2008年12月30日 (火)

2008年仕事納めと来年の抱負

さて、2008年昨日深夜までPCにウイルス!!偽のウイルス対策ソフト Antivirus2009がいつの間にかパソコンにインストールされていました)が感染しその駆除に追われたり等、何か最後の最後までついていませんでした。しかし2008年全体を見ますと、思ったように行かなかった案件はありましたが全体としてはまあまあ(so-so not bad)の一年だったように思います。まあ2007年が悪すぎたというのもあるんですが...

2008年の9月頃から急激に経済環境が悪化してきましたが、もう大恐慌云々というのはもうマスメデイアで報道されていますので、ここではあえてこれ以上は書きません。とにかく来年は厳しい環境だからこそ、今まで以上に攻めていこうと考えています。決して楽観できる状況ではありませんが悲観はしていません。そして何よりもうちの会社の業務でやり残したプロジェクトがまだありますので、2009年はその案件の勝負の年と考え不退転の決意で臨もうと思っています。

またうちのような弱小音楽事務所は今まで大手の資金力や政治力のあるところに阻まれ思うような活動ができなかった面は正直ありましたが、2009年はその大手でもいくつか淘汰される可能性が高いと思います。それはすなわちうちのような会社にとっては大きなチャンスでもあるわけです。ちょうど恐竜が絶滅しても小さい哺乳類は生き延びることができたように、弊社ハイブリッドミュージックとして来るべき嵐に立ち向かう気持ちで行きたいと思います。

まあ、ちょっとここ数週間ついていない日が続いたので(、年末年始のお休みで体制を立て直し、初詣で清められてから充電しながら2009年の仕事始めに臨みたいと思います。

というわけで皆さんもよいお年をお迎え下さい。

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2008年12月 7日 (日)

友人の紹介でMadokaさんのバースデーライブに

本日、久々に大学の先輩で以前企画会社を経営していたAさんに誘われて横浜のKAMOMEというライブハウスのライブに出かけた。今では想像もつかない話だがかつては電通や博報堂等の下に無数の「企画会社」なる会社が存在し、イベントやマーケテイングや販促、あるいは商品企画等を行っていた。私自身もそういう会社を多く知っていたし、Aさんもその一人だった。昔は企画を作るだけで仕事になったのだが、現在は成果報酬のみになりそうした企画会社の殆どは消えて行った。僅かに残っていた会社もWeb marketingとか結局webがらみにして生き残っていくしかなかったのである。

さて、そのAさんの紹介でMadokaさん(写真)というジャズヴォーカリストがAさんの取引先の娘さんだったということもあり、「とにかく彼女のライブを見て欲しい」ということで横浜馬車道にあるこのライブハウスに出かけた。このあたりはジャズクラブも多くあり私もだいぶ前に別のところでやったことがある。

Iri2menu 何でも今日は誕生日だったようで、バースデーライブと銘打ってあり、またシーズンということもあってクリスマスナンバーを多く演奏した。アメリカ留学経験があるというが、ジャズやゴスペル系などは一応ちゃんと勉強したと思われる。声はとても艶と伸びがあり、スタンダードナンバーも充分歌いこなせる実力はある。もう少し高音、ファルセットを磨けばもっとよくなるだろう。

ただ、予算の関係等もあるのだろうがジャズやラテンのスタンダードをやってもリズムセクションがなかったのが残念。編成はピアニストがギターとベースを持ち替える(器用な人だ)、みるとさんというオカリナ奏者との3人での編成。できれば次回はジャズドラムとベース(できればウッドもしくはフレットレス)で聴きたいものだ。尚、余談だがみるとさんはmixiのオフ会で一度お会いしている。世の中狭いものである。

うちの奥津恵とは全くタイプが違うアーチストだし、ある意味Madokaさんの方が基礎はしっかりしているが、この新人がデビューし辛い業界環境の中でどうやって世の中に知らしめていくか、これはMadokaさんだけでなく、うちの奥津恵にも共通する悩みである。とにかくどんなに素質があろうが結果はすぐには出ない。世に知らしめるためには恐るべきほどの根気と忍耐が必要だろう。ちなみにうちの奥津恵に関してもかなり方法論として見直すべき部分が多々あることを感じている。

まあこのMadokaさんの今後に果たして私が関わるのか、関るとすればどのような立場で関るのかまだ見えていないが、今後アレンジや音源制作に関する相談とかあるいはうちの会社の業務の範囲でからめる部分があれば検討する、という今はその程度しかいえない。

いずれにせよ、うちの恵とは違った意味でキラリと光る部分を感じたアーチストでありました。Madokaさんの公式サイト

http://singingmadoka.com/

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2008年11月30日 (日)

久々に飛び入りのジャムセッション @Music port

本日はすでにご案内の通り東京虎ノ門のライブ・バー 60's 70's 80'sにてMusic portでのうちの奥津恵のライブがあり、恵のライブでも結構盛り上がりました。特に未来(みち)は本当に盛り上がりますね。その意味で恵の歌唱力にはいつも手ごたえを感じているんですが、あとは今後の見せ方一つだと思います。もう少しステージングとか派手になってくれるといいんですが...

ところで今日はその後の打ち上げでライブにご来場いただいたドラマーのSEIGOさんがドラムを叩き始めたんですが、それがやはり本物の人間の音だったんですねー。思わずミュージシャンの血が騒いでしまいその場で飛び入りでジャムセッション、 いやーこっちはもっと盛り上がりました。やっぱり音楽というのはこういう時にすごい力を出しますね。会場がそんじょそこらのロックコンサートなんか目じゃないくらい、大々盛り上がり。何か久しぶりに本当の音楽をやった感じになりました。2時間くらい時間を忘れて弾きまくったような気がします。そうです。これが本物の音楽です。最近こういうことをやる機会が減りましたねー。

ジャムはブルースコードの完全な即興で何パターンかやりました。たった12小節のくり返しで会場をこんなに盛り上げることができたんですねー やはり音楽のパワー。すばらしさをもっと多くの人に見せたいです。このパワーは音楽配信では絶対に伝わりません。

最後はロックのクラシック、ジョニービーグッドで締めました。古典的なロックンロール、これが基本です。どんなに時代が変わろうとポピュラーミュージックは全てここから始まったんです。

恵のライブのはずなのに、飛び入りジャムで自分で盛り上がってしまった私でした。

ちなみに飛び入りのジャムに参加したのは十数年前のピットイン以来ですねー

でも楽しかったー

TSUTAYA online

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2008年11月21日 (金)

MERGING Pyramix 6.0 マスタリング体験記

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本日あるクライアントのCD製作であるクラシック系の音楽のマスタリング作業をMERGING Pyramix 6.0(写真)で行いました。以前もこのブログで紹介させてもらいましたが32bitでPCM44.1kHz~384kHz,DXDおよびDSD(1-bit 2.8MHz) まで対応可能というかなり驚異的なスペックのマスタリング機能で、レコーデイングやシーケンスソフトも内臓しているそうです。今回はクラシック音楽、それもちょっと特殊なジャンルのクラシックなのでクライアント立会いの元、初めてこのMERGING Pyramix 6.0でマスタリング作業を行いました。

このMERGINGという会社はスイスの会社のようで、クラシック音楽やジャズなどのアコーステイックなサウンドを可能な限りのよい音にしたい、という設計思想で作られました。

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音質は空気感がはっきりしていて非常によく抜けた音を作ることができます。アコーステイックなサウンド、特にクラシックやジャズをやるのに最適だと思います。クライアントもこの音質の充実ぶりにとても満足されていたようでした。編集作業もとてもやりやすい感じで細かい編集もかなりやりやすかったように見えました。

既にV社やS社のメーカーのマスタリングスタジオで導入されているようで、この32ビットのスペックが業界標準になる可能性があります。しかし一昨日のInterBeeの記事にも書いてあるように、スタジオや制作サイドではどんどん高スペックになっていくのに、一般で普及しているi-podではmp3で主に聞かれていることを考えると、すごいパラドックスを感じてしまいますね。本当はスタジオの高品位サウンドをそのまま聴ける何らかのメデイアが現れてくれればいいんですが、SACDもDVD-Audioも失敗したしまったのは、一般のユーザーがきちんとした音を聴ける環境を確保するのが難しくなったからなんでしょう。

しかしだからといってmp3中心、というのはなア、やはり音楽文化が興業的に衰退しているのはそういう面もあるんでしょうかね? 私にいわせればジャンクフードレベルの音質なんですが...

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2008年11月11日 (火)

大野監修クラシックCDー「ザベスト モーツアルトで心のリハビリを」

音楽療法の心得もある番組プロデユーサー大野恭史の監修、選曲によるクラシック音楽のCD「ザ ベスト モーツアルトで心のリハビリを」がコロンビアミュージックエンタテインメントより発売されます。

このCDはモーツアルトの音楽を受動的音楽療法の「同質の原理」に基づいて編成されており、特にテンポが曲が進むに従って徐々に遅くなっていき、「鎮静効果」が出るような編成になっております。美しいモーツアルトの音楽と音楽療法的に計算された編成で毎日の心の疲れを癒していただければ幸いです。

R0372011

ラジオCMをダウンロード

レーベル コロムビアミュージックエンタテインメント (規格番号:COCN-20048)
発売予定日 2008年11月19日
盤種 CD
予定価格 2,200円(税込)

曲目リスト

1. フルート四重奏曲第1番二長調 K.285 第1楽章:アレグロ
2. セレナード第13番ト長調 K.525《アイネ・クライネ・ナハトムジーク》 第2楽章:ロマンス
3. クラリネット五重奏曲イ長調 K.581 第1楽章:アレグロ
4. フルートとハープのための協奏曲ハ長調 K.299(297c) 第2楽章:アンダンティーノ
5. 交響曲第40番ト短調 K.550 第2楽章:アンダンテ
6. ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K.491 第2楽章:ラルゲット
7. 弦楽五重奏曲ハ長調 K.515 第2楽章:アンダンテ
8. クラリネット協奏曲イ長調 K.622 第2楽章:アダージョ
9. ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467 第2楽章:アンダンテ

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2008年11月 8日 (土)

「わかったつもり症候群」が音楽文化を蝕む

先日私のもう1つのブログKyojiのよろずひとりごとで以下のような記事を書きました。

・情報社会の落とし穴(1) モノを知らない人が増えている
http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20081031

・情報社会の落とし穴(2) 受身の姿勢が思考停止
http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20081101

・情報社会の落とし穴(3) コミュニケーション不足の構造
http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20081102

・情報社会の落とし穴(4) 情報化社会でなぜ想像力がなくなっていくのか
http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20081103

・情報化社会の落とし穴に陥らないために
http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20081104

ここで私は「わかったつもり症候群という名前で最近の人が断片的な情報のみで「全てをわかったつもり」になりそれが社会のさまざまな面で悪影響を与えている点を述べました。

ここではその「わかったつもり症候群がいかに音楽文化、そして産業に対しても悪影響を与えているかについて述べたいと思います。

上記でポイントになるのは

1.「わかったつもり症候群」による断片的情報のみで判断する傾向。

2.情報に対する受身の姿勢による思考停止

3.家族や周囲の考えの「わかったつもり」から来る社会全体のコミュニケーションの崩壊

これらが現代の日本社会における「想像力のなさ」 や「常識レベルの知識を持たない」人間を増やしていることを書きました。実は音楽でも同じようなことが起きています。

例えばあるブラックミュージックが大好きでミュージシャンを目指している若者との会話

若者A 「自分、ブラックミュージックがめっちゃ好きなんスよ。だからそういう音楽をやっていきたいっスねェ

私「ふーん、じゃあジェームスブラウンやアレサフランクリンのどのアルバムが好き?」

若者A 「誰っスかあ? それ?」

私「.......... (・。・)  アゼン 」

これも上記の「わかったつもり症候群」のケースにあてはまるかもしれません。ブラックミュージックを卑しくもプロとしてやるならブラックミュージックの基礎ぐらいちゃんと勉強しろよ、といいたくなりました。だいたいブラックミュージックが何であんなにパワーがあるかといえば、奴隷としてアメリカ大陸につれられてきて、死ぬほど辛い毎日を過ごした果てでの表現で、ゴスペル、ソウル、R&Bは表面上での形式で基本的な精神はそこにあるんだ、というまずそこを理解しないといけないでしょう。

