一日も早い復興と幸せが訪れることを願ってやまないと同時に音楽家としてこの未曾有のできごとをどう表現するか、模索し続けることしかないだろうと思います。

 

 

 

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2013年2月26日 (火)

企業の販促ソングのボーカル収録とTD終了ーマーケテイングやブランデイングのツールとしての音楽

以前から当ブログで記述しておりましたスポンサー会社から直の音楽制作で本日歌入れが行われました。

今回の販促ソングの目的はとあるプラスチック用品のメーカーの企業名をお客様に覚えてもらうという企業名のブランデイングを目的としています。
会社自体はプラスチック製品メーカーとして実績があるのですが、なぜか企業名を一般コンシューマーに覚えてもらっていないという観点から企業名を覚えてもらうために覚えやすい耳に残るメロデイで企業名を覚えてもらおうという趣旨で制作いたしました。

そのため覚えやすいメロとキャラクター(印象)の強いボーカリストで作るというのが絶対条件でした。今回はそのため単純で覚えやすいメロデイをぶどう÷グレープくみんこさんこと近藤久美子さんに歌っていただきました。

Kuminko

たぶんその目的は達成できたと思います。

株式会社リッチェル様 販促テーマソング

http://www.richell.co.jp/

音楽やサウンドで企業ブランド CI(コーポレートアイデンテイテイー最近はあまり使わなくなった言葉かな?)を表現するというのは昔から行われてきたことですが、私自身も古くはJ-Waveの開局時を始め「ジングル」というものをずいぶん作ってきた経験がありますが、その割にはまだ頻繁に制作されていない感じがします。

今回の一連の作業でこういうニーズ自体はまだまだ潜在的にまだまだ眠っていると思いますので、近いうちに会社のウエブサイトを更新して、もっと宣伝してこの手の事業展開を積極的に行おうと考えております。

このような広告代理店を通さない形での音楽制作は決してまだ多くはないですが、テレビやラジオのキー局経由でCMを流す、ということでない限りは必ずしも広告代理店を通す必要はありません。別に法律で広告代理店を通さなければならない、と決まっているわけではありません。寧ろ代理店を通さない分だけ安くあがります。

その意味で音楽制作に関するコンサルテイングを行うことによって、企業様のマーケテイングブランデイングのツールとして音楽や映像に関する提案を今後ともしていきたいと考えております。勿論お金をかけようと思えばいくらでもかけられますが、簡単な打ち込み系の販促ソングでよければ非常に手頃な制作費で製作可能なのでお気軽にご相談下さい。

また著作権その他についてわからない方も可能な限りわかりやすくご説明させていただきます。

よろしければこちらのページをご覧になってお問い合わせください

■弊社の音楽制作ページ(Hybrid musicの音楽制作)
  http://www.hybridmusic.jp/corporate_music.htm

お問い合わせはこちら

 

よろしくおねがいします

 

 

 

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2013年2月11日 (月)

第5回グラミー2013受賞者と日本の業界についてふれ

本日日本時間で午前(現地時間では2月10日)第55回グラミー授賞式が開催されました。

主な受賞者は下記のとおり

・最優秀レコード 
Somebody That I Used To Know   Gotye Featuring Kimbra

・最優秀アルバム 
Babel  Mumford & Sons

・最優秀歌曲 
We Are Young  Fun

・最優秀新人 
Fun  

・ 最優秀ポップソロシンガー 
Set Fire To The Rain [Live]  Adele

・最優秀ポップデユオ 
Somebody That I Used To Know   Gotye Featuring Kimbra


尚、特筆すべきはグラミーの技術賞にローランドの創業者、梯郁太郎さん(83)が受賞したこと。これは今や音楽に欠かせないMidiの規格を作るのに大きな役割を果たしたことが評価されました。日本人としてはうれしいですね。

今年もいろいろと楽しませてもらいました。

 

続きを読む "もう1つのNAMM デジタル楽器全盛からアナログ復権へ 二者択一ではなく両者共存の時代へ"

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2013年2月 5日 (火)

「自宅スタジオ」と昨今のレコーデイングスタジオの事情を鑑みて

もう1週間くらい前に連絡が来たのだが東京タワーの横のサンライズタワースタジオが閉鎖されSound City AnnexというSound Cityのスタジオになるという。
古い話だがあそこは大昔「日音スタジオ」だった。私もそこでレコーデイングしたことがあるがまたオーナーが変わることになる。しかしオーナーが変わっても存続できるだけまだマシだ。

■サウンド・シティ、タワーサイドスタジオを「Sound City Annex」として運営開始
http://www.musicman-net.com/business/23513.html

私は現在9割の仕事を自宅スタジオで行っている。予算の関係でそうせざるを得ないのだが別にやりたくてそうしているわけではない。
予算さえいただければ喜んで、Sound Cityでもビクター青山のスタジオ等、生音がふんだんに録れるスタジオで録音したいと思っている。(実際その方が録音作業は楽しい)

私はオーケストラのアレンジやビッグバンドのアレンジも可能だしミュージシャンを集めようと思えばできる。
ただそれをやるには莫大なお金がかかるから予算をいただかないとやりたくたってできない。
残念ながら日本の現在の業界状況だとそういう仕事なんてそうはない。年に一つとれただけですごいことだ。

でもソフトシンセがどんなに発展しようが、生音の録音のニーズがなくなることはない。ありえない。

しかし問題は懇意にしていたスタジオが今どんどんなくなっていることである。いざ、どうしてもそういう作業の必要性が発生しても選択肢がだんだんなくなっていく。

Sound Cityは大昔一度だけ使ったことがある、いつ使ったか覚えていないくらい昔だが、まあ知り合いがいないわけじゃないのでいざという時は考えたいとは思う。

というわけでオーケストラやビッグバンドのアレンジ、その他レコーデイングに関してご相談されたい方はお気軽にどうぞ

 

お問い合わせはこちら

 

 

 

</p>

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2013年2月 4日 (月)

完全に定着、軌道に乗った第5回CDショップ大賞2013 入賞7作品発表

さて当ブログでも陰ながら応援していました「全日本CDショップ店員組合」が選ぶ 第5回CDショップ大賞2013入賞作品&CDショップ大賞スペシャルライブ詳細発表
第5回CDショップ大賞2013入賞作品
が発表されました

http://bit.ly/WIT5Kr

業界の有力紙 Music Manでも取り上げられました

■「第5回CDショップ大賞2013」入賞7作品発表、3/7大賞発表&ライブ開催
http://www.musicman-net.com/business/23551.html

■第5回CDショップ大賞2013 入賞作品
(アーティスト名/50音順)
きゃりーぱみゅぱみゅ「ぱみゅぱみゅレボリューション」 WPCL-11079
クリープハイプ 「死ぬまで一生愛されてると思ってたよ」 VIZL-470
SEKAI NO OWARI 「ENTERTAINMENT」 TFCC-86389
七尾旅人 「リトルメロディ」 PECF-1052
back number 「blues」 UMCK-1434
MAN WITH A MISSION 「MASH UP THE WORLD」 CRCP-40323
米津玄師 「diorama」 DGLA-10016

そして「第5回CDショップ大賞2013」大賞作品は、上記入賞7作品の中から、3月7日にZepp DiverCity Tokyoで行われる「第5回CDショップ大賞2013 授賞式」で発表されます.

すでに関心は高くすでにマスコミ関係の取材も殺到、Yahooでも検索ワードで一次上位に入る等関心は高いようです。

もう今年で5回目、 いわゆる音楽業界筋(一部の音楽ジャーナリストやレコード会社関係者)に「自己満の大賞」とかケチョンケチョンにけなされた賞ですが、地上波のテレビとか入ってくる時点でもはや「自己満足」とはいえないと思いますが、まだ同じことをいいはるんでしょうかね?

すっかり定着しましたといっていいと思います。
音楽業界が少しずつですがよくなっているのを感じます

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2013年1月11日 (金)

週刊ダイアモンド「誰が音楽を殺したか?」を読んで

業界人仲間のSさんに教えられて普段はあまり読まないのだが週刊ダイアモンド(1月12日号)の以下の記事を読んだ。

「誰が音楽を殺したか?」

Diamond1

Diamond2

当ブログではこの音楽業界の問題について様々な観点から問題点を歯に衣を着せぬ形で指摘してきたし、その関係で一部の音楽関係者からは敵視すらされてきたわけだが、この記事では音楽業界の停滞の原因は様々な複合的な要素があるとは認めつつも、「最大の戦犯はレコード会社自身」と断じている。

その点も私がこのブログで再三再四指摘してきたことである。

しかしこの記事によると今まで既存の形態を守ることしか考えてこなかったレコード会社も、ようやく新時代にビジネスのありかたについて真剣に考え始めたらしい。10年前私が同じことをレコード会社側に云ったときには「何いってんだ、おめえ、バカじゃねえか?」などとまあこれ以上ないくらい罵倒されたが、本当に遅きに失したくらいに重い腰を上げ始めている、とこの記事は書いている。

具体的には従来の「何が何でもCDを売る」という体制から、リスナーの利便性を優先したサービスを開始し、欧米では当たり前となってきているSpotify (音楽定額聴き放題サービス)のサポートも行い。今までは二つ返事でNO! だった日本アーチストの海外への売り込みも開始するという。(具体的には「きゃりーぱみゅぱみゅ」やPerfume等) 日本のレコード会社はPandoraとも協議する動きを見せており、事実だとすればこれはアーチストにとっても音楽愛好家にとっても朗報であり、真の意味での音楽の自由化が可能になる、

 

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2013年1月 5日 (土)

ワーグナー生誕二百年とワーグナーの音楽

今年は19世紀の偉大な作曲家のひとりであるリヒャルトヴァーグナー(1813-1883)の生誕二百年にあたります。

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実は昨年末、とあるクラシック系の音楽事務所の依頼でヴァーグナーのあまり知られていない曲(たぶん日本では演奏されていない)の資料用にオーケストラの打ち込みを行いました。この仕事は単にmidi打ち込みの技術だけでなく、クラシックオーケストラの楽譜も読む能力が要求されるために私に依頼が来たのですが、その打ち合わせのさなかにその話が出て気づきました。

ヴァーグナーは19世紀では後世の多くの作曲家に影響を与え、バッハ、モーツアルト、ベートーベンに匹敵する大作曲家としての評価を得ていますが、同時に生前のユダヤ教徒に対する差別発言やその音楽がナチスに利用された、という不幸な歴史があるためにややダークなイメージも付きまといます。
 特にヒトラーがローエングリーンやタンホイザーを非常に好んでいたこと、そして宣伝相のゲッペルス(この人は現代のテレビCMは殆どゲッペルスの手法を踏襲したものです)がヴァーグナーの音楽を非常に効果的に演出に利用し、当時のドイツ国民の「洗脳」を巧みに行ったという人類にとって負の歴史にからんでしまったため、どうしてもヴァーグナー イメージ的に良くない面があります。

勿論、それは別にヴァーグナーの責任ではありません。非難されるべきはあくまでナチスなわけですが、しかしヴァーグナーの音楽には確かに人間の心情を高揚する要素があることも事実です。フランシスコッポラの映画の名作「地獄の黙示録」ヴァ―ルキューレが戦場のシーンに効果的に使われていましたがやはりヴァーグナーの音楽にはそういう人間の気分を高揚させる何かをもっていることを示しています

特に今までのオペラを「音楽による劇楽劇」という全く新しいジャンルを確立し、音楽だけでなく台本やビジュアル的な演出まで全て行った例は過去のオペラにはないものです。最晩年の傑作「パルシファル」はいまだにバイロイト以外での公演はできないくらい綿密に劇場と演出が不可分なものになっています。

ヴァーグナー楽劇は神話や中世の騎士等によるファンタジーになっており、一度その世界に引き込まれるとまさに虜になります。あまりにも有名な例はバイエルン国王ルートヴィヒ2世ヴァーグナーの音楽に心酔しついには国家予算の大半をつぎ込んでしまう事態を作ってしまいます。

私の見るところヴァーグナーの音楽には「オタク」的な要素があるように思います。ワグネリアンという言葉がありますが、要するにヴァーグナーオタクです。実際ヴァーグナー楽劇ファンタジーはまさにRPG(ロールプレイングゲーム)のようであり、一度その世界の虜になったら最後、もうやみつきになります「ニーベルングの指環』なんかRPGの世界そのものだと思いますね。

私の大学の友人で普段は普通のサラリーマンで物静かな男なのですが、ヴァーグナーの音楽になると目つきが変わり熱弁をふるい、そして毎年必ずバイロイトにまで出かけていくという、まあヴァーグナーオタクもここまでくれば、という人間がいますが、おそらくバイエルン国王ルートヴィヒ2世もこれに近かったんじゃないでしょうか?

もしヴァーグナーが現代に生きていれば間違いなくRPGを作っていたでしょうね。それもゲーム音楽じゃ飽き足らず自分でゲームの台本から全て作り、自らプロデユーサーになっていたことでしょう。ドラクエやファイナルファンタジーなんか目じゃない新たなゲームを創造していたかもしれません。

その意味ではヴァーグナー「オタク」の先駆けだったかもしれないですね。

まあ生誕二百年、何年か前のモーツアルトなみ、いやそれ以上にクラシックの世界はもりあがるでしょう。(笑)

 

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ウイーンフィルニューイヤーコンサート

あけましておめでとうございます。

2013年が始まり、三が日もあけていよいよ本格的に始動しようかと考えております。

新春なので当ブログでは珍しいクラシック音楽の話から(笑)

毎年お正月になりますとウイーンフィルのニューイヤーコンサートNHKのEテレで衛星でオンエアされますが、私はこれがないとお正月になった気がしないほど毎年見ています。

以前は現在癌の手術を終え療養中の小沢征璽氏が日本人として初めて指揮を取る等の話題もありましたが今年はウィーン国立歌劇場の音楽総監督、フランツ・ウェルザー・メスト氏が指揮

このウイーンフィルのニューイヤーコンサートは基本的にはヨハンシュトラウス一家のワルツやポルカといった19世紀のウイーンの舞踏音楽のナンバーを中心にプログラムが組まれますが、今年は別記事で書きますがワーグナーベルデイの生誕二百年にもあたるためこの両者の曲がプログラムに組まれました。ワーグナーは「楽劇」という新しいオペラ形式を作り、ベルデイはイタリアオペラにて不滅の金字塔を打ち立てました。

アンコールには必ずヨハンシュトラウス(子)の「美しき青きドナウ」で始まり、イントロをちょこっと演奏してから楽団員の新年のあいさつ

"Gluchlich neun Jahr" (独:新年あけましておめでとうが一同一斉に唱えられます。「美しき青きドナウ」の演奏のあと締めはヨハンシュトラウス(父)のラデツキーマーチで締められ、観客はこの曲のリズムに手拍子をたたきながら曲を進めます。

これは毎年必ずといっていいほど行うコンサートの終わり方です。

ところでこのニューイヤーコンサートウインナワルツやポルカ中心にプログラムが組まれますが、ウインナワルツの三拍子は普通の三拍子と違うことをご存じでしょうか?

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2012年12月13日 (木)

インド音楽のラヴィ・シャンカールさん死去

昨日は作業で多忙な状態に北朝鮮のミサイル発射とか、連続殺人の角田美代子容疑者が自殺とかいろんなニュースが飛び込んできましたが、音楽のニュースとしてはやはりこれでしょう。

■世界文化賞受賞のラヴィ・シャンカール氏死去 インド民族楽器「シタール」第一人者
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/news/121212/ent12121213580011-n1.htm

世界中にインド音楽の素晴らしさを広め、ロック始めポピュラー音楽に莫大な影響を残しました。ジョージハリスンにシタールを始めインド音楽の手ほどきをしたのは有名ですし、ビートルズだけでなくレッドゼッペリン(この発音の方が英語の発音に近いです)やプログレロックなどに大きな影響を与えました。

ノラジョーンズのお父さんとしても知られていますし、妹のシタール奏者、アヌーシュカも有名です。

そのアヌーシュカさんの結婚式と思われる写真でラビシャンカール先生とノラジョーンズがいっしょに写っている珍しい写真がありますので掲載させていただきます。

Rabishankarnorajones


離れて育ったので、親娘の関係は微妙だったらしいですが、姉妹は仲良しになったそうです。

とはいえ、私の友人でラビシャンカール先生に師事したシタール奏者がいますが、彼は幼い頃のノラジョーンズを知っていたそうです。既に異常といっていいほどの才能を見せていて、まだノラジョーンズがデビューすらしていない時に「あの子は天才だからいずれ出てくるよ」と言っていましたが、その後の彼女の活躍は書くまでもありません。シャンカール先生の血をうけついでいたんですね

心からご冥福をお祈り申し上げ、故人が残した音楽文化への偉大な功績に心から敬意を表すものであります。

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2012年11月22日 (木)

タワーレコード渋谷新装オープン前日に行ってきました

本日業界仲間に誘われてタワーレコード渋谷の新装オープン(実際のオープンは明日の23日)に行ってきました。

最近レコード店に行かなくなった人が多い中でどのような店つくりで魅力的なレコード店にしようとしているのか、見てみました。実は私自身もタワーレコード渋谷に行くのはすごい久しぶりです。何年行ってないかなあ。

店内の売り場にはほぼ1メートルおきのタブレットによる音楽試聴機が据えられております(場所によってはタブレットでないところもあります)

Tower5

今でこそ当たり前に試聴機がありますが、つい10年前これを置くだけでレコード会社はもう反発、反対したんですね。ちょっとでも新しいことをやると過剰反応する、そんな体質がいろんな意味でレコードショップの発展も阻害してきました。

ついでに先日の記事で紹介したスマートフォンのアプリ CoverARt Playerが定着すればこれだけ多くの試聴機を置かなくてもいいとは思いますが、まだそれは時間かかるでしょうね。

かつては上の階にあったカフェが二階に移りました。なかなかいい感じのカフェで落ち着きます。すぐ横に洋書や音楽やアート関係の書籍売り場もあります

Tower2

今日はプレスや業界関係の人対象の入場でしたが、カフェでは食事や飲み物が出されました。
なかなか食事もおいしいのでカフェを二階にしたのは正解かもしれません。やすらぎのひと時を過ごせます

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2012年11月21日 (水)

新曲ができました、これからPV作ります

もう先週の話ですが、とあるペット用品の広告代理店の依頼で販促用の曲が一曲できあがりました。

この会社とはペットミュージックというCDで以前いっしょに仕事をしたのですがそれはペットと飼い主のためのヒーリングを目的としたものですが、今回はペットと飼い主を想定はしていますが、ちょっとおしゃれなポップスとして作りました。

というのもこの広告代理店がプロモートしている愛犬用シャンプーその他のペット用品ですが主にセレブ、かそれに近い女性をターゲットとしている商品のためにそのイメージソングとして今回は歌われています。歌っているのはミュージカルや舞台で活躍している吉田裕美さんです。

Hiromi_yoshida_2

曲名は"So happy Dream"  かなりおしゃれなボサノバタッチの曲です。

そしてこの曲のPV(プロモーションビデオ)を作ることになりました。

今日はメイン撮影会場のロケ班です。今回はクライアントが音楽とか映像とか作った経験があまりないためいろいろとうちの会社で対応しました。その関係で今回は撮影にも立ち会うことになりました。

会場はこんな感じです。
おしゃれなボサノバのイメージに合ういい感じの場所です。

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2012年11月14日 (水)

InterBee2012(プロオーデイオ)

仕事が一段落したのと、一応毎年行っていることもあって恒例の国際放送機器展(Inter Bee)に行ってきました。

121114_141001


家から幕張までどうがんばっても二時間近くドアtoドアでかかってしまうのと、今年は私が期待した立体音響関係の会社が都合により出展を見合わせた、というのもあり、行こうかどうか迷っていたんですが、まあ貴重な情報を得られれば、というのがあり結局行くことにいたしました。

私の場合は職業柄、プロオーデイオの分野に限られます。映像機器関係の記述はありませんのであしからず

かつてプロオーデイオで中心的な存在だったSSLことSolid State Logic レコーデイングスタジオではpro toolsに主役を奪われてしまいましたが、まだ放送局用コンソールとして健在のようです。

Ssl_interbee2012

それでもいくつか面白いのだけピックアップしますと

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2012年10月 4日 (木)

アナログ復権?ユニバーサルミュージックが超高音質LPレコード「100% Pure LP」を発売!!

このブログでは現在音楽がmp3というはっきりいってジャンクフードレベルの音質しか氾濫していない現状が音楽文化しいては音楽産業のありかたに悪影響を与えてきたと述べてきたが、そんな折、ユニバーサルミュージックが注目すべき商品をリリースする。

■ユニバーサルミュージックが超高音質LPレコード「100% Pure LP」を発売

http://amass.jp/11633
以下プレスリリースより

100%Pure LPはマスター・素材選びからプレスまでの全工程を徹底的に音質管理にこだわった世界で初めてのハイエンドなLPシリーズです。アナログレコードならでは の温かみのある音質をそのままにより、クリアで奥行きのあるサウンドを届けることが可能になりました。


新配合!無着色ヴァージン・ヴィニール (180グラム重量盤)を採用

通常のレコード(黒盤)の材料には、主原料となる塩化ヴィニールの他に再利用の観点から、カーボンなど着色のための染料が添加されています。

ピュアLPには、音に影響を与える着色物をすべて排除し、成型の安定性と音質を考慮し低重合度のストレート塩化ヴィニールを特別に配合しています。

やや黄色がかった透明のLP盤は原料のヴィニールそのままの色です。


メタルマスター・プレスによる忠実な溝の成形を実現

通常レコードを量産する場合、カッティング後にラッカー盤(凹)メタルマスター(凸)メタルマザー(凹)スタンパー(凸)の4工程を経てプレスに至ります。

ピュアLPはメタルマザーとスタンパーの2工程を省き、メタルマスターからダイレクトにプレスし、より忠実な溝の成形を目指しました。

●高音質音源DSD (Direct Stream Digital)ファイルを採用

マスター音源には2010年より発売されているSA-CD(Super Audio CD)〜SHM(Super High Material)仕様の高音質CDシリーズにも使用されているDSDファイルを採用しています。

アナログ・テープからのフラットトランスファーを基本にしていますが、経年によるダメージ部分を可能な限り修正した望みうる最高のデジタル・マスターです。音の鮮度とダイナミックレンジを重視したマスターに忠実な音作りを目指します。

●特設サイト

http://www.universal-music.co.jp/genres/international/100purelp

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2012年10月 1日 (月)

10月に入りある誓いー作曲において「パクり」をしない宣言(笑)

まあ本来こんなことを宣言すること自体アホらしいことなんですが、わざわざこんな宣言をしなければならないほど今の音楽制作ーことにJ-pop関係の音楽制作の現場ははっきりいって腐ってます。
そしてただでさえ私のブログは今の音楽業界のメインストリートを歩いている人からは悪く思われていますがまあここまではっきりいってしまうともう決定的でしょう、(笑) レコード会社関係からは間違いなく総スカンを食らうことは覚悟しています。

しかし先日のタイアップ廃止を呼びかける記事でもそうですが、もう日本の音楽業界の常識とやらを片っ端から否定することから始めないと音楽業界がよみがえることはないでしょう。そのためには我々音楽制作の現場にいる人間がきちんと音楽に取り組む姿勢を見せる必要があります。

そもそもこの「パクり」というのはもう歌謡曲の時代から日本のポップス制作現場では「当たり前」のように行われてきた手法で、いろんな音楽の「おいしいところ」「コラージュ」してキャッチーなメロデイを作る手法です。ベテラン大御所の作曲家の中ではこの「おいしいところ」「コラージュ」の手法が卓越していてメロデイのどの部分がどこの曲からの「パクり」か第三者が判断するのは極めて難しい(ほぼ不可能?)な場合もあります。(この大御所いわく「自分の作品は「パクり」芸術である」) 
 まあ「コラージュ」力のクリエイテイビテイを否定するものではありませんが、しかし最近のJ-pop関係「パクり」ははっきりいってこの大御所の「コラージュ」力のクオリテイと比べると質が格段に落ちてしまっているーはっきりいえばろこつ過ぎる「パクり」になっているーことがいえます。こうなるともうクリエイテイビテイなどかけらもない、という感じになります。

最近の制作体制を見てもJ-pop関係はコンペにしてもきちんと提出された曲が聴かれているか甚だ疑問ですし、レコード会社のデイレクターもそんなに音楽を聴いているとは思えません。何よりもこういう制作体制が日本の音楽のクオリティを著しく落としているということができます。まあとにかく最近の現状を見ると傍から見ても本当にひどいです。音楽が衰退したのは違法コピーとかいろんな話がありますが、やはりメジャーの音源のクオリティの低下が最大の原因ではないか、と考えています。

そんなわけでこういう「パクり」をいったんやめさせないといけない、と思いますのでまずは私がこの「パクリをしない宣言」をしようと思います。勿論、結果的に作った曲がどこかの曲に似ていた、ということはこれは十分にありうることだと思います。心地よいメロデイとかは案外限られたりしますので...
ですが「結果として(偶然)似てしまった」場合と「パクり」は違うと思います。前者は偶然の産物ですが後者の「パクり」「確信犯」ですので、一見結果は同じように見えますがプロセスは全く違います。

今後私の曲が結果的にどこか誰かの曲に「絶対に似ない」と断言することはできません。いや、たぶんそういうことは起きると思います。しかし「確信犯」的に「誰かの曲に意図的に似せる」ということはしません。

私は作曲家を志したころからクリエイテイブな作家でありたいと思っていました、これからもその志は変えるつもりはありません、

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2012年9月 8日 (土)

音楽教育と「裏拍」(アフタービート)

退院して徐々に体力も回復しています。まだ100%とまではいかないですがすでに業務に完全復帰し、作業も順調に進んでいます。

現在、今年4月に制作した日本の音楽教材の海外向けバージョンの修正、及び追加作業の制作を行っています。追加作業というのは当初なかった作業で末端クライアントの要求で追加で歌の収録等を行うものです。

末端クライアントは香港の会社らしいのですが、勿論東南アジアや台湾等、華僑系が経済に大きな影響をもたらす国を始め、当然ながら中国本土をにらんでのマーケット展開になります。今後の展開次第ではさらに大きな事業展開の可能性があります。

私どもは「注文を受けて」制作をするので基本的には末端クライアントの要求どおりに制作、及び修正を行うのですが、今回のクライアントの修正要求その他で全般的に次の傾向があることに気付きました。

それは

・曲のリズムの中で裏拍(アフタービート)を嫌い、リズムでそれを排除する要求が多く出ている点

裏拍(アフタービート)とはたとえば4分の4拍子だと1拍目、二拍目ちょうどのタイミングをビート(拍、または拍節)といい、裏拍は一拍目から8分休符ずらした時のビートをいいます。

つまり 拍節だとビート  

    ♩      ♩     ♩      ♩

これが裏拍(アフタービート)だと 

8分休符+ 8分休符+ 8分休符+ 8分休符+♪

となります。

今回制作中の音楽教材は基本的に幼児用なので、まずは拍節ーつまりビートの頭をきちんと合わせる練習をまずさせる、というのが意図のようです。
その中で私も正直戸惑ったのは、ドラムのフィルを末端クライアントが「裏打ち」とか「シンコペーション」という表現をしてきた点です。 まあ確かにそういわれればそうなるかもしれないんですが、我々の世界ではドラムのフィルとは普通に入っているもんなので、これには面喰いました。

要は裏拍(アフタービート)を徹底的に排除する、というクライアントの意思のようで、現在そのための作業を行っています。

まあ私は音楽教育の専門家ではないので「専門家がこうだ」といわれれば「ああ、そうですか」というしかないんですが、ちょっと個人的には引っかかる面もなくはないです。

というのは日本人をはじめとする東アジアの人間は裏拍(アフタービート)に合わせることを基本的に苦手としています。 これは大人である程度音楽の経験をしている者でも裏でノリをあわせる、ということがきちんとできない人間が少なくないんですね。だから日本人はR&Bレゲエといった裏拍が重要な位置をしめる曲の演奏は一般的に苦手としています。
(ちなみにEXILE等をはじめとするJ-popの連中が自らの音楽をR&Bなんていっていますが、あれは全然違いますよ。あれをR&Bだなんていったらアフリカ系アメリカ人は怒ります。((実際かなりバカにされてますよ、日本の「自称R&B J-popって」))

これに対し、同じ東アジアでも沖縄は唯一の例外で沖縄の音楽はむしろ裏拍が重要な位置をしめています。だから沖縄系のミュージシャンは裏拍(アフタービート)にそんなに苦労しません。

それを考えると裏拍(アフタービート)をそんなに毛嫌いすることもないんじゃないかな、という気がしますけどね。沖縄の子供たちのように小さいころから裏拍に親しむということもあっていいんじゃないか、と思いますが、

まあこれは専門家ではなく、一音楽家としての所感です。(~~)

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2012年8月25日 (土)

長調と短調と作曲家のきまぐれ

気がつけば8月も最終週に明日から入ります。まだ暑い日が続いていますがそろそろ夏休み気分を取り払わなければなりません。

今年からとある大手楽器メーカーの海外の音楽教室のために音楽教材の制作をしていますが、そこにはピアノの音階や音程を覚えるための曲のアレンジ等をやっています。今年の春やったものの修正や追加作業をこれからやりますが、まあ当初想定した以上に作業があるのでどうやって効率よく進めるか思案中です。

さて、音楽の勉強の際、必ず長調、短調というものを習います。今回は子供用の教材なので基本はハ長調イ短調をはじめとしてフラットやシャープが少ないキーの曲のみですが、調性(ハ長調とイ短調etc)は理論上は長調短調含め24種類あります。

バッハに「平均律クラービア」という曲集がありますがこれは、24種類の調性による曲があります。(これ以外にショパンの前奏曲24種類の調性の前奏曲で作られています)

このようにクラシック曲は20世紀の初頭くらいまでは「交響曲第九番ニ短調」といったようにいわゆる器楽曲には必ずナニ長調(もしくは短調)という調性がついていました。

ところが実はこんな曲があります。この曲はベートーベンのバイオリンとピアノのためのソナタ「クロイツェルイ長調作品47ですが



この曲の第一楽章ですが、イ長調なのはバイオリンソロのイントロ(序奏)部分のみであとは明らかにイ短調になっています。これってイ短調のソナタといってもいいんじゃないか? と思うんですが要は作曲がこの調性だといえばそうなっちゃうんですね。作曲家がイ長調といえばイ長調なんです。(笑)

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2012年8月18日 (土)

Sting -The Soul Cages

先日のSting Live in Berlin を聴いて の記事でも書きましたがお盆期間中なのでポリスやStingのソロアルバムをいろいろと聴きまくりました。

その中でStingのアルバム"The Soul Cages について述べようと思います。

Soulcages

このアルバムは1991年に発表されたアルバムですが、なんで二十年も前のアルバムを今更レビューするのか、とお思いの方も多いと思いますが、実は結構個人的な事情も入っています。

このアルバムはStingが父親の死をきっかけに作られたアルバム、ということもありStingのアルバムの中では比較的暗く、重いという評価があるのですが、私はStingの作品の中でも最高傑作の1つではないか、と考えます。

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2012年8月10日 (金)

Sting Live in Berlin を聴いて

もう一昨日の話になりますが、WOWOWで2年前に行われたStingのベルリンでのライブのオンエアを見ました。

スティング ライブ・イン・ベルリン
http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/051530/

いやー素晴らしかったですね。久々に本物のアーチストのパフォーマンスを見せてもらいました。やっぱりいい音楽を聴いているといい気分になりますね。

そしてしばらく忘れていたことを思い出させてくれたステージでした。

最近のStingを見ると古いルネッサンスの曲を歌ったり、クラシックオーケストラを使ったりしたり「クラシック志向」が強くなっているようなイメージがあります。しかしこのベルリンのオーケストラのパフォーマンスを見ていて何となくステイングが何をしようとしているのがわかったような気がします。Stingがソロになってから私が一番好きな曲の"What shall I cry for you?"を見るとわかります。

ポリスを解散してソロになりはじめた時の「ブルータートルの夢」はステイングがジャズのアルバムを作ったと勘違いしていた人が多かったようですが、実際はファンダメンタルな部分は全く変わっておらず、単にジャズやクラシックのいいエッセンスを貪欲に吸収していたようです。それは今回のクラシックオーケストラライブで特にソロになってからよくいっしょにやっていたサックスのブランフォードマルサリスをツアーメンバーに入れていることからもわかります。

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2012年8月 6日 (月)

避暑地でブラームスを思う

珍しくクラシックの話題です。

暑い日が続きますので上越の方に避暑に行ってきました。
車で移動しましたが東京から高速飛ばして3時間半、結構近いです。

Joetsu3

CDはロック系も多数持参しましたが、避暑地に行くということで結構ブラームスとか持って行っています。

私はいわゆるロマン派の「前期」といわれている作曲家ーショパン、メンデルスゾーン、シューマンetcーとかはあまり興味がないんですが、なぜかブラームスは昔から聞きます。ロマン派の中の「古典派」とかいわれているんですがなぜか肌に合うんですね。同時代のワーグナーが「音楽の表現を大きく変えた」と音楽史家から評価されているのと比べると地味ですが、なぜか私は好きです。もっとも最近は再評価され始めて、ワーグナーとは別の意味で新しい表現を開拓した、という評価も出ています。(きっかけはシェーンベルクの評論ですが...)