あるオーデイションの例で山下達郎さんが参加者があまりにも「ゴスペラーズもどき」などの表面的なスタイルのみを踏襲したものばかりで、たまらず「お前ら本物をもう少し勉強しろ!!」と怒鳴ったという話を聞いたことがあります。やはりこれは今の日本の音楽状況を如実にあらわしていると考えていいでしょう。

また私が懇意にさせていただいているある音楽ライターの方が今の音楽家と「わかったつもり」の音楽リスナーに関する状況を詳細にレポートしています。非常に的確に表現していますので本人の承諾を得て引用させていただいています。

尚、誤解を招かないように書きますが、以下の引用はあくまであるコンサートのレポートであり、このライターの観点と私が全面的に同じ意見であるというものではありません。あくまで一例としての引用であることをご留意下さい。

---------------以下 引用---------------------------------------

日本では清志郎やサザンのように、見世物として騒げる「タレント」としてしか、接しようとしない。また、ドラマタイアップする小田・陽水とか。
だから日本のロックの頂点であり、どんな売れてる若手よりも先進的で野性的で激しいロックをプレイする佐野元春のステージは、「知らねー」「興味ねー」「おっさんが昔好きだった人だろ」と、ハナっから無視して聞く耳を持たず、会場を出て、10~20代向けのほかのステージへ行った。

だから主催の鹿野淳や渋谷陽一はブチ切れ、「お前らもうフェスに来るな!」とキャリアを捨てる覚悟で叫んだ。
そこまでしないと、みんなわからないというのが、本当に情けない。
「音楽なんて好きなもの聞けばいいじゃん」「何を聴こうが勝手だろ」と言ってられない状況なのだ。
わかりやすく大雑把に言えば、今の好きな使い捨てルックス重若者専用音楽しか興味を持たない状況は、温暖化で自然破壊され、未来がないのに、「自分がタバコを吸いたくて金を出して買ってるんだから自由だろ」とか「暑いんだからエアコンかけてるだけで、誰にも迷惑かけてないんだから部屋で何をしようが勝手だろ」というのと、同じだ。

みんなが使い捨てルックス重若者専用音楽しか興味を持たないから(何でも聞いてるとかいっても、結局、清志郎やサザンの「タレント」とや、CM・ドラマタイアップする小田・陽水・達郎とかのみ)、本物のベテランが売れなくてレコード会社やメディアから捨てられ、消えていく。


そして、ジャンクフード音楽しか残らなくなる。今でもそうだが、それしか知らない若者は、ジャンクフード音楽を本物と勘違いしている。

天然ものの魚を知らず、養殖ばかり。畑や有機栽培を知らず、ハウスものや加工物ばかり。おばあちゃんの味やしっかり下ごしらえしたものを知らず、インスタントやファミレスばかりで、本物の味を知ってると言い張る。
僕らの世代は、ザリガニやカブトムシを捕まえ、海や川で釣りをして、親と一緒に料理をした。そういった本物を知ったうえで、お菓子やカップラーメンといったジャンクフードも、それはそれとして食べた。

甲斐バンド、TULIP、佐野元春、柳ジョージ、ツイスト、オフコース、渡辺美里、ゴダイゴ、中村あゆみ、山下達郎、松山千春、竹内まりや、アリス、山下久美子、白井貴子、杉真理、さだまさしなどが常にオリコンのシングルやアルバムチャートのベストテンを埋めていた。
そしてユーミンと大滝詠一が大記録を成し遂げた。
日本中が世代を超えて、いいものはいいときちんと評価していた時代彼らは今でも本物であり、互いを尊敬しあい、下の世代のミュージシャンに尊敬されている。
今売れているルックスありきのミュージシャンで、全く音楽性が違うのに、一緒に活動したり尊敬しあってるのはいるだろうか?


残念ながら、学生みたいに狭い世界で似た者同士でつるんでるだけ。そしてベテランに相手にされていない。
今100万枚売れていても、20年後にもいい曲と思えるか?
人前で聞いてて恥ずかしくないか?
下の世代に尊敬されるか?
そもそも第一線で生き残ってるか?
あなたが60~70歳になったとき、胸を張ってこどもや孫に、「いい歌だろ?」「いい歌手だろ?」と言えるか?
それを考えたら、80年代までの音楽と、それ以降の音楽の違いが如実にわかるはず。 <以下略>

誤解をしないでいただきたいのですが、ここでは古い音楽が良くて、今の音楽が駄目とかそういうことがいいたくて引用しているわけではないことをご理解下さい。

ここで最大のポイントは現代の日本人の情報に対するリテラシーの低さが音楽文化の発展の障害になっているのではないか、という問題提起です。具体的にいうと「テレビなどのタイアップを取った音楽=良い音楽、それ以外=取るに足らない音楽」という風潮であります。そして「そのタイアップを取った音楽を知る=世の中の全ての音楽を「わかったつもり」になっている」という思い込みです。

この友人のライターの文章も「ドラマのタイアップ」が演奏された時は盛り上がったけれど、タイアップも何もない佐野元春とか出るとぞろぞろとみんな会場から出てってしまう、「タイアップ音楽=良い音楽」と思い込み、それ以外の音楽についてはその価値を理解しようとすらしない、そういう風潮に怒りを表明した内容でした。

実際今の10代ー20代の子達と話していると本気でそう思っている人たちが多いことを感じます。 つまり「わかったつもり」 と「情報に対して受身」の2点が音楽文化をを蝕んでいるような気がします。

最大の問題は
1.断片的な情報のみで「全てをわかったつもり」になり、それ以外の詳細な情報には目もくれないこと、

2.情報に対して受身になり、その情報に対して考えたり評価したりしないことー思考停止


この2点が音楽文化にとって大きな障害になっているのではないかと強く感じています。

特に「情報に対して受身」の姿勢は日本人は欧米人などと比べとくに強いことが揚げられます。前述の記事にも書きましたがこれは検索エンジンの使い方で日本人と欧米人の間で顕著な違いがあり、欧米の人は自分が探している情報を見つけるまでかなり一生懸命探しますが、日本人は自分が探している情報が「すぐに」みつからないとすぐに諦めてしまう傾向が強いそうです。例えて云えば欧米の人は情報を「見つけられる」ページを探し、日本人は情報を「与えてくれる」ページを探す傾向があるようです。従って「よいホームページ」という概念には日本と欧米で明確な違いがあり、欧米は「情報がふんだんにある」ページがよいとされるのに対し、日本は「情報がすぐにわかる」ページがよく、あまりテキストの文字数が多いホームページは日本ではよいとされていません。

実際私もホームページを運営していてこれはすごく強く感じます。料金表(CDプレスとかマスタリングとかの)とかを入れても殆どのお客様からは「わからない」という答えが帰ってきます。どこがわからないかというと「たくさん書いてあってどれが自分にあてはまるのかわからない」ということでした。つまり日本人に対してはテキスト文字数が多すぎるとかえって「わかり辛い」と感じる人が多いようです。実はここに深刻な問題があります。またうちのホームページにはさまざまなクリック可能な場所がありますが、せっかくある検索キーワードでホームページに来ても、全然関係ないページをクリックして結局は他のページに飛んでいってしまう、そんな人が非常に多いことも感じています。つまり選択肢が多いという状況で「パニック」を起してしまい、どこをクリックしていいのかわからない、というのが実情のようです。要は自分で多くの選択肢の中から選択する、ということに慣れていない人が多いようなんですね。つまり情報に対して考えるという習慣を持っていない人があまりに多い点にあります。

これらは文化の状況にとって非常に深刻な事態をもたらしていると思います。私見では情報が現代はあまりに多くなってしまい。情報に対していちいち調べる、考えるということができなくなってしまう、面倒くさくなってしまうという点もあるようです。

 これは日本において情報のリテラシー教育というものが殆ど行われていなかったことに起因しており、その点においても残念ながら日本は欧米社会に比べても非常に遅れているといわざるを得ません。経済産業省が日本を本当にコンテンツの先進国にしたいのであれば、この情報やメデイアのリテラシー教育を早急に確立するように提言したいと思います。系統だった情報に対するリテラシー教育のカリキュラムを早急に確立し、これからますます顕著になる情報過多社会への対策を取るべきでしょう。

 このブログでは音楽業界の主に業界のありかたについて述べてきましたが、業界のシステムは遅かれ早かれ変わっていかざるを得ないでしょう。しかし私は音楽業界の本当の変革は業界のシステムのありかた云々よりも一般の人ー特に若者への「音楽文化の啓蒙」こそが急務であるように思います。せっかくすばらしい音楽を創っているのに「テレビに出てない」というだけで聞こうとすらしない若者たち、まずはここから変革しないと音楽業界そのものの再生はない、そう思うようになりました

 このブログは最近かなり多くの若い人たち、学生さんに読んでいただいているのがわかっています。(ac.jp とかがたくさんアクセスしていますので.)中には音楽業界で働きたいと考えている方もいらっしゃるかもしれません。まずはそういう人たちに理解していただくために、これから「音楽の成り立ち、その歴史」についてこのブログでシリーズ化して書こうと思っています。そうすることによって皆さん、特に若い人たちに「テレビに出ているもの ≠ 本物」ということを理解していただき、本物の音楽というものを尊重し文化として大事にする、ということを理解していただける人が一人でも多く出てきていただければ幸いです。

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2008年11月 7日 (金)

嵐が来るかもしれないので、準備しよう

 ひとまず小室関係は置いときましょう。今週は何かそのことについてちと書きすぎた気もしないではないので...  。こういう事件なのでついつい日頃思っていることをぶちまけてしまいました。 まあ僕は小室関係は勿論、エイベックスとの直接の取引がないためにいいたいことをいえるわけですが、本当にこの件で音楽業界のイメージが悪くなってしまうことに重大な懸念を表せざるを得ません。とにかく今後の捜査の行方を注視したいと思います。

 それにしてもゴーストライターの話がワイドショーとはいえマスメデイアで報道されてしまうと、エイベックスだからといって喜んでホイホイ、ゴーストライターでも請け負っちゃう若い人は減るでしょうね。しかもエイベックスは一応レコ協に加盟しているいわゆるメジャーレコード(私見ではもうだいぶ前から実質的にレコード会社ではないと思ってますが) なわけですがレコ協の規約に「著作権(この場合殆どJASRAC)の規約を遵守する義務を負う」という項目がありますが、ゴーストライターの存在はその規約に違反することになります。というのは一応建前論ですがJASRACはゴーストライターというものを認めていませんし、まして「著作権の買い取り」などというのは「あってはならないこと」という建前になっています。(あくまで建前ですけどね) するとレコ協内にはエイベックスを心良く思っていない会社がいっぱいありますから、これを機会にエイベックスを叩こうという動きも出る可能性は充分にあります。

 ただ、最近のエイベックスの動きを見ますとレコ協からの脱退も視野に入れているのではと受け取れる行動もしています。ですからレコ協からペナルテイが課せられる前にレコ協を脱退する可能性もあります。

 とはいえ、昨日エイベックス社は次のことを発表しました。

■ORS 有限責任事業組合契約締結のお知らせ

http://ir.nikkei.co.jp/irftp/data/tdnr2/tdnetg3/20081106/5cfe77/140120081106004515.pdf

当社の100%子会社、エイベックス・エンタテインメント株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:松浦勝人、以下「AEI」)と、株式会社ウーロンレコーズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:小林武史、以下「OR」)は、アーティスト・マネジメント、音楽(映像)制作、プロモーション、新人開発等を主な業務とする有限責任事業組合(LLP)を共同設立する契約を締結いたしましたので、下記のとおりお知らせします。なお、AEIは、平成21 年1 月に会社分割(新設分割)によりエイベックス・マネジメント株式会社を設立し、同社が本組合員の地位を承継する予定です。

 最近は大手プロダクションがレーベルとかやるのが すっかり定着してきて 結果も出て来てるのでおそらく最終的にはプロダクション内にレーベルを作る形に殆どの会社がなるでしょうね 。実際そうしないともう収益が出ないはずですから,, JASRACのいう「プロダクションとレコード会社は同じであってはならない」という不文律ももはや風前の灯です。LLPという形式が増えてきていますが、双方が2000万出しているようですね。まあ音楽業界の勝ち組が合弁でこの規模ってのも寂しいですが、この背景にはエイベックスの大幅減益の実情があります。

■エイベックス株が大幅安、08年3月期は経常減益見通しhttp://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-26055220070521

まあ正直かなりあせっているでしょうね。この会社は。その上に今回のこの事件、これが今後の動きにどう影響するか、エーベックスにとってよい影響にはならないでしょう。いずれにせよここ一年以内に音楽業界で業界再編成を含む大きな動きが起きるのはほぼ間違いないと思います。どういう動きかは全くわかりませんが、 

今年もあと二ヶ月切っていますが、何が起きても大丈夫なように準備をしておこうと思います。まるで大きな台風が来る前の備えのような気分です。

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2008年11月 6日 (木)

小室関連の記事での正直な感想

何かまだ小室関係のニュースが続いているのと、この件に関してはなぜかいろんな人から小室に関して質問されてしまいました。別に小室とは知り合いでもないから、そんな個人的な事情まではわかるはずがありません。バーニングは昔からの友人で所属している人はいるけど、僕自身は直接つきあいがないのでわかりません。エーベックスも私は意識的につきあいを避けてきた事情があります。勿論知り合いのデイレクターはいるし、会社の背景や状況に関する情報は入ってきますけど...

率直な感想は

・小室逮捕

自業自得だし、自分で墓穴掘っちゃったねー、罪を償ってください。
ちなみに周囲にそそのかされたとか、はめられた可能性はなくはないけど結果的にそれを推し進めたのは小室本人。そしてこの事件でゴーストライターの存在が世間一般に知られるようになりましたし、このブログでも何度もいってますが彼の名前で多くの作曲家、作詞家が使い捨てされた、その部分は同じ作曲をやっている人間として許せないというのは本音。だから僕は同情しません。

・小室ファミリー締め出し
正直これはやりすぎだとは思いますね。日本人の極端から極端に行く例で日本社会の恐さを示していると思います。安室まで巻き添えにするのは本人たちがかわいそう。

だけど ファンの方には申し訳ないですが

音楽業界で仕事をしている人間として「これはチャンスかも」と思ってしまうんですね。 あちらさんの方で勝手にこけてくれたんで.. 

しかもA社は捜査の今後の展開次第では、 今いくら社長のM氏とて派手なことはやりたくでもできないはず..

そして場合によっては来年、業界で大変なことが起きるかも、何て期待もww

実際小室ファミリーの曲がオンエアされなくなったらJ-popでオンエアできる曲は大幅に減るでしょう。それに元々オンエアするたびに局にエーベックスは払ってきたはずで、ただでさえ広告主がつかないFM局の経営にも打撃を与えるはず

「だとすれば  これはチャンスだ。このチャンスを逃してはならない」

という風に考えてしまうんですねー申し訳ないけど。

正直他人のことなんかかまっていられない。それほど今音楽業界の状況は深刻です。

一点気になる点があるとすれば、これによってまた音楽業界人のイメージが悪くなってしまうこと。ただでさえおかしなスカウトや詐欺まがいのオーデイションとかでイメージが悪くなっているのに、今回でまた音楽の世界はおかしな人と恐いヤクザみたいな人ばかり(ヤクザがいるのは事実ですけどね) という風に世間一般の人は思ってしまうでしょう。
それが困りますね。

まあ、とにかくわが道を行く。それだけです。

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2008年11月 4日 (火)

夢を奪うつもりはないけれど...

今日は小室関係の情報でかまびすしい一日でした。といっても私自身も大騒ぎした一人かもしれませんが,,,

実は前々からこういう情報は水面下ではあったんですね。ですから正直私はそんなに驚きませんでした。寧ろ遅きに失した感すらあります。

小室ファンの夢をこわすようですが、実は世間で見えない部分で相当ひどいことも行われていたんですね。そしてそこにはいわゆる闇の勢力の影も.....、
ファンになった人は辛いと思いますが遅かれ早かれわかってくることだと思います。認めたくないでしょうが彼によって踏みにじられ存在すら忘れられてしまった多くの将来ある作曲家や作詞家が、その将来を奪われました。残念ながらそれは事実です。

 小室はとてつもなく稼ぎ、想像を絶する浪費で180億の金を全部使ってしまいました。まあスケールは凄いとは思いますが音楽バブルに乗ってそしてはじけた、ということでしょう。私は正直小室の曲で好きな曲は一曲もありません。音楽的な共通点は皆無といっていいです。しかしある意味では時代に踊らされ、振り回されてしまった悲劇の人間ともいえます。

 正直「売れている」時代の方が異常だったのかもしれません。はっきりいってもうけようと思ったら音楽は最悪の選択といっていいです。それほど音楽というのはもうかりません。実際「音楽なんてタダでしょう?」って本気で思っている人が世の中にかなりの数いるのが現実です。音楽のすばらしさ、音楽の力というものを理解してくれる人が本当にどんどん減っているという実感があります。

だから夢を奪うつもりはないですが、単なるカッコイイから、とか女の子にもてる(最近は音楽ではもてないか)とか大金持ちになる、という目的で音楽をやろうというのなら諦めた方がいいです。そんな中途半端な考えで続く職業ではないです。どんなに生活がしんどくても石にかじりついても、死ぬ気で音楽をやる、という強い意志がもてないのならおやめなさい。十中八九成功しませんから。

 じゃああんたは何でやっているの? と思うかもしれません。それは正直いって私はそれしか能がないからです。生涯の仕事としてできるレベルの仕事としてこれしかなかったからやっています。

 しかしじゃあ音楽のニーズがないのか? というと決してそうは思いません。とはいえ現在のビジネスの体制ではもはや将来がないということもいえると思います。

 ただ、今回の動きが加速して音楽業界自体が一端さら地になるんでしたらまだチャンスはあるかもしれません。とにかくその時まであらゆることをして生き残ろう、今はそれしか考えていません。

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小室逮捕について

小室哲哉氏 詐欺容疑で逮捕へ http://mainichi.jp/select/today/news/20081104k0000m040101000c.html

何か音楽業界がまた激動する前奏曲のような気がします。

 ワイドショー系で小室の著作権云々なんていう問題があるけどどこの出版社が持っているなんていう話は正直どうでもよくて、逮捕されたからいっちゃうけど実はこの男のプロジェクトは無数の「無名」の作曲家の犠牲の上に成り立っているという現実があります。この事件に関して自分が関心ある点があるとすればそこの部分に果たしてメスが入るかどうかですね。 そこが一番重要なことです、

 どうもA社がらみで来年当たりに音楽業界だけでなく日本全体を震撼させる事態に発展するかもしれません。表に出ていない多くのことが露見すれば間違いなくそうなります。

 憶測の域を出ていませんが最近タイアップを取るのにA社は代理店を飛ばしているという話です。H社はともかくD社がだまってそれを見ているはずがなくもしかしたら今回の事態はD社が背後にいる、なんてこともありえない話ではありません。あの会社を本当に怒らせたらA社ごときをつぶすのは簡単ですからね。

 これは単なる私の経験上の話ですが音楽業界は7年周期で激動していて来年がその7年目に入ります。音楽業界の売り上げが数字的にピークになったのは1998年だが実際には1995年辺りから雲行きが変わっていて、それまでにイケイケの雰囲気がなくなったのはこの頃、今思うと衰退は実質的に95年に始まったといっていいでしょう。そして2002年はレコード会社がアーチスト育英金や制作費を劇的にカットした年で、この時期の多くの音楽事務所がつぶれていきました。そして来年はその7年後の2009年、正直何が起きてもおかしくありません。

 その前にまずは明日の米大統領選挙、この結果は全世界に影響するだけにまずはそちらでどうなるかですね。そちらの方が大きな問題です、別にオバマがいいとはいいいませんが、マケインだと実質的にネオコン政策が継承されるますから、今回だけは民主党に勝って欲しい、というのが正直な気持ちです。時代の流れが本当に変わるかどうか... 事態を注視したいと思います。

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2008年10月 8日 (水)

インペグ業

 ご存じの通り私は制作会社の経営者でもあるんですが、まあいろんなことをやっています。本職は勿論音楽制作なんですがそれに付随する業務としてCDやDVDのパッケージ製作録音音コンテンツ制作全般もやっておりますが、もう1つインペグ(音楽家派遣業)もやっております。

 元々、音楽制作の過程でレコーデイングするためにスタジオミュージシャン等を必要とすることから、その手配もついでに行うことから始まったのですが、本格的に始めたのは八ヶ岳のセラヴィリゾートー大地の園ーというリゾート施設で大量の音楽家が必要とされ、私は演奏と演奏家のコーデイネート両方の作業を行ったのが始まりです。まあこのブログでも書いてありますように残念ながらつぶれてしまいましたが...

 その後ライブやレコーデイングを始め、ホテル、そうそう競輪場なんてのもありました。そういうところに派遣もしていましたし、私自身も結構演奏をしておりました。そして本日も某財閥系のバンケットルームで演奏家を派遣、この会社のテーマソングのアレンジ等も行いました。(写真)

Ts3h0019

 正直インペグ業自体はたいしてもうかりません。特にホテルやブライダルはもうデフレスパイラルになって「もっと安くできるか」といった類の話になります。また以前インペグ屋さんはアーチストのツアーに派遣する等で結構利益を得ていたんですが最近の風潮でインペグ屋を飛ばして直接ツアー制作会社がミュージシャンをブッキングするケースが大きくなりインペグ屋はますます厳しい状態になっています。そんなわけで私の会社も利益を上げる意味ではやっていません。

 しかしこれらが全く無駄なことかというと決してそうは思わないんですね。これは事業というよりは音楽の演奏をいかに聴いてもらう機会を多くするか、という基本理念が背景にあります。

 最近、特に若い人に多いんですが自分の目の前でプロの演奏家が演奏するのを聞くという体験を一度もしたことがない、という人が相当数いるようです。それどころかYou tubeでの画像を見て「ライブを体験した気になった」「音楽がわかった気になった」という人がかなりいるようです。しかしそれは違います。音楽の本当のすばらしさはやはり生の演奏を聴くことによって初めて得られます。楽は時間軸と空間の芸術なんですね。本来は、それが最近忘れられてきているような気がして仕方ありません。どんなにネットでの配信スピードが速くなろうが、その体験は伝えられるものではありません。

 なかなか思うように機会が広がらないのも事実ですが、実際の生の演奏の空間をできるだけ作っていく努力はやり続けたいと思っております。音楽のすばらしさを少しでも多くの人に再認識してもらうために

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2008年10月 5日 (日)

自分のためのアルバムを久々に作ることにしました。

実は思うところあって、自分のためのアルバムを久々に作ることにしました。 といってもアーチスト「大野恭史」というよりはかなりコンセプチュアルなアルバムです。音楽もどのジャンルに入るかわかりません、というかジャンル分け不可能かもしれません。

でもクラシックでもなければいわゆる現代音楽でもありません。まあ現代音楽のコンセプトは若干入っているかもしれませんが... しかし楽しいものにしたいです。

そしてあえてこの音楽は「配信」はしないと思います。CDだからこそのアルバムをあえて作ります。

そしていわゆる「癒し系」ではありません。本当にジャンル分けが不可能だと思います。

しかし私の通常の音楽の仕事とか、制作会社としての業務もこなさなければなりませんからその合間に作曲作業を行うと思います。そしてかなりいろんな仕掛けを仕込んだ音楽作品になりますので、かなり時間がかかります。録音作業もかなり手間がかかると思います。

今はそこまでしかいえません。完成がいつになるのかもわかりません。(笑)

そういえばピアニストとしてのアルバムを出す、と一度ホームページに発表していまだに出していないというのもあるんで(汗) 、まあそれはそれでいつかはやっていきますけど、こちらはなかなか環境が整わないんで、出したくとも出せないというのもあるんですが..