しかし正直そんなことは私にとってどうでもよくて、要はブラームスの曲にどこか避暑地的な雰囲気があるように感じるからでしょう。事実ブラームスの最盛期の作品の大半は避暑地で書かれています。それが何となく作品の雰囲気に反映している感じがするんですね。

実際山の風景とブラームスはよく合います。特に交響曲第一番の四楽章、交響曲第二番なんかはまさに山荘での避暑地という感じがしますね。

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2012年8月 2日 (木)

(批判覚悟の上)あえて提案する。音楽の地上波タイアップ廃止のすすめ

以前こういう記事を書いた。

欧米では地上波のタイアップが殆どない点とインデイースのツール充実の現状を見て
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2012/03/post-34a2.html

地上波のテレビに有名アーチストの音楽が使われるのは欧米でも別に珍しいことではない。
但しその条件、背景は日本と欧米では根本的に違う。

改めてここで言うまでもないが日本の場合は音楽事務所乃至レコード会社が地上波,BSのテレビで音楽を露出するために「プロモーション目的」と称してJASRACの「特例事項」の中にあてはめ著作権料や原版の使用料を辞退するだけでなく、
事務所側が「協賛金」と称して莫大な金額の広告料を放送局側に支払うシステムだ。(NHKとて例外ではない) この場合言うまでもないがアーチストにも作曲者にも権利料はビタ一文支払われない。

それに対し欧米では、いや日本以外の殆どの国ではアーチストの音楽を番組テーマを使うのに「ライセンシング」といって放送局からアーチスト側に使用料(内容によってはかなりの金額)が支払われる。本来音楽を始めとするコンテンツビジネスというのは「権利ビジネス」でもあるのでこれが本来、当たり前の姿なのである。金額はケースバイケースだがこの場合メジャーアーチストもインデイースも基本的に関係ない。映画、テレビ、CMその他でアーチストの音楽の使用されればその使用料が必ず発生する、のが本来のありかたである。そしてそれはアーチストの重要な収入源にもなったりしている。

つまり前にもいったが日本のこの現状の方が異常なのだ。

いくら
「プロモーション目的」と称しても、この本来のありかたとはあべこべになっている状態は「権利ビジネス」という観点からしても異常である 。しかもこれはJASRACという公的信託期間の承認のもとに行われている。こんなバカなことをしているのは世界中でも日本だけである。ほかの国で同じことをしている、という例は私は聞いたことがない。あったら教えてほしい。

上記の例からアメリカではたとえメジャーでない、いわゆるインデペンデントのアーチストでも
「ライセンシング」の収入を得ることは珍しいことではない。
しかし日本ではこの「タイアップ」があるために
インデペンデントのアーチストが「ライセンシング」の収入を得るなどほぼ不可能といっていい。

これが結果的に日本のアーチストの権利や収入を結果的に制限しているのも事実。いい加減やめさせないともはやアーチストの生活は成り立っていかないところまで来ている。

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2012年7月17日 (火)

また偉大なミュージシャンの訃報 ジョン ・ ロード

あまり訃報の記事は書きたくないと思っていたんだけど、ちょっとこの方の訃報は私にとってショックです。

Deep Purple Co-Founder Jon Lord Dead At 71
http://www.mtv.com/news/articles/1689747/jon-lord-deep-purple-dead.jhtml

Jon Lord, keyboard player with seminal hard rock act Deep Purple, dies
http://edition.cnn.com/2012/07/16/showbiz/jon-lord-obit/index.html

元ディープ・パープルのジョン・ロード氏死去
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20120717-OYT1T00423.htm

We are all deeply saddened by the news that Jon Lord has passed away today at the age of 71 after suffering a pulmonary embolism. He had been suffering from pancreatic cancer and was surrounded by his family at the London Clinic. Our most heartfelt sympathies go to his family. Jon Lord, a giant among men.(FB Deep purple ページ)

この人のオルガンはパープルの絶妙な味を出していました。、この人が私にハモンドの良さ、カッコよさを教えてくれた人です。 デイープパープルというとリッチーブラックモアのギターの方に目がいきがちですが、この人のオルガンはパープルのサウンドに欠かせないものでした。

すい臓癌とはショックです。

心からこの偉大なミュージシャンに敬意を表すると同時にご冥福をお祈り申し上げます

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2012年7月14日 (土)

音楽の海外プロモーション活動をして余計に日本の中の音楽のありかたに嫌気が指す自分が..

さて今年度から私のアンビエントアルバム metanature と奥津恵「未来」を日本国内ではなくあえて海外向けのプロモーションを行っている。

大きく分けると3つのプロモーションのチャンネルがある

1 jango airplay    http://airplay.jango.com/

全世界で700万人のリスナーを抱える世界最大のインターネットラジオ

2 music SUBMIT  http://www.musicsubmit.com/

全米のairplayやインターネットラジオだけでなく実際のFM局に対するプロモーション。ラジオはアメリカだけでなくヨーロッパ、南米、中東、インドと世界中のラジオに対してプロモーションができる。

3. Sonicbids   http://www.sonicbids.com/  or CDBABY http://www.cdbaby.com/ のライセンシング(テレビ映画での音楽使用)

断っておくが日本のように「お金を払ってタイアップ」するのではない。実際にテレビや映画に使ってもらって「使用料」をもらうのだ。前にもいったがこれが本来当たり前の形日本の方が異常なのだ。

さて、三か月本腰を入れて感じたこと。それは

どうしてもっと前から本腰でやっておかなかったのだろう?

という強烈な後悔の念だ。

たとえばjangometanature と「未来」をオンエアした。metanature は過去10196回オンエアして"likes (FBの「イイね」にあたる)"が631回、ファン(リスナーが音楽を聴いて自主申請)が158人出た。この数字が人数の割にいい反応かどうかは評価が分かれるところだが、リスナーの反応はいわゆる欧米だけでなく、イスラエル、アルゼンチン、インド、キプロス、ロシア等、本当に世界中から反応が来た。ちなみに奥津はオンエア数はまだ1084回のみだがlikes"が22回、ファンが21人出ている。日本語の歌詞なのできちんと反応が出るか不安だったが以外に聴かれているのだ。

 music SUBMITの方も反応はよく私も奥津もすでに2ケタの数のラジオ局のプロモーションを行っている。私のアンビエント曲は実質インストだ。そして恵は日本語のJ-popそれでも海外で流して反応は悪くない。正直手ごたえを感じている。

これらのプロモーションをやって感じているのは、世界中の人は余計なことを考えず、純粋に音楽の質、音楽そのもののクオリテイを聴いて評価をしてくれている、という点である。日本のようにこれはどこのテーマソングなのか、とか有名な作曲家やプロデユーサーが関わっているのか、とかいった観点は一切ない純粋のその音楽を聴いてよかったか、悪かったかというその評価のみである。

本来これが当たり前なのだ。しかし日本の音楽人はそういう「業界的聴き方」に耳が毒されてしまいいい音楽を普通に評価する、などという当たり前のことが日本の業界人は勿論、一般のリスナーも絶望的にできないのである。

日本の音楽界はマスに売るという一点のみに執着し、音楽を普通に評価する術を失っている。

そして残念ながら日本人の多くがそうした「業界的聴き方」に毒されて、いい音楽を普通に評価するということができなくなってしまった。音楽業界がそういうリスナーを作ってしまったのだ。

だからこそ「ミュージックソムリエ」のような人たちが今必要なのだ。CDショップ大賞などはそのための賞だ。しかしこの賞がいまだに業界の中で叩きまくられているのは周知のとおり。

道のりは遠い、といわざるを得ない

海外のこうしたプロモーションツールを使って、日本の音楽、音楽文化そのものに対して余計に嫌気が指してしまっている。残念ながらそれが現実である。

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2012年7月 7日 (土)

音楽制作の仕事の中でのとあるアーチストとの一幕

今日の記事もちょっと毒を吐く内容になっています。

今年の3月よりとある大手楽器メーカーがクライアントで海外向けの音楽教材制作の仕事を行っている。内容は細かい修正等はこれから発生するものの、概ねクライアント側には好評で無事第一回目の納品ができた。このプロジェクトは今後数年ほぼ数ヶ月から半年にかけて順時制作案件として発生する。

海外向けで英語なので、3人のネイテイブなボーカリストを採用していた。男声一人、女性二人で片方の人間には声優もやってもらった。
そしてそのうちの声優をお願いしていたボーカリストの方を今後の当プロジェクトからはずすことにした。理由はいろいろあるがひとことでいえば今後の協力関係、信頼関係を維持し続けるのは不可能と判断したためである。

その女性ボーカリスト兼ナレーターはテレビやラジオでもよく出演していてある程度名前は知られている関係で実名を公表すると影響が大きすぎるためにここでは実名を伏せるが、要はこのアーチストのポリシーとして英語に対して並々ならぬこだわりを持っているという点で今回はそれが非常に悪い方向に発展した。というのは前回クライアント側から提出されたナレーション原稿や歌詞に対してクレームを云ってきたのだ。勿論こちらは受注する側なのでナレーション原稿も明らかに間違いの部分はともかく、クライアント側から提出されたものをこちらで勝手に変更する権限などない。だからそれをうちに対して云われても、というのが正直なところだが一応私も英語なら少しはわかるので細かい内容についてはそのアーチストの云っている内容は理解できるつもりだ。そしてその内容はクライアント側にも伝えた。

しかし前回驚いたのはそのアーチストは原稿を英語のわかる私でもどこを読んでいるかわからないほど原型をとどめない内容に勝手に変えてきたので、私の方である程度なだめて比較的原文に近い内容の修正にとどめた。

いま考えるとそのアーチストはそれが気に入らなかったらしい

それで今回の続編の話でこちらとしては、それほど原稿に対してこだわりがあるのであれば、翻訳料を払うからそれを含めた形で再度オファーを行った。この環境なら英語にこだわりを持っているアーチストでも受容可能な内容だと思ったからだ。

それにたいしてアーチスト側の要求は明らかにこちらで受け入れ不能なギャランテイーアップの要求

念のため、翻訳といってもせいぜいA4で6-7枚程度。それも殆どが短い文章の会話である。

これは芸能事務所がよくやる手口で要するに「お前とは仕事なんかしねえよ」という意味でこちらが受け入れられない条件を百も承知の上で出してくるーつまりオファー拒否のメッセージだ。

さすがに今回は俺もぶち切れた。即刻代役を探すことにした
現在代役候補が二人おりそのどちらかになると思う。どちらもボーカリストとしても優秀だし声優の仕事をこなすことも可能だ。

懸念すべきは前回の修正内容がまだ今日の時点で見えていないこと。今回は続編の収録といっしょにその作業も行う予定だったが最大の懸念はそのアーチストの歌った曲に「ボーカルを録り直さなければならない」内容の修正が来た場合、どうするか、だ。万が一その事態が発生した場合は新しい代役に丸々歌い直してもらうしかない。

あえていわせてもらえれば今音楽業界、音楽制作の仕事を予算的にも時間的にも余裕のある状況で仕事をしている人間は私の知る限り殆どいない。みんなギリギリの状態で仕事をしている。先日の佐久間正英さんの記事にもあるように佐久間さんほどの人でもかなりギリギリな状況で仕事している(正直佐久間さんはまだいい方だ)その中でみんな厳しい状況で協力しながら「いいものを作ろう」ということで動いている。

だがそのアーチストからは自分のポリシーに対する主張やクレームをいうことがあってもそういういいものを作ろう」という協力の態度を最後まで見ることができなかった。そのあげくが先ほどのメッセージである。

あえていわせてもらえれば 何様だおまえ
といいたくなる。

今度の新しい人はどちらになってもそういうことはないだろうと思う。そう信じたい。

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2012年7月 1日 (日)

録音スタジオの相次ぐ閉鎖の危機的状況

一昨日私がかつて根城のようにしていた音楽のレコーデイングスタジオが閉鎖される報を聞きショックを受けた。メーカー系のスタジオではなくある音楽事務所系が運営していたスタジオだがさすがに運営の限界を超えてしまったということだろう。生音や6-4-2-2の弦楽合奏とかを録るには充分なスタジオだった。私がビクターエンタテインメントで発売した作品の大半がこのスタジオで録音されたものである。

実際昨今の信じられないほどの音楽制作予算の削減、殆どの音楽が打ち込みベースで宅録に毛の生えたようなスタジオで録音しているという現実、かくいう私も自宅の仕事場に一畳程度のボーカル/ナレーションブースを作り今や殆どの仕事をここで行なっている。やりたくてそうしているのではない、昨今の状況でそういう仕事をやりかたをせざるを得ないのだ。一人何役こなしながらpro tools片手に音楽制作やサウンドコンテンツ制作に取り組んでいる現実がある。

だがいくらソフトシンセが発生しようとも生のオーケストラ、生音を録るという需要は必ず発生する。バンドの録音も多重録音ではなくバンドがいっぺんに録音する一発録りの方がいい音でしかもパワフルなテークが録れたりする。

だがこれだけスタジオ閉鎖が相次ぐとそもそもそれらの作業を行なうことのできるスタジオ自体fがなくなるという危機的な状況にもなりかねない。

メーカー系スタジオだからいいとは限らない、一口坂スタジオも閉鎖したし東芝のテラスタジオなんてものも今はない。

長引く音楽不況は音楽制作のインフラ自体も危機的な状況に追い込んでいるのだ。そして一番危機感がないのがメーカー系の連中だ、というのももっと困ったことだが

とにかくこの状況も何とかしないといけない。、


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2012年6月29日 (金)

音楽で人生の節目を語る

最近このブログでややネガテイブ的な記事が多かったような気がするのでたまにはポジテイブな記事を

■人生の節目、音楽通し語る TV番組続々
http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY201111010372.html

人生と音楽を切り口にしたテレビ番組が相次いで始まった。登場人物が、人生の節目と結びつく曲を挙げ、語りで掘り下げる点で共通する。テレビ局にとっては番組の新スタイルを探る試み。ネットの発達で音楽があふれかえる中、聴き手本位の新たな聴き方ガイドという側面もある。

■歌ゆかりの場所へ心の旅

 著名なミュージシャンの音楽人生を、ゆかりの場所を巡り紹介する「ミュージックトラベル」が10月、BSジャパンで始まった。本人が挙げた「大切な10曲」にまつわる心の旅、といった仕掛けだ。

 <中略>

 星俊一プロデューサーは「歌だけやバラエティー仕立ての音楽番組は飽きられている。出演者の曲だけでなく、影響を受けた曲のような周辺情報、旅感覚も入 れて、お得感を出した」。大げさな演出のない落ち着いたつくりはターゲットの40~60代を意識した。音楽で人生を振り返れるだけの経験を重ねた世代だ。

 さきがけは、NHKのEテレが7~9月に放送した「ミュージック・ポートレイト」。歌手の今井美樹と作家の村山由佳、バレエダンサーの熊川哲也と歌舞伎 役者の市川亀治郎など、表現者2人が「青春の影」「運命の出会い」など10のテーマで選んだ曲を聴きながら、体験を語り合う。

 

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2012年6月19日 (火)

海外と日本を見てー脆弱な日本のラジオのメデイアのプロモーション能力

以前の当ブログの記事にも書いたように自社の音楽を海外でプロモーションを行なうための作業を開始しています。そのために以下のサイト

http://www.musicsubmit.com/

でプロモーションを開始しています。具体的には欧米のラジオ(FM局)とネットラジオ、音楽のライセンシング等に音源を提出(submit)しています。弊社の以下の商品を行なっております。

Metanature_2

私のテクノアンビエントのアルバムです。

いろんな意味で実験的に作ったんですが、大昔mp3.comなるサイトでアンビエント部門で第一位を取ったことがあります。今回のプロモーションも結構反応が返って来ています。

Music submit内でのmetanatureサイト

Kyoji metanature


Meg_mirai_s_2

 ご存じ弊社のアーチスト奥津恵の「未来」です。
 J-popなんか海外に持ってってもしょうがないのでは?
とお考えの方も多いでしょうが、ここはあえて駄目元でやってます。

それでも上記のmetanatureほどではないですが反応は返って来ています。
Music submit内での奥津恵サイト

奥津恵「未来」

本日Musicsubmit経由で海外のラジオに資料を送りました。日本は世界で一番CDを売っている国といわれていますが音楽配信が音楽の中心のメデイアになっている欧米でもラジオ局は放送用に結局CDを送ることを要求します。こちらもmp3レベルの音質をオンエアされるよりはCDの方がいいに決まっているので送ります。もっともネットラジオは殆どmp3になってしまいますが...


日本と欧米、とりわけアメリカの音楽事情で日本との最大の違いはラジオでしょうね。日本のラジオは現在本当に悲惨な状況であり、いわゆるキー局といわれているところでもスポンサーが今なかなかつきません。そして日本の若者は殆どラジオを聴かないのが現状ですが、アメリカの若者は違います。

ラジオというのはご存じのようにメデイアとしては非常に古いものです。

そしてインターネット時代にも関らずアメリカでは音楽の宣伝メデイアとしては一番古いラジオがまだ健全に機能しており音楽のプロモーションで大きな役割を担っています。日本の場合はラジオというメデイアが一部の放送局を除き殆どプロモーションチャンネルとして残念ながら殆ど機能していません。そのため<地上波テレビの影響力が突出してしまい、レコードメーカー各社が宣伝用に地上波テレビでの露出のタイアップ獲得に血眼になる大きな要因ともなっています。

かくして以前の記事にも書きましたが日本では地上波のテレビのタイアップのからみで異常な状態になっています。これは地上波のテレビ以外のメデイアのプロモーション力がないという事情もあります。

やはりその状況を打開するには

日本のラジオ、もっとがんばってくれー

ということでしょうか

そのためには

若者がもっとラジオを聴いてくれるような番組制作を考えるべきでしょう。それなしに日本のラジオの復活はないといっても過言ではありません。

あとアメリカのDJ,パーソナリテイーのように少々あくが強いが存在感のあるパーソナリテイーがやはり必要かもしれません。正直日本のラジオのパーソナリテイーはやはり「おとなしすぎる」ように思いますが...

尚、今回の作業でインターネットラジオについても思うところがありましたので別記事が書きます。

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2012年6月17日 (日)

あるプロデユーサーの発言2『音楽家が音楽を諦める時』について

反響がものすごかったので既にご存じの方も多いだろう。
音楽プロデユーサー佐久間正英さんのブログのこの記事である。詳細の内容は実際に佐久間さんのブログを読んでいただければいいのだが、最近はそのクリック1つすら惜しむ人が多くなっているので、音楽制作とは何たるかをより多くの方に知っていただきたいという意味で文章の一部を抜粋して引用させていただく。

■音楽家が音楽を諦める時
http://masahidesakuma.net/2012/06/post-5.html

ここしばらく「そろそろ音楽を止める潮時かな」と漠然と考えている。

ここで言う音楽とは自分の職業としての音楽のこと。趣味に近いたまにやるライブであったりバンド活動だったり毎晩作っている”おやすみ音楽”だったりのことでは無く、職業演奏家・作曲家・編曲家・レコードプロデューサーとしての音楽との関わりのことだ。

音楽制作の現場においていつの頃からかその制作費の締め付けが厳しいモノへと変わって来た。それは当然だ。単純に作った商品が売れなくなってしまったからだ。売れなくなった理由・考察はこの場では割愛するが、現実としてそういう状況だと。
すると単純に今までやって来た(培ってきた)技術・方法は使えなくなって来る。どんな形であれ音楽制作には経費が派生する。その経費は”音の作り方・クオリティそのもの”に正比例する。

僕らはよりよい音楽(音)を作ろうと日々努力する。そういう仕事だから当たり前のことだ。
よりよい環境(スタジオ等)を求め、よりよい機材で、よりよいやり方を試行錯誤し。知らない方から見れば「何でそんなことに?」と思える様な些細な部分にも注視し努力を続けて来た。
ところがあるボ−ダーラインを越えてしまうとその努力もやりようが無くなってくる。

例えば10年ほど前まで一枚のアルバムを作るには1200~1500万の予算がかかった。今の世代の方からは「バブル!」と一蹴されるかも知れないがそれは違う。
ちゃんと真面目に音楽を作るにはそういう金額がかかるのだ。僕らのギャラが高かった訳でもスタジオが法外に利益をむさぼった訳でも無駄な時間をかけた訳で もない。録音作品を真面目に作るとはそういう事なのだ。(ちなみにプロデューサーとしては印税契約だったので僕のギャラはその制作費には入っていない)も ちろんこの予算にアーティストの取り分も含まれていない。純粋に録音物の制作にかかる費用だ。
<中略>

そんな風に良い音を録るため、それを商品にするには先に述べた様に色々な部分に大きなコストがかかる。

近興味と楽しみのためにインディーズ(と言ってもほぼ自主制作)のレコーディングのプロデュースをしたりしている。
アルバム制作費で言えば例えば60万程だったりする。彼らにとっての60万は大金だ。ライブ会場で1500円で販売して400枚売ってやっとリクープだ。それでも僕に依頼して来るのは大変な決意・熱意なのだと思う。
こちらも長年の経験があるプロなのでその予算でと言われれば不可能では無い方策で関わる。
何枚かやってみて、どれも到底所謂インディーズレベルでは無い良い作品に仕上がっていると思える。予算が1500万でも60万でも僕に出来ること・やるべきことに違いは無いのだから。

ただ確かに良い作品は作れるが、その”良さ”には限界がある。
僕らはもっともっと”良い音楽”を作って行かなければならないと思うからだ。それには60万の予算はあまりに制約が多すぎる。

 

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2012年5月23日 (水)

ある心ある有名プロデユーサーのコメントーもはや日本は音楽の最後進国

本日、とある有名音楽プロデユーサーのコメントで全面的に共感できるコメントがあったのでここで引用させていただきます。但しfacebook上でこの方は原則友人のみの公開している現状を踏まえ、なおかつ本人に迷惑がかからないためにあえて名前はこのブログでは公開しません。名前をいえばある程度日本の音楽を聴いている人であれば誰でも知っている有名音楽プロデユーサーSさんとしておきましょう。

私はこの方のコメントに全面的に共感、支持をするものです。

以下その有名音楽プロデユーサーのコメントです。

最近ある人物と”日本の音楽がアジア圏においていかに生き残れるか?”(とても大雑把に言えば)の様なやりとりをしている。


時を同じくして韓国の音楽業界の重鎮とも言える方や政府機関の方
とも会う機会があり色々話しをした。
僕的な結論を簡単に言ってしまえば非常に残念ながら「もう手遅れ
」「無理」な話しになってしまう。日本は完全に遅れてしまった感がいなめない。

その理由の根源は”ビジネスとして”の話しではなく音楽的クオリ
ティの話しだ。(もちろんビジネスとしての捉え方の甘さもあるが

やりとりをしている友人はシンガポールはまだ食い込める余地があ
る(音楽的に未成熟的な話し)という話しを聞いて、シンガポールのヒット曲をチェックしてみた。
これも残念ながら日本の音楽(ジャンルは限定されるが)では太刀
打ちできないと感じた。純粋に音楽的クオリティにおいて。

何故にいつの間にかこれほど日本の音楽の質は落ちてしまったのだろう。

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2012年5月18日 (金)

日本の音楽業界少しずつ変わりつつある? 海外売り込みとソーシャルネットランキング

日本の音楽売り込め 上海で商談会
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120514/k10015092811000.html

当ブログでもインターネットで世界中がつながっている時代にいつまでたっても日本国内市場しか見ようとしない日本の音楽業界のありかたを批判してきたが

日本の音楽業界には真の意味の「グローバリズム」は必要 http://bit.ly/KrqGPH+

遅まきながら、だけどやっと真面目に考えるようになったんだなという感想。

ちょっと前はこんなことをいおうもんなら「非現実的だ」とか「時間がかかる」とか間違いなく否定的な答えがレコード会社あたりから帰って来たんだけど...

だけどしかし本当にアジアに売り込もうとするなら今のような音楽のクオリテイじゃ長続きしないと思うね。以前のkatuunのケースのようにコンペでシロウト同然の奴らの曲をパクって作っているようじゃ駄目だ。

新しいことをすることを極端に嫌う日本の音楽業界だがようやく少し変化に向けて重い腰を動かしつつあるということだろうか?

一方ではこんなサービスも出現した

■ソーシャル音楽ランキングサイト「BeatCaster.net」オープン
http://release.vfactory.jp/release/48195.html

Twitterでつぶやかれる音楽タイトルとアーティスト名を分析し独自の音楽ランキングをインターネットで提供するスマートフォン向けソーシャル音楽ランキングサイトだという。「ランキングを買う」というのが半ば常識となっている業界状況を考えると、ユーザーの正直な音楽ニーズの反映ができるのであればそれは少しは健全な方向に向っている、ということだろう。音楽事務所系はそういう「公正」さ極端なほど嫌ってきたから

少しは面白い動きが出てきた、と考えるのは期待しすぎだろうか?

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また偉大なボーカリストの訃報ードナサマー肺ガンで死去

今年の始めのホイットニーヒューストンの訃報にもとても悲しい気持ちになりましたが、モータウンの「顔」といってもいい偉大なボーカリストがまた逝ってしまいました。

とても残念で悲しいニュースです。

■ドナ・サマー、死去 http://www.barks.jp/news/?id=1000079703

木曜日(5月17日)、ドナ・サマーが亡くなった。63歳だった。肺癌を患っていたと伝えれている。

<中略>

彼女に訃報にはやくもミュージシャンから多くの追悼の言葉が寄せられている。エルトン・ジョンは「とても悲しい。彼女はディスコ・クィーン以上の存在だっ た。彼女のレコードはいまでも素晴らしい」と追悼。デュラン・デュランのニック・ローズ(Key)は「1つの曲を聴いて、音楽に対する見方が変わるなんて ことはすごく珍しい。“I Feel Love”はそれを成し遂げた」、プロデューサーのクィンシー・ジョーンズは「ドナは大変革をもたらした人。彼女の声は時代のハートビートでありサウンド トラックだった」と称賛している。

そのほか、アレサ・フランクリン、バーバラ・ストライサンド、カイリー・ミノーグ、グロリア・エステファンらから追悼の言葉が上がっている。
サマーはグラミー・アワーズを5回受賞。ロック部門(1980年最優秀ロック・ヴォーカル・パフォーマンス「Hot Stuff」)を受賞した最初の黒人女性シンガーだった。

心からご冥福をお祈り申しあげます

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2012年5月 7日 (月)

音楽雑誌の危機的な状況と業界馴れ合い解消のすすめ

音楽関連メディアの凋落が言われて久しい。かくいう私自身も何回か音楽雑誌に寄稿した経験があるのでこの記事は身につまされる問題でもある。

「まるでファンクラブ会報!?」専門誌は絶滅寸前――音楽系メディアの由々しき現状
http://www.cyzo.com/2012/05/post_10516.html

音楽関連メディアの凋落が言われて久しい。中でも、“絶滅寸前”とささやかれるのが音楽雑誌。部数の減少だけでなく、広告収入の落ち込みが止まらないという。

「1990年代には10万部以上出ている音楽雑誌もありましたが、現在では比較的売れている情報誌で数万部、グラビア中心の専門誌では数千部しか売 れていません。その上、雑誌運営の柱でもある広告が、レコード会社の予算縮小でほとんど入らなくなり、編集協力費名目で一企画あたり数万円入る程度。人件 費を削るなどして、赤字幅を減らそうと汲々としているのが現状です」(音楽雑誌編集者)

 収入が数万円程度でも、タイアップはタイアップ。誌面に登場する歌手やバンドに迎合したインタビュー記事やコラムばかりが掲載され、音楽誌はさながら「ファンクラブ会報の寄せ集め」のような状態に。

「最近、ミスチルは3,000部持っているとか、嵐は4,000部持っているという言い方も耳にします。彼らが表紙を飾れば、それだけの部数が見込 めるという意味ですが、逆に言えば、現在の音楽雑誌には固定読者がほとんどいなくなってしまったということなんです」(前出・編集者)

<中略>

実際、歌手やバンドの間では「稼働しても効果が見込めない」と、音楽関連のメディアから距離を置く動きも始まっている。約30万人のファンクラブ会員を抱 えるGLAYは近年、メディア露出を極力控える方針に転換。CDの売上は低下しているものの、ファンクラブ向けの特別ライブを行うなどして、安定した収入 を確保しているという。固定ファンをつかんでいるベテランや中堅の間では、今後こうした活動スタイルが広がりそうだ。

実際問題として今音楽雑誌で真の意味の音楽評論などもはや10年前からなくなっている。

 

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2012年5月 1日 (火)

日本の音楽業界には真の意味の「グローバリズム」は必要

5月に入りました。
一応、プロモーター、マネージャーの仕事を「辞任」した私ですが、いろいろと「後始末」をしなければなりません。この「後始末」に一年くらいは覚悟しないといけないでしょう。

さて私は先日の記事で日本には地上波テレビとのタイアップの状況があるためにライセンシングに関して権利のマネージメントの観点では世界的には異常な状況になっていることを述べました。実際JASRACという公的権利信託機関の「公認」のもとで行なわれるわけですが最近はこのタイアップの規制もさらに大幅に緩和される動きになっており、もはや日本の音楽のメデイアで日本の音楽をライセンシングするのはよほどの条件がそろわない限りほぼ不可能に近い状況になりつつあります。

日本の音楽界は世界の中の北朝鮮のように本来異常なことが「正常」になってしまっているわけですが、さらにこのタイアップに基づき「利権構造」ができてしまい弊社のような小さな会社がその中に割って入るなどということはほぼ不可能に近い状況になっております。

しかし、  です。

最近地上波のタイアップがあったからCDや配信が売れる、などという時代はもはや終わりました。タイアップが有効なのはドラマその他で音楽が極めて効果的な背景で使われた場合ーつまりその音楽が好きになるシチュエーションを作るーのみに限られており、いわゆるバラエテイ番組のエンデイングテーマで流れる、などという程度で音楽が売れる、などということはほぼ、ありえない状況になっております。

しかもシチュエーション作りーに適したタイアップの可能性があるものは

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2012年4月27日 (金)

映画「I AM..」韓流アーチストたちの努力と島国体質から一向に脱却しようとしない日本の音楽業界

すみません。今日は久々に吠えます (笑)

予告編ですけどこれ見て日本の音楽界が実に情けなく思えてしまったので....
まずはこれを見て下さい

こういうのを見ると日本の音楽界は本当に甘い,と思ってしまいますね。

そもそも韓流がどうのこうの、韓流ばかり放送するのはけしからん、などと云っている以前に彼らが自分の国以外のマーケットに売り込むのにどれほど死ぬほどの努力しているか、ということをもっと評価しないといけないと思います。

今やインターネットの時代で文化も音楽コンテンツも国境、人種に関係なく伝わります、いいものだったら韓流だろうがなんだろうか国境を越えて評価されるのは当然だしそうあるべきだと思います。

なのに日本の音楽界の島国体質何とかならんのかね、と思いますね。いつまでたっても閉鎖された日本のマーケットしか見ていないし、それ以外見ようとすらしていない。

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2012年4月 7日 (土)

ショパンにワルツが19曲もあったなんて

しばらくブログ記事を書かないつもりだったけどちょっと面白い話なので...

私は一応幼い頃からピアノをやっているのでクラシックピアノも当然私はやっている。ショパンの曲も当然やらされていたわけで、ショパンのワルツは必ず通る道だ。
しかし今日娘のピアノの楽譜を見て目からうろこが出た。

自分の中ではショパンのワルツって14曲しかないと思っていたが実は19曲あったという話

実は15-17番で15番は早くから存在が知られていたらしいが、16-17番はは20世紀になって発見され出版されていたらしい。(16番は1902年、17番は1908年)しかしショパンの若い頃の作品らしいのでショパンの正式な作品群に入れないことが多く、実際現在出版されている楽譜の殆どが14曲止まりだ。

18番、19番はショパンが友人に献呈したものらしいが、世に出て発表されることもなく、めぐりめぐってなぜかイギリスやフランスの個人がショパンの自筆楽譜を所蔵していた。そのうち18番といわれているのは題名すらついていない。一応ワルツ的な性格をおびているのでワルツの中に入れられているが、別のジャンルに入れるべきという説もあるためValse(イタリア語でワルツのこと)の隣に? マークがついているのがおわかりだろうか?