要はまだクリエーターとしてたいした仕事はしていないんで

何か一つだけ世間を「あっ」といわせる作品を残したい、そう考えていますので.. 具体的に発表できる段階が早く来ることを祈ります。

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2008年10月 2日 (木)

ソニーミュージック、BMG JAPANを完全子会社化

■ソニーミュージック、BMG JAPANを完全子会社化
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/02/news081.html

このBMGという会社、かつてはビクターグループだったり、ユニバーサルにいったりとあちこち転々と親会社が変わって行ったけど、今度はソニーグループか。今度は事実上の吸収合併といっていいでしょう。

ちなみにEMIも新CEOの足立正人氏が就任したが、この足立氏M&Aや人員整理屋としても知られるそうで、EMIも一波乱あるかもしれない。実はEMIは僕が始めて「メジャー」の仕事をした記念すべきレコード会社だったのだが...

今年じゅうにあと何社のいわゆる「メジャーレコード」会社がなくなるだろうか。私がつきあいのあるビクターやコロンビアミュージック(なぜか老舗ばっかりだ(~~::)!!)も今後どうなるかわからない。

既に「メジャーレコード」なんてものは有名無実になりつつあるんだが、実は肝心の業界人でそのことを理解できない人間がまだ業界の大多数なんだからいかに世の中が見えていない業界人が多いかだね。

まだまだ音楽業界の激動は続く

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2008年9月19日 (金)

久々に音楽療法関係のCDーそれもモーツアルトのを出します。

さて、一昨日マスタリングの話をしましたが実は久しぶりに音楽療法関係の企画モノーそれも何とクラシックのCDの「監修」をすることになったからでした。そのきっかけは私のブログの以下の2つの記事でした。

■{コラム] 250周年のモーツアルト狂騒曲 
 http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2006/05/250_9342.html

■[コラム」モーツアルト記念の年の最後ですがいわゆるモーツアルト効果について
http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2006/12/post_12ef.html

これはいわゆる「モーツアルト効果」について批判的見解を述べたものですが、これを読んだコロンビアミュージックのデイレクターに今回の企画の監修を持ちかけられました。このCDで選曲と解説を書くことになり、昨日のマスタリング作業で全ての作業を完了しました。解説文は「モーツアルト効果」に対して明確な批判はしていませんが、「モーツアルト効果」を歌っているクラシック系のヒーリングCDとは一線を画す内容になっております。

まあヒーリング関係の音楽、最近私自身が離れている原因のひとつに確かに「アヤシイ」というイメージがあり、最近のレイキブーム(個人的にはかなりトンデモ系に近いという認識を持っています)という奴も重なって何となくああいう類のものといっしょにされることに心理的な抵抗もあったからです。しかし一方で友人の朝瀬蘭君や島川万里奈さんのように「真面目に」ヒーリングメソードを追及している人たちもいるし、私自身がどうしても業界の中で「癒し系」というイメージがあまりにも定着してしまっているために結局この部分を半分不本意ながらも出さざるを得ないという事情もあります。

要はヒーリングものが社会の中で強い需要がありながらなかなか社会的に定着しない原因のひとつに「ヒーリング=アヤシイ」というイメージがあるからなんだと思うんですね。そして確かにはっきりいって怪しいものも少なくないです。いわゆるスピリチュアルものの全てが詐欺だとはいいませんが、いわゆるトンデモ系がその中でかなりの割合存在するのも確かでそれがイメージを悪くしている部分があるのは否めないと思うのです。

私自身もこういう関係に関っているためにトンデモ系の人との接触が多くありましたが、正直かなりひどい目に会いました。というわけで私はこの関係の人たちとは明確に決別しています。

確かに私は以前は(1990年代は)自分の作品を売るのに商品を「差別化」しなくてはならないため、そのためある程度の「アヤシさ」をやむを得ず出すという時代は確かにありました。しかしそれは二十世紀末のミレニアムがらみの時代背景があったからで、21世紀に入った現在はそういう売り方はもう古いと思いますし、逆にかえってマイナスのような気がします。ちなみに私は「サブリミナル」というものにも関わっていますが、海外では日本と違い「サブリミナル」はニセ科学ではなく、きちんとした科学的分析を行っています。私自身もそういった考えで「サブリミナル」というものに取り組んでいるつもりです。そろそろヒーリングやこういうスピリチュアル系をこういった「アヤシイ」というイメージではなく、きちんとした裏づけで打ち出す時代のような気がします。

ちなみに今回のCD「心のリハビリーモーツアルト」(11/19 コロンビアミュージックより発売)は音楽療法の基本である「同質の原理」に基づき、鎮静効果を得るためにモーツアルトの有名曲を少しずつテンポをゆっくりになるように編成しています。これはいわゆる受動的音楽療法(音楽を聴くことによって精神的安定を測るメソード)「音楽による精神的なリハビリテーション」というコンセプトで作られています。(ちなみに受動的音楽療法を音楽療法のメソードとして認めない人たちも音楽療法学会にはまだ相当数います)そのため私は受動的音楽療法という呼び名ではなく受動的音楽リハビリテーションと呼んでいます。

ちなみに二十年くらい前に一度音楽療法学会という学会を覗いて、あまりにくだらなくてやめたことがあります。それ以降は一度も行っていません。(^^)

そんなわけでCDが発売になったらまたお知らせします。

ちなみにコロンビアミュージックのマスタリングルームでコロンビアのオリジナルのマスタリングソフトでマスタリングを行いました。ソフトの名前すらないそうですが、結構音はクリアでよかったですね。Dellコンピュータのアプリケーションとして動作していましたが、何となくMERGING Pyramix 6.に画面は似ていますね。ただ詳細は社外秘だそうです。(笑) 初めて使って音はいいな、という印象は持ちましたが、DEN-ONブランドとかで商品化する予定は今のところないようです。


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2008年9月16日 (火)

今週はマスタリング作業が多い週です。

今日もそうだったんですが今週はマスタリング作業が多いです。

今日のは単なるCDプレス関係の仕事でマスタリング作業、たいして難しい作業ではなかったので問題なく終わりました。あとは明後日にコロンビアミュージックでマスタリング作業があります。実はある仕事でクラシック音楽の企画ものCDの監修をやることになり、そのCDのマスタリング作業です。このクラシック音楽のCD企画については追って詳細を説明いたします。

6月頃にマスタリングの最新ソフト、MERGING Pyramix 6.0MAGIX社のsequoiaをご紹介しましたが、コロンビアミュージックは何と自社で開発したマスタリングソフトを使っているようです。どんなものなのかわかり次第書いてみたいと思います。こちらもどうやらWindowsベースのソフトウエアらしいです。レコーデイングの世界はpro toolsCubase, たまにDigital Performer(私はシーケンス機能のみデジパフォを使いますが)いずれもMac OSですが、マスタリングに関しては今Windowsベースが主流になりつつなるようです。

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訃報:Pフロイドのリックライト死去

リック・ライト、65歳で死去 
  http://www.barks.jp/news/?id=1000043397

スタジオで作業中にこの訃報を知りました。
僕がシンセ小僧になったのはピンクフロイドの「おせっかい」でそれからシンセサイザーというものに入り込んだ。エマーソンでもウェークマンでもないんですね。そのシンセパートを担当していたのがリックライトでした。
そしてその後のあの名盤"The Dark side of the moon"は今でも僕の教科書になっています。

DギルモアやRウオータースに比べて目立たなかったですが、ピンクフロイドのあのサウンドはリックライトによるところが大きいです。

なんとも言葉が出ません。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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2008年9月14日 (日)

セプテンバーコンサートのライブ映像ー911とその後戦争の犠牲者に捧ぐ

一昨日今年のセプテンバーコンサートが終わりました。

このセプテンバーコンサートに参加しようと思ったのは911に関連して書いた私のこの曲をセプコンで演奏したかったからです。この曲を2001年の9月11日でなくなった方、そしてその後の戦争で亡くなった方、全てに捧げます。と同時にこの曲のクライマックスのように平和と愛情が戦争と憎しみにとって変わる時代が来ますように、という祈りの意味も込められています。

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2008年9月13日 (土)

今年のセプコン 無事終了!!

音楽による平和の祈り、今年も無事終了いたしました。今回の会場の高井戸倶楽部はセプコン開始以来、毎年会場になっています。出演者は以下のとおり

(1) 奥津恵(vo)  with 大野(pf)

(2) 大野恭史(pf)

(3) R-40 (カズンの古賀いずみさんのユニット

(4) 桑江知子さん(vo)+鬼武みゆきさん(pf)

(5) 4 little paws

(6)ドラマチックワークス(ダンスグループ)

恵は今回

Think of you
Feelly
明日への扉 
君の笑顔を見てみたい、
未来(みち)

の5曲を歌いましたが、歌詞を3-4箇所間違えてました。前歌ったのは7月で少し間があいたせいだけど、やっぱり間隔あけるとダメだな(-_-\)

私の演奏はまあまあだったかな、目玉の"To the victims of 911 and after"(911とそれ以後の戦争の犠牲者に捧ぐ)は昨年よりはマシに弾けたような気がしています。近日この曲だけ公開します。

さて、自分たち出番が終わってホッとした感じですが、カズンの古賀いずみさんのユニット(ギターと歌、最後にパーカッション2人が加わる)でカバー曲を中心に歌ってましたが最後はカズンのナンバーを歌ってくれました。実は古賀さんの声を間近で聞いたのは初めてだったのですが、やっぱりすばらしいですね。長い間のキャリアをやはり感じます。

そしてその後のまたベテラン桑江さんもさすがでした。実はこのセプコンならではのコラボレーションで古賀さんと桑江さんがステージで共演。何と歌ったのは「中央フリーウエイ(!!!)」ということでセプコンのオーガナイザーの庄野さんへのオマージュという意味もあったのでしょう。歌っている最中に本人が来たらどういう反応示すかなあ、と思いましたが結局庄野さんは会場にはお見えになりませんでした。

桑江さん、沖縄出身ということで最後は何と三線を弾いて沖縄民謡「安里屋ユンタ」も披露してくれました。美しい曲ですね。やはり沖縄の人は本土の人間と違い生活に音楽が溶け込んでいますね。だから歌でもこんなに人の心を捉えるのかもしれません。

次に4 little paws (4つの小さな手ー但しpawとは犬や猫などの肉球のついた手のことをいいます)という幼馴染の二人の女の子グループのピアノ連弾クループ、二人とも音大出なのはわかりますが、かわいい感じの女の子の連弾というのも一興かもしれません。

あとプログラムが進むにつれてだんだん会場のお客さんの年齢層がかなり若くなってきました。(!) それはダンスグループのドラマチックワークスという女の子のダンスグループ、バレーやモダンダンス、Hip Hop等さまざまな要素を取り入れたダンスグループで見ごたえはありましたね。まあHip Hop系のアーチストのバックダンサーを多く出しているグループのようです。

というわけで今年のセプコンはこれで終了。昨年はいずれも平日昼間だったんですが今回は夜ということでお客さんも結構来ていただきました。

ということで来年もまたお会いできればと思います。スタッフ関係者の皆さん、お疲れさまでした。

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2008年9月 3日 (水)

QueenがPaul Rodgersで十三年ぶりにアルバム

■Queen + Paul Rodgers "The Cosmo Rock"発売

http://www.emimusic.jp/queen/special/special_020.htm

フレデイもすでになく、ジョンデイーコンも引退ということで、これをQueenといえるかどうかは議論が分かれると思うが、とにもかくにも十三年ぶりにアルバムを出すらしい。

生前フレデイとポールロジャースはあまり仲が良くなかったなどという情報もあるけど、天国でフレデイはどんな思いでこのアルバムを見ているのだろう。

一応Queenの熱烈なファンでもある私としてはかなり複雑な思いでこのアルバムを見ている。

欲しいような、欲しくないような


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2008年7月 1日 (火)

奥津恵新曲 3曲公開!!