Chopin18

19番も最近加えられたものらしいが、いずれにせよ自分がワルツをやった○十年前に知らなかったことがあったとは

これが19番の楽譜です。

Chopin19

私は別にショパンは好きではないが、一応昔よくやらされたけど、こういうことは知らなかった。

うーんクラシックはまだ深いな。

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2012年3月26日 (月)

ソフトシンセとハードシンセ併用

現在の受注案件。短い曲ですが大量の曲数の編曲をしなければならず現在その作業中です。

ここしばらくレコーデイング作業はソフトシンセの起用を中心にしていましたが最近またハードシンセの音源モジュールも多用しています。

Ongen_module

というのもソフトシンセ、確かに便利だし音源も豊富なんですが前にも書きましたようにどこか音質として線が細い、といいますかどこか物足りなさを感じているのと、使いなれているハードシンセの音が私自身の体になじんでいる、という事情もあります。特にピアノの音は以前別の記事にも書きましたが、Kurzweil K-1200の音ははずせません。

とはいえpro toolsに装備されているソフトシンセモジュールを始めKontakt player 4.0Vienna Instruments ドラムだとBFDといったソフトシンセは表現の幅を広げる意味で大きな力を持っており重宝しています。音楽制作環境ではpro tools8は導入してよかったと思っています。もっとも最近のpro toolsは(特に10以降は)殆どMA用ソフトになったといっていいくらい設計思想が全く違うので、もしかしたら当分pro tools8の状態で作業するかもしれません。

いずれにせよソフトシンセと使いなれているハードシンセ両方を併用することによってアレンジ、表現力の幅は広がりますが実は1つ大きな問題があります。

それはソフトシンセとハードシンセの間に遅延時間による「ずれ」が生じてしまう点です。

これはソフトシンセはMAC PRO内でDAWmidiのプロセッシングを処理するためほぼ時間差なしで処理されますが、ハードシンセは外部の機器にmidiケーブル経由で繋がっていますから、どうしてもそのケーブルによる遅延時間による「ずれ」が生じてしまいます。特にリズムセクションで両方を併用しますと顕著に現れますが、結局物理的な接続が原因のため結局波形編集で時間軸をあわせるしかありません。しかしこのことによって余計な手間が発生してしまうので何かよい方法はないか、現在考えているところです。

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2012年3月10日 (土)

欧米のインデイースシーンで使われている音楽プロモーションツール

↓下の記事の続き

実は何で急にこんなことを言い出したかというと、私は元々そういう欧米の音楽プロモーションツールのアカウントをいくつか持っていた。しかし日本国内で立ち上げようとしていたさまざまなプロジェクト関係(多くは失敗に終わったが)やこのブログで何回も述べたがこれから自分の人生の勝負に出るためのさまざまなプロジェクト。それらについて頭がいっぱいだった関係で、そうしたプロモーションツールを長い間放ったらかしにしておいてしまっていたからである。

しかしよく考えればそれは大変損をしていることに気づいた。改めてそうしたプロモーションツールをよく見ているうちにもっと前から積極的にやっておけばよかった、といえるようなものがたくさんある。

そして今自分がやろうとしていること。

音楽に関する全く新しいコンテンツの開発これはいずれ今までにない作品を世に出すことを目的としている。

そして先日も私がフィルムスコアした作品がカンヌ映画祭に提出されたが、作曲家としては映画劇伴音楽作家としても動こうとしている。

これらはいずれも最終的には日本国内だけでなく、いずれは世界じゅうに対してプロモーションしなくてはならないプロジェクトである。その場合日本国内の業界の常識など全く無意味である。その際にはアメリカの音楽のプロモーションツール、欧米の音楽のプロモーションやアーチストのインキュベーションのメカニズムをもう一度検証し、理解することはこれからの自分の音楽人生にも極めて重要なことだと考える。この場合はっきりいって日本の音楽業界の常識などクソくらえである。

なぜ欧米社会では地上波のテレビのタイアップもない、いわゆるシチュエーション作りもない状態で音楽がプロモーションされているのか、なぜ次から次へと新人アーチストが育ちインキュベートされているのか?

それは欧米のアーチスト向けのインデイース、新人アーチストのプロモーションツールが非常に充実している。というのも大きいと思う。日本もいわゆるインデイース市場が大きく伸びているが、欧米ではそれ以上にどんどん伸びているのはそのためである。

それではどんなプロモーションツールがあるかというと

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2012年3月 9日 (金)

欧米では地上波のタイアップが殆どない点とインデイースのツール充実の現状を見て

ご存じの通り日本で音楽をプロモーションする場合、地上波テレビとのタイアップで音楽を露出させる、ということが一般的である。少なくとも日本国内では必須といっていい。

だが今頃になって気がついたのだがよく考えてみれば欧米ーアメリカでもヨーロッパでもー音楽を地上波テレビの番組やCM等でアーチストの楽曲をタイアップでプロモーションする、などということは殆どない。勿論有名アーチストの音楽をCMその他で使うことがあるが、それは多くの場合ライセンシング(権利使用許諾)で寧ろ例外的事象といっていい。ライセンシングだからマイケルジャクソンコカコーラCMにせよ、ローリングストーンズWindowsのCMにせよ、スポンサーから莫大なライセンス使用料が各アーチスト側に支払われている。

これに対して日本の場合、アーチストの楽曲をタイアップとして使用する場合はこうしたライセンス料は勿論のこと、著作権使用料も「プロモーション目的」という項目JASRACに例外事項として認められるためアーチスト側にも作曲家にもビタ一文の費用が支払われない。しかも一度タイアップとして使用されると多くの場合スポンサーからみの縛りが出てくるので、あとで二次使用したくてもなかなかできない等、アーチストの権利がいろんな意味で制限される。

はっきりいって日本のこの現状の方が異常である。

欧米で行なわれているライセンシングの現状が本来の姿であり、コンテンツ、ソフトが権利ビジネスであるという現状を考えると、本来こちらの方が当たり前なのである。

つまり日本と欧米ではアーチスト側と地上波のメデイア関連との力関係ー取り分け権利に関する力関係が完全にあべこべになっているのだ。

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2012年2月27日 (月)

少しずつだがCDショップ大賞で変わりはじめているCDショップと音楽業界

一部の方は既にご存じの通り本日「第4回CDショップ大賞2012授賞式」が行なわれました。受賞者は以下のとおり

大賞   : ももいろクローバーZ 「バトル アンド ロマンス」

準大賞  :  星野源   「エピソード」

地方賞

●北海道ブロック賞
サノトモミ『ミッドナイト エクスプローラー』

●東北ブロック賞
熊谷育美『その先の青へ』

●関東ブロック賞
玲里『KISS AND FLY』

●甲信越ブロック賞
Negicco『GET IT ON!』

●東海ブロック賞
cinema staff『cinema staff』

●関西ブロック賞
N’夙川BOYS『PLANET MAGIC』

●中国四国ブロック賞
宇宙人『お部屋でミステリーサークル』

●九州ブロック賞
mahos『icicles』

まだご存じない人もいると思うので書きますが、CDショップ大賞とは全国のCDショップ店員の投票のみで各賞が選ばれる賞で、『本屋大賞の音楽版』ともいわれています。「この国には、過小評価されている音楽が多すぎる。」という問題意識の下、CDショップ店員が勧める音楽や客に聴いてもらいたいという観点からおすすめのCDを選んでもらう、というユニークな発想の賞です。これは「NPO法人ミュージックソムリエ協会」が事実上運営しています。この大賞の仕掛け人は私とは旧知の仲ですが私自身はこのコンセプトに大いに賛同し、影ながら応援しておりました

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2012年2月13日 (月)

グラミー2012年 Whitney Houston永遠に、ビーチボーイズ、マッカートニー

既にご存じのようにグラミーの前日にホイットニーヒューストンの訃報という非常に悲しいニュースが飛び込んできました。

ホイットニー・ヒューストン、死亡当時の状況が報じられる
http://www.mtvjapan.com/news/music/20514

そうした追悼モードの中、第五十四回グラミーが開催され、ミュージシャンたちの楽しいパフォーマンスもたくさんありました。とくに二十数年ぶりに結成された伝説のバンド、ビーチボーイズ、やポールマッカートニー(今年70歳!!)のパフォーマンス、そしてポールを紹介した時のステイービーワンダーがポケットからハーモニカ取り出して、ビートルズのラブ・ミー・ドゥーの一節を吹いた等話題が多かったですね。(しかし正直いってポールの声、私はかなり衰えを感じてしまいました。声がもうお爺さん声になり始めている)

あとトニーベネット{85歳!!)がキャリー・アンダーウッド「デユエッツ」のナンバーを披露していましたが、本来ならエミーワインハウスとの共演を見たかったですね。今年一年、音楽関係者の訃報が多すぎました。

そして今年一年でなくなった人たちー墓銘碑コーナーにステイーブジョブズが入っていました。itunesやipodによる変革で大迷惑を被った人もいる筈なのにちゃんと称える姿勢はさすがですね。たぶんオスカーでもちゃんとリスペクトすると思います。ITの世界の人間で芸術の世界でここまで尊敬されるのは彼ぐらいのものでしょうね。ただ、気がかりなのは最近のi-cloudは音楽の権利を阻害する可能性も出てきている点。この辺りをAppleはどう展開させるんでしょうか?

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2012年2月 9日 (木)

ピアノ音源ーソフトシンセとハード音源に関して

私は一応基本はピアニストなのでピアノの音に対するこだわりは強いつもりだ。

以前私は制作にあたりソフトシンセはハードの音源モジュールより音がどこか細いと書いた。しかしそうはいっても手軽な面から現在音楽制作に関しては完全にソフトシンセがメインになりつつある。その中で私が頻繁に使うピアノでもpro toolsMini Grandもあるが、Vienna Instrumentsの中にあるベーゼンドルファーのピアノ音源がある。

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私はピアノの音としてはスタインウエイよりはベーゼンドルファー派なので一時この音源があることに喜んだ。確かにベーゼンドルファーならではのあの柔らかい暖かい音源が再現されてはいる。

しかし、 だ。 

やはり何か違うのだ。どこか音がこもっているというか何か本物のベーゼンドルファーを弾いた時のようなあの音の広がりが今一つ感じられない。

かつて楽器フェアで最高級のピアノの弾いた時の感触と比べるとやはり違う。500万のベーゼンドルファーを試弾した時は正直ずーっと弾いていたいと思うくらい気持ちがよかった。同じく600万のベヒシュタイン、800万のザウターを弾いた時も音源の温かみ、広がり、音質全てがいうことなしだった。

結局ソフトシンセの限界はそれなんだろう。Vienna Instrumentsは各楽器を44.1KHZの16bitでサンプリングしているが、そのレベルのサンプリングだとやはり本物と比べると落ちてしまうのはやむをえないのかもしれない。Vienna Instrumentsを使ってオーケストラのサウンドを作ってはいるが、結局どんなに本物らしく聴こえるものでも所詮ソフトシンセフェイク(贋物)以上のものではないということだ。

だから本物のオーケストラで録音する機会は決してなくならない。但し予算が膨大にかかる。少なくとも数百万の予算、ジョンウイリアムス級の大オーケストラだと1000万は見ないといけない。そこがネックだ。日本国内でそんな予算が出る仕事など一年でも片手に数える程度の数しかないだろう。従って現実は殆どの案件ではソフトシンセを使わざるを得ない。

ただピアノに関しては私は結局昔から愛用のKurzweil K-1200の音源を使っている。

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Kurzweilスタインウエイの音をベースにしているが私の予想では単にサンプリングしただけではない、何かプラスアルファの要素を音源に加えていると思う。だからサンプリングやソフトシンセにありがちな「音の篭り」が感じられないのだ。だから結局このKurzweilを多用することになる。今でも私の自宅レコーデイングの殆どのピアノ音源はKurzweilである。一応この音なら私自身の一定のこだわりの許容範囲に納まる音質だからである。

しかし可能であればいつかベーゼンドルファーベヒシュタインザウターといったピアノでレコーデイングする機会を持ちたいものだ。

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2012年1月 7日 (土)

作曲家の林光先生がお亡くなりになりました。

長瀬君の訃報にも驚きましたが、こちらも驚きました。
続けて訃報の記事を書くことになろうとは
作曲家の林光さんがお亡くなりになりました。

林光氏が死去 「原爆小景」など作曲
http://s.nikkei.com/wAfrsV

若い頃私は青島広志の門をたたいていた時期があったのですが、林光氏は青島さんの先生に当たります。コンサートには何回か行った記憶がありますが直 接お会いしたことはありません。青島さんが世にでたのも「和製オペラ」の作品がきっかけですが、林光先生もその日本語のオペラにこだわった人で「こんにゃく座」の音楽監督を長く勤められました。

個人的には大河ドラマの「花神」(司馬遼太郎原作)のテーマ音楽がとても好きでした。

心からご冥福をお祈り申しあげます

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長瀬弘樹君自殺ーHNの「やわらかムーミン」がなぜ?

先ほど耳を疑うニュースが飛び込んできた、今年の最初の音楽記事が訃報とは

作曲家の長瀬弘樹君が亡くなった。自殺だという。彼とは直接会ったことはない。しかしmixiの音楽関係の掲示板で音楽業界や音楽文化について激論をかわした仲である。

正直いって彼とはお互い考え方は全く違い相容れない部分も多々あった。しかし日本の音楽文化を良くしたいという思いは同じだったと思う。まだまだ今後の音楽について議論してみたかった。特にあれから僕自身かなり理論武装したから

とても残念。とても悲しい。

正直に話そう。

実は当ブログのこの記事 
■新春コラムーいわゆるポストモダン時代のルーツ音楽の存在(例によって長文です)

この中に書いてある「知り合いの作曲家」とは実は長瀬弘樹君のことである。

実は私の知り合いの作曲家でこの東氏のシュミラークルの考え方を応用した試みをしようとしている人間がいる。昨今の音楽のありかたについて、オリジナル=ルーツ音楽と考え、ルーツ音楽のシュミラークルが増殖することによりかつては、「あるジャンル」とちゃんとわかるように」引用されていたものが、ゼロ年代においては、あるジャンルを構成する要素がばらばらに解体されて、R&Bのリズムでロック的なギターが入り、ラップをする、といういったような様相を帯びてくる。「ジャンルを構成する要素がばらばらデータベースに解体される」。それによってルーツ音楽の価値というものが事実上意味をなさなくなり、全ての要素は相対的なものでしかない。

よって彼は、「ルーツを知らなければいけない」という論には反対の立場をとりますが、「ルーツを尊重すべきだ」という論には賛成という立場を取り、それらのデータベースによる差異化をどう上手くやるかによって今後クリエーターの価値が出てくると考えているようだ。そしてそれは最近のJ-POP系のクリエーターのかなりの人間がそのように考えているようである。

さて、これに関する私の考え方を述べさせていただく。

まず東氏の昨今のネットや同人系の動きに関する分析に関しては確かに当たっている面はあるが、いくつかの疑問もある。

1. オリジナル作品とシュミラークルが作品的に同等というが、そもそもオリジナルが「それなりの魅力」を持っていなければそもそもシュミラークル自身が発生しないであろう。その「魅力」(例えばなぜ「萌える」のか、なぜ「はまる」のかについて)のデータベースについてはこの本では触れられていない。

2.もしシュミラークルな作品がオリジナルをしのぐとしたらそれはどのような場合なのか、そもそもシュミラークルな作品は「オリジナルと同等」と勘違いされているだけで作品クオリテイ的にオリジナルと本当に同等なのか。(例えて云えば宝石のニセモノを本物であるかのように消費者が買うのと同じなのでは?)

あと上記の作曲家のようにデータベースによる音楽について話をしよう。シュミラークルの 理論からすると、ロックもジャズもR&Bもクラシックも全て「相対化した」音楽の手法というデータベースの一種に過ぎないという。つまりそれらの データベースの「組み合わせ」に過ぎないのだが私が考えている大きな疑問の1つに、ではその「組み合わせ」によって人を動かせるほどの表現になるか、とい うことである。

音楽手法のデータベースというのは単なる作曲技法のエクリチュールに過ぎず、それは単なる表面的なものである。しかしその組み合わせで本当に「ノリ」とか「音楽の即興性」とかを表現できるものであろうか?ーつまり魅力」というものがデータベース化(オタク文化で云えばえばなぜ「萌える」のか、なぜ「はまる」のか、に当たる)できるのか?ということである、東氏はできると考えているようだが文化というのはそんな単純なものではない。

音楽に関していえば作曲技法のエクリチュールの機械的な組み合わせで確かに理論的には音楽ができる。だがそれは音楽の中の表面的な部 分に過ぎず、それが「カッコイイ」「ノリのいい」音楽になるかはまた全く別の話である。コンピューターミュージックの黎明期にイリアック組曲という音楽史 上初めてコンピューターで作られた音楽があった。それは音楽のデータベースを元にその組み合わせと情報理論を用いて作られたものであるが、歴史的には意味はあるものの音楽的にははっきりいってつまらないものである。

つまり私がいいたいのは表面的なデータベースだけを取り入れてもそれはその音楽のデータベースの本質「エッセンス」を理解したことにはならない。ということである。これは私が以前警鐘を鳴らした現代の情報社会の「わかったつもり症候群」にも通じている。「わかったつもり症候群」というのは断片的情報のみで判断する傾向のことをいい、データベースの表面的な部分だけを見てそれでそのデータベースの全ての部分を理解している、と勘違いしてしまうことをいう。例えば音楽でブルースは12小節で構成されているという基本中の基本を知らないで、昨今のJ-popの「R&B風のデータベース」で作られた音楽を聴いて自分がR&Bの全てを理解している、と錯覚してしまう点である。実際最近の若者にこういう人間が少なくない。勿論R&Bに限らない、ロックを始め他の音楽でも同様の傾向が見られる。

実はこれに関して彼から何らかの反論が来るかどうかも期待していた。かれは「やわらかむみん」というハンドルネームでmixiに参加していたがいつのまにか退会していたようである。

それにしてもどうして? 何も死ぬことないのに。 頭もよく才能もある男がなぜ自らの命を絶たなければならなかったのか? 本当に残念のひとことである。

遺書には「楽曲を歌ってもらって、もう満足した」と書かれていたという

心からご冥福をお祈り申しあげます。

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2011年11月26日 (土)

立体音響のアプリケーション

以前このブログでTPPとかグローバリズとかの問題をいろいろと書きましたが、とりあえずこれから来るであろう荒波に対抗する一環としてコアコンピタンスを強化しようということで動いております。

つまり同業者とかが多くすぐに「替わりが見つかる」仕事ではなく、そう簡単にマネできない、付加価値をつける仕事。

その一環として私の場合立体音響のノウハウが揚げられます。

一口に立体音響といいましてもさまざまな方法論があります。ダミーヘッドを使ったバイノーラル録音、そして劇場などで使われるドルビーサラウンド そしてもう1つはデジタル技術を駆使したデジタル3Dサウンドプロセッシングで、以前はRolandRSSというシステムを多用していましたが、現在はARNIS社のSound Locusを採用しています。

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マウスかゲームのコントローラーを使って定位をいろいろ動かします。

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近々異業種での事業案件ですが、「たぶん」やることになるだろうと思われる立体音響の案件がありますので、その準備も行なわなければなりません。

何度もいいますがネットに情報を流して、付加価値がつくなんていうのは幻想です。いまだにその幻想にしがみついている人がいるようですが、

人のやらないことをやる。そして効果的に付加価値をつける。
それは自分でどんどん行動してノウハウを蓄積するしかないと思います。付加価値の付け方は個人個人で違うと思いますが、とにかくこれからのコンテンツ事業者はその付加価値がないと生き残れません。

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2011年11月 8日 (火)

ソフトシンセと実際の楽器

さて私の音楽制作の現場ではすっかりソフトシンセが定着しましたが...

pro toolsのmidi作業もだいぶ慣れましたが、まだやり辛さはありますね。
MOTUのDigital Performerだったら簡単にできることができなかったりします。
(シンコペとかタイとか)

それでもソフトシンセ環境が充実しているので結局二度手間になるよりはpro toolsでmidi作業をしています。但しフレーズによっては手弾きの方が早いので臨機応援に対応しています。

現在私はソフトシンセはpro toolsのプラグインシンセであるXpand!2kontakt player 4.0 , Vienna Instruments そして生ドラム音源のBFDを主に使っています。
まあよほど特殊な音でない限りはこの4つでたいてい事足ります。ちなみにkontakt playerは旧EAST WESTの音源を殆ど取り込めるので私も以前愛用したQuantum leapのCollossusをkontakt playerを通じてまだ使っています。

これ以外に高音質オルガンソフトDB-33トーンホイール・オルガンやKurzweilがあるので殆ど使ってませんがグランドピアノの音源もあります。

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ソフトシンセのXpande! 2

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Vienna Instruments

まあ確かに音もかなりリアルになりましたし、使い勝手もものすごくいいんです。特にkontakt playerは自分のオリジナルの音源を作り出すことができるので重宝していますが、やはりハードシンセと比べるとどこか音が細い感じがするんですね。

例えばそろそろソフトシンセのオルガンの音に慣れ始めたんですが、先日楽器フェアで鈴木ハモンドのブースでXBシリーズを弾きましたけどやはりこちらの方が断然音がいい。同じ音質のはずなのにやはり違いますね。やはりサンプリング音源は所詮はフェイクであることがわかります。フェイクの音だけ使っていますとだんだん耳が悪くなる、感性が後退していく可能性がありますから生の楽器の感覚というのを忘れないように心がけたいとは思っております。

とはいえ、コストパフォーマンスが格段に上がるのは確かですけどね。しかしやはり本物の楽器を使った方が間違いなくよい音になります。コストは跳ね上がりますけどね。なんといってもオーケストラほどお金がかかるものないですから..

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2011年9月13日 (火)

セプテンバーコンサート2011年模様

今年は銀座「月夜の仔猫」での模様です。
こちらでは大野もピアノを弾いております。"911とその後の戦争の犠牲者に捧ぐ"
この曲は大野がセプテンバーコンサートでしか演奏しない曲です。

次は 「君の笑顔を見てみたい」です。
お気づきの方もいらっしゃると思いますが、二番の歌詞を間違えて一番を続けて歌ってしまいました。 正しい歌詞はi-tunesで聴くことができますので、よろしかったらダウンロードしてみてください。

http://itunes.apple.com/jp/artist/id314176779

これで恒例のセプコンが終了してしまいました。何か終わってしまうと個人的には寂しい思いがしますが、911で犠牲者になった人、そして大震災で家族を失った人には終わりが来ません。平和と復興への祈りは続きます。

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2011年9月 8日 (木)

FMラジオの今後の可能性ーネットとの連動

昨日FM戸塚 83.7MHZの10月編成に関してのパーソナリテイーミーテイングがFM戸塚の本社で行なわれた。

番組に関する紹介とかパーソナリテイーの心構えといった内容だったが、興味深かったのは今回64年ぶりに放送法が改正され、それに伴いコミュ二テイFMとはいえ、社会的責任が大きくなった(新しい放送法でいう「基幹放送」という位置づけになった)ことが報告された。

FM戸塚を始めとする多くのFM局が現在インターネットのサイマル放送(同時放送)を始めたことによって表面上既存のラジオといわゆるネットラジオの差はなくなったかのように見える。しかしネットラジオと既存のラジオと根本的に違うのは放送免許が総務省から交付される、という点。そうネットラジオは誰でもできるが、既存のラジオを立ち上げるには免許が必要なのだ。

実はこのたった一点の差が両者を決定的に違うものにしている。
そして不思議なことではあるが、その
放送免許というリアルなメデイアがあることによって不思議に「社会的信頼」、「安心感」というものをどこかに与える。

インターネットではそれを既得権益という枠組みにはめ、忌み嫌う風土がある。
既存のラジオ=マスゴミといった決め付け的な言質が2ちゃんとかに飛び交う。勿論最近のマスメデイアの一部の報道には本当にひどいものもあるし、マスメデイアの報道の内容も信頼感が落ちている。

しかしながらネットでは
いまだに既存のメデイアよりネットの方が優れている、とかネットを中心とした新たなシステムは既存のメデイアやシステムを凌駕するといった類の言質でないと納得しない人間が少なくない。

そうした観点は根本的なところを見逃している。

それは 
リアルがあるからこそバーチャルがある、 という点

そうインターネットは所詮バーチャルでありサイバー空間での話に過ぎない。、実はネット小僧で「俺はテレビなんて見ないし興味ない」などといっている奴に限ってブログを見たらテレビで話題になっていることしか書いていなかった。などということが少なくない。アメブロでFCでも芸能系、社会系、テレビ番組等の記事を書いたものがアクセスの上位を占めている。これはネット小僧がどんなに否定しようが紛れもない事実である。

よく考えれば当たり前の話である。バーチャルがリアルを超えるなんてことはありえないし、ポストモダン論者がいう、シュミラークルがオリジナルをクオリテイで超える、なんてこともありえない。にもかかわらずネットではいまだにそういう類の話が大真面目に論じられている。冷静に考えれば本当にばかげた話である。

今回FM局の幹部といろいろ話ができたことは有意義だった。ラジオは斜陽産業とか旧態依然の産業とかいう人がいるが、それだけに彼らの危機感は相当なものである。今回のサイマル放送(同時放送)が実現(これは特にコミュ二テイ放送にとっては悲願だった)したのも業界団体がJASRACやレコ協に粘り強く交渉してようやく実現したものである。(特にレコ協はこの導入に関して終始消極的で本当にしぶしぶやっと了承したという感じだった)

業界が衰退してもいまだに危機感らしい危機感を示さず、従来の方針に固執しているどこかの業界とはえらい違いだと思った。ラジオはもはやもうかる産業とまでは行かないかもしれないが、彼らなりに必死である。

こんな言い方をすると私がネットを否定しているかのように勘違いするおバカさんが時々いるのでいうが、とんでもない。いくら
サイマル放送(同時放送)があったとはいえ、ラジオは本当に聴かれなくなっている。特に若い世代のラジオ離れは深刻である。

だからこそバーチャルなツールも多く導入しないといけない。幸いにしてネットにはfacebook,、twitterを始めYou tube , U-stream等殆ど無料で使えるツールがたくさんある。タダで使えるんだからこれは使わない手はない。

要は1つのリアルなメデイアをベースにどれだけこうしたツールを使って最大限の効果を得ることができるか、と考えるのが重要なのだ。リアルをベースにネットツールを使って可能な限り広げる努力をする。勿論権利を配慮しての話だ。当たり前だが

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2011年9月 5日 (月)

Freddie Mercury 生誕65周年

今日は偉大なアーチスト、Freddie Mercuryが生きていれば65才目の誕生日に当たる。
今年は没後20年にもなり、何となくその情報を聞いて感慨を新たにした。

私も「ロックオーケストラ」「オーケストラアラカルト」なるコンサートでQueenの曲をオーケストラとバンドでアレンジをしたコンサートを行なったが、今思うと余興の域を出ていないかもしれない。次の映像を見たらやはりFreddie Mercuryの替わりはFreddie Mercuryしか勤まらないのがわかる。

突然の訃報から20年、改めてフレデイの冥福を祈らずにはいられない。

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2011年9月 4日 (日)

人間の五感は元々アナログである。そのことが忘れられている気がする

台風が来て今朝方早朝に地震、本当に気分的に落ち着かないし今日は日曜日ということもあるので、久々にアナログレコードでクラシックを聴いた。
なんとシンフォニーを二曲聴いた

・ベートーベン交響曲第五番ハ短調「運命」 
  ブルーノワルター指揮 コロンビア交響楽団

・ブラームス交響曲第四番ホ短調
 ヘルベルトフォンカラヤン  ベルリンフィルハーモニー

ワルターの「運命」は歴史的な名演といわれる名盤で、個人的にはフルトヴェングラーの第五番より好きである、カラヤンの演奏は演奏の良さというよりはその録音方法、サウンドを楽しんだ。

アナログ盤は確かに針のパチパチという音はするが、やはり音の伸び、広がりは全然違う。特にストリングスの音はやはりCDとは全然違う。ソフトシンセの弦は確かに以前と比べかなりリアルにはなったが、このアナログ的な伸びのある音はさすがに出ない。

カラヤンは演奏についてはいろんな人が言っているが他のクラシックと違うのは、他のクラシックは殆ど一発録りが多いが、カラヤンはそこにミキサーを導入した。まだマルチトラックなどという概念すらない時代に多チャンネル的なミックスを取り入れた。だから他のクラシックよりは音が厚いし、ブラームスはトランペットは二本しかいないはずなのにどう聴いても4本のトランペットが演奏しているように聴こえる。日常的にミックスをやっている自分としてはアナログのサウンドを聴きながらいろいろと考えるところがあった。

当たり前だがCDは耳の可聴周波数の上限といわれる20KHZで切っている。アナログは高い周波数帯まで音が伸びているわけだが、経験上人間は必ずしも耳だけで音を聴いているわけではない、ことが最近の研究でわかってきている。だからCDは確かにSN率はアナログレコードよりはるかにすぐれているが、音の豊かさという点ではCDは絶対にアナログにはかなわない。スペクトラムアナライザーという周波数分析の測定器を使えば両者の差は歴然としている。

そんなわけでデジタル側としてはそのアナログの良さに近づくべく様々な革新を行なった。そもそもCDの44.1KHZ 16bit というのはデジタル草創期の四半世紀前に決まった仕様でもはや時代遅れのスペックなのだ。

我々が録音に使うpro toolsは理論上は96KHZ 24bitまで可能だが、私は標準を48KHZ24bitにしている。これは今使っているデジタルミキサーO2Rの都合もあるが、実は一度だけ96KHZ 24bitで録音した経験の感想をいうと「いい音のような気がする」というレベルでしかなかった。勿論数字上はサンプリングは48KHZと比べ倍のサンプリング周波数ー分解能ーがついているのだが48KHZ24bitと比べ音が倍良くなったかというとこれはなかなか難しいところである。理由はわからないが、おそらく人間の耳の分解能の限界を96KHZ 24bitという数字は超えているような気がするのだ。

ちなみに時々勘違いする人がいるのでいうが48KHZとか96KHZというのはサンプリング周波数であって音そのものの周波数帯域とは全く違う。サンプリング周波数でいうのはアナログの音をピックアップ(サンプリングという)する周波数で48KHZなら48KHZの周波数で音をピックアップ(サンプル)する速さのことをいう。音そのもの帯域ではない。当たり前だがデジタルである以上48KHZだろうが96KHZだろうが同じ20-20KHZの周波数帯域であり当然ながらアナログの周波数帯域よりはるかに狭い。

ここで「分解能」といったのはサンプリング周波数が細かいほど音の「決めの細かさ」が高くなる、つまりわかりやすくいえば映像の解像度のようなものがよくなるだけである。それが96KHZの帯域だと人間の耳の分解能に限界がある可能性がある。少なくともとてつもなくいい音になったという印象は得ることはできなかった。(ちなみに64KHZだと確かにいい音という感じはする)

このことを見て思うのは、結局デジタルでどれだけ「数字上」いい音であるはずだというデータがあっても、実は必ずしも人間が実際に聴感上の感覚に正比例するとは限らない、という点。つまり忘れられがちだが人間の五感はアナログである、という点である。

情報社会の現代は得てしてデータ偏重ー数字が全てであるかのような議論に行きがちである。だが実際には最終的にそれを享受するのはアナログ的な要素を持つ人間である、ということも忘れられがちだ。デジタルは確かに便利だが一方で人間の感覚を退化させる方向性に誘導する危険性があるように思う。

勿論我々はもはやアナログ主体には戻れない。だがアナログをあたかも石器時代の遺物のように蔑む態度はやはりいかがなものかと思う。

アナログ的な音の良さ、それを再評価する社会も重要だと思う。音楽を単に聞き流すBGMとしてではなくじっくり鑑賞する、そんな風潮がすっかり途絶えてしまったことを感じている。(実は先ほどのアナログのシンフォニーを聴いているうちに家族からうるさい、といわれた(笑))

そしてそういう風潮も音楽文化、音楽産業が衰退している一因になっているような気がしてならない。

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2011年7月24日 (日)

エイミー・ワインハウス自宅で遺体で発見

自分の誕生日の日に、(一般的にはアナログ放送終了の日?(笑)) 訃報の記事を書くことになろうとは

■R&B歌手、エイミー・ワインハウスさん死亡
http://bit.ly/qNfR07

■Singer Amy Winehouse found dead
http://bit.ly/oJr7qg

兼ねてからアル中、薬物中毒といわれ先日のセルビアでのコンサートも泥酔状態でステージに上がりファンからブーイングを受けたという。リハビリ施設から出所して二週間もたたないうちにこのようなことに。死因は不明というが原因は明らかだろう。やはりどうしてもやめられなかったらしい。

奇しくもジャニスジョっプリン ジミヘン、カートコバーン、ジムモリソンといった音楽の伝説的アーチストと同じ享年、でも残念ながらまだ彼らのレベルに達しないまま故人となってしまった。才能があるのに本当に残念である。

今年は本当に訃報の記事を書くことが多い。

心からご冥福をお祈り申しあげます

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2011年7月22日 (金)

中村とうようさんを悼む

昨日はライブイベントだったのであまり書けませんでしたが、音楽業界にとって大変悲しいニュースが飛び込んできました。

音楽評論家の中村とうようさん、自宅から飛び降り自殺か
http://www.asahi.com/national/update/0721/TKY201107210520.html

知る人ぞ知る「ミュージック・マガジン」を作った人、エスニックやワールドミュージックを積極的に日本に紹介し、日本の音楽界に多大な功績がある方でなぜ自殺? 何かの間違いではとも思ってしまいます。

私も「ミュージック・マガジン」の愛読者の1人で、正直必ずしもとうようさんの評論、特に知る人ぞ知る「とうようズ・トーク」、にいつも賛同したわけではなかったんですが、それでも音楽に対する多くのデイベートを巻き起こし結果的に日本の音楽のさまざまなムーブメントを巻き起こした方でした。2010年12月に「ミュージック・マガジン」社を退社されましたが、昨今の音楽業界の惨状におそらくさまざまに思うところがあったのではないでしょうか?

79歳という高齢でなぜ自ら命を絶つ行為に及んだのかわかりませんが、非常に残念です。

心からご冥福をお祈り申しあげます。と同時に故人の音楽文化に対する多大な貢献に心から敬意を表するものです。

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2011年7月 9日 (土)

KONTAKT4.0をようやく本格稼動

先月、MACのスノーレパード環境に移ってから過去のEAST WESTのColossusバンドルを利用可能にするためにソフトサンプラーのKONTAKT 4.0を導入。

しかし実はインストールDVDデイスクがご覧の通りでロードしてもエラーの状態(キズがあるのがわかりますでしょうか?)