昨夜未明ですが3曲のTDがようやく終わりました。二年前のデビュー時と比べかなり奥津恵のカラーが明確になってきたような気がしています。
今回の新曲3曲を部分的ですが公開させていただきます。

未来(みち) 君の笑顔を見てみたい 明日への扉
「未来」と書いて「みち」と読みます。今回のシリーズの中心をかざる曲です。イベントやキャンペーンのテーマソングにいかがでしょうか? この曲はどこで演奏しても大好評を得ている曲です。 昨年東京の明治大学内でインドネシアの津波で家族を失った子供の報道写真を見て触発された曲です。チャリテイーキャンペーンのテーマ曲に適していると思います。 かつて一世を風靡したシミュレーションゲーム「リトルラバース2」のテーマソングだった曲のリメークです。8年ぶりの復活となります

尚、新曲の詳細につきましては「癒しの音楽チャンネル」と奥津恵のブログ”Megumi's world"にて奥津恵のパーソナリテイにて放送を近日アップいたしますのでそちらの方もどうぞご期待下さい。

 iTunes Store(Japan)

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2008年6月18日 (水)

最新マスタリング事情

さて、先日のレコーデイング終了を受けてCDを作るためのマスタリング作業を開始、今回は事情によりCDを2種類作ります。というわけで二枚のCDのマスタリングを行います。

ご存じない方のためにマスタリングとはどういう作業か、簡単にご説明しますと録音、TDiし終えた音の素材をCDという製品にするための作業でいわばここで作る音の作業、ここでの音質調整作業が最終的に製品の音となる、CDを作る上では最も重要な工程のひとつです。これはパソコンのCDライターで単にまとめる作業とは違い、曲をより迫力を持たせたり、曲間の調整、音質のその他の調整を行うもので、業界ではマスタリングエンジニアという人たちがいて、いわば音楽をCD上でいかによい音で聴かせるか、はこの人たちの腕しだいで決まってしまいます。料理等に例えて云えば食材や料理をいかにおいしい状態でお客さんに出すか、いかに「おいしく」見せるかという料理の最終工程に当たります。その作業のためのスタジオをマスタリングスタジオといいます。

このマスタリングスタジオは長い間”Sonic Solutions"というMACOSのソフトで作られるのが業界ではもっとも一般的で、今でも業界のスタジオの6割がこの”Sonic"を使っています。一部のスタジオではWindowsのWave labなるアプリケーションを使っているようですが、正直それほど”Sonic"と比べて飛びぬけてよい音だったという印象はありませんでした。しかし最近

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MERGING Pyramix 6.0(写真)が急激に注目されているようです。これはWindowsベースで動くソフトでマスタリングにもレコーデイングやシーケンスソフトも内臓しているいわばpro toolsに近いソフトですが、マスタリング用としてプロの現場で急激に普及しているようです。仕様は32bitでPCM44.1kHz~384kHz,DXDおよびDSD(1-bit 2.8MHz) まで対応可能というかなり驚異的なスペックといっていいです。音を聴きましたが本当に実在感、空気感がはっきりしています。アコーステイックな音をマスタリングしたりするのにはとてもいいでしょう。

このMERGINGなる会社はスイスの会社のようで「クラシック音楽」をよりよい音で録りたいという開発者の思想がこのアプリケーションソフトに反映されているようです。既にV社やS社のメーカーのマスタリングスタジオで導入されているようで、これが業界標準になる可能性があります。もしそうなれば32bitのマスタリングが業界標準になるかもしれません。まあCDにするには16bitに下げられるのですが、それでも元の音が違うと作られた音の印象がかなり違います。

ちなみにこのMERGING Pyramix 6.0で作った音の空気感、音の広がりはmp3ではきちんと再生されないでしょうね。まあ音楽配信やネットでの音楽戦略については追々このブログで書きますが、音楽配信がmp3で行われる限りは、ネットで本当の音楽の価値は伝わらないのではと最近考えるようになりました。例えは悪いですがこのマスタリングスタジオの音を一流レストランの料理だとすれば、mp3はやはりジャンクフードのレベルにしかならないと思います。まあインターネットのスピードが現行のFTTHより更に10倍以上早くなり、aiffかwavが配信で当たり前のように扱われるようになれば話は別ですが、mp3のレベルの音中心だと、音楽配信が本当にCDにとって変わるという考え方には私はどうしても懐疑的になってしまいます。

最後にこのソフトを使っているマスタリングエンジニアが私に言ったことがとても共感します。本当のよい音を作って世の中に出す、その使命を忘れてはならない」 最近いわゆるメジャーレベルからもメジャーとは名ばかりの音のクオリテイでCDを発売しているところが少なくありません。ですから確かに音楽のクオリテイの低下が叫ばれているのはわかりますが、こういう考え方を持っている人間がまだ音楽業界にいる、ということはもう少し多くの方に理解していただきたいです。私自身もそういうことを心がけて仕事をしていきたいと思います。

ちなみにもうひとつお勧めのマスタリングソフトですがMAGIX社のsequoiaです、コストパフォーマンス重視ならこちらでしょうね。これもWindows仕様でなかなかいい音です。いずれにせよマスタリングに関してはMAC OS中心からWindowsに移行しそうです。もともとOSX用の”Sonic Solutions"があまり評判良くなかったこともマスタリングの世界でのMAC離れが始まったのですが...

http://www.samplitude.com/eng/seq/uebersicht.html

ちなみにpro toolsiに関してはMACもWindowsも可能ですが、やはりWIndowsを使うとあまりよい音にはなぜかなりません。それにWindowsでpro toolsを使うとすぐにフリーズやクラッシュすることが多いようで、その関係で私もMACを引き続き使っています。一応MAC暦20年なので...

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2008年6月12日 (木)

pro toolsのクロックソース

今日はちょっと技術的な話です。

昨日レコーデイングを行ったのですが一つ問題が起こり、3曲録る予定が2曲しか録れませんでした。

原因はpro toolsデータのエラーによるもので、オケの音源が正しく再生されずスタジオ内で対応しようとしましたが結局、再度データを作り直すしかなく無念にもその曲のダビングを断念せざるを得ませんでした。

実はうちのスタジオはpro toolsとO2Rの組み合わせなのですがクロックソースをpro toolsのdigi002のa-datの方にしています。基本的にはそれで問題ないはずなのですがたまに設定でO2Rとpro toolsのサンプリング周波数が違うと今回のようなことが起きるようです。

例えば02Rがinternal clockの44.1KHZでpro tools内での録音の設定が48KHZだと、クロックソースのエラーで音源も正しく録音できず、テンポも不正確になってしまいます。時々いくつかの業務の都合上、48KHZでpro toolsを設定する場合があるとO2Rとのクロックソースが気がつかない時にずれてしまうことがあるんですね。今回もそれが原因のようです。

始末が悪いことに自分のスタジオで作業している時はなかなか気づかないものなんですね。外のスタジオで作業して初めてわかるという状況になります。しかし一方で事前のデモで事務所側から「テンポが遅い」という情報もあり変だなとは思っていたのですが原因はそれだったんですね。非常にうかつではありました。pro toolsとデジタルミキサーを組み合わせる場合気をつけないとこういうことが起きるんですね。

あとの2曲は2年前のリメークということもあり、順調に進んだのですがこれからあと一曲、やや強行スケジュールで望まなければなりません。まあ原因がわかり昨日帰りに設定に気をつけたら正常に動作したのが確認できましたので今度は大丈夫だと思います。

最近pro toolsはへたすりゃ96KHZなんていうサンプリング周波数もありますからね、ダビング作業を行う前に必ずそこを確認するクセをつけた方がよさそうです。

ということで今日はお恥ずかしい失敗談でした。

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2008年6月 2日 (月)

Your Favorite Enemies-彼らがグラミーをもし取れば音楽業界にとって「革命」になる

さて、先日当ブログの記事で「オバマ流の「草の根の広がり」のメソードを音楽プロモーションに応用できるか。」という記事でカナダのバンドyour favorite enemies" がmysapaceを通してファン層を広げ世界ツアーを開催するまでに発展したということを書いた。 

http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/kyoji/2008/04/post_a8a8.html

Your favorite enemies(音楽が聴けます)

http://www.myspace.com/myfavoriteenemies

公式サイトhttp://hometown.aol.com/__121b_erR4BR9l8Q83Dz5bx2/RRfM2suOVFCaGoqGGRcoVYofgkcecjd3wEw==

mixiを通して知り合った人から説明を受けたのだが、正直始め話を聞いていた時は半信半疑だった。勿論、インターネットが普及し個人が情報を発信する場合「理論的には」こういうことがありうる、とネット草創期からいわれていたことだし、一時私はそれに大きな期待もかけていた時があった。しかし殆どの場合は期待を裏切られることが多かった。特に魑魅魍魎、海千山千といった感じの人間が多いIT業界の人間層が余計にこの業界に対するある種の不信感を増大させたのである。それだけにこの話を聞いて「ホントかな」と思ってしまった。

具体的には専属のスタッフ(ボランテイア)が20名以上いて"your favorite enemies"のメンバー含め、全員がmysapaceでバンドをpromoteしており、そこでプロモートスタッフとバンドのファンが友達になってファン 全員に違うコメントと付け、個人的関係性をあくまで保ち続けている という方法。今日、本来はグループのリーダーでヴォーカリストのAlex Foster本人に会う予定だったが、プロモーションスケジュールの調整がつかず、残念ながら本人には会えなかったが、スタッフで元ボランテイア、そして今や彼らのマネージャーをやっている人に会うことができ、実際どういう風なことをやったのか直接聞いてみた。

彼らの音楽を聴いていて、実に強いメッセージ性がある音楽である。(英語だからわかり辛いだろうけど) バンドのリーダーAlex Fosterは音楽を通じて自分のメッセージを伝えたいという意思を強く持っており、彼のメッセージに共感して次から次へと「ボランテイア」も増えていったという。詳しい話を聞いていると今20-30人くらいのプロモートスタッフが各自「コミュニテイ」を形成して、"your favorite enemies"の音楽に共感した人と意見交換をきっかけにそのファンの人の悩み事等の「相談」の面まで行うことによってファンベースを築いていったという。それを2年間続けて、現在、ツアーを行うところまでになっている。

だが、彼らは決していわゆるメジャーにはいかない、メジャーに行けば自分たちのクリエイテイビテイがコントロールされてしまうことを知っているので、各方面からオファーがあるにもかかわらず自分たちのポリシーとしてそういう世界を忌避している。音楽の世界はどこの国でも多かれ少なかれ事情は同じなのだ。私も二十年くらいこういう世界で闘っている。今の世の中、アーチストが自分たちのクリエイテイビテイを維持するのは至難の業なのだ。彼らはそれをよく知っていた。

こういうやりかたは日本では勿論、世界的にもまだ稀有な例である。これが発展し彼らが本格的なスターアーチストとしての地位を築き、ましてグラミーなんか取ろうもんならこれは音楽業界にとって革命的なことになるのは間違いない。是非とも彼らにはがんばってもらいそういう例を作ってもらいたいと思う。

それにしても彼らと同じことを果たして日本でできるだろうか。正直難しいとも思った。特に昨今の日本社会全体にはびこる「思考停止」の風潮、そしてこういった「社会派」的なものー重い話というものが日本では忌避される傾向が強いこと、それらを考えるとどうなんだろう? でも彼らの音楽やメッセージは非常にシンプルでもある。要は音楽の持っているパワーが人を動かすという面がある。

ちなみにyour favorite enemies"のヴォーカリストのAlex Fosterはこういっていたという

「俺は、16歳から35歳までの自殺率が一番高い日本という国の問題を

どうにかしたいんだ。例え、俺にそれが出来る可能性がなくても、俺は

どうしてもやってみたい」と。

今回直接話せなかったが、彼はものすごい親日家で、世界ツアーの最初の地に日本を自らの希望で選んだという。彼のメッセージが日本人にわかりやすい形で果たして伝わるだろうか? 少なくともAlexは自分のメッセージを真剣に音楽を通して伝えたいと考えているようだ

しかしすごい参考にはなったし、ある意味ショッキングな出会いでもあった。今の音楽文化停滞の時代に少しでもこの流れを変えられる可能性を感じた。さて自分はこれをどのように吸収して自分のものにしようか、思案が必要だ。

ちなみに自殺者が多いというのと、若者がなかなか希望を持てないのは失敗者に冷酷な今の日本社会に起因している。

自殺大国と失敗に不寛容な社会は連動している

http://d.hatena.ne.jp/KyojiOhno/20080527

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2008年5月31日 (土)

リトラバ2の「明日への扉」-復活作業スタートです

かつて一世を風靡(?)した美少女系シミュレーションゲームのリトルラバース2のテーマソングだった「明日への扉」が弊社のアーチスト、奥津恵でリメークされます。これは同時期に発売された「ときめきメモリアル」とともに現在の「アキバ系」の先駆けとなった作品の1つです。いわゆる「第三次声優ブーム」の時代に作られたゲームです。ちなみに「ときめきメモリアル」のKonamiのプロデユーサーのSさんは恒例のメデイアコミュニテイの交流会でよくお会いしています。いうまでもなく恵を売り込んでいますが果たしてうまくいくでしょうか?