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結局部分インストールのみにしておいて、欠陥のあるインストールDVDデイスクのReplacementをNative Instrumentにおくってもらい。先日ようやく完全な形でインストール。稼動しました。

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KONTAKT 4.0はソフトシンセ音源のプリセットも豊富です。まだ全部の音を聞いたわけではありませんが、結構使い勝手がよさそうです。実は現在CGショートアニメ"Legend"の音楽を手掛けていますが、、早速いくつかのプリセットを使いました。

しかしこのKONTAKT 4.0を導入した目的は、単にプリセット音源を再生するソフトシンセではなく、自分でオリジナル音源、プリセットを作ることができるソフトサンプラーのユニットであるという点です。

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音源はCDから直接ではなく、いったんPeak Studio Prowavaiffに変換しなければなりませんが、

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無事自分の作りたい音源を取り込み、編集することも可能です。E IIIなきあと、そういう機能のあるソフトサンプラーの導入の必要性が生じていました。実はこの機能は先日企画会議で通ったある番組のコーナー企画に絶対必要なものでした。

今回のCGショートアニメ"Legend"のテーマ曲もpro toolsでmidi打ち込みを行い、KONTAKT 4.0Vienna Instruments のソフトシンセをフルに使いました。

何にせよ音楽制作環境がパワーアップしました。

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2011年6月30日 (木)

ビクターエンタテインメント「K2HD MASTERING+HQCD」を7月20日発売

ビクターエンタテインメントが新高音質CD、まず洋楽10タイトルを発売(日経トレンデイ)
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/news/20110628/1036567/?fb&rt=nocnt


■ビクター、「K2HD」マスタリングの高音質HQCD-洋楽10タイトル。「ガラスCD」の技術を投入(AVwatch)
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20110623_455319.html

私のように一時ビクターの青スタに入り浸っていた人間からするとK2という言葉の響きだけで「懐かしい」と思う。まだマスタリングをU-maticのテープでやっていた時代からある方式だ。(U-maticといっても知らない人が多いだろう。昔の3/4インチビデオテープをデジタルオーデイオのマスターとして長く使っていた時代があった)

まだがんばっていたんだな、と思うと何となくうれしい気分になるが、問題はこれが普及するかどうか、だ。私は兼ねてから16bit 44.1KHZというCDのオーデイオスペックはデジタル草創期のものでありもはや時代遅れになっているといってきた。しかしSonyのBlue spec CDも普及する兆しを見せないし、もはや24bit以上が当たり前になっている現在のレコーデイング現場を考えると、その高音質をどうやって消費者に届けるか、というのは大きな課題であった。mp3じゃどうがんばったって高音質になりようがないからだ。(最近さすがにmp3とCDが同じ音質などとバカなことをいう人間はいなくなったが..)

この「K2HD」は最高100kHzにおよぶ広帯域の24bit高分解能情報をCDフォーマットのマスターに収める「K2HDコーディング技術」を採用し、それをメモリーテックが開発したHQCD(液晶パネルに使われるポリカーボネートをディスク基板材料に使用し、反射膜には従来のアルミニウムの代わりに耐久性/耐熱性に優れた独自の特殊合金を用いたもの)でプレスすることを念頭においたものである。従来のCDプレーヤーで再生でき「通常のCDやHQCDとは別次元の表現力を実現した」そうである。

何にしてもパッケージが現在の市場状況では、なかなかCDに替わる新プラットフォームができない状況だが、(やってもSonyのSACDと同じ運命を辿る)とにかく44.1KHZ 16bitなどというデジタル草創期でない高品位のサウンドを一般コンシューマーに届ける方法を考えないと音楽好きがどんどん減ってしまうのではないだろうか?

青スタのマスタリングスタジオ「FLAIR(フレア)」での作業だが、私が時々使うMergingのPyramixと比べてみたい気がする。

ちなみにメモリーテックは先日旧東芝のプレス工場だったToemiと完全に合併して世界でも最大級のプレス会社になった。弊社は実はToemiとのつきあいがあるので、このHQCDを作ることは可能です。ご興味ある方はお問い合わせ下さい。

http://homepage1.nifty.com/hyb-music/cd_press.htm

■CDプレス料金表  
http://homepage1.nifty.com/hyb-music/cd_price.htm

■CDプレスセット料金(マスタリング+ジャケットデザイン)
http://homepage1.nifty.com/hyb-music/setpricecd.htm
■DVDプレス料金表
http://homepage1.nifty.com/hyb-music/dvd_price.htm

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2011年6月11日 (土)

スノレパ環境の音楽制作で思案中

先日のG5 Dualがダウンした関係で現在Mac ProOSX スノーレパード環境にて復旧作業し、Pro tools環境、そして波形編集のbias peak Studioのインストール及びオーサリゼーション作業が終了し、とりあえずスタジオのレコーデイングならびに編集環境は完全復旧した。

Pro tools8.0.5スノーレパード環境にて動く最も古いバージョンだが従来の7.3.1と比べてもプラグインがかなり豊富で特にリバーブ環境はかなり音場作りの面で改善しているし、何よりも今回でソフトシンセ環境が大幅に強化された。今回導入を決めたKontakt 4.0(kontaktの1000種類の音源+旧East WestColossus音源も同時に使用可能)を始めBFD(生ドラムの音源), Vienna Instruments (オーケストラ音源)に加え DB-33(ハモンドのB3の音源)やDrum'n Bass やトランス等のドラム音源のBoom等含む都合9種類のソフトシンセが装備される。これだけでかなり強力だ。特にKontakt 4.0はサンプラーとしてwavやaiff等の自分の好きな音源を取り込みオリジナルのサウンドライブラリーも作成可能になる。ちょっと前までスタジオに一杯だったハード音源以上の内容だ。

今までのG5 DualだとCPUへの負担が大きくソフトシンセをそれほど大々的に使えなかったが今回はCPUが4つのquadraなのでそれほど心配する必要はない。メモリーは8G装備。G5 Dualの時と同じだ。

さて、この環境で一つ思案していることがある。つまりこれだけソフトシンセ環境が強化された段階だがスタンドアローンモードで使えるのはKontakt 4.0 BFD Vienna Instrumentsのみである。あとはハードシンセのみだが、ここで今までのシーケンスソフトとして使っていたデジタルパフォーマーを導入する必要があるか、どうかだ。

実はMOTUのソフトはまだパフォーマーといっていた時代からもう20年以上使っている関係で、打ち込み作業に関してはこのソフトにものすごく慣れている。というかハッキリいってPro toolsのmidi打ち込みより使いやすい。そのため今まではデジタルパフォーマーでmidi打ち込みを行なってそれをSmf(スタンダードmidi file)に変換してPro toolsにインポートさせていた。しかし工程としては明らかに無駄に見える。だがPro toolsのmidiは私にとってやはり使い辛いのだ。だからどうしてもデジタルパフォーマーでmidiをやろうと考えてしまう。

しかし一方で先日かなり細かい音符の打ち込み作業でデジタルパフォーマー経由でSmf変換する際にクオンタイズの精度の違いから連符が変わってしまっている事態は発生した。そして今回Pro toolsのクオンタイズの精度も上がったようなので、この事態を避けるためにはやはり直接Pro tools内で打ったほうがいいのかな、とも思ってしまう。実は先日、Pro toolsで打とうとして挫折して結局デジタルパフォーマーで打ってしまったのだがまた再チャレンジしてみるか。

とりあえずデジタルパフォーマーが現在品切れでまだかかるし、懸案のLegendの「B案」(たぶんこちらになる可能性が高い)も二週間近く作業が遅れてしまっている関係でとりあえずPro toolsだけで全ての作業ができるように再チャレンジしてみようと思っている。

ちなみに楽譜ソフトのFinaleのバージョンアップも考えていたけど、Sibeliusの方がPro toolsのプラグインにもなるし最近評判いいので、そちらへの変更も考えている。まあ楽譜ソフトはそんなに急がないので少しゆっくり検討しようと思う。


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2011年4月27日 (水)

ソフトシンセに関する備忘録

3月から映画劇伴(いずれも短編)を3本手掛け、いずれも昨年導入したViennaを始めソフトシンセをフル稼働させた。結局pro toolsで作業することを考えるとソフトシンセのシステム内の充実はもはや避けて通れない。

特に昨年長年愛用していたE-muを手放すのは苦渋の選択だった。単にサンプリングライブラリーにとどまらず自分のオリジナルなサンプリングライブラリーも多くかなりの面で重宝した。サンプリングライブラリーに関してはViennaEAST WESTのバンドルの一種であるQuantum LeapColossus, そしてドラム音源のBFDがあるが、アレンジのさまざまな状況に対応可能にするためにまだ3-4のソフトシンセの導入を検討している。先日のMPJのお茶会で知り合いのアレンジャー、作曲家とのさまざまな情報交換の中で検討する必要性を感じた。

しかしそれらのソフトシンセは所詮プリセットをそのまま使うもので、要は音源の種類のみをあらわしている。実はどのソフトシンセでもそうだがだいたい使うプリセットサウンドというものは決まってくる。使わないものは全く使わないのだ。Quantum LeapColossus,は音源が幅広いのでだいたい一通りの状況に対応可能ではあるが、やはり使うサウンドは決まっている。BFDにいたってはライブなドラムサウンドにしたいときだけに使っている。使うスネアやキックもだいたい決まってくる。

しかしそれらは単なるプッシュボタン的なサウンドだ。そんなのはソフトシンセ環境を整えれば誰でもできる。

やはり今自分に一番不足しているのは自分なりのサウンド、ライブラリーを作れるソフトシンセ環境であるE-muを持っていた時はかなり自分なりのオリジナルサウンドライブラリーがあったが、今は使い勝手の悪いハードサンプラーにそれを代用させている。現在考えているテレビ番組の企画を続けるにはこの環境をまず整えなければならない。

いわゆるプリセットサウンドによるソフトシンセも3つくらい考えているが、まずはそこを充実させようと思っている。新しい制作体制を作り上げるためにもどうすれば一番理想的な環境になるかを考えようと思う。やらなければならないことはわかっている。


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2011年3月17日 (木)

震災、原発クライシスーでもこういう時こそ音楽が必要では?

さて、連日福島第一原発の深刻な映像が伝わっており、「高い放射性物質」なる言葉が独り歩きしていますが、原発のレベルの放射能ならスリーマイルレベルでしたら原発の放射能が東京まで少なくとも健康に影響あるレベルまで飛んでくる、というのはありえないですから、「黒い雨が降る」とか「水道が汚染される」などといったデマのチェーンメールには惑わされないようにしましょう。

そして節電と計画停電の煽りもあり、東京じゅうの繁華街も本当に真っ暗です。コンサートやその他のイベントは軒並み中止、キャンセルのオンパレードでミュージシャンでも急に予定がポッカリあいてしまった人も多いでしょう。

現在先日お話したCGアニメのフィルムスコアの作業をしていますが、結構ピンチのシーンの背景音楽なので、こういう時期なのにかなり不吉な感じの音楽を作ってます。(笑) まあそういうのは別として、しかしこの震災にからみ音楽家として何かできることがないか、と考えています。

私は一般的には「癒しの音楽」の作曲家というイメージになってます。勿論そうでない部分ーといいますか「癒し」とは180度逆の「ホラー」の音楽も作ったことがあります(笑) 勿論被災者の方は心身ともに疲れていらっしゃると思いますので「癒し」も必要だとは思いますが、何よりも元気になってもらえるような音楽、被災者の方を慰め、励まし「必ず立ち上がるぞ」という気になってくれる音楽を提供できれば、と思います。音楽にはそういう力があります。

具体的な方法は現在考え中ですが、近々どこかで発表できればいいな、と思います。


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2011年3月 1日 (火)

ブース改造後の弊社スタジオとレコーデイング

昨年末の記事にて弊社のスタジオブースの改造について書きましたが、その後さまざまなテストや調整等を行い、先月頃からぼちぼち稼動を始めました。

今日もナレーションコンテンツの収録(外部のブッキング)を行ないましたが、ブースはナレーター1人、もしくはボーカル1人に特化したものです。

 

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ナレーション録音時(1人用)でのブース内

ブース自体は正味一畳分なのでまあ無理すれば二人録れなくはないですが、基本的には1人用です。まあ音声コンテンツの仕事の9割は1人のナレーターで済むのでこの程度で充分だということがわかりました。

Pro toolsの録音ができるスタジオで業界最低水準の価格で提供しています。

一時間何と \4500円  (税別)

私が知る限りここまで安いところはないと思います。

但し安いのは理由があって、自宅内に併設していること、そして東京都下で都心から離れていること、そして完全に一人用のブースであること。そうした事情からこの価格にしています。 また私自身でエンジニア、デイレクター そして本職である作曲やアレンジャーなど1人で複数の役をこなしている点もこの価格を可能にしています。これで都内でビル借りて、スタッフも何人いたり、なんて状況じゃとてもこの値段にはできません。

というわけで私の制作スケジュールその他でいつでも借りれるわけではありませんがご興味のある方はお問い合わせ下さい。コストパフォーマンスでは自信があります。

弊社スタジオページ

http://www.hybridmusic.jp/studio.htm

お問い合わせはこちらへどうぞ

http://homepage1.nifty.com/hyb-music/Inquiry.htm

 


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おめでとう トレントレズナー

さて、オスカーから一日明けました。

ここで改めて昨日「ソーシャルネットワーク」のフィルムスコアを担当したトレントレズナーについてふれおきましょう。

トレントレズナーはご存じの方もいらっしゃると思いますがナイン・インチ・ネイルズ のリーダーでアンダーグラウンドのミュージックシーンで注目すべき活動をしてきました。いわゆるインダストリアル・ロックをオーバーグラウンドに持ち上げたバンドといってよく、彼のサウンドはどこか「プログレ」的なエッセンスを私自身は感じますのでかなりサウンド的にも好きなアーチストでした。

もう1つトレントで注目していたのは音楽のネットプロモーションはインターネットの草創期からかなり積極的に行なってきており「先駆け」的な存在でもありました。アルバム無料ダウンロードやツアービデオのBitTorrent配信などを先駆け的に行い。今では当たり前になっているPVのネット公開、やSNSをからめた作品のプロモーションを早くから手掛けていましたが、自分のPCに不正アクセスがあり、データがリークされてしまったたり、トレントが行っていたSNSでのユーザーとの交流を指し、そのSNSにおいて「(ファンである)自分のイメージと実際のトレントが違った」などの理不尽な理由で非難されたり、自身の結婚に対して嫌がらせのような行為を度々行われ、その対策に苦慮したこともあり2009年9月に有名なSNSは「バカが支配している」発言につながりました。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/12/news041.html

ナイン・インチ・ネイルズのトレント・レズナー氏は、ネットコミュニティーへの参加は「益よりも害の方が多い」という考えに至った。

そんな関係で彼を注目していただけに今回の受賞はとてもうれしいです。

もっとも昨日「劇伴をやるとは思わなかった」と書きましたが、よく考えればトレントデビッドリンチ「ロストハイウエイ」のサウンドトラックのプロデユースもやっており、トニースコット映画『マイ・ボディガード (Man On Fire)』のミュージックコンサルタントも行なっているので、彼が映画劇伴に関わるのは全く不思議なことではありません。「ソーシャルネットワーク」デビッドフィンチャーはミュージックビデオも多数手掛け、無類のロック好きとして有名だし、そのあたりもあって今回の作品はクラシック系の作曲家アッティカス・ロスと共同で担当しました(このあたりもやりかたがニクイ)がいずれ単独で劇伴を担当することもあるでしょう。

私も劇伴、映画音楽系にこれから主軸を移そうと考えているだけに何かトレントと共通の方向を向いているような気がしますね。ネットプロモーションやロングテール手法の限界を感じると結局「映像」の方に言ってしまう。今まさに私の心境も同じです。

それにしても昨日の授賞式のトレント、ちょっと太ったような気も、 まあ人のことは言えませんが...(汗)

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2011年2月14日 (月)

第53回グラミー インデイースバンドの最優秀アルバムとB'sの松本孝弘受賞

第53回グラミー賞、先ほど閉幕しました。

主な受賞者は以下のとおり。この中で注目すべきは「年間最優秀アルバム」にカナダのインデイースバンドのArcade FireThe Suburbsが受賞。これは誰も予想していなかったでしょう。そしてベストポップのインストアルバムにラリーカールトンとB'zの松本孝弘のTake Your Pickが受賞したことでしょう。

最優秀レコード         Need You Now   Lady Antebellum

最優秀アルバム        The Suburbs       Arcade Fire

最優秀楽曲           Need You Now   Lady Antebellum

最優秀新人賞          Esperanza Spalding      

最優秀女性ボーカル    Bad Romance    Lady GaGa

最優秀男性ボーカル Just the way you are  Bruno Mars

最優秀インスト演奏    Nessun Dorma   Jeff Beck

最優秀インストアルバム Take Your Pick  Larry Carlton Tak Matsumoto(松本孝弘)

このほかにミックジャガーのグラミーステージ初出演やバーバラストライサンドの演奏などもありました。

詳しくは http://www.grammy.com/nominees

これに関する私の感想は続きをご覧下さい。

続きを読む "第53回グラミー インデイースバンドの最優秀アルバムとB'sの松本孝弘受賞"

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2011年2月 7日 (月)

また訃報:ゲイリー・ムーア、死去

スーパーボール観戦時にまた偉大なミュージシャンの訃報が飛び込んできました。

偉大なギタリストのゲイリー・ムーア(Garyなので実際ギャーリーの方が正しいと思いますが)が休暇で滞在中のスペインで亡くなりました。58歳 死因はまだ不明。就寝中にそのまま死亡したとの情報です。

■ゲイリー・ムーア、死去
http://www.barks.jp/news/?id=1000067516

Rock guitar star Gary Moore dies aged 58
http://www.bbc.co.uk/news/uk-northern-ireland-1237786

■公式サイトでのコメント
http://www.gary-moore.com/

まだ58歳、若すぎます。Gary独特の「泣き」のギター好きでした。心よりご冥福をお祈り申しあげます

まだ二月始まったばかりなのに、ミックカーン、ジョンバリーと偉大なミュージシャンの訃報が続きます。音楽文化が衰退していると同時に偉大な音楽家も逝ってしまう。そして後に続くものは???