今からちょうど十年前にレコーデイングされたものですが、その時のマルチトラックデータはA-dat なために、今やそのレコーダーを持っているところが少ないので某スタジオに一台だけあったのを見つけたのでそれをpro toolsにダビングする作業を行いました。

ところがA-datをご存じの人はわかるでしょうが、通常複数のA-datをBRCというコントローラーで同期させるんですが、そのBRCがない、よく考えればもうSMPTEの外部同期って最近やらないんですね。そのため複数のA-datのテープをこの状態でぶっこむと時間軸が当然合いません。そのため あとでそろえるしかないということで、その作業を行いました。

ところが、 時間軸、あわせたつもりが全然合わないんですね。おかしい、A-dat使用時には完全に同期できたのに、一箇所があったかと思ったらまただんだんずれていく。部分部分、修正していくうちにこれはもう一度最初からmidiで流してpro toolaに入れたほうが早いという結論に達しました。

結局作業が無駄のようにも思えましたが、実は昔のアレンジの中でどうしても今回使いたいサウンドがあるのであとでpro toolsにインポートしようと思っています。 編集しながら、メンドサイケド

というわけでこの曲、うちの恵のヴォーカルで復活を遂げます。 ちなみに昔 I WISH というユニットで同名の曲がありましたが、それとは別物です。またややこしいことに作曲者が大野愛果なので余計間違える人が多いんですね。
結構今までいろんなところで歌わせているんですが、You tubeでオリジナルのPVが流れていたために結構知っている人がいたのは驚いています。オリジナルは声優さんが歌ったためにどこかアニメ的ですが、ヴォーカリストが歌うと全然違う印象になります。

この曲のリメークはもう5-6年前から考えていたのですが、なかなか自分が歌って欲しいと思うヴォーカリストに出会えませんでした。何十人試してやっとうちの恵に決まった経緯があります。

6月にレコーデイングを行います。6月はリリーズのレコーデイングと奥津恵のレコーデイングと2つ控えています。CMや会社の決算作業も済んだし、レコーデイングに向けて全力投球したいと思います。
<追記>
  リトルラバースの「明日への扉」は弊社のアーチスト 奥津恵のボーカルでリメークされ、ミニアルバム「未来」に収録されています。詳しくは奥津恵の公式サイトをご覧下さい
明日への扉
奥津恵 - 未来 - EP - 明日への扉

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2008年5月29日 (木)

CMのMA

本日八丁堀にある某マルチメデイアスタジオにてMA作業を行いました。

知らない人のため、MAとはMulti-Audio作業といいまして、映像のサウンドをまとめるのにマルチトラックレコーダーを使って最後はトラックダウンする作業です、昔はオープンリールのマルチテープを使っていた時代を私は知っていますが今は勿論、Pro toolsです。

こういう作業は昔からやっているんですが、音楽関係者でMAまで立ち会うというのは話によると私くらいだという話を聞きました。日本の名だたるアレンジャーや劇版音楽作家の大半はMAには来ないそうですね。

個人的にはレコーデイングにしろ、MAにしろ「スタジオ」という場所が私は好きなので、結構立会いも楽しいんですけどね。

そして本日、完成しました。明日納品だそうです。
6月にはオンエア開始だそうですので、その時には公開しようと
思います。一応ネット等で公開していい、という話を聞きましたので..

ちなみに音楽はもろにクラシック調です。ちょっとハイドンの某有名交響曲をパクリました。

地方CMとはいえ、なかなかよくできているんじゃないかなと自負しています。解禁になり次第発表します。

これで一段落しました。これでリリーズ関係と、それと奥津恵の新曲のレコーデイングも来月行おうと思います。しばらくその2件に全力投球します。

USJアトラクション-ファンタスティック・ワールド

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2008年5月24日 (土)

CM音楽完成

例の保険関係のCM音楽 ほぼOKをもらいました。

あとはMA作業を待つばかりです。

今回は結局「クラシック音楽」のパターンになりました。
たぶんCMを見た人はオリジナル音楽ではなく、普通のクラシック音楽ーそれもハイドン、モーツアルトといったロココ風ーだと思うでしょう

15秒の中でいかに説得力ある表現にするか、ですが実はCM音楽って
実質14秒がMAXなのです。規定により頭0.5秒と終わりの0.5秒を無音に
しないといけないからです。
だから秒単位、フレーム単位の作業が非常にシビアになります。
久々のCMの仕事なんで結構忘れていたこともあったりして...
ご迷惑をおかけしました。

でも結果的にはすごくよくまとまったものになると思います。
たぶんクライアントの受けもいいでしょう。

今月中に納品、たぶんオンエアは(中国、四国地方限定ですが)来月
でしょう。

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2008年5月23日 (金)

直るかどうかわからないけど、診るだけで二万円-

昨日の話の続き、クリエイテイブジャパンにエミュの昔のハードの修理する会社があるというのでEmulator IIIの修理が可能かどうか電話してみたらそういう答えが返ってきた。

そして仮に直る可能性があるにせよ、費用は天井知らず、いくらかかるか想像もつかない、という。

確かにそもそも部品自体が存在しない可能性が高いし、昔の仕様(特に基盤関係)なので今の部品が代用品になる可能性も低いという。特にハードデイスクがやられていたらもうお手上げとのこと。

まあ何せ二十年前に発売されたハードなんで、そういうことだろうと予想はしていたが、それでも取り合えず診るだけみてみようかと思っている。このサンプリングマシンは私のここ二十年近い業務キャリアとともにあったものだけに他の機材と比べても思い入れが深い。1%でも直る見込みがあるのならかけてみてもいいと思っている。

たとえが悪いけど直る保証のない末期がん患者に手術を受けさせるようなものかもしれない。

今月はドタバタしているから月あけに考えようか。
2万円はポケットマネーから出して僅かな可能性にかけることにしよう。

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2008年5月22日 (木)

Emuの名器、E III 昇天

さて、音楽制作作業中に突然愛用のサンプリングマシン、Emulator IIIがエラーを起し、ハードデイスクが読めない状況になった。

何回も電源を付け直したりしたが、Operating Systemやサンプリングのデータを読まない、ついに昇天してしまうのか?

このEmulator III 今から18年前に購入した愛用の機器でこれまで私の数多くのレコーデイングやイベント、作品に参加してきた。自分用のオリジナルプリセットもあり、うちの機材でも重要な位置を占め続けてきた。それだけに、ダウンしてしまったのは精神的なダメージも大きい。
またよりによって、重要な仕事をしている最中に

実は私は自分だけのオリジナルサンプルのプリセットをかなり作る習慣がある。だたプリセット音源だけを鳴らしているのではないのだ。当然そこにはこのEmuでしかない音がたくさんある。

この機械を私は十八年の長きにわたって使ってきた。私の絶好調な時代、まだ羽振りが良かった時代に5年ローンで買った当時最高級(といってもフェアライトやシンクラビアには譲るが)のサンプリングマシンだった。

しかしソフトシンセ全盛の現代、実はもうEmuのハードをサポートしている会社はない、ということが判明、関連のPCインターフェースやソフトシンセをクリエイテイブジャパンなるものが代理店となっているが、果たして修理できるか、そもそも部品自体がない可能性も高く、仮にあっても取り寄せになるのでかなり経費がかかる。その見込みも低いといわざるを得ない。明日一応クリエイテイブジャパンに連絡はしてみるが、期待は薄い。

ふーむ。ちょっと精神的ダメージが大きい。泣き顔
なんでこういう時にこういうことが起きるかなあ

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CM音楽制作開始

中国、四国地方限定オンエアですがある保険関係のCMの音楽制作開始です。

まあCMといっても地方CMなので予算はないですが、久々にオンエアもののオリジナル音楽を作るということで、気合を入れて作業を開始しています。

今のところ2パターン考えていますが、一つはクラシックオーケストラのパターン、もう一つはクラブミュージック風のリズムにデイストーションギターを鳴らすパターンです。どちらがはまるかはやってみないとわかりません。たぶんインパクトでは前者の方が圧倒的にありますが、「おおげさ過ぎる」などという人もいるかもしれないので、「無難な」パターンも用意しておきます。

デイレクターは「俺たちの世界」にも出演している俳優のMさん。 ドラマや映画なので活躍中ですが、映画や演劇のデイレクションも行っている人で今回CMは初挑戦だそうです。

日本ではなかなか映画監督だけでは食えない、というのもあるので こういう仕事もこなすことになるんですが、まあMさんは結構テレビ ドラマにもたくさん出ている人ですからまだいいですけどね。柱に なるものがありますから、 でもMさんは多才な人だと思います。私といっしょでアメリカ生活も長いという共通点もありますし ....

取り合えず作業開始です。

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2008年5月11日 (日)

よい音楽コンテンツに「お金を払う」という気に日本人は本当になってくれるのだろうか

いきなり話がそれるが新癒しの音楽チャンネルの第二十回放送がアップされた。

http://kyojiohno.cocolog-nifty.com/iyashichannnel/2008/05/post_3aac.html

このネット放送は20分間音楽をノンストップでオンエアするというポリシーで一年強続けてきたが、その方針の転換を行うことにした。というのもネットというものを自由でプロモーションを行うメデイアと位置づけ、かなりの時間以上の音楽のコンテンツを提示することにより、音楽のより有効なプロモーションチャンネルになりうるのでは、という期待があった。というのも音楽をフルトラック、しかも繰り返しネットだと聴けるということでそのことにより、癒し系の音楽のより本質を知ってもらい、音楽を好きになる人も増えるのではと考えていた。

しかし残念ながら一年以上それを続けて、全く成果がなかったわけではないが、期待したほどの成果を収めていないことがわかり、またネットにおけるコンテンツの価値の意識、権利、特にアーチストの権利に対する意識は一向に向上していないどころか、寧ろ逆にある意味では低下している感すら受ける。

実際にユーザーが「コンテンツにお金を支払うか」という点では既に7年前にジャパンインターネットコムがリサーチしており、「6割のユーザーが良いものならお金を払う」と解答しており、それが配信事業に対する期待をもたらした。

http://japan.internet.com/research/20010517/print1.html

しかし良いサービスであれば対価を支払うべき、とする声は多いが、あくまで「自分にとってそれだけの価値があれば」という条件付きである。実際、「支払っても良いとは思わない」としたユーザーからは、「そこまでする価値のあるものがない」という声も多く...