非常に危機的な状況です。


続きを読む "また訃報:ゲイリー・ムーア、死去"

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2011年2月 1日 (火)

映画音楽作家のJohn Barry を悼む

2月に入って訃報が入ってきました。
007シリーズや「野生のエルザ(Born Free)」の映画音楽の作曲家で知られるJohn Barry氏がなくなりました。77歳

作曲家ジョン・バリー氏死去、映画「007」シリーズを手掛ける
http://www.afpbb.com/article/entertainment/news-entertainment/2784048/6759695?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics

私が個人的に好きなのは007の「ゴールドフィンガー」「野生のエルザ」そして"Dance with wolves"ですね。それまでクラシックの王道的な映画音楽が主流だった時代にポップな感覚を率先して取り入れた映画音楽作家でオスカーも多数受賞しています。

私が結構お手本にしている作家の1人です。

心からご冥福をお祈り申しあげます

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2011年1月26日 (水)

音楽マーケットは両極化する?ー世界最大級のジャズ専門店「diskunion JazzTOKYO」

世界最大級のジャズ専門店が開店 CD、LP在庫10万枚
http://www.47news.jp/CN/201101/CN2011012601000454.html

昨年11月、「世界最大級のジャズ専門店」をうたい文句に開店した東京・お茶の水の「diskunion JazzTOKYO」。新品・中古のCDからLP、DVD、書籍まで、ジャズに関する膨大な商品を一堂に集めた店内は壮観だ。

 ビルの2階、約330平方メートルの売り場に新品CD約1万5千枚、中古CD約2万枚、LP約2万枚が並ぶ。在 庫を合わせれば約10万枚。平日の午前中からお客さんが続々来店し、熱心にお目当てのものを探すさまは、音楽ソフトをダウンロードすることなど想像もしな かったひと昔前をほうふつとさせる。

 「本当に音楽を好きな人たちは、デジタルだけでは飽き足らず、今もパッケージ(CDやLP)を買っています」と 話すのは、ディスクユニオンでお茶の水ソウル/レアグルーヴ館と新宿ジャズ館の統括責任者を務める塙耕記さん。団塊世代を中心とした昔からの顧客の中に は、1枚10万円以上のLPを買う人もかなりいるという。店頭には35万円以上の値段が付いたLPもあった。

 店名に「お茶の水」ではなく「東京」を冠し、英語表記にしたのは、海外からのお客さんを意識したため。

                                               

私はジャズも結構好きなんだがお茶の水は結構家から遠いためまだ一度も行っていない。音楽不況とかういわれて久しいがこの「diskunion JazzTOKYO」は高い人気を誇っているという。

まあ団塊の世代、それ以上が多いというからある程度納得。おそらくこの店に行く人の大半は配信ダウンロードなどをしない人たちだと思う。しかしだからといって彼らを「時代遅れのアナクロ」と決めつける向きがあるとしたらそれは短絡的な見方といわざるを得ない。

私は「アナログ」の良さもある程度経験してきた世代だからいうが、正直いってデジタルの音ばかり聞いている若い人にも是非騙されたと思って聴いて欲しいと思う。確かにデジタルに比べてSN比は悪いが、高音から低音の音の伸びと豊かな音質はデジタルでは絶対に出ない音である。はっきりいってこの良さがわかってしまうととたぶんmp3の音なんて聴けたもんじゃない、と思うはず。

実際CDが誕生して長いが結局アナログ盤は絶滅どころか最近ではクラブ系、ブートレグ系でしっかり生き残っている。ドラムエンドベースの低音の伸び、ヒップホップの強力なキックはCDで出すのは限界があるからだ。スクラッチにしてもやはりアナログの方が当たり前だがやりやすい。実際クラブ系のみならずアナログ盤自体の復権の傾向はあちこちで見られる。

diskunionの方もおっしゃっていたが「本当に音楽を好きな人たちは、デジタルだけでは飽き足らず、今もパッケージを買っています」というのはアナログ時代を経験した私だからよくわかる。最近は良い音を良い音楽の再生環境で聴くという機会が本当に少なくなってきたが、最近秋葉原の「コイズミ」(コイズミ無線)でスピーカーの試聴会とかに来る人が増えているという情報もあるようだし、まだ昔の「オーデイオマニア」的人種が復活の兆しがあるのかもしれない。

勿論こういう人たちを「マニア」と決めつけるのは簡単だが、この傾向と最近の配信の動向を見るにつけ音楽のマーケットはこれから両極化する可能性が高い、ということである。J-pop等に三文程度の価格しか払わないで配信のみで済ます人たちと、何万円出してもいいから名盤をアナログ盤で楽しみたい、良い音楽良い音質のためにはお金を惜しまない人たちの両極化である。だから本物を良さを知っている人たちのみを対象に付加価値をつけて音楽を売る、という戦略はこれはこれでアリである。

またこれからの音楽文化の復権ということを考えるとこういう人たちを大事にしないといけないと思う。なぜなら消耗品でない音楽の良さ、音質の良さというものを理解している人たちだからだ。その良さを何とか次世代に伝えることができれば、と考えている。

はっきりいって今時のポップスがこういうところで扱われるなんてことはないだろう。少なくとも今のJ-popにはみんな三文程度の価格しか払わないのかもしれない。というのもその程度のクオリテイしかない、消耗品程度の価値しかない、と思われているから。それはここ数年の状況を見れば明らかだ。

はっきりいってJ-pop「名盤」なんてないよな。日本の誰々のアーチストのアルバムは名盤で永久保存版、というのはあまり聞いたことがない。最近のは特にそうだ。今FM等でパワープレイされている曲で10年後大事にされる、なんてことはないだろう。おそらくカバーされるなんてこともたぶんない。 もし「違う、こういうのがある」、というものがあれば教えてください。

いずれにせよ「二束三文程度の価値しかない消耗品の音楽」「名盤」として高いお金を払いたくなる音楽、とこれから両極化するだろう。私自身はどちらの音楽を目指すか、それはいわなくともわかるだろう。後者を目指すに決まっている。


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2011年1月20日 (木)

KAT-TUN側がボーカロイド楽曲の『影響があった事実』を認める 

個人的な事情だが実はいったん頭の中を空っぽにしようと思っていたので、「ネットの時間を最小限にして頭の中を整理したい」と思っていた矢先だったのだが、今朝たまたまブログのアクセスをチェックしたら普段とは桁違いのアクセスがあったことに気づいた。

原因はこれらしい。
■KAT-TUN側がボーカロイド楽曲の『影響があった事実』を認める 「事実を認めて頂き然るべき処遇をして頂く」             

ご存じの方も多いと思うが実は昨年の12月のこういう記事を書いた。

■KAT-TUNのボーカロイド曲盗作騒動に見る制作体制の御粗末ぶり
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2010/12/kat-tun-3543.html

「影響があった」となどという回りくどい言い方をしているが、上の私の記事で両者を比較しているのでどうにも「言い逃れ」ができなくなった、ということかもしれない。両方聴けば誰の眼にも明らかだからである。

上記の記事を書いた手前、これに関して何か書かなければ、と思ったがもともとが呆れた内容なので「やっと認めたか」としかいえない。現在制作スタッフが大変なことになっているのは想像にかたくない。というかこれどう考えてもプロの仕事じゃないだろ?

何よりも怒りを通り越して呆れるのはプロがどシロウトの曲を盗作した事実に関して何とも思っていないこと。これじゃ日本の音楽制作スタッフがアマチュアになめられても仕方ない。一応プロレベルで仕事している自分としては恥ずかしいとしかいえない。

「円満に解決」はおおいに結構だが、それでは今回の問題の本質を解決したことにはならない。現在の音楽の制作体勢、特にコンペの体制が本質的に機能していないことが今回の事件で明らかになった。それと全部他人まかせ、スタッフの問題意識の欠如、さまざまなことが重なって今回のことが起きた。ここの部分を徹底的に洗い直し制作体制を根本から見直すことから始めないと再発防止にはならないだろう。

何よりもコンペが当たり前になったことでプロの作曲家を尊重する風土、音楽のプロに対して敬意を微塵も払わない風潮が音楽界、芸能界にすっかり定着してしまった点が大きな問題だ。制作される音楽の質がますます低下し、音楽を百均の消耗品のごとく使い捨てにするのが当たり前になった業界。この風潮に対して何の疑問も持たないレコード会社のスタッフ。それら全てをもう一度0から見直すべきだと思う。音楽業界の再建はまずそこから始めないといけない。CDが売れないとか違法コピーがどうのこうのという以前の問題だ、


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2011年1月 5日 (水)

訃報 ミックカーン死去

かねてから癌で闘病中だった元 Japanのベーシスト、ミックカーンが日本時間1月5日未明 午前一時半に自宅で亡くなりました。まだ52歳でした、

治療費の件で募金運動もあり、みんなで支えようとしていただけにとてもとても残念です。
独特なノリを持ったベーシストでした。私の大好きなミュージシャンの1人です。

心からご冥福をお祈り申しあげます。

http://www.mickkarn.net/


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2011年1月 1日 (土)

謹賀新年ー新年最初の話題は日清のカップヌードルのCMのフレデイマーキュリー

    

       あけましておめでとうございます。

Geishunn

皆さん新年明けましておめでとうございます。

お正月いかがお過ごしでしょうか? 新年最初の話題ですが今年に入り日清のカップヌードルのCMに 今年没後20年(早い!!)になるクイーンのフレデイーマーキュリー「出演」しています。ご覧になった方もいらっしゃるのではないでしょうか?

I was born to love you に日本語で「I Love カップヌードル好きだもーん」と歌わせていますがこれたぶん「合成」ですよね? それともゴーストシンガーに歌わせているンでしょうか? だけどフレデイーと同じ声出せる人なんてそうそういるもんじゃないし...

次のような映像です..


 口の動きも合わせているところを見ますと、声も「合成」だとすると恐ろしく手間がかかっているCMですね。

それにしても今年で没後20年になるフレデイーマーキュリーがこんな形で露出するとは(笑&汗)


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2010年12月23日 (木)

クリスマスソングとクリスマスのその他雑学トリビア

はい、明日はクリスマスイブですねえ。 日本ではすっかり彼氏、彼女とのデート+α(!?)の日と化していますが、私も経験がありますが独身の方には厳しい(!?)シーズンかもしれません。

まあ家族がいればいるで、子供のプレゼントで頭を悩ます時期なんでまあ一長一短ですね。不況で会社の業績も良くないのに散財しなければならず頭が痛い(^^::)

せっかくなんでクリスマス、ことにクリスマスソングに関するトリビアについて書きましょう。皆さんどれだけご存じですか?

・教会のクリスマスソングには「讃美歌」と「聖歌」がある。

教会の歌=讃美歌と考える人が多いようですが、実は一般にプロテスタントを中心とする「西方教会」の歌は「讃美歌」、カトリックやギリシャ正教、ロシア正教等の「東方教会」の歌が「聖歌」で両者は同じではありません。「聖歌」はグレゴリオ聖歌に代表するように古代、中世から存在し、「讃美歌」の大半は比較的最近(ルターの宗教改革以降)の作られたもので、我々が良く知っている「きよしこの夜」「もろびとこぞりて」は「讃美歌」になります。但し近年カトリック側もプロテスタント系の曲を多く採用するようになっており、讃美歌の曲集に「聖歌」のタイトルが付けられていたり等、両者の区別に本質的な差異は無い場合も出てきています。各教派の編集の基準も多様化していますので、上記の「讃美歌」「聖歌」として扱っている場合もあります。

・「讃美歌」と「聖歌」にはまだ著作権がある場合がある。

勿論殆どの讃美歌、聖歌は著作権消滅曲ですが、実は日本の場合「訳詞」があり、その「訳詞」の著作権がまだ消滅していない場合があります。ことに日本語の歌詞で歌う曲を扱う時は注意が必要です。消滅曲だからといって安心していると著作権でひっかかる場合もあります。

・「ジングルベル」は本来はクリスマスソングではない

えーっ と思うでしょう?(笑) でもジングルベルのオリジナルの歌詞をよく見てください。実は「クリスマス」という文字はどこにもないんです。一部の日本語の訳詞に意図的に「今日は楽しいクリスマス♪」と入れて無理矢理クリスマスソングにしていますが、オリジナルの歌詞にはそれがありません。元々この歌は「ソリに乗ってる 楽しい♪」という歌で、本来はソリの歌なんですね。ソリに鈴をつけるのは北欧では普通なので、そのソリがサンタクロースを連想させる、ということでいつのまにかクリスマスソングにされてしまったんですね。ですからこの曲、無理矢理クリスマスソングにされてしまった、というのが本当のところです。

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ーさて、ここまではクリスマスキャロルに関してのトリビア、次はクリスマス一般に関するトリビアです

・カトリックには本来クリスマスツリーはない

実はクリスマスツリーの起原は諸説あり、1419年にドイツのフライブルクでパン職人の信心会が聖霊救貧院にツリーを飾った。この記録が、クリスマスツリーをクリスマスに飾る行為が最初とされていますが、一方では宗教改革のルターがドイツの森に無数の精霊が宿るのを見て、それがモミの木で無数に光っているように見えたため、もみの木に飾りをつけたのが始まり、という説もあり、どちらかははっきりわかっていません。

いずれにせよ起原がドイツであることと、宗教改革の動きにそって広まったことから長い間旧教であるカトリックではクリスマスツリーを飾りませんでした。最近でこそカトリック系も飾るようになりましたが、まだスペイン、南イタリア等厳格なカトリック的な風土があるところではクリスマスツリーを飾らない地域もあります。

厳格なカトリック教徒にとってクリスマスは神聖なものであり、厳かな気分で過ごすというのが普通で、日本のように恋人たちのデートやホテルでの宿泊などとんでもない、というのがそういった国の風潮です。

・そして何よりもイエスキリストの本当の誕生日は12月25日ではない(!!)

これは割りと有名な話なのでご存じの方も多いでしょう。実はこの時期になるとキリスト教原理主義者の団体が「聖書がうんたらかんたら」という押し付けがましく、かつうざったいアナウンスを渋谷の交差点で行なったりしていてとても不快な気分にさせられますが、もし彼らがイエスキリストの本当の誕生日が12月25日でない、ということを知らなかったとしたらこれはいかがなものでしょうか?狂信というのは恐ろしいです。しかも最近アメリカでもヨーロッパでも原理主義勢力の影響力が強くなっているというのは懸念すべき事態です。

イエスキリストの誕生日は1月7日という説と4月7日という説もあり正直わかっていません。しかし12月25日というのはヨーロッパの原始宗教であるミトラス教の聖なる日であり、キリスト教はそのミトラス教「融合」する形でヨーロッパ各地に布教されていったという事情もあるようです。そのためいつのまにか12月25日がキリスト教の聖なる日となったようです。

あと意外に知られていませんが、イエスキリストは何とイスラム教においても「聖人」となっています。イスラム教の場合は預言者(ナビー)の1人としてキリストを受け入れているわけですが、元々キリスト教も、イスラム教も。ユダヤ教も「旧約聖書」を出発点とした宗教で源流は同じ宗教なんですね。 だからキリストがイスラム教の中でも聖人であるのは何の不思議もないんですね。なのにあんなに血で血を洗う争いを何世紀を続けているという事実、これは悲しいし、愚かしい話だと思います。

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まあそんなこんなでクリスマスを1人で過ごしたってそんなどうってことないですよ(笑)
もともと日本人は「クリスマス」を口実として騒ぎたいだけの人が多いですから

というわけでみなさん ステキなクリスマスを!!  メリークリスマス!!

 

 

 

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