という条件つきだが、ここでポイントになるのはユーザーが「価値を見出すコンテンツ」とは何か、ということである。これがなかなかわからない。それに良く見ると「全てのコンテンツをフリーにすべき」もしくは、「コンテンツにお金を払いたくない」という層も4割いることを考えると、実質的に「コンテンツにお金を払う層」と「払わない層」ほぼ半々と考えていい。はからずも先日の私の記事「IT業界はコンテンツを無料で騙し取っていないか--著作権問題の奥にあるもの」を裏付ける結果となった。

結局日本人は形のないものにお金を払いたがらないのは事実のようである

私は音楽家だし、「音楽」を生業としている人間である。つまり音楽コンテンツを売って生活をしているのだが、最近時々「日本人は本当に音楽が好きなのだろうか?」と思いたくなることがある。

音楽が好き? といわれて「嫌い」という人は少ないだろう。だが口先では「音楽が好き」「音楽は文化」であるといわれても何かの場合には必ずといっていいほど音楽は後回しにされる。つまり音楽の重要性が語られる一方で、いつも最初に切り捨てられるのは音楽だ。だからあえてもう一度問いたい、「日本人は本当に音楽が好きなのだろうか?」。

よい音楽コンテンツに「お金を払う」という気に日本人は本当になってくれるのだろうか、と

勿論、巷にあふれる「音楽コンテンツ」、特に地上波で垂れ流しされているクオリテイの低い音楽がそういったイメージを下げている面はある。しかし実際には「大衆が目に触れないところで」クオりテイの高い音楽は結構多いのだ。日本での最大の問題はそうした音楽がなかなか広まらないこと。それの解決方法にネットがあるのでは、という期待があったようだが、例によってネットに期待しすぎると失敗する。今回も今のところそのパターンである。

また有料配信が日本でなかなか普及しないのは、セキュリテイに対する不安、特に個人情報の保護の意識が甘い、という面もありユーザーが日本のシステムを信用していないという面も大きい。日本のネットセキュリテイの甘さは海外のハッカーでは有名らしく、海外からの攻撃が耐えない、加えて企業のセキュリテイに対する意識もまだまだ低く、日本のファイアーウオールは穴だらけだという。そんなところで電子決済をして不安になるな、というほうが無理だ。

IT系業者側の個人情報の管理の意識の低さも問題だ。顧客情報をウイニーが装備されているパソコンに平気で移すなんてどうかしている。これは犯罪者に渡すために確信犯でやっているか、セキュリテイの感覚が麻痺しているかのどちらかだろう。(両方かもしれない) そうしたものへの管理体制、意識は日本にIT企業はまだまだ低いといわざるを得ない。これじゃユーザーがECやネットでのクレジット決済がなかなか普及しない原因もうなずける。とにかく何でも見境なくコピー&ペーストできるのが当然という考え方を変えるべきだが、ネットユーザー全般にその意識がしみついてしまっている。、

いずれにせよ、以上のような背景からネットに対するコンテンツ配信の方針、戦略をもう一度見直す必要を感じている。癒しの音楽チャンネルは続けますが、以前ほど頻繁に更新しないと思う。どういうコンテンツにした方が配信する我々も、そして勿論ユーザーもハッピーになるのか、それをもう一度考えたいと思う。

どういう方向にせよ音楽家として、音楽を生業としている者として、全ての音楽コンテンツが不毛になることだけは避けたい。

最後に「ネットに情報を出せば全てうまくいく」なんていってきてもいまどきそんなセールストークを真に受ける人はいないと思うよ。IT業界の営業部の諸君、一週間に必ず何回はこの類の連中のセールス電話に悩まされるが、正直うざったく感じているのも事実なので...

 iTunes Store(Japan)

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2008年4月23日 (水)

JASRACついに「包括契約」が終了に追い込まれるか?

■JASRACに立ち入り検査、音楽著作権新規参入を阻害
(読売新聞 - 04月23日 12:25)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080423-OYT1T00390.htm

前々から正直おかしい、と思っていた。カフェやライブハウス、その他の「演奏権」ではこういった契約を全く認めないくせに、なぜ放送局だけが、という風に思っていた

この「包括契約」を知らない人のため解説しましょう。

テレビ番組や(特にバラエテイ)などのBGMでお気づきと思いますが、テレビはレコード音源を好きに使っていいことになっています。その代わり年間グロスでいくら払うという契約をNHKや民放各局と結びそれを会員に均等に分配するという制度です。元々いちいち使用楽曲を報告するのは事務経費がかさむということでこういう「包括契約」にして欲しいという放送局側からの要望だったのだが、結局業界の力関係ですんなり決まった経緯がある。

そのくせカフェやライブハウス、ホール等ではそういった契約を認めずにいちいち報告させている。

これがあるため一般の人には殆ど知られていないがjASRAC以外にもe-licenseやいくつかインデイース系の権利信託団体があるが、放送局の「演奏謙」の分野に入り込めないでいる。ついでにいえば「演奏権」の使用権料はおそらくいずれもJASRACよりはるかに安いし、柔軟に対応してくれる。

アメリカにはASCAPとBMIという日本のJASRACに相当する著作権信託団体があるが日本では事実上JASRACの独占市場といわれてもしかたあるまい。e-licenseだって「外圧」で仕方なく認めただけ。

まあこの「包括契約」があるために私の所にも、使用意図不明の「放送局による使用権料」が入ってくるが(実際本当に使われたか不明ーたぶん使われてないと思う)これが廃止されたらそれもなくなるだろう。

ちなみに時々私の曲はBGM等でテレビ番組で使われているので、今度こそ正確な使用明細がわかるかもしれない。

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2008年4月19日 (土)

ライブご来場御礼とライブの模様

本日「音楽のまち、かわさき」の「いつでも誰でもコンサート」強風の日にもかかわらずご来場いただきありがとうございました。

本日の演奏、個人的にはいろいろ考えるところがありますが、まあそこそこ盛り上がったみたいなのでよしとしましょう。とはいってもブログでなんだかんだ説明してもおわかりにならないと思いますので、ここで私のソロライブをまだ見ていない人のために私のライブの様子をちょっとだけお見せしましょう。

昔から私の曲をご存じの方からは非常に人気がある"Short Story"という曲です。

「Short_Demo.wmv」をダウンロード

ちなみに同じ日にうちのアーチスト、奥津恵の新曲「君の笑顔を見てみたい」のライブの模様もYou tubeにアップしましたのでご覧下さい。この曲は私が「報道写真展」にて見た災害放送写真の災害に遭った子供たちのまなざしを見て、大野恭史が作詞作曲したものです。(ちなみに撮った写真家の名前は忘れてしまいました。ロバートキャパではなかったと思います)

http://blog.livedoor.jp/o_megumi/archives/425792.html

そんなわけで今後もライブ活動を続けますのでよろしくお願いします

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2008年3月29日 (土)

パイプオルガン録音

うちの会社は音楽制作全般を行っておりますので、通常のポップスからクラシック系のホール録音まで「音の制作」と名のつくものは全てやっております。今回はネット経由の問080329_091602 い合わせで、東京都町田市のO大学で新しいチャペル、ホールが竣工しその記念式典ならびに同チャペルに設置されたパイプオルガンの奉献コンサートの録音ということで録音スタッフとともに早朝よりセッテイングを行いました。

パイプオルガンはスイス・フェルスべルグ社製のもので確かに低音の響きとかすごかったですね。式典で前半は大学の合唱団とともに讃美歌等を歌ったり、学校のおえらいさんの挨拶等で後半はプロのパイプオルガンの演奏会という内容でした。一応依頼の内容はパイプオルガンの録音ということになってはいますが、式典の中なので本来ならチャペルの通路中央にマイクを置けば理想的なのですが式典なのでそれもかなわず、やむを得ずチャペルの2階の上にゼンハイザーの志向性のマイクを使用しました。(写真下)

080329_095501_2

パイプオルガンは考えようによっては古いシンセのようなもので、使用するパイプによって「フルート系」「トランペット系」という風に違った音色を出せるわけですね。余談ですがロック草創期に「キーボード」ではなく、よく「オルガン」(主にハモンドですけどね)が使われていたのもこうした特性があったからでしょうか?

このクラスのパイプオルガンはメンテするだけで大変でしょうね。一年中空調を聞かせて温度を一定に保って、なんてことをしなければならない。まあめったにない機会ではあったので楽しかったですが...

できれば次回は理想的なマイクの置き方で録音したいですけどね

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2008年3月26日 (水)

FM世田谷ーペットフリーク大集合!!

開局して十年になる東京のコミュニテイFM「FM世田谷」の開局以来からの長寿番組「ペットフリーク大集合!!」が今月で終了。その最終収録におじゃまさせていただきました。

Relax 実は私は「ペットと飼い主がいっしょにリラックスできる」ペットミュージックというCDを今から8年前にビクターエンタテインメントより発売しました。
http://homepage1.nifty.com/hyb-music/pet.htm

この「ペットフリーク大集合!!」は私はこのペットミュージックの音楽を一時はテーマミュージックのように定期的に流していただきました。この音楽のプロモーションに大きく貢献していただきました。

番組にも何回ゲスト出演したかも覚えていないくらいよく出させていただきました。コミュニテイFMの番組としては異例といってよい十年の長寿番組。パーソナリテイのよしりんこと武田佳子さん(写真前中央)、長い間お疲れ様でした。ちなみによしりんには私の会社の仕事で何回かナレーションの仕事もお願いしたことがあります。既に海外ドラマの吹き替え等で大きな実績がありますが、今後の活躍も期待できそうです。

Dsc03739

ペットフリーク大集合の関係者、中央がパーソナリテイのよしりん、右端が私です

よしりん'ずねっとわーくぶろぐ
http://blog.goo.ne.jp/yoshirins/

いつも3月、9月という番組とか改編するときって何か一つの時代が終わったという感じを受けますがこの「ペットフリーク大集合!!」の番組終了もそういうことを感じさせるできごとのように思います。改めて番組のスタッフの皆さん。長い間お疲れ様でした。

GREEN DOG:春のごはん祭

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2008年3月16日 (日)

いわゆる「癒し系」音楽というものについて

私は音楽業界の中では「癒し系」音楽の作曲家というイメージがある。これは私にとって必ずしも本意ではないのだが確かにヒーリングものとかたくさん出しているのでそういう風に見られるのはある程度仕方のないことかもしれない。そんななりゆきもあってご存じの通り現在「癒しの音楽チャンネル」なるネット放送もやっている。
しかし最近私の考える「癒し系」と世間一般に考えられている「癒し系」にはかなりずれがあるのではと感じている。

勿論いわゆるヒーリング音楽、ニューエージ音楽、アンビエントといったもののみが「癒し系」というつもりはない。音楽のジャンル、形式のみで区別するというのはナンセンスである。しかし一般には私が今述べた音楽よりはクラシック音楽や「バラード系」の方を「癒し系」というくくりかたをしていることの方が多いだろう、 しかしどうもそれだけではない、それも少し違うようである。

これは某広告代理店にプレゼンしたときの本当の話。今からもう2年ほど前の話だが、広告代理店から「癒し系」の音楽でノベルテイ企画があるのでプレゼンして欲しいといわれ音源も含め資料を提出したら「違う、自分だちの求めているのはこれじゃない」といわれた。後で聞いたらどうも夏川りみ、と中島美加(!!!)を考えていたらしいが、おいちょっと待ってくれよ。夏川はともかく中島のどこが「癒し系」なんだー と叫びたくなった(^^;;;)

どうも「癒し系」というものを単なるファッション、流行という観点しかとらえておらずうわべだけのスタイルだけで論じている傾向があるようである。

実際私はネットショップもやっているのだが「なぜOrange Rangeの「花」がないんですか?」なる問い合わせがきて困ったことがある。要はダンス系以外を全て「癒し系」といっているに過ぎないようだ。

うちのネットショップはGoogleで「癒し系音楽」とかヒーリングCDと検索すると上位に表示される。結構SEOも独学だがやっているしAdwords広告もやっているのである程度の売り上げがないと正直しんどい。おかげさんでアクセス数も多い時は100を越すし、平均60-70アクセスは毎日ある。しかしその割に正直いって売り上げは少ない。やはり今の商材では限界があるのかもしれない。「癒し系」といったものを今のような捉え方をしている風潮がある以上、やむをえないかも...

でも「夏川りみ」など扱うつもりはないが、たまたまうちでつきあいのある事務所はいわゆるバラード系、アコーステイック系をメインに出している所が多いので条件さえ折り合えばうちのショップで取り扱うことも考えようかと思っている。あとクラシック系の人ともつきあいがあるので一応その商品も考えようか。とにかくやり続けるためには売り上げをもっと揚げなきゃいかんから... そんなわけでうちのネットショップで扱って欲しいと思う方はご連絡下さい。但し一応店の性格上、以下の範疇に入るものに限らせていただきます。

1. 基本的に静かな音楽、ただしジャンルは問いません
 アコーステイックな音源を歓迎

2. 心が洗われる、泣かせる、精神が安定する、落ち着くetc
等の効果があると思われる音楽


当ネットショップのurl
http://www.healingcd.net
尚、「癒しの音楽チャンネル」でもオンエア曲を随時募集しています。当ネットラジオでオンエアし、うちのネットショップでも販売、ということが可能ですとすばらしいですが,
(但し癒しの音楽チャンネル」のオンエア曲はJASRAC信託曲でないものをお願いします)

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2008年2月22日 (金)

音楽配信伸びてるというけど

Ri01s_2 実は9割が着メロ(着うた)の売り上げだ。
つまり754億円のうち680億円がいわゆるモバイル(携帯)用の着うた、

いわゆるネットの純粋な意味での「音楽」の配信は59億円と全体の8%にも満たない。だから確かに伸び率は二桁ではあるがこのデータを持って「音楽配信市場が急成長」というのは正直しっくり来ない。

売り上げの9割が着メロ(着うた)という事実からもこれは音楽を単なる{ツール」として販売しているに過ぎず、本当の意味で音楽の表現を売っているのではない。先日私が述べた「ツールとしての音楽の売り方」というのがそのまま音楽配信の数字に反映しているということができる。

確かに「ツール」以外の音楽配信は30%伸びているといっても元々の数字が小さすぎて、当たり前だがCD売り上げの落ち込みをカバーできるようなレベルではない。だからこの数字を持ってもし「これで音楽配信がCDにとって変わることが証明された」かのように考えている向きがあるとしたらそれはあまりに早計である。いわゆるITの世界ばかり見ているとそう思えるのかもしれないが、ネットのコンテンツ配信の動向は、一部のアナリストが頭の中で考えるようには動かないものなのだ。

i-tunesでもビデオ配信、映画配信を始めた、だからDVDの時代はもう終わった、もはやDVDは無用の長物である、などと一部のITジャーナリストが云っているのを聴いたことがある。しかしおそらくそういう人は劇場で映画を見たり、ブルーレイのハイビジョン高画質で映画を見た経験のない人だろう。あれと同じ画質、クオリテイの映画を配信でやろうとしたら、いくらブロードバンドでも気が遠くなるくらいダウンロードに時間がかかる。ブロードバンドはあくまで現行のNTSC程度の画質レベルならリアルタイムで配信可能だが、ハイビジョンの情報量は桁違いであることを見逃している人が多い。

だからこういうデータが出てきても、音楽配信の未来に明るい展望は持てないし、だからこれを持って音楽業界が生き返るなどという考えには私は賛成できない。

2007年の音楽配信売上は754億円、前年比41%増~日本レコード協会調べ
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/02/22/18557.html

レコ協のプレスリリース
http://www.riaj.or.jp/release/2008/pr080221.html

 iTunes Store(Japan)

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2008年2月17日 (日)

ヨーロッパで演奏家の権利保護機関が延長を提案

欧州委員、ミュージシャンの著作権保護延長を提案

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/15/news036.html

意味がわからない人のために解説しますと「実演家」という表現は、クラシック音楽などは一応「再生芸術」といわれ、同じ楽譜でも「演奏家の個性」を芸術表現と考え、それに関する権利を「実演家の権利」といい「著作権」と同じ扱いをするものです。同じようにジャズでもジャズ演奏家によって同じ曲でも全く違う演奏(特にアドリブ部分等を入れると殆ど全く別の曲になります)になることからそれを「著作物」と認識し「実演家の権利」として規定している、いわば演奏家の持っている著作権のことをいう。基本的にはクラシックやジャズの演奏家を念頭においており、それ以外の音楽のジャンルでは作曲家=演奏家というケースが少なくないのでポップス関係ではあまりなじみがないかもしれない。

(注:これは原版権利者と原版権とは別のものです。よく「原版権」と「著作権」を混同する人がいますが「原版権」は音源に関する権利、「著作権」は著作者や演奏家といった「個人」の権利です。業界人でも結構混同する人間が多いのは困ったものですが..)

私自身も一応ピアノをはじめとする演奏家でもあり、そして勿論本職は作曲であるので理論上は2つの権利を持っているわけで、一応建前上は保護期間延長には基本的に賛成なのだが、実はこの提案を手放しでは喜べない部分がある。

私は音楽業界の現状云々とか、ネットプロモーションを強化すべきだと等の見解を述べていたが、勿論コンテンツの基本は権利ビジネスであり、権利保護には勿論賛成である。しかしだからといってただひたすら「保護する」「守る」という部分に過剰にこだわり、音楽コンテンツを広める行為に障害を起きるとしたら問題だ、というのが私の基本的な考え方である。(決して音楽の権利保護に否定的な見解を持っているわけではない、ここのところを一部の人がどうも誤解しているようである

しかし子供でも「過保護」に育てる、つまり甘やかされるとロクな人格の人間にならないのと同じで、過剰な保護は産業の体質をかえって弱体化し、新たなビジネスチャンスをみすみす逃してしまう結果になる。確かにネットの世界には「コンテンツの権利」に敬意を示したり尊重するという考えを微塵も持っていない輩は少なくないことは確かである。しかし本当にそういう連中の権利を踏みにじる行為(違法コピー等)を根本から絶つには寧ろネットの世界に積極的に打って出て、違法コピーの根をたつことをすべきであろう。音楽業界は洋の東西を問わずそれを怠ってきたのだ。

今回の「実演家の権利延長」は95年でこれはいわゆるSP盤の録音のクラシックの名盤の殆どが入ってしまう。これが実現すればクラシック音楽がいくら作曲家の著作権が消滅している曲でも演奏家の著作権が生きていればネットでの放送、ストリーミングは事実上不可能になるだろう。

しかし現実問題としてただでさえラジオのプロモーション能力が落ちてきている現状に加え、地上波のテレビはNHKは別として積極的にクラシックや昔のジャズの名盤をプロモーションするとは考えにくい。従って自由にクラシックのCDをプロモーションするメデイアというとネットしかないのが現状だ。この提案が決定されれば(たぶんされるだろう)クラシックのCDのプロモーション方法が、少なくとも音源を実際に聴く機会は殆どなくなる可能性がある。

何度も云うが権利保護は勿論重要である。しかし、子供を過保護にするのはかえって「惨い」育て方であるのと同様、「守る意識」が過剰になるとかえって自分の首を絞める結果になると思う。それが最近の音楽業界の停滞の原因の一つになっていると私は考える。

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2008年2月11日 (月)

2008年 グラミー受賞結果とその雑感(ネタばれ)

今年は50回目のグラミー、そうグラミー賞がもうけられてもう半世紀なのだ。まさにポピュラー音楽歴史そのものだ。グラミーは受賞可能な部門数だけでゆうに100を超えるので主だった賞の今年の受賞者は以下の通り

・最優秀アルバム 
River: The Joni Letters & Herbie Hancock

・最優秀レコード
Rehab:Amy Winehouse

・ソングオブザイヤー
Rehab:Amy Winehouse

・新人賞
Amy Winehouse

・最優秀女性ヴォーカリスト
Amy Winehouse

・最優秀男性ヴォーカリスト
Justin Timberlake

・最優秀グループ
Maroon 5

詳しくは(英語です)
http://www.grammy.com/GRAMMY_Awards/50th_show/list.aspx

尚、ちなみにグラミーはどんなマイナーな分野でも"CD"である以上受賞のカテゴリーをもうけていて、今年は大統領選のさなかで何と民主党のオバマ候補がナレーションの入っているCDを対象にした "Best Spoken Word Album" でグラミーを受賞している。グラミーの分野の深さ、裾野の広さを示しているといえよう。

それにしてもエミーワインハウス、露出狂とかかなり頭ヤバイんじゃないかとかいろいろいわれたけど、これだけ受賞できてよかったね。しかしグラミーでのパフォーマンスを見てもかなり「キテル」感じがした。数年前のジャネットジャクソンのような「オッ○イポロリ」はなかったけどね...

グラミーを見て面白いのはアーチストのパフォーマンスだ。全部あげるとキリがないが、私のブログにも書いたが昨年はガーシュウインの没後70周年ということでハービーハンコックとラン・ランとオーケストラの共演による「ラプソデイーインブルー」の演奏。全曲演奏すると17分にもなるので、勿論一部をはし折って(実際には全曲の2/3近くをカットしている)の演奏だが、アメリカが出した最も偉大な作曲家に対する敬意を忘れていないパフォーマンスだった。
 そしてジョンフォアガテイ、ジェリーリールイス、そしてリトルリチャードといったロック音楽の草創期に活躍したアーチストも出演。「古典的」なロックンロールだが、これが基本なんですよ。ここをきちんと把握していないとポピュラーミュージックの基礎を理解したことにはならない。それにしてもリトルリチャードは75歳(!!)というのにまだまだ結構歌える、まあ全盛期と比べりゃ声量は落ちているだろうけど...

ちなみにあくまで噂でマ○ケル○クソンがサプライズ出演するというのがあったが、結局出てこなかった。

まあお祭りなんで楽しくやろう、でいいのだがここからは真面目な話
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今まで何度も深刻な音楽業界の状況について述べてきたがアメリカもヨーロッパも基本的な部分は変わらない。ある意味ではアメリカの音楽産業は日本以上にロコツにネットメデイアとかをつぶそうとしている。それはCRBという著作権の管理徴収団体がインターネットラジオ局に対して 直接著作権使用料の徴収を2006年1月からに遡って行うという内容でしかも、この法案はすでに可決されており、各ネットラジオ局やYahoo!など多数の団体からの異議申し立てについても、それを認めない決定を同年の4月17日に行っている。これは事実上メジャーアーチストの曲をネットラジオでオンエアするのを事実上不可能にする法律である。

日本は既にJASRACの規定によって事実上JASRAC信託曲はネットラジオで流せない体制が続いている。私の「癒しの音楽チャンネル」もそのためJASRAC信託曲はネットで流すことができない。(著作権消滅曲は別だが)

またラジオ業界も深刻だ。日本のラジオ業界はもともと駄目だが、アメリカのラジオ産業もイラク戦争以来、崩壊している。はっきりいえばネオコンとそれを支持する人たちが事実上アメリカのラジオの公正さ、音楽のプロモーション機能を事実上崩壊させてしまった。アメリカの音楽文化を支えていたメデイアがその機能を果たせなくなったのだ。

そんな状況でアメリカの音楽産業もかなり深刻な状況ではある。日本人は文化の面では海外なら何でも日本よりいいだろうと考えがちだが音楽業界人のメンタリテイは日本もアメリカもヨーロッパもそう大差ない。

しかし決定的に日本と違う点がある。しかもその違いは日本の音楽産業にとってある意味致命的だ。

それはアメリカもヨーロッパも日常生活に音楽が根付いているところだ。アメリカの白人はカントリー、黒人はR&B ソウルが基本、そして勿論その両者の音楽的要素が往来し、白人がソウルやラップをやることも珍しくなくなった。いずれにせよ「生活」の中に音楽がしっかり入っている。

日本は残念ながらそうではない。着メロ?カラオケ?それがあるから日本でも生活に音楽が入っているじゃないか。と思っている人がいたらそれは生活の中に音楽文化があるというのはどういうことか理解していない人だ。特にJ-popしか聴かない人に顕著だが日本の場合音楽は単なる、友人や職場のコミュニケーションツールに過ぎない。実際そういう人たちが音楽のルーツのゴスペルやブルース、ロックンロールといった「自分たちのルーツの音楽」についてきちんと理解している人たちはどれだけいるだろうか?日本という国できちんとそういったバックグラウンドを持って、日常や生活の中に音楽を文化として持っているのは私の知る限り沖縄県の人たちくらいである。

要は日本では「音楽文化」といっても「作られた」ものだ。日常生活にはゴスペルもなければロックンロールもない、いわんやジャズもクラシックもない。ただ「流行っている」からそれをコミュニケーションの道具として考えているに過ぎない。カラオケBOXにいってレパートリーがないと恥ずかしいから、というものでしか存在理由がない。はっきりいってまだ演歌の方が田舎にいけばまだ生活に根付いているだろう。あとはみんな表面上のできごとに過ぎない。

つまり残念ながらせっかくあれだけ多くの音楽の情報が流れ込んでいながら結局、どれ一つとして本当の意味で「音楽文化」として根付いていないのだ。アメリカにもヨーロッパにもそれがあるだけ日本よりははるかにましである。

勿論音楽クリエーターの端くれとしてそれを作って来なかった、作れなかった私自身にも忸怩たる思いがある。今状況が深刻だけにグラミーを見ても寧ろ憂鬱な気分になってしまうのであった

